通信販売事業部 ウェブストア課 渡邉 麻衣子
とともに》
●2009年度の育児休業、介護休業などの取得状況
2009年度の育児休業、介護休業などの取得状況は上表の通り です。両立支援に対する理解の浸透、有期雇用契約社員への制度 の適用等、制度を利用しやすい環境の整備に取り組んできました。
その結果、育児休業制度の利用者数は5年前の2倍、出産・育児 を理由とした退職者の割合が25%と5年前のおよそ半分となるな ど、制度を利用して仕事を続ける女性従業員の比率は年々高まっ ており、一定の成果が現れてきています。
一方、職場環境によって制度利用のしやすさにバラつきがある など、課題があるのも事実です。このような課題の解決に向け ては、男性従業員の意識の変化や理解も必要であり、そのために は、男性の育児休業取得を促進する取り組みも必要であると認識 しています。
●次世代育成支援対策推進法に基づき、
「㈱ワコール行動計画」を策定
仕事と育児の両立支援をさらに推進していくために、2010年 4月、次世代育成支援対策推進法に基づいて「㈱ワコール行動計 画」を策定しました。
行動計画では、
①育児を行う従業員に関する超過勤務免除制度について法定を 上回る内容に改善する。
②男性従業員の育児休業の利用を推進し、取得率10%以上を 達成する。
③育児を行う従業員の「働きかた」及び「休みかた」の選択肢を増 やす。
④実労働時間を削減することによりワークライフバランスを推 進する。
の4つの目標を掲げています。
制 度 期 間 取得者数
育児休業 最長満2歳に達した月の月末まで 139人 育児短時間勤務 最長満3歳に達した月の月末まで 65人 介護休業 通算で要介護者1人につき365日まで 3人
介護短時間勤務 1人
㈱ワコール
とともに》
①では、子どもが小学校に入学するまで延長する等、
②では、短期休業者の一部有給化、対象者に対する働きかけの 実施等、
③では、30分単位の選択を可能にする等、
④では、「早く帰れる」「休める」ような労働環境の改善、ノー残 業デーの全社的推進等、
を取り組み事項とし、従業員の仕事と家庭の両立を支援すること を通じて、従業員の持つ能力を最大限に発揮できるようにしてい きます。
● 「ワコール寺子屋」
~多彩な人材育成のための制度とプログラム~
男女を問わず、ただ指示を待つのではなく、ポジティブ思考 で、自らのキャリア形成に積極的な人材をワコールでは「自律型 人材」と呼び、その育成を目的とした人材育成制度とプログラム を整えています。OJTに加えて「階層別支援」「キャリア開発支援」
「自己啓発支援」などを用意し、「ワコール寺子屋」の名称で実施し ています。
「階層別支援」では、主に課長職未満の従業員を対象としたリー ダーシップ研修、課題解決研修、さらに論理志向(クリティカル シンキング)を身につける研修プログラムなどを用意し、管理職 または高度な専門性を有する専門職として必要なスキルアップ支 援を行っています。
同じく課長職未満の従業員を対象とした「キャリア開発支援」で は、異動の希望を申し出ることができるジョブチャレンジ制度、
さまざまなプロジェクトに参加できる社内公募制度があり、「自己 啓発支援」としては、自己啓発に対する資金援助制度、100近い メニューの通信教育受講支援などがあります。
「自己啓発支援」はもちろん、「階層別支援」「キャリア開発支援」
を含めて“公募型”とすることで、従業員の自発性を重視したサポ ート体制を整え、自律型人材の育成に努めています。今後、ます ますこうした制度やプログラムが活用されるよう、プログラムの 見直しとともに、自主的なキャリア形成に対する従業員の意識、
意欲を醸成するための取り組みを継続的に実施していきます。
役インタビュー
企業における監査役会は経営に対する監視・監 督機能を果たす機関。ワコールには5人の監査役 がおり、そのうち3人が社外監査役。その中のひ とり、弁護士の竹村葉子氏に「社外の視点」から ワコールを語っていただいた。
社会の変化に対応できる、
「品の良い」会社であり続けてほしい
㈱ワコールホールディングス 社外監査役 竹村 葉子 氏
役インタビュー
やみくもに「利に走らない」
会社ですね
—— 顧問弁護士として15年間、その後は 社外監査役として5年間、大所高所からワ コールを見てこられたわけですが、社外の 立場であるが故に、私たち社内の人間では 気づかない、見えていない、ワコールの良 さ、また逆の「改善していくべき点」などを 感じておられると思います。そのあたりを お話しいただけますか。
竹村 ひとことで言うと、とにかく「品の良 い会社」ですね。ギスギスしたところがない、
と言うか、大らか、と言うか…。
ワコールさんとのお付き合いは約20年に なりますが、その間、法的な決断をしなけれ ばいけないようなトラブルがなかったわけで はありません。しかしそんなときでも、「まず は相手の立場に立つ」という姿勢を貫かれて きました。取引相手に損害賠償を求めてしか るべき場合であっても、相手の立場をおもん
いに誇っていいと思います。
私の所属する事務所の代表パートナーの弁 護士から聞いた話で、とても感心したことが あるんです。40年ほど前のことですが、ワ コールが東京で社員寮を建設するための工事 をしていたら、埋蔵文化財が出てきたそうで す。当然、工事は中断され、普通なら「早く 工事を再開してほしい」と思いますよね。と ばかり、ビジネスライクな、ドライな行動に
走ることには常に慎重でした。
つまりは、けっして利益至上主義の会社で はないんですね。ヘンな駆け引きもしない。
当初は、なぜこんなに品の良い会社なのか疑 問に思っていたのですが、経営の基本に「商 売の正道を踏む」ということが据えられてい るのです。正道を「歩む」ではなく「踏む」。歩 むというのは意識せずとも足を出せば歩める けれど、踏むというのは意識しないといけま せん。「商売の正道」に対する、そんな強い意 識が会社の品格につながっているんですね。
これが「相互信頼」という社是に表れていると いうことも、お付き合いをしているうちに理 解できるようになりました。
—— 「相互信頼」はすべての原点であり、
CSRの目標としても「社会との相互信頼」を うたっています。
竹村 やみくもに「利に走る」ことなく、「社会 との相互信頼」を大切にするという姿勢は大
株主総会
経理部 人事企画部 社長室 IR・広報室 経営企画部
法務・コンプライアンス部 総務・資産管理部 四半期 業績確認会
監査室
企業倫理委員会 情報開示委員会 リスク管理委員会 ・コンプライアンス委員会 ・品質保証審議会 ・事故・災害対策委員会 ・情報セキュリティ対策委員会 ・環境委員会
グループ 経営会議
取締役会 社 長 副 社 長 監査役会
㈱ワコールホールディングス コーポレート・ガバナンス体制
役インタビュー ころが創業社長は「当社は日本の文化を守る
ために存在するのだから、ゆっくり、いつま でも発掘してくださって結構だ」とおっしゃ ったそうです。そんなことからも「商売より も社会への責任を優先させる」という姿勢が 表われています。
ピンクリボンをはじめとした多彩な社会貢 献活動も、「商売よりも社会への責任を優先さ せる」という姿勢の表われだと思います。ま た、「ワコール人間科学研究所」が蓄積してき た日本人女性のからだに関するデータは膨大 です。45年間の縦断データは社会的資産と 言ってもよく、これを今なお続けているとこ ろがすごい。これは企業としての体力がある から続けてこられたのだと思いますが、こう した社会貢献の姿勢があったからこそ、会社 もここまで大きくなったと言えるのではない でしょうか。その意味でも、これからも体力 のある会社であり続けてほしいですね。「社 会的存在としての企業」を意識した活動が、
社会からの信頼と共感につながっているとも 思います。
らを改めていくように助言するのが私の仕事 でもありますが、時代はどんどん変わってい ます。長年の慣行は一朝一夕に改まるもので はないようですが、そんな時代変化にもっと 敏感になっていただきたい気もしますね。
企業統治(コーポレート・ガバナンス)や法 令遵守(コンプライアンス)は今に始まったこ とではありませんが、それらが声高に言われ る前からきちんとやってきた会社だから、長 く続いてきたとも言えます。
ワコールでは、「相互信頼」や「女性共感企業」
といったスローガンが「アンフェアなことは絶 対にしない」ということにつながっているのだ と思います。ただし、トラブルはこれからも 起こるでしょうから、企業統治や法令遵守と いった言葉がなぜ盛んに言われるのか、そう した企業社会を取り巻く状況の変化に敏感に 対応していくことも必要だと思います。
その上で、品の良さを大切にしつつも、蓄 えた経験を智恵に変えて、社会に対して自社 の立場を堂々と主張する、そんな「智恵者」に なることが必要ではないでしょうか。
急速な社会の変化に 智恵者として対応
—— ありがとうございます。さて逆に、会 社として変革が求められている点について もご指摘いただきたいのですが。
竹村 会社としての「品の良さ」は評価に値し ますが、相互信頼の相手方が信頼に値しない 場合があるし、当方だけが品良くしているわ けにもいかない場合もあると思うのです。当 方にしてみれば、「商道徳も地に落ちた」と言 わざるを得ない場面に出くわすのです。今後 は日本もどんどんアメリカ型の契約社会にな ってくるわけですから、ビジネスライクに割 り切って取引先と交渉していくことが必要な 場合も出てくるはずです。
「長年にわたり取引いただいているから…」
とか、「昔からの慣行なので…」と契約書が交 わされていない取引が今もなくはありませ ん。また、契約を詰めるときに法的問題意識 が欠如している場合が見受けられます。これ