朝食と昼食を 1 日のスケジュールから外さない
7. それでも眠れないときのストレッチ
睡眠の質を高めるための「 7 つの生活習慣」
1. 「眠る時間」より「起きる時間」にこだわる 2. 部屋のカーテンを 10 ㎝開けて眠る
3. 朝食と昼食を 1 日のスケジュールから外さない
高齢者の睡眠障害の非薬物的アプローチ
昼食後(特に 13 ~ 15 時)の 30 分の昼寝
夕方(体温の最高期)の軽運動(覚えやすく,
座っても,寝ててもできる軽いストレッチや腹
式呼吸で週間づけしやすいもの)
睡眠健康が悪化している高齢者に対する 短い昼寝と夕方の軽い運動の生活指導
13~15時の30分昼寝 夕方(17時ごろ,体温の最高期近傍)の軽運動
午後の活動性回復,高い水準を確保
夕方から就寝前の居眠り減少
夜間の中覚醒減少
夜間睡眠を改善
睡眠の質の改善,睡眠感の改善
日中の主観的・行動的眠気 精神健康,意欲の改善
就寝前の覚醒状態の改善
睡眠と覚醒のメリハリ
QOL, ADL の改善 脳機能の改善 良質な睡眠の確保
良質な覚醒の確保
平成の二.二六事件
• 2003 年( H15 年) 2 月 26 日、山陽新幹線ひかりで運転中の運 転士が居眠りをして最高時速 280km で 8 分間走り続け、自動 列車制御装置 ATC が作動して、列車が急停車した事件は運 転士が重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群( OSAS )に罹患し ていたことが判明し , 社会的に高い関心を呼んだ。
• この事件で初めて多くの国民が OSAS が昼間眠気の原因とな る疾患であり、交通事故で社会的に大きな影響を持つ疾患 であることを認識するに至った。
• この事件は日本の睡眠医療に極めて大きなインパクトを与え
、国土交通省が OSAS の啓発と検診に力を注ぐようになった。
OSAS 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群
( Sleep Apnea Syndrome : SAS )とは
• 睡眠中に10秒以上の呼吸が停止(無呼吸)が5回以上繰り返される病気 です。
• いびきを伴う肥満者に多く,高血圧の合併率が高い疾患.
• 主に、いびきや昼間の過度の眠気(Excessive daytime sleepiness;EDS)や 疲労感、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状がある。
• SASは生活習慣病と密接に関係しており、放置すると生命の危険に及ぶ こともある。
• SAS特有の眠気は交通事故を起こす危険もあり、早期に適切な治療をす ることが大切。例:平成の2.26事件
• 米国睡眠学会(AASM)の定義
– 昼間の過度の眠気EDSもしくは閉塞性無呼吸に起因する様々な症候 のいくつかを伴い,かつ無呼吸低呼吸指数 (apnea hypopnea
index;AHI)≧5
• 無呼吸低呼吸指数( Apnea Hypopnea index, AHI )
– 睡眠1時間当たり無呼吸と低呼吸を合わせた回数
• 睡眠時無呼吸症候群
( Sleep Apnea Syndrome : SAS )
• 睡眠時無呼吸低呼吸症候群
( Sleep Apnea Hypopnea Syndrome : SAHS )
疫学
• 有病率
– 30~60歳の男性の4%、女性の2%(米国)
• 自覚症状のない睡眠呼吸障害SDBも含めると、
男性の24%、女性の9%
– 日本人は肥満が軽い割にSASやSDBが多い
• モンゴロイド特有の咽頭形態や顎顔面形態が発症に関与してい る
• 男性の3.3%,女性の0.5%
– 何らかの治療の必要な患者は200万人、しかるにCPAP患者10万人 に満たない
– いびきの頻度19~21%⇒SASの潜在患者は5人に1人
いびき とは
• いびき(鼾)は、狭くなった上気道が呼吸時に擦れて出す音。睡眠時や脳梗 塞で失神した時などに発生する事がある。
• 男性24%,女性10%がほぼ毎日いびきをかいている(35〜79歳,男女約8500 人対象の調査より)
• いびきは呼吸のリズムと同期して起こるため、それが途切れることが一定レ ベル以上起こると、睡眠時無呼吸症候群の発見の手がかりとなる。軟口蓋 などが気道を塞ぐために呼吸が途切れる。これが起こると一般に睡眠レベ ルが浅くなり、いわゆる熟睡ができないため、昼間の活動に支障をきたす。
これが疑われる場合、まずは家族に自分のいびきの様子などをチェックして もらうと良い。無呼吸とまではいかない場合、睡眠時低呼吸症となる。
• 上気道が狭くなることがいびきの原因
– 口蓋垂(のどちんこ)が大きい場合、それが呼吸の障害
– 扁桃腺やアデノイドが炎症をおこすなどして腫れている場合 – 舌が大きかったり、軟口蓋が大きい場合
– 肥満が原因で喉が狭くなる、即ち上気道が狭くなるため
– 花粉症を含むアレルギー性鼻炎や鼻ポリープ、蓄膿症など鼻詰まりを起こす病気 – 疲れがひどい場合や飲酒などが原因で、舌の筋力が落ちる。睡眠薬等も.
– 舌根沈下によるいびきは意識障害の症候の一つであることもあり、その意識障害を来た す疾患には脳血管障害等
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自覚症状の有無を問わずAHI≧5のもの
閉塞型呼吸イベント優位のものを閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
中枢型呼吸イベント優位のものを中枢性睡眠時無呼吸(CSA)
睡眠時無呼吸症候群の殆どは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)である
無呼吸(低呼吸)時に 呼吸努力も停止
中枢性CO2化学受容体の感受性変 化・循環遅延などが原因
中枢性睡眠時無呼吸 中枢性睡眠時無呼吸
(Central Sleep Apnea , CSA)
気流 胸部 腹部
酸素飽和度
呼吸努力があるにもかかわらず 無呼吸(低呼吸)が起こる 睡眠時の上気道閉塞が原因
閉塞性睡眠時無呼吸 閉塞性睡眠時無呼吸
(Obstructive Sleep Apnea , OSA)
気流 胸部 腹部
酸素飽和度
睡眠呼吸障害( SDB )とは
循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン(JCS2010 )より
定義: 1 時間あたりのSpO
2の低下回数
4%(又は3%)以上の低下を 1回とカウント→
SpO2
〔ODI:Oxygen Desaturation Index 酸素飽和度低下指数〕
〔AHI:Apnea Hypopnea Index 無呼吸・低呼吸指数〕
無呼吸
10秒以上
定義: 1 時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数
無呼吸:10秒以上の気流停止 低呼吸:振幅が基準の30%以上低下し、かつ イベント前のSpO2から4%以上低下するもの*
低呼吸
30%以下
ODI・AHIの定義
*AASMマニュアル2007(推奨ルール)
OSAが心血管系疾患に及ぼす影響
OSA
・低酸素血症
・無呼吸後の酸素化
・高二酸化炭素血症
・胸腔内圧変動
・頻発する覚醒反応
Abu S.M. Shamsuzzaman et al;
JAMA 2003;290:1906を改変
・交感神経亢進
血管収縮
カテコラミン増加 心血管系日内変動
・血管内皮障害
・酸化ストレス
・炎症反応
・凝固亢進
・代謝異常
レプチン抵抗性 肥満
インスリン抵抗性
介在する機序 心血管疾患
・高血圧
・うっ血性心不全 収縮障害
拡張障害
・不整脈 徐脈
AVブロック 心房細動
・虚血性心疾患 心筋梗塞
狭心症
夜間ST低下
・脳血管障害
〔Somers et al, J Clin Invest 96:1897-1904 1995より改変〕
交感神経 活性
血圧 呼吸
30秒
呼吸再開に伴う著しい交感神経亢進 呼吸再開とともに一気に血圧(心拍・脈拍数)上昇
夜間の交感神経系亢進
SAS の重症度
AHI 眠気
正常 <5 なし 軽度 5≦
<15
あまり集中していないときに思いがけず眠気や気づかずに眠って しまうエピソードがおこる(テレビを見ているときや読書,乗客とし て旅行しているときなど)
中等度 15≦
<30
多少集中が必要なときに思いがけず眠気や気づかずに眠ってし まうエピソードがおこる(コントロール不能な眠気がコンサート,会 議,発表などに参加しているときにおこる)
重度 30≦ かなり集中が必要なときに思いがけず眠気や気づかずに眠ってし まうエピソードがおこる(コントロール不能な眠気が食事中,会議 中,歩行中,運転中などにおこる)
超重症 60≦
合併症
• SASによる睡眠中の低酸素血症や高炭酸ガス血症は、肥満、高血圧、高 脂血症、糖尿病などの生活習慣病と密接な関係があり、様々な合併症を 高率に引き起こすことが報告されています。合併症は多岐にわたり、高 血圧、多血症、不整脈、虚血性心疾患、心不全、脳血管障害、糖尿病、
肺高血圧症、インポテンツなどが代表的なものとして上げられます。
• 米国の調査では、健常人と比べSAS患者さんでは高血圧は2倍、虚血性 心疾患は3倍、脳血管疾患は4倍、糖尿病は1.5倍発症する可能性が高 いと報告されています。
• 肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症の「死の四重奏」に「SAS」を加え、「死 の五重奏」!?
• Cheyne‐Stokes 呼吸(CSR)はSDBの一種で,CSRを伴う中枢性SASが心不 全患者の30~60%,OSASが5~32%合併する
1.Nieto FJ,Young TB,Lind BK.JAMA 2000;283:1829-1836 2.Mooe T, Rabben T, Wiklund U.Chest 1996;109:569-663 3.Bassetti C, Aldrich MS.Sleep 1999;22:217-223
4.Punjabi NM, Shahar E, Redline S.Am J Epidemiol 2004;160:521-530
OSASの症状
いびき 日中の 眠気
起床時の 頭痛
熟睡感 がない
眠っている
間に呼吸
が止まる
検査の流れ
1 問診( 問診( ESS ESS )・スクリーニング )・スクリーニング
測定項目:SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)
脈拍
2 簡易診断(簡易 簡易診断(簡易 PSG PSG ) )
測定項目:SpO2/脈拍/呼吸の状態/心電図
3 確定診断( 確定診断( PSG PSG ) )
測定項目:脳波/SpO2/脈拍/呼吸の状態/心電図等 1泊入院が必要
Epworth の眠気テスト( ESS )
状況 点数
1.座って読書しているとき(新聞、雑誌、本、書類など)
2.座ってテレビを見ているとき
3.会議、映画館、劇場などで静かに座っているとき 4.乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき 5.午後に横になって、休息をとっているとき
6.座って人と話をしているとき
7.昼食をとった後(飲酒なし)、静かに座っているとき 8.座って手紙や書類などを書いているとき
0、 1、 2、 3 0 、1、 2、 3 0、 1、 2、 3 0、 1、 2、 3 0、 1、 2、 3 0、 1、 2、 3 0、 1、 2、 3 0、 1、 2、 3 総点
0:うとうとする可能性はほとんどない。 1:うとうとする可能性は少しある。
2:うとうとする可能性は半々くらい。 3:うとうとする可能性が高い。
10点未満が正常