治療方針
左進行乳癌{ T3/N3b/M1 (骨 & 胸膜?)}が疑われるが病理 診断は行われていない。病理結果が出てから治療を行って も大勢には影響しないと思われる
多発骨転移は明らかであり、告知後約 2 週間無治療であった Pt の心情を考慮してまず即座にゾメタ( +NSAID )を開始した
(骨への RT は将来の手術可能性を考え、薬物の効果が不十 分な場合に考慮する)。
針生検の結果を待って本格的な治療を開始するのもひとつ
の見識だが、同じ理由で翌日から治療を開始した。
化学療法 or ホルモン療法
•
44歳という年齢からして、必ずいつかは化学療法を行う• ER
(+
)ならさらに化学閉経による効果も期待できる• Pt
の重篤感が強く、治療に即効性を求めたい進行・再発乳癌の治療方針は
Modify
版も含めてHortobagyi
のアルゴ リズムによるのが現在も一般的である。本症例のホルモン感受性は 未だ明らかでないが、life threatening
な状態かどうかは議論の余地 のあるところと考えられるのでホルモン療法の選択肢もありうる。しかし
という理由で化学療法を選択した。
Anthracycline or TAXAN
• TC
>AC
、また経験上TAXAN
(DOC
)単剤でも治療効果はFEC
に 劣らない• HER2
陽性の場合ハーセプチンの併用が容易• TAXAN
も卵巣機能抑制効果は強力で、ER(+)
ならばホルモン療法の効果も期待できる
• TAXAN
は胸膜移行性が良く現時点でのlife threatening factor
であ る癌性胸膜炎(?)に効果が期待できるAnthracycline
から入るのが一般的であろう しかしの理由で
DOC
を選択した。・用量はDOC75を目安に100mg/bodyとした
・TC>Tと思われるが ①いつかFEC/ECに変更する予定で、CPA大量投与後の副作用が心配
②肝機能・腎機能の低下があり安全に行いたいのでDOC単独とした
経過(1)
11/28 1W 2W 3W 12/21 初診
緊急入院
ゾメタ(+NSAID) DOC
退院
Tr DOC+Tr+ゾメタ
IDC solid-tubular ca.
HG1
ER 70% PgR 0%
HER2 (3+:40%) CEA 28.4
CA153 1948
BCA225 1230
1CTP 44.0 GOT 81
GPT 79
LDH 555
BUN 22
CRTN 1.67 Ca 12.7 疼痛スケール 安静時3 体動時7 鎮痛剤不要 自力歩行可能 食餌摂取良好 14.9 1065 762 27.7 22
18
355 11 0.62 8.0
US
11/28
2/4
(DOCx4後)
(PSLN 消失)
原発巣
(縮尺不同)AxLN
(同縮尺)3 x 1 cm
> 8 x 3 cm
その後の治療方針
• PD または重篤な副作用がでるまで同じ治療
( DOC+Tr+Zometa )を継続する
• 次は EC +Zometa を行う
→
縮小傾向のまま9
コース施行 足の爪がはがれたため中止FEC
ではなくEC
を行った理由:Fは経口剤として次に使うことにして、副作用の軽減を図る
→
EC75
から90
に増量し計8
コース(E:約700mg/m2
)施行経過(2)
11 2009.1 3 5 7 9 11 2010.1 CEA
30
20
10
0
ICTP 50 40 30 20 10
DOC+Tr+Zometa(1/3W) x 9 Tykerb+Capecitabin+Zometa EC+Zometa(1/3W) x 8
11/28 12/18 2/4 4/3 6/5 CA153 1948 1065 191 33 WNL→
BCA225 1230 762 WNL→
次の治療は?
• 分子標的治療剤を使用したい
• 脳転移を予防したい
• ホルモン療法も併用したい
Long Time To Progression を目指す
Tykerb + Xeloda + Zometa + TAM
乳癌の分子標的治療薬
癌細胞の増殖促進シグナルは癌細胞膜上 の HER 2蛋白から細胞内のチロシンキナーゼ 系へと伝わる。
ハーセプチン(トラスツズマブ)は抗原である HER2 蛋白に対する抗体である。
タイケルブ(ラパチニブ)はチロシンキナーゼ
阻害薬である。
脳転移