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ちょこっと,ラプラス 変換入門

ドキュメント内 Fourier Fourier Gibbs (ページ 64-70)

f(t), (t0)で定義された関数とする.このとき,

L(f)(s) =F(s) =

0

f(t)estdt (4.31)

fのラプラス変換という.すべてのs∈Cに対して,L(f)(s)の右辺の式が収束するとは限らない.関数f

よって,ℜs > s0となるすべてのs∈Cに対して,これが収束するようなs0が存在することが知られている.こ

s0を収束座標pといい,領域{s∈C:ℜs > s0}を収束域という.簡単のため,L(f)(s)をF(s)と表すことも ある.

 一般に

L(f)(s) =L(f)(s), (ℜs≥α) = f(t) =g(t)

が成り立つことが知られているので,像関数F(s)に対してf(t)を対応さす写像をラプラス逆変換といい,

L1(F(s)) =f(t)

と表す.また,次のBromwichの定理からでも,ラプラス逆変換が定義できることがわかる.

定理4.20 (Bromwich(ブロムウィッチ)の定理) x 0で定義された区分的に滑らかな関数f(x)に対して,

L(f)(z)の絶対収束座標をs0とする.このとき,

f(x+ 0) +f(x0)

2 = 1

2πi

s+i si

F(z)ezxdz (4.32)

が成り立つ.ただし,s > s0

証明 f(x)をx≤0の範囲では0と定義しておく.z=s+ixとすると,

L(f)(s+ix) =

0

f(t)e(s+ix)tdt=

−∞

(f(t)est)eixtdt=

f\(t)est(x) そこで,L(f)(s+ix)をフーリエ逆変換を考える.フーリエ変換の反転公式より,

1 2π

−∞L(f)(s+ix)eixtdx= 1

−∞

f(t)e\st(x)eixtdx=

2πf(t)est;

∴ 1 2π

−∞L(f)(s+ix)eixtdx=f(t)est この式のestを左辺に移項すると,

f(t) = 1 2π

−∞L(f)(s+ix)e(s+ix)tdx x−→z=s+ixに変数変換すると,次の求める式が得られる

f(t) = 1 2πi

s+i

si L(f)(z)eztdz

4.21 λ∈Rとする.具体的な関数のラプラス変換を求めてみよう.

(1) 単項式のラプラス変換部分積分を繰り返し,

L(tn)(s) =

0

tnestdt= [

tnest

−s ]

0

+

0

n

stn1estdt

=n s

0

tn1estdt=· · ·=

0

n!

snestdt= n!

sn+1;

L(tn)(s) = n!

sn+1 (2) 指数関数のラプラス変換

L(eλt)(s) =

0

eλtestdt=

0

es)tdt=

[es)t λ−s

] 0

= 1

s−λ, (ℜs−λ >0);

L(eλt)(s) = 1

s−λ, (ℜs > λ収束座標)

(3)  三角関数のラプラス変換

L(cosλt)(s) =L

(eiλt+eiλt 2

)

= 1 2

{L( eiλt)

(s) +L( eiλt)

(s)}

= 1 2

{ 1

s−iλ+ 1 s+

}

= s

s2+λ2;

L(cosλt)(s) = s s2+λ2 同様にすれば, L(sinλt)(s) = λ

s2+λ2 (4) 超関数(デルタ関数)のラプラス変換

L(δ(t))(s) =

0

δ(t)estdt= 1, ∴ L(δ(t))(s)1

命題4.22 (ラプラス変換の性質) f, gは共通の収束域を持つとする.また,f, gは必要に応じて適当な滑らかさ を仮定し,λ, µ0, F(s) =L(f)(s)とする.

(1) 線形性 L(af+bg)(s) =aL(f)(s) +bL(g)(s) (2) 相似 L(f(λt)) = 1

λF (s

λ )

(3) 第一移動 L(f(t−λ)) =eλsF(s) (4) 第二移動 L(f(t+λ)) =eλs

( F(s)

λ 0

estf(t)dt )

(5) 像の移動 L(eµtf(t)) =F(s−µ)

(6) 微分  L(f(t)) =sF(s)−f(0), L(f(n)(t)) =snF(s)

n1

r=0

f(r)(0)s(n1)r (7) 像の微分 L(−tf(t)) =F(s), L((−t)nf(t)) =F(n)(s)

(8) 積分  L (∫ t

0

f(τ)dτ )

= 1 sF(s) (9) 像の積分 L

(f(t) t

)

=

s

F(σ)dσ

(10) 畳み込み関数ラプラス変換の畳み込み関数を f∗g(t) =

t 0

f(τ)g(t−τ)dτ と定義する.関数f∗gのラプラス変換は,次のようになる.

L(f∗g)(s) =L(f)(s)L(g)(s) (4.33)

証明 この後の議論で必要になる(5)(6)(8)(10)だけを証明する. 他もそれほど難しくないので各自で示せ.

(5)

L(eµtf(t)) =

0

eµtf(t)estdt=

0

eµtf(t)e(sµ)tdt=F(s−µ) (6)部分積分を用いて,

L(f(t))(s) =

0

f(t)estdt=[

f(t)est]

0 +

0

sf(t)estdt

=−f(0) +sF(s), (∵ lim

t→∞f(t)est= 0を仮定);

L(f(t))(s) =sF(s)−f(0) これを繰り返せば導ける.例えば

L(f′′(t))(s) =sL(f(t))(s)−f(0) =s(sL(f)(s)−f(0))−f(0) =s2L(f)(s)−sf(0)−f(0) (8)部分積分を用いよ.lim

t→∞

t 0

f(τ)dτ·est= 0を仮定すると,

L (∫ t

0

f(τ)dτ )

(s) =

0

t 0

f(τ)dτ·estdt= [∫ t

0

f(τ)dτ· est

−s ]

0

+1 s

0

f(t)estdt=1 sF(s) (10)

L(f∗g)(s) =

0

f ∗g(t)estdt=

0

t 0

f(τ)g(t−τ)dτ·estdt=

0

t 0

f(τ)g(t−τ)estdτ dt ω+σ =t, σ =τと変数変換すると(すなわ

ち,ω=t−τ, σ=τ)

∂(ω, σ)

∂(t, τ) =

1 1

0 1

= 1 なので,重積分の変数変換公式より,

0 t 0

τ σ

ω τ=tの直線

= 積分範囲の変更

0

t 0

f(τ)g(t−τ)estdτ dt=

0

0

f(σ)g(ω)e(ω+σ)s ∂(ω, σ)

∂(t, τ) dσdω

=

0

0

f(σ)g(ω)e(ω+σ)sdσdω

=

0

f(σ)eσsdσ·

0

g(ω)eωs=L(f)(s)L(g)(s);

L(f∗g)(s) =L(f)(s)L(g)(s)

 RLC回路の微分方程式

Ldi(t)

dt +Ri(t) + 1

Cq(t) =v(t)

をラプラス変換を用いて解いてみよう.ただし,i(t), q(t), v(t)t≥0で定義されている(t <0ではi(t) =q(t) = v(t) = 0と考える).

 この式を一斉にラプラス変換すると,(1)の線形性より,

LL (di(t)

dt )

+RL(i(t)) + 1

CL(q(t)) =L(v(t)) q(t) =i(t)より,q(t) =

t 0

i(τ)dτ, (q(0) = 0と仮定する),上の(6)(8)より

L(sF(s)−i(0)) +RF(s) + 1 C

F(s)

s =L(v(t))(s) F(s)(Ls+R+ 1

Cs)−Li(0) =L(v(t))(s)

ただし,F(s) =L(i(t))(s).ここで,F(s)で上の方程式を解くと

F(s) = 1

Ls+R+ 1 Cs

L(v(t))(s) + 1 Ls+R+ 1

Cs Li(0)

ここでさらに時刻t= 0での電流をi(0) = 0と仮定すると

F(s) = s

Ls2+Rs+C1L(v(t))(s) ここで,Ls+R+ 1

Csを特性関数,又は,インピーダンス,H(s) = 1 Ls+R+ 1

Cs

= s

Ls2+Rs+C1 を伝達関 数という.この伝達関数のラプラス逆変換をL1

( s

Ls2+Rs+C1 )

=w(t)とすると,(10)より,

L(i(t))(s) =F(s) =L(w∗v)(s) ラプラス逆変換すれば,次を得る.

i(t) = (w∗v)(t) =

t 0

w(τ)v(t−τ)dτ 結論として,まとめれば,次の定理になる.

定理4.23 (Duhamel(デュアメル)の合成定理) (4.26)の解の電流i(t)i(t) =

t 0

w(τ)v(t−τ)dτ (4.34)

で与えられる.ただしw(t)は伝達関数H(s) = s

Ls2+Rs+C1 のラプラス逆変換である.

注意4.24 定理4.23で述べたことは,(4.26)をより一般した定係数線形微分方程式に対しても成立する.

 具体的に,L1

( s

Ls2+Rs+C1 )

=w(t)を求めてみよう.Ls2+Rs+C1= 0が異なる解α, βを持つ場合 と重解を持つ場合に分けて議論する.

(1) 異なる場合Ls2+Rs+C1=L(s−α)(s−β), (α̸=β) 部分分数展開により,

1

L(s−α)(s−β) = 1

α−β = 1 L(α−β)

( α

s−α− β s−β

)

; 逆ラプラス変換をすると,命題4.22の(5),例4.21の(1)より,

w(t) =L1

( 1

L(s−α)(s−β) )

= 1

L(α−β) (

L1 ( α

s−α )

− L1 ( β

s−β ))

= 1

L(α−β)

(αeαt−βeβt)

(i)α, βが実数の場合(CR2>4L),L, R, C≥0なので,α, β≤0となる.

w(t) = 1 L(α−β)

(αeαt−βeβt)

(ii)α, βが実数でない場合(CR2<4L),ℜα=−R

2L <0, β=αなので w(t) = 1

L(α−β)

(αeαt−βeβt)

= 1

L(α−α)

(αeαt−αeαt)

= 1

Lℑ(α)(αeαt) ただし,(α), (α)は複素数αのそれぞれ実部,虚部を表す.

(2) 重解の場合Ls2+Rs+C1=L(s−α)2 すなわち,α=−R

2L <0, CR2= 4L 部分分数展開より,

1

L(s−α)2 = 1 L

( 1

s−α+ α (s−α)2

)

; 逆ラプラス変換をすると,命題4.22の(5),例4.21の(1)より,

w(t) =L1

( 1 L(s−α)2

)

= 1 L

( L1

( 1 s−α

) +L1

( α (s−α)2

))

= 1 L

(eαt+teαt)

 いずれの場合も,lim

t→∞w(t) = 0のなり,伝達関数H(s)の解が実数でない場合,振動しながら減衰する.

注意4.25 ここでw(t)をラプラス逆変換を用いて求めた方法は,一般の定係数線形微分方程式でも同様に解が求 められる.この求め方の特徴は,下の図のように,微分方程式を代数的に解けることである.

微分方程式 ラプラス変換

代数方程式 解を求める ラプラス逆変換

代数方程式の解 微分方程式の解

 次に,伝達関数H(s)と周波数伝達関数H(iω)の関係,インパルス応答h(t)w(t)の関係を見てみよう.線形 システムΦの定義とデュアメルの定理4.23,及び,t−τ <0のときv(t−τ)0により,

Φ(v(t)) =i(t) =

t 0

w(τ)v(t−τ)dτ =

0

w(τ)v(t−τ)dτ ここで,v(t) =δ(t)を代入すれば,

h(t) = Φ(δ(t)) =

0

w(τ)δ(t−τ)dτ =w(t);h(t) =w(t) (4.35) また,周波数伝達関数H(iω)は

Φ(eiωt) =

0

w(τ)eiω(tτ) =

0

w(τ)eiωτdτ·eiωt

=L(w(τ))(iω)eiωt=H(s)|s=iωeiωt;

H(iω) =H(s)|s=iω

まとめると,次のようになる.

命題4.26 周波数伝達関数H(iω)は,伝達関数H(s)のsを代入したものである.すなわち,

H(iω) =H(s)|s=iω (4.36)

また,伝達関数H(s)のラプラス逆変換w(t)は,インパルス応答h(t)である.すなわち,

L1(H(s))(t) =h(t) (4.37)

5 ラプラス 変換入門

 4章4節の「ちょこっと,ラプラス変換」の内容を正確に記述する.そのため内容が重複している箇所が多く ある.

ドキュメント内 Fourier Fourier Gibbs (ページ 64-70)

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