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抗 不 安 薬 ・睡 眠 導 入 薬 を使 用 すると、せん妄 症 状 を悪 化 させる 。 せん妄 では、抗 不 安 薬 ・睡 眠 導 入 薬 は極 力 避 ける。

ロゼレム®の使 用 は可 。毎 晩 定 期 投 与 により、 1 -2 週 間 かけて徐 々に睡 眠 覚 醒 リズムの改 善 を促 す。

対 症 療 法 的 に ど う し て も 必 要 で 抗 不 安 薬 ・ 睡 眠 導 入 薬 を 用 い る 場 合 に は 、 抗 精 神 病 薬 と 併 用 し 、 必 ず 「 抗 精 神 病 薬 → 抗 不 安 薬 ・ 睡 眠 導 入 薬 」 の 順 で 投 与 す る。 但 し 、睡 眠 導 入 薬 やア タラッ クス P®投 与 で せん 妄 リスクが 上 昇 することを覚 悟 。

クエチアピン(=セロクエル®) (25mg )1 錠 夕 食 後 投 与 後 に ブロチゾラム(=レンドルミン®)(0.25mg)1 錠 眠 前

ハロペリドール(5mg)1A+生 食 点 滴(20 -21 時 ) 投 与 後 に、

アタラックス P®点 滴 (21-22 時 )

デ ジ レ ル®は、鎮 静 系 抗 うつ剤 と言 わ れ、抗 コリン 作 用 が少 な く、睡 眠 深 度 を 深 め適 度 な 鎮 静 効 果 が期 待 で き ることから、 夜 間 頻 回 コ ール、ベ ッド上 で 落 ち着 かな い等 興 奮 を伴 わないせん妄 患 者 に有 効 。

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自 殺 願 望 ( 希 死 念 慮 ) へ の 対 応

「希死念慮を話題にする事はタブーではない」

適切に話し合う事が必要である(心のサポート)。

希死念慮を否定・非難するのではなく、希死念慮を抱く背景にある苦痛・孤独・絶望など を受容・軽減・支持してゆく。

余りにもつらい訴えを一人の医療者で抱え込まない。 → 周囲の医療者と共有して患者 を支える。

「希死念慮は、痛み・家族不在・抑うつによって生じる」(Chochinov)

身体的苦痛(痛み・倦怠感など)の緩和

周囲の人による心のサポート(家族援助が乏しい時は医療者が補う)

うつ症状を軽減させる。

などを行うことで自殺願望は減らせる。

怒 り へ の 対 応

「合 理 的 な怒 り」;

怒 りの程 度 や向 け方 が妥 当 な怒 りに対 しては、表 出 を促 して受 容 し、解 決 に 向 けて介 入 する。

「不 合 理 的 な怒 り」; 介 入 が困 難 な場 合 もある。

不 合 理 な まま受 け止 めざるを 得 ない場 合 もあるが、決 して 一 人 で 抱 え込 まな い。

医 療 チームで怒 りを共 有 して対 応 する。

著 しい暴 言 ・暴 力 には医 事 課 ・総 務 課 も含 めて病 院 全 体 で、院 内 DV 事 案 として対 応 する必 要 がある。

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悪い知らせを伝える際のコミュニケーション

がんと分かった時から、患者は様々な局面で心理的衝撃を受けることとなる。悪い知らせとは、

患者の将来への見通しを根本から否定的に変えてしまうものと定義される。患者はがんの告知、再 発の告知、治療効果が得られなかったことの告知、予後の告知などにおいて強い心理的衝撃を 受ける。また、悪い知らせを伝えられる際の医療者とのコミュニケーションは患者のその後のストレスと 関連するとされている。患者が医療者に対して望むコミュニケーションとして SHARE という考え方があ る。以下、SHARE の 4 つの要素と、SHARE を用いた悪い知らせを伝える際のコミュニケーションについ て紹介する。

患者が望むコミュニケーションの 4 要素(SHARE)

Supportive environment (支持的な環境)

•充分な時間を設定する

•プライバシーが保たれた、落ち着いた環境を設定する

•面談が中断しないように配慮する

•家族の同席を勧める

How to deliver the bad news (悪い知らせの伝え方)

•正直に、わかりやすく、丁寧に伝える

•患者の納得が得られるように説明をする

•はっきりと伝えるが「癌」という言葉を繰り返し用いない

•言葉は注意深く選択し、適切に婉曲的な表現を用いる

•質問を促し、その質問に答える

Additional information(付加的な情報)

•今後の治療方針を話し合う

•患者個人の日常生活への病気の影響について話し合う

•患者が相談や気がかりを話すように促す

•患者の希望があれば、代替療法やセカンドオピニオン、余命などの話題を取り上げる

Reassurance and Emotional support (安心感と情緒的サポート)

•優しさと思いやりを示す

•患者に感情表出を促し、患者が感情を表出したら受け止める

(例:沈黙、「どのようなお気持ちですか?」、うなずく)

•家族に対しても患者同様配慮する

•患者の希望を維持する

•「一緒に取り組みましょうね」と言葉をかける

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●SHAREを用いた悪い知らせを伝えるためのコミュニケーション

引用・参考文献

1)内富庸介,藤森麻衣子:SHARE-癌医療におけるコミュニケーション技術 Trends in Hematological Malignancies 2009 Vol.1No.1 2)ロバート・バックマン:真実を伝える 診断と治療社 2000

3)大西秀樹 サイコオンコロジー 中山書店 2010

面談までに準備する

•事前に重要な面談であることを伝えておく

•プライバシーが保たれた部屋、十分な時間を確保する

•身だしなみや時間厳守など基本的態度に留意する

•家族の同席を促す

•面談の中断を避ける

面談を開始する

•面談の始めからいきなり悪い知らせを伝えない

•現実とのギャップの埋め方の戦略を立てる

•聴くスキルを使用して患者の気がかりを聞く

•経過を振り返り病気の認識を確認する

•気持ちを和らげる言葉をかける

•家族にも同様に配慮する

悪い知らせを伝える

•心の準備のための言葉をかける

•分かりやすく明確に伝える

•感情を受け止め、気持ちをいたわる

•写真や検査データを用いる、紙に書く

•患者の理解度を確認し、速すぎないか尋ねる

•質問や相談があるかどうか尋ねる

治療を含め今後のことについて話し合う

•標準治療、とりうる選択肢について説明する

•がんの治る見込みを伝える

•患者が希望を持てる情報も伝える

•推奨する治療法を伝える

•セカンドオピニオンについて説明する

•患者の日常生活や仕事について話し合う

面談をまとめる

•要点をまとめる

•説明に用いた紙を渡す

•患者の気持ちを支える言葉をかける

•責任をもって診療にあたること、見捨てないことを伝える

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せ ん 妄

せ ん 妄 の 診 断

特 徴 :急激(数時間〜数日)に発症し、日内変動がみられる(夕方から深夜にかけて悪化する)。

診 断 :①注意力障害・意識障害、②認知障害、③急性発症、④身体的または薬剤性要因の 存在があれば「せん妄」と診断する。 *不穏・興奮のない低活動性せん妄もある。

せん妄診断チェックリスト(DSM-Ⅴ・ICD-10 による)

あり なし 注意力減退・注意の障害‥ぼんやり・そわそわ・意識混濁・不穏・意識障害(JCS: ) □ □

認知障害‥記名力低下・失見当識(時間・場所・人物)・知覚過敏・幻覚 □ □

急性発症である‥数時間から数日 □ □

日内変動がある‥特に夕方~夜~早朝に悪化する □ □

炎症・消耗・術後・認知症などの身体状況を認める もしくは薬剤性要因を □ □

せん妄の原因(身体疾患など)チェックリスト

あり なし 電解質異常‥低 Na 血症、低 K 血症、低 P 血症、高 Ca 血症など □ □

血糖値異常‥低血糖、高血糖 □ □

肝不全 ‥高アンモニア血症 □ □

腎不全 ‥腎機能異常、透析による補正後(透析不均衡症候群) □ □

呼吸器系障害‥肺炎・閉塞性肺疾患(COPD)などによる低酸素・低換気 □ □

中枢神経疾患‥脳血管障害、頭部外傷、認知症など □ □

環境因子障害‥長期臥床、身体拘束(一部固定も含む)、high care room、ICU □ □

脱水症 ‥水分摂取不足、ADH 分泌異常症(SIADH)など □ □

薬剤性障害‥オピオイド鎮痛薬、Hブロッカー、副腎皮質ステロイド、パーキンソン

病治療薬、インターフェロン、抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬剤(抗不安薬・睡眠導入 薬)など

□ □

アルコール障害‥大量飲酒歴 □ □

ビタミン欠乏症‥下痢・皮膚紅斑(ペラグラ)、全身痙攣・眼筋麻痺(ビタミン B1欠乏によるウェルニ ッケ脳症)、貧血(ビタミン B12欠乏による悪性貧血)

□ □

甲状腺機能障害‥躁状態(甲状腺機能亢進症)、うつ状態(甲状腺機能低下症) □ □

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せ ん 妄 と 認 知 症 の 鑑 別

身体的・環境的原因の除去が治療の中心

1. 先ず、せん妄の原因となっている身体疾患の適切な治療を行う。

脱水・感染、血糖・電解質異常(高カルシウム血症、低ナトリウム血症)

薬剤:オピオイド、抗不安薬・睡眠導入薬、ステロイド、H2ブロッカー1)

2. 環境調整

① 夜リズムの確保=窓際側のベッドとし、日中の運動、夜間のリラックスを促す。

② 見当識の援助=時計・カレンダーを設置する。

③ 慣れた環境=馴染みの人・物を配置する。

3. 薬物療法は対症療法に過ぎない。

4. 家族への説明も、せん妄の対応として重要である。せん妄が可逆性か不可逆性かで、説明 内容は異なる。院内で配布している患者・家族向けパンフレット「せん妄の予防と対策につい て」(主に可逆性せん妄の説明)等を用いて(本人と)家族に説明する。

認知症 せん妄

初発症状 記銘力低下 見当識障害、幻覚妄想、興奮

発症経過 緩徐 急激

症状の持続 持続性・進行性 数時間〜数週間と短期間 症状の訴え方 知能低下を否定したり軽く言う 自ら訴えることは無い

気分 多幸感、抑うつと多彩 動揺性

日内変動 ほとんど無い 動揺性(夜間に悪化)

知的能力

持続的に低下 言語理解や会話が困難 日常生活でしばしば介助を要する

一時的な低下 会話にまとまりが無い しばしば介助を要する

急性身体要因 時にあり ほぼ全例で認める

薬物の関与 稀にあり しばしばあり

環境の関与 基本的に関与しない 関与することが多い 脳波 軽度徐波化などを認める 広汎性徐波化を認める 画像診断

(CT、MRI)

脳萎縮、脳血管障害などを認める せん妄の原因により認めることもある

せん妄治療の基本

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