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Fig.7-1-2 伝搬方向 45[deg.]を基準とした振幅の分類
以上の条件で分類をしたとき,ROC 曲線は Fig.7-1-2 となった.
Fig.7-1-2 ROC 曲線
ROC 曲線から,曲線の下の面積(AUC)が十分に 1 に近いため,せん断波の伝搬方向
45[deg.]を基準とした振幅の分類能力は高いと言える.さらに,ROC 曲線の座標(0,1)に最も 近い点から、振幅の閾値を決定した.
52 7-2 正常乳腺と乳癌の比較
次に,臨床実験によって得られた正常乳腺と乳癌の画像について,せん断波の伝搬速度と 伝搬方向の評価を行った.ただし,せん断波の振幅が弱い領域は,伝搬速度や伝搬方向の計 算が正しくできていないと考えられるため,硬癌や脂肪により画像全体にせん断波の振幅 が入っていないデータは解析対象から除いた.これにより,乳癌の画像データ 4 例が除外さ れたため,乳癌 11 例,正常乳腺 4 例の解析を行った.さらに,7-1 節で導出した振幅の閾値を 用いて,せん断波の振幅が不十分な分割 ROI を除外した.
Fig.7-2-1 に正常乳腺 5 例の波面マップを,Fig.7-2-2 に解析対象となった乳癌 11 例の 波面マップを示す.
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Fig.7-2-1 正常乳腺波面マップ(MG:Mammary gland)
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Fig.7-2-2 乳癌波面マップ(BC:Breast cancer) (a)(b)(c)(d)浸潤性乳管癌(e)(f)DCIS(g)(h)硬癌
(i)乳頭腺管癌(j)小葉癌(k)粘液癌
次に,それぞれのデータにおいて分割 ROI 内の平均伝搬速度と平均伝搬方向を算出し,横 軸に伝搬方向,縦軸に伝搬速度を取った散布図を作成した.Fig.7-2-3 に正常乳腺の散布 図,Fig.7-2-4 に乳癌の散布図を示す.
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Fig.7-2-3 正常乳腺のせん断波伝搬方向と伝搬速度に関する散布図 (MG:Mammary gland)
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Fig.7-2-4 乳癌におけるせん断波伝搬方向と伝搬速度の散布図 (a)(b)(c)(d)浸潤性乳管癌(e)(f)DCIS(g)(h)硬癌
(i)乳頭腺管癌(j)小葉癌(k)粘液癌
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散布図から,乳癌では正常乳腺に比べてせん断波の伝搬速度と伝搬方向のばらつきが大 きいことが分かった.また,乳癌の一種である DCIS(BC3,BC8)では伝搬方向のばらつきは大 きいが,他の乳癌のデータと比べて伝搬速度のばらつきが小さく,正常乳腺と似た範囲に分 布していることが確認された.
7-3 せん断波伝搬速度・伝搬方向の評価
正常乳腺と乳癌のせん断波の伝搬速度と伝搬方向の違いを評価するために,伝搬速度と 伝搬方向それぞれについて箱ひげ図を作成した.Fig.7-3-1 に伝搬速度に関する箱ひげ図を 示す.
Fig.7-3-1 せん断波の伝搬速度に関する箱ひげ図(橙:正常乳腺,青:乳癌)
但し,臨床実験によって得られた全 15 例の乳癌の画像のうち,癌内部でせん断波の減衰 が大きいデータと脂肪によりせん断波の減衰が大きいデータは除いている.
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有意差検定を行った結果,有意水準 5%では有意差あり,有意水準 1%では有意差無しとい う結果が得られた.
次に,せん断波の伝搬方向に関する箱ひげ図を Fig.7-3-2 に示す.
Fig.7-3-2 せん断波の伝搬方向に関する箱ひげ図
同じく, 臨床実験によって得られた全 15 例の乳癌の画像のうち,癌内部でせん断波の減 衰が大きいデータと脂肪によりせん断波の減衰が大きいデータは除いている.
有意差検定を行った結果,有意水準 5%と有意水準 1%の両方で有意差有りという結果が得 られた.
以上の結果より,せん断波の伝搬方向は伝搬速度に比べて正常乳腺と乳癌の有意差がよ り出やすいことが確認された.
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さらに,11 例の乳癌のデータのうち,2 例以上得られた浸潤性乳管癌,DCIS,硬癌について 癌の種類ごとのせん断波の傾向と特徴を確認した.伝搬方向の安定性と伝搬速度の値か ら,Fig.7-3-3 のように分類がされた.
Fig.7-3-3 乳癌の種類によるせん断波の特徴と傾向
このことから,悪性腫瘍の物質的,または構造的な違いによりせん断波の伝搬に異なる特 徴が現れることが示唆された.
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