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第
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節 旅行者の移動の静的要素にみる市町村の機能第
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章ではまずOppermann(1992)の動的要素と静的要素から移動パターンの解明を
同様に札幌市や福岡市も移動量や出入国前後の最初・最終目的地と宿泊地として利用し た対象者数をみると、重要な拠点ではないが、2 時間以上の滞在者数に対する割合では出 入国地として利用される傾向にあり、東京
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区や大阪市とは異なる独自の移動ルートを 形成していると考えられる。また、都市は宿泊率の高さと非宿泊滞在での滞在時間の長さも特徴となっていた。都市 は多様な観光対象と宿泊施設の集積により、旅行者に移動や滞在に対する大きな利便性を 提供することが可能であるため、このようなゲートウェイ、宿泊拠点、非宿泊滞在拠点と いう静的要素の多様な役割を担っていると考えられる。
一方で、都市として高い宿泊率を示しながらも、出入国地としての機能は有していない ものも存在している。その例として挙げられるのが広島市である。広島市は第
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節で確認 したように、大阪市と京都市との移動量が全移動と宿泊地間の移動ともに高い値を示して おり、重要な移動軸を形成する市町村である。また、国際便も就航する広島空港が広島市 から鉄道1
時間圏内にあるにもかかわらず、出入国地点として利用されていなかった。観 光庁(2015a)によると、直行便が就航する中国、韓国、台湾からの旅行者の広島県訪問 率はそれぞれ1.0%、 0.7%、 1.5%であり、全体平均 3.5%を下回っている。このような直行
便の就航と旅行者の出身国・地域の志向との差が広島市の出入国地としての役割の低さに つながっていると推測される。そのほかにも高山市や金沢市、松本市、神戸市、富山市、大津市など、各県の県庁所在 地もしくは中心都市も高い宿泊率を示すが、出入国地としての機能は第
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節で確認できな かった。金沢市は小松空港が金沢駅から鉄道で1
時間圏内に、富山市は市内に富山きとき と空港が立地し、中国、韓国、台湾からの直行便が就航しているにもかかわらず、利用さ れていなかった。観光庁(2015a)において、石川県訪問者の226
人中104
人が成田空港 をから入国しており、富山県訪問者195
人中93
中部国際空港から入国していることから も、両都市はゲートウェイとしての役割を担っていないことが読み取れる。上記の都市の周辺地域は出入国地として、宿泊地としての機能が弱い市町村が確認され た。たとえば、浦安市や鎌倉市、武蔵野市などの東京周辺市町村や、奈良県や姫路市など の大阪市と京都市周辺市町村、廿日市市や小樽市、白川村などである。軽井沢町や富士河 口湖町、下呂市や由布市など別荘地や温泉地としての性格を有する市町村は宿泊率が高い 傾向にもあったが、全体的には都市のほうが宿泊地としての性質が表れていた。
これまでの傾向から市町村の機能の特徴として以下のことが挙げられる。まず、各都道
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府県の中心都市もしくは県庁所在地は高い宿泊率を示し、宿泊拠点となる。都市は多様な 観光対象が存在する観光地として存在するだけでなく、ビジネスと商業の中心的な存在で もあり、ビジネスはビジネス旅行者を発生させ、都市での宿泊施設利用者を創出する(杜、
2010)。このようなビジネス旅行の目的地としての都市は、都市における宿泊施設の集積
を促し、結果として訪日外国人旅行者の移動において、宿泊拠点となっていると考えられ る。関連して、都市はビジネス旅行者の目的地であることから、航空など交通機関の結節点 となる(杜、
2010)。しかし、都市のゲートウェイとしての結節点の強さには強弱があり、
最も強いゲートウェイの機能を示すのは、東京
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区と大阪市であり、その次に札幌市や 福岡市、名古屋市が地方のゲートウェイとして重要となる。最後に、広島市や金沢市のよ うにゲートウェイとしての機能が強くない市が挙げられる。国際観光の場合、出入国地は空港における国際便の就航の有無に大きく左右されてしま う。また、広島市の例で推測されるように国際便が就航していても、就航する国・地域の 旅行者のニーズと市町村が提供する観光対象に差異がある場合、出入国地として選択され ないと考えられる。2015年以降も地方の空港に