第 3 章 スケルトンカーブのモデル化の手法
付録 3. 3 せん断破壊後の残留耐力の考察
付録2-2に示すように、せん断破壊部材にもせん断破壊後ある程度の下り勾配を持って いる事が分かった。そこで、せん断破壊以後の耐力保持能力について検討をした。検討 した項目を以下に記す。
・ コンクリートのひび割れ面におけるかみあわせ
・ 主筋の抵抗力
・ 帯筋のせん断抵抗力
しかし、はっきりとした答えを導くことが出来なかった。そこで、モールの応力円とク ーロンの破壊線(3.2からせん断破壊後の耐力保持の考察を試みた。
本論文では、せん断破壊後の耐力保持の考え方のみを示しており、具体的な考察は 行えていない。今後の検討課題である。
文献3.2を参考に以下のように考えた。
・クーロンの式
τ = c + σ tan φ
(付3-10)ここで、
τ : せん断応力
c : 粘着力
σ : せん断面に働く垂直応 力
せん断抵抗係数: tan
φ
せん断破壊現象とモデル化を付図3-3に示す。ここに、鉄筋コンクリートの柱が地震力 を受けせん断破壊する時の微小な供試体を考える。作用する最大主応力σ1が破壊時にσ
θfに達していたとする。側方の応力σ3とした場合の破壊時の応力円は付図3-4になる。
付図3-3 鉄筋コンクリートのせん断破壊現象のモデル化
第3章 スケルトンカーブのモデル化の手法
付図3-4 破壊時のモールの応力円とクーロンの破壊線の関係
D d
As bD
N
y⋅
= ⋅
= σ
σ
σ
1,
3 (付3-11)ここで、
N : 軸力
b : 柱の幅
D : 柱の全せい
せん断補強筋の断面積 As :
度 せん断補強筋の降伏強
y
: σ
参照 付図 3 - 5 d :
付図3-5 dについて
第3章 スケルトンカーブのモデル化の手法
次にせん断破壊面に対する分力を考える。σ1の分力を付図 3-6 に、σ3の分力を付図 3-7に示す。
付図3-6 σ1の分力 付図3-7 σ3の分力
すべらそうとする力をτ、上から押さえつけようとする力をσとすると付3-12式、付 3-13式のようになる
[ σ θ σ θ ]
τ =
1cos −
3sin
(付3-12)[ σ θ σ θ ]
σ =
1sin +
3cos
(付3-13)付 3-10 式の右辺のc は押えなくても引っ掛かる力で粘着力である。そしてσtanθは 破壊面のギザギザ度合いを表している。すなわち、曲げモーメントがかかっていない軸 力のみのせん断応力度は付 3-10 式に付 3-12、13 式を代入した以下のような式になる。
せん断応力τが右辺を上回ればせん断破壊してしまう。
[ σ
1cos θ − σ
3sin θ ] [ ≧ σ
1sin θ + σ
3cos θ ] × tan φ + c
(付3-14)以上、付3-14式で曲げモーメントがかかっていない軸力のみのせん断応力度は求める ことが可能だが、曲げモーメント受ける場合も考える必要がある。以後、追随したいと 考えている。
第3章 スケルトンカーブのモデル化の手法