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う. 7 ・

ドキュメント内 Kyushu University Institutional Repository (ページ 34-62)

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a) TFし 5.4

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4.8 2.5 3 1.5 2

Glycerol

(g/I)

1.5 2

150

100

50

ωωccωOO』刀、戸工ω℃一O工00一の平O

(JCb一〉一日ocω〉一芯一

ω江

。 4 5

Fermentation day 3

2

Fig.6-5. Relative activity of alcohol dehydrogenase of analogue reslstant mutants.

Symbols: 0, TFL resistant�ム, FP A resistant�・,BAW-6 (parent strain).

These data represent the mean value of results obtained from eight different strains.

らし, その結果, アミノ酸代謝系変異株はグリセリンを高生成したものと推定 された。

6-3-4 アミノ酸生合成系に由来する香気成分と

グリセリンとの関係

TFL耐性株はロイシン, FPA耐性株はフェニルアラニンをそれぞれ高生成し,

これに由来するイソアミルアルコールおよびß-フェネチルアルコールの生成が 増加する。 前項で述べたように T孔およびFPAの 耐性株のADH活性は親株 よりも低下し, 著者はこれがアミノ酸生合成が活発になったためと考えて いる。 そこで、 イソアミルアルコールおよびß-フェネチルアルコールの生成 量とグリセリン生成 量と の関連を調べた。 最小培 地を用いた香気 生成培地

①での結果をFig.6-6に示すO グリセリン生成量の増大に伴って, TFL耐性株で はイソアミルアルコールが増加し, FPA耐性株ではß-フェネチルアル コール が増加し, それ ぞれ正の相関が見られた。 香気成分とグリセリンとの関係は TFL耐性株で(6-2)式, FPA耐性株で(6-3)式 の直線にそれぞれ回帰できた。

Isoamyl alcohol (mg/l) = 75 X glycerol (g/l) - 225 r = 0.77 (6-2)

。-Phenylethyl alcohol (mg/l) = 220 X glycerol (g/l) - 845 r = 0.72 (6-3) 一方, 香気生成培地⑦での結果をFig.6-7 �こ示すO 香気生成培地①と同様に,

グリセリン生成量の 増大に伴ってTFL耐性株ではイソアミルアルコール生成量

600

a) b)

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4

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6

7

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5

6

7

Glycerol (g/I) Glycerol (g/I)

Fig.6-6. Relationship between alcohol formation which may be derived from amino acids and glycerol formation. Mutants used are TFL-resistant

(a)

and FPA-resistant (b). Flavor-formation medium 1 (10% glucose, 0.65

Yeast Nitrogen Base w/o amino acid) was employed . .syrnbols: 0, Mutants;・, BA W-6 (parent strain).

800 100

b) 。

80

60

40

20 (一\。ε)一O工00一ω一弘£ω一KACω工止,c

。 a)

600

400

200 (-bE)一O工00一国王ECOω一

1.8

Fig.

6-7.

Relationship between alcohol formation which may be derived from amino acids and glycerol formation. Mutant used are TFL-resistant (a) and FPA-resistant (b). Flavor-formation medium 2

(10%

glucose,

1.179も

Yeast Carbon Base and

0.5%

casamino acid) was employed.

�ymbols: 0 , Mutants;・, BA W -6 (parent strain).

1.4 1.6

Glycerol (g/I)

1.2

1.2 1.4 1.6 1.8

Glycerol (g/I)

が増加し, FPA耐性株ではß-フェネチルアルコールが増加し, それぞれ正の

相関が見られたO 香気成分とグリセリンとの関係はTFL耐性株で(6-4)式,

FPA耐性株で、(6-5)式の直線にそれぞれ回帰できた。

Isoamyl alcohol (mg/l) = 522 X glycerol (g/l) - 243 ß-Phenylethyl alcohol (mg/l) = 188 X glycerol (g/l) - 145

r = 0.73 (6-4) r = 0.77 (6-5) 以上のように, 培地中のアミノ酸の有無にかかわらず, アミノ酸生合成に由 来する香気成分とグリセリン生成とには正の相関が見られた。

6-4 考 察

前章で酵母のグリセリン生成がアミノ態窒素添加区 に比べ無機態窒素添加区 で多く, エタノ ール生産は逆に無機態窒素培地で少なかったことから, はじめ に菌体内ADH活性とグリセリン生成に及ぼす窒素源の影響を調べた。 その結果,

無機態窒素添加区でのADH活性は低く, さらにADH活性が低いほどグリセリン 生成は多かった(Fig.6-1)。 これはADH活性の低下によってグリセリンが高生 成されたという点で、Lutstorf and Megnet4 2 )の推論と符合した。 著者は無機態窒 素添加区ではグルコースからアミノ酸の生合成が活発になってADH活性および エタノール生成が低下し, その結果蓄積したNADHがグリセリン生成系に回っ て, グリセリン生成が高められるのではないかと推論した(Fig.6-2)。 この作 業仮説によれば, アミノ酸を継続的に過剰生成するアミノ酸代謝系変異株は

ADH活性が低下し, さらにグリセリンを高生成すると考えられ, アミノ酸アナ ログ耐性株からグリセリン高生成株の 取得を試みた。

焼酎酵母BAW-6を親株として4種類の耐性変異株を取得し, グリセリン生成 を比較したところ, アミノ酸代謝系が変異したT孔およびFPAの耐性株のみ高 い頻度で グリセリン高生成株が得 られ た(Fig.6-3)。 また, TFLおよびFPAの 耐性株においても グリセリン生成が多い株ほどエタノール生成 の低下 が見られ (Fig.6-4) , さらに菌体内ADH活性 は親株よりも低く推移した(Fig.6-5)。

取得したアミノ酸アナログ、耐性株の中にはEMS変異処理によりADHアイソザ イムが一部欠損し, そのためにADH活性が低下した株が含まれる可能性もある。

しかし, アミノ酸生合成が原因となってADH活性が低下し, そのためにグリセ リン生成が向上したのであれば フィードバック阻害を解除したアミノ酸に由 来する高級アルコールとグリセリン生成とは正の相関が見られるはずである。

そこで窒素源が異なる香気生成培地①および香気生成培地②で アミノ酸に由来 するイソアミルアルコールやß-フェネチル アルコー ルの 生成 とグリセリン 生成との関係を調べた(Fig.6-6, Fig.6-7)。酵母は香気生成培地①の窒素源 が硫安であることから培地からアミノ酸を取り込めず 香気生成培地② の窒素 源がカザミノ酸であることから培地からアミノ酸を取り込むことができる。 い ずれの条件であっても アミノ酸に由来する香気成分とグリセリン生成とは正の 相関が見られた。 以上の ように, フィードパック阻害が 解除されたアミノ酸に

由来する香気成分がグリセリンと正の相関が見られたことから, アミノ酸生合

成がADH活性の低下に影響し, その結果グリセリンが高生成されたものと推察 されたO

以上の結果をTable6-2 �こまとめた。 硫安, 塩化アンモニウムを窒素源として 用いた場合, カザミノ酸, トリプトンを窒素源として 用いた場合よりもADH活 性は低く, グリセリン生成は多かった。 この結果から, 著者はグリセリン生成 に影響するADH活性の違い42)はアミノ酸生合成に関連している, すなわち アミノ酸生合成が活発になるとADH活性が低下し その結果グリセリンが高生 成されたと考えた(Pig.6-2)。 この仮説に基づいて, アミノ酸代謝系が変異し たアミノ酸アナログ耐性株からグリセリン高生成株を分離した。 また, これは アミノ酸アナログ耐性株がアミノ酸を継続的に生合成した1 0 7 - 1 1 0 )ためにグ リセリンを高生成したものと推定された。

アミノ酸アナログ耐性株を使用して焼酎醸造を行った場合, アミノ酸に対応 したアルコールや酢酸エステルのもろみ中の濃度が増加し, 官能に特徴ある焼 酎が得られる1 5 )と報告されている。 アミノ酸アナログ耐性株からグリセリン を高生成する株が高頻度で得られることから, これまで醸造に応用されてきた TFLおよびFPAの耐性株もグリセリンを高生成する株であった可能性が高い。

このことから, アミノ酸アナログ耐性株を用いた焼酎醸造はもろみ中の香気成 分を増加させ, さらにグリセリン濃度の増加により香気成分の留出を高めると いう2つの効果があり, その結果特徴ある焼酎が得られるものと考えられた。

Table 6-2. Strain phenotype and nitrogen source which influence glycerol formation.

Conditions Biosynthesis b C d d

of Alcohol Ethanol Glycerol

amino acid dehydrogenas formation formation

Unknown 42)

Unknown +42) Alcohol dehydrogenase-partial

deficient mutant 42)

Ammonium sulfate a

Ammonium chloride ++ +

Casamino acid a

Tryptone + +

+1 10-1 13)

Amino acid analogue mutants +

a These results was obtained from Fig. 6-1.

b + + ... active, + .. . active only some arnino acids, :t • • • inactive.

c + ... high,一 ...low.

d + ・ ・ ・ mcrease,一 ... decrease.

一般にADH活性の低下した株は増殖力あるいは発酵力が低下している可能性

が高く , 実用上問題である。 著者は塩化ナトリウム耐性を指標にして, ADH

活性は親株と遜色なく, GPase活性が高まったグリセリン高生成株を取得した

が, これについては次章で述べる。

6-5 小括

ADH活性はアミノ態窒素添加区より無機態窒素添加区で低 く グリセリン生

成は無機態窒素添加区で、高かった。 この結果 から アミノ酸生合成が活発にな るとADH活性およびエタノール生成が低下し, グリセリン生成が向上するので はないかと推論し アミノ酸代 謝系が変異したアミノ酸アナログ耐性株のグリ セリン生成を調べた。 その結果, T礼およびFPAの耐性株 から高い確率で 親株 よりもグリセリ ンを高生成する株が得られ 最優秀株は両耐性株とも親株のお よそ1.8倍のグリセリンを生成した。 また 対象として行ったCANおよびCERの 耐性株は親株より もグリ セリン生成が低下した株が多かった。 TFLおよびFPA の耐性株ではグリセリン生成が多い株ほどエタノール生成量は 低下する傾向に あり, 菌体内ADH活性は親株よりも低く 推移した。 また, アミノ酸代謝系変異 株のグリセリン生成量はフィードバック阻害が解除されたアミノ酸に由来する イソアミルアルコールやß-フエネチルアルコールの生成量とそれぞれ正の相関 が認められた。 以上の結果, アミノ酸代謝系変異株は親株よりADH活性が低下

し, その結果グリセリンを高生成したが, これは変異株がフィードバック阻害

が解除されたいくつかのアミノ酸を継続的に生合成したためと推察されたO

第7章 塩化ナトリウム耐性を強化した 焼酎酵母 からの

グリセリン高生成株の取得

7 - 1 緒言

前章でアミノ酸代謝系が変異した アミノ酸アナログ耐性株 は, alc oh ol

dehydrogen ase (ADH )活性の低下によりグリセリンを高生成 した ことを述べ

たO焼酎酵母に求められる基本的性質はクエン酸耐性があり, アルコール生産 性が高いことで あることから, ADH 活性が低下 した株は焼酎醸造においては実 用的ではないと考えられた 。 これまで, グリセリンを高生成する変異株として,

allyl alcohol耐性39,41-44)あるいはpyrazole耐性3 9 4 1 )株 などに見られる ADHアイソザイム一部欠損株, 呼吸欠損株3 9 4 1 ) が報告されている。 しかし,

前述した ようにADHアイソザイム一部欠損株はアルコール生産が低下すること 39), 呼吸欠損株は増殖が遅れることなど の理由から, 焼酎醸造上好ま しくな

いと考えられた。

一方, Zygosaccharomyces rouxii, Debariomyces hanseniiは塩に対する耐性を有 しており, Saccharomyces cereνlSlaeよりもグリセリンを高生成する1 1 4司1 2 0 ) ことが知られている。 また , Saccharomyces cereνlSlaeも塩存在下でグリセリン を高生成する1 0 3 1 2ト1 2 4 ) ことが報告されているo Matsutaniら12 5 ) は,

清酒酵母協会7号(K-7, Saccharomyces cerevisiae)からethyl methanesulfonate (EMS)処理によって塩化ナトリウム耐性株 を取得し, 電子顕微鏡観察の結果

ドキュメント内 Kyushu University Institutional Repository (ページ 34-62)

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