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1500

- 1000

500

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600

図3

-1 0

亜硫酸酸化法による物質移動容量係数から

計算される培養液中の水素と酸素の物質移動容量係数

500

(Kl_a)s (1/h)

Volumetric mass transfer coefficient in sulphite solution

-90-400 300

200 100

質移動係数( k L・)と, 反応吸収の場合と同ーの流動条件下での仮想的 な物理吸収における液相物質移動係数( k L )の関係は次式で表される.

kL・= {3・kL (54)

ここで, (3は反応係数と呼ばれる値であ り, 常にPミ1である. 培 養系ではFの値は1よりほんのわずか大きい程度の値となる. しか し, 微生物細胞が気泡に付着するような場合でも戸の備は1 .2程度と

いう. 一方, J. L . Rolsら2 ø )はガスベクターを用いた実験において,

気泡から液徐を経ずに直接菌徐内にガスが拡散する経路の存在を 定している.

3-7 ガス移動の制御因子と 物質移動容量係数との関係

発酵槽の物質移動容量係数に影響をおよぽす因子として通気速度,

かくはん強度, 培養液のレオロジ一等がある. A. e utrophu sのガス培 養では, 培養の溶存ガス濃度はおもに供給される ガスの分圧とかく

はん速度によって 制御される. 酸素の場合, これらの制御因子の中 で, かくはん強度が発酵槽のガス移動速度に最も影響を与えること が知られている21). 3-6節でも述べたように, 排気ガス分析法によ って得られた水素 と酸素の物質移動容量係数は, gassing out法によ って得られたものよりも良好な線形関係を得ることができた. そこ で, 排気ガス分析法によって得られた値を用いてかくはん速度と水

素と酸素の物質移動容量係数との関係を調べた.

図3-11は, かくはん速度(N)と水素と酸素の物質移動容量係数 (KLa)H, KLaを両対数プロ ットしたものである. この図から, 水素と 酸素の物質移動容量係数とかくはん速度は両対数プロ ットすること で線形化できることが示された. 培養系の水素と酸素の総括物質移 動容量係数とかくはん速度との関係式と括弧内に相関係数を以下に

示す.

(KLa)H=O.00130Nl.86 (0.953) (55) KLa=0.017 2Nl.43 (0.998) (56)

さらに亜硫酸酸化法による酸素の総括物質移動容量係数とかくはん 速度の関係式 と相関係数を以下に示す.

(KLa)s=O.11N1.10 (0.99 2) (57)

このように両対数プロ ットにより, かくはん速度と物質移動容量係 数の間に良好な線形関係を得ることができ, かくはん速度から水素 と酸素の物質移動容量係数を予測可能であることがわかった. (55) 式と(56)式から計算によって求められる培養系の水素と酸素の総括 物質移動容量係数を図3-12に示す.

-92・

7.5

(KLa)H

7.0

6.5

(句JX)C一

6.0

KLa

5.5 6.9

7.5

かくはん速度と物質移動容量係数の両対数プロ ッ

7.4 7.3

7.2 In

(N)

7.0 7.1

図3

-11

(Kl_a)H

Kt_a

2000

1500

1000

500

{工\F}HC20一位ω00」ωBcgHωωのEoEOEコ一O〉

1500 2000 2500

Agitation

[rpm]

1000 500

かくはん速度と総括物質移動容量係数の関係

-94-図3-1

2

3-8 小括

水素酸化細菌のガス培養では, 今日ま で発酵槽内掃入型の溶存水 素電極を用いて培養液中の溶存水素圧を直接測定した例はい. しか し, 第二章で詳説した溶存水素電極を作製することで培養液の溶存 水素圧の測定が可能になった. そこで, 本章ではすでに確立してい

る酸素の物質移動容量係数の測定方法を, 水素の物質移動容量係数 の測定に応用し, A. utrophusの培養液を用いて培養系の水素と酸素 の総括物質移動容量係数の測定方法を種々検討した. 結果骨 水素の 物質移動容量係数の測定においても, 電極の時定数を考慮する必要

のない排気ガス分析法がgassing out法よりも優れていた. しかしな がら, 小規模の培養槽の水素と酸素の吸収速度を測定するには

gassing out法によって溶存ガス濃度の減少量を測定する方法の方が,

培養槽の出入口の物質収支をとる方法よりも優れていた. そこで,

これらの長所を組み合わせた方法によりA.e utrophusの培養系の水素 と酸素の培養系の総括物質移動容量係数を求め, これらの関係が以

下の関係式お よび相関係数

(KLa)H=0.280(KLa)1.29 (0.930)

で表せること, また, 培養液の酸素の総括物質移動容量係数と, 培 養槽の物質移動能力の評価に用いら れている亜硫酸酸化法による酸 素の総括物質移動容量係数の関係が以下の関係式および相関係数

KLa=0.347(KLa)Sl.27 (0.970) で表せることを明らかにした.

さらに, 培養系の水素と酸素の総括物質移動容量係数および亜硫 酸酸化法による酸素の総括物質移動容量係数と, 物質移動容量係数 の制御因子の一つであるかくはん速度との関係は以下の関数および

相関係数で表せることが明らかとなった

(KLa)H=0.00130Nl.86 (0.953) KLa=0.0172N1.43 (0.998) (KLa)s=O.llNl. 1 ø (0.992)

以上の関係式から, 培養系の水素と酸素の総括物質移動容量係数は,

亜硫酸酸化法による酸素の総括物質移動容量係数から推定すること が明かとなったが, また, 亜硫酸酸化法のKLaとかくはん速度関係が

明かとなった培養系では, かくはん速度から水素のKLaも推算できる ことを明らかにした. これらの関係はさらに, 第四章で述べる

A.� utrophusの独立栄養的培養において, 水素と酸素の菌体による要 求童と培養装置の供給能力との関係を明らかにするために必要とな る.

ー96-第四章 独立栄養培養における酸素と水素の要求童と供給量の関係

4-1 一='"仁コ

対数増殖期における水素酸化細菌A1ca1i�enes eutrophu s ATCC 17697の元素分析の結果, 本菌は各基質ガスからそ欠の化学重論式にし たがって菌体を形成していることがわかっている1 )

21.36H2+6.2102+4.09C02+O.76NH3→C4. �9H7. 1301. 89Nø.76+18.7H20

の化学重論式にしたがい ,炭酸ガスを基準にしてガスの要 求量を比較すると, 水素:酸素:炭酸ガス=5.22:1.52:1になる. こ の比率を基に計算すると, 混合気787 1(30・C,l atm)から, 97. 1 gの 菌体と337 m1の水が生成することになる. 張り込み量1 1の培養槽を 用いたと仮定すると, 787 1の混合気が完全に消費し尽くされた時点、

で菌体97.1 gが培養槽中に生産され菌体濃度72.6(=97.1/1.337) g/lが得られる. 実験に使用している15.5 1のガスチャンパーにこの

の混合気を充 填して培養を行 う ガスチャンパ 内の混合 15.5 1が完全に消費し尽くされたときには, 100 m1の培養液中には 1.91 gの菌体と6.64 m1の水が生成し, このときの菌体濃度は計算上 では(1.91/0.10664=)17.9 g/lとなるはずである. しかしながら, 水

素:酸素:炭酸ガス=5.22:1.52:1の混合ガスを培養槽に通気しなが ら培養を行 う 場ガス培養液中に 溶る 溶存量 は

Bunsen吸収係数とHenryの法則を用いて計算すると, 水素512 μ moJ

11, 酸素 2 28 μmo1/1, 炭酸ガス3840 μ mol/1となり, これら溶存ガ

スのモル比を炭厳ガスの濃度を基準にして計算すると, 水素:駿素 :炭酸ガス=0.133: 0.0593: 1となる. このように, 菌体増殖のため に菌体が要求するガス比率と, 供給される溶存ガスの比率とは全く

異なった比率となって しまうことがわかる. ここでの溶解度の計算 にはBunsen吸収係数(30・C,l atm)を用いた. 化学便覧に記載されて いるBunsen吸収係数は, 水素0.01699, 酸素0.02608, 炭酸ガス

0.665 [ml/m1-H20Jである2).

一方, 本菌のガス培養では酸素を溶存酸素分圧が0.048 atmとなる ように制御して供給したとき, 最大比増殖速度0.4 l/h程度が得られ ている1). したがって, 培養の増殖速度を高く維持するためには,

この溶存酸素分圧の値を維持し続けなければならない. また, 水素 と酸素の供給制限も本菌の対数増殖を維持する条件である. さらに,

本菌の培養に用いるガス基質は水素爆鳴気となることが考えられる ので水素爆鳴気を回避するガス組成も考慮する必要がある.

本章では, 以上の既知データおよび実験結果を踏まえ, 本菌の大 量培養を行う際に問題となる難溶性ガスの水素と酸素の供給量と菌 体による要求霊との関係を明らかにすると共に, システムの安全性 を確保するための 基質ガス組成を爆発範囲外に維持する条件, 菌体 を対数増殖させるため に水素と酸素の供給が律速とならない条件を

-98伊

考慮し, これらの諸条件を満足する培養条件の検討を行った.

4-2 対数増殖期の菌体による基質ガスの要求量と供給量の関係

培養液中に溶解した基質ガスは菌体によってのみ消費され, 培養 液の成分とは全く反応せず, また培養液中からは新しいガスの発 はないと仮定して, 主.e utrophu s ATCC 17697の化学童論式から対数 増殖期の菌体によるガス消費速度を計算した. 本菌の対数増殖期に おける菌体生成の化学重論式から, 分子式C4 . ø 9 H7 .1301.89 Nø. 7 6を 1 mo1と定義したとき, 1 mo 1の菌体, すなわち97.1gの菌体を生じる とき水素21.36 mo1を消費し0.336 1(18.7 mol)の水を生じる. よっ て乾燥菌体X gを生成するのに必要な水素量はO.220X mo1(=X/97.1*

21.36 mo1)で与えられる. 培地の張り込み量をV (1), これに菌体の 生成によって生じる水の増加重を加えた培養液量をv (1)とすれば,

菌体がX (g)生成したときの培養液量は, v=V+0.00346X l(=V+

X.O.336/97.1)となる. この時の菌体濃度(見かけの菌体濃度)は X/v (g/l), すなわちX/(V+0.00346X) g/lと表される. ここでX/Vを真の 菌体濃度(菌体の増加に伴って生じる水の量を差し引いたときの菌体 濃度)とすると, 見かけの菌体濃度(X/v)(実験値)から真の菌休濃度

(X/V)をX/(v-O.00346X)によって求め ることができる. 真の菌体濃度 が求められると比増殖速度がμ (líh)のときの水素消費速度( r r1 )は,

rH=0.220(X/V)・μ/V ( 1 )

=0.220X'μ

によって求められる. 同様に酸素の消費速度( r)は(2 )式のように表 せる.

r=0.0640(X/V)・μ/V (2)

=0.0640X'μ

一方, 物質移動の定義式より, 水素の物質移動速度(HTR)は三章の

( 11 )式から

HTR=(KLa)H'HH{(P)H-(PL)H} (3)

である. 同様に酸素の物質移動速度(OTR)は(4)式のようになる.

OTR=KLa'H(p-PL) (4)

ここでさらに, 培養系で得られた水素と酸素の総括物質移動容量係 数の関係式(三章(52)式)

(KLa)H=0.280(KLa)1.29 を(3)式に代入すると(5)式を得る.

HTR=O. 280(KLa) 1.29・HH{(P)H-(PL)H} (5)

(5)式を用いれば培養系の酸素の物質移動容量係数を用いて水素の物 質移動速度を求めることができる.

さらに, 亜硫酸酸化法と培養系で得られた酸素の総括物質移動容 量係数の関係式(三章(53)式)を用いると

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