LDA)
SO 4 の吸着
性、再利用可能、わずかなPd漏洩量、リリース&キャッチ機構)のパラジウム触媒を開 発する事が可能か検討した。
はじめに、このSAPdと同様のパラジウム触媒を他の基板で代替する事を目的とし、第 一原理計算を用いて金基板におけるピラニア処理後のSO4吸着、さらにSO4 とPdの共 吸着について調査した。さらに、比較的高価な金の代替となる安価な基板、グラフェンや 六方晶窒化ホウ素の提案を行った。本研究の結果よりSAPdと同等のパラジウム触媒の 基板として使用する条件をこれまでの結果を踏まえて、ここに挙げる。まず、第一に基板 の選択が挙げられる。
基板の選択
まずはじめの条件として、SAPd同様に基板の下処理を行うとして、硫酸と過酸化水素 水との混合液を使用しているピラニア処理に耐えられる基板を選択することが重要である と言える。さらに、高価である金基板の代替として選ぶわけなので金基板より安価である ことが条件である。そこで、本研究ではこの条件に当てはまる、硫酸に溶けないグラフェ ンや、どんな無機酸にも影響されない六方晶窒化ホウ素を金基板の代替として提案した。
93 よりはるかに小さい事がわかる。これより、反応溶液からPdの回収率が下がる可能性が 考えられる。そこで、グラフェンのごく僅かなC原子をN原子へと置換する事で、グラ フェンの基板自体を正の値に帯電させる事でより SO4 を吸着しやすくするなどの工夫を することで、SO4 の吸着エネルギーは大きくなり、より強く基板に定着させることが可能 となり、リリース&キャッチ機構を備えた基板の改善の可能性が大きく示された。
再利用パラジウム触媒の基板
これらの結果を踏まえて、固体担持パラジウム触媒の再利用を行う上で有力な条件とし て基板へのSO4 吸着が重要である。ピラニア処理などによって表面の有機物を取り除く 役割だけでなく、SO4 を定着させる事で、パラジウムの過剰漏洩を防ぎ、さらに、触媒 反応後にパラジウムの基板への帰還を促進する。さらに、本研究で着目しているような再 利用可能パラジウム触媒を作成する基板として使用する為には、SO4 が定着できる基板 であることが重要であり、基板の下処理として使用される硫酸や無機酸に耐えられる基板 が必要条件であるといえる。従来の不均一系パラジウム触媒を開発する上でSO4 吸着は 見逃されていた点であり、これからのPdの漏洩量の制限やリリース&キャッチ機構を備 えた、高活性かつ再利用可能で安価なパラジウム触媒の開発への手がかりになると考えら れる。
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第 8 章
総括
本研究で得られた結果についてまとめる。