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『あらゆるレベルの意思決定において、関心を有する個人 団体、組織の参画が容易となるような関連するメカニズムを開発

ドキュメント内 戦後日本公害の歴史的教訓 (ページ 37-44)

アジェンダ21 第 4 章「地球環境が悪化し続ける原因は、主とし て、特に先進国における持続不可能な形での消費と生産である。

これは貧困と不均衡を悪化させる深刻な問題である」

第 8 章『あらゆるレベルの意思決定において、関心を有する個人

8.公害は終らない ー原発公害とアスベスト災害

① 福島第一原子力発電所事故

アメリカのスリーマイル島、ロシアのチェルノブイリ原発事故に次ぐ 放射能汚染.

東日本大震災

2011

3

11

日と事故

被害額推定

11

兆円

今も約

15

万人の避難民、事故対策の失敗続く

原発廃止と再生可能エネルギーへの移行が必要

被害救済・事故対策未終了中に再稼働・輸出計画の愚挙

放射能廃棄物の処理不能

将来世代への倫理的責任

原発コストの財政・公共料金への依存ー負担の上昇

地球環境政策と整合性を持ったエネルギー計画の未提示

福井地裁( 2014 年 5 月 21 日)の歴史的判決

人格権を法の最高の価値とし、確たる根拠のない脆弱な安全性に

支えられている原発再開を差し止めた。

原発所在自治体が、この判決のように短期の経済的利益よりも

人間の生命・健康と安全な環境を優先するか。

②石綿(アスベスト)労災・公害問題

石綿は耐熱・耐火性など奇跡の素材といわれ、安価で

3000

種類の商 品に使われ、都市化・工業化の高度成長時代に生産・消費の経済全 過程で大量使用。

石綿の健康被害は戦前から明らか、戦後、暴露から

15~40

年後に中皮 腫や肺がんの発生が解明。

日本では戦前からの医学者の調査で危険は警告されていたが、建築学系で は使用が奨励されるなど、欧米で使用が禁止されても大量使用。

2005

6

月クボタ尼崎工場周辺

3

人の住民中皮腫患者が告発し、一挙に潜 在していた石綿労災・公害が表面化・翌年政府は石綿被害救済法制定。

石綿労災事務所全国に

8000

、年

2000

人被害、

500

万トンが建材にストック、

解体(震災時を含め)時に飛散。作家藤本義一中皮腫死亡のように全国民に 複合型ストック公害として今後

10~30

万人の死亡予測。

WHO

は世界で数百万 人の死亡予測。アジア特に中国は大量使用、規制不十分。

最高裁は

2014

10

9

日初めてアスベスト被害の国の責任を認めた画期的 判決、現実には対策が遅れているので、

2050

年までは被害は増える。

38

1930 1960 1970 1980 1990 2000 2005 2007

中国 315 81,288 172,737 150,000 185,748 382,315 515,000 626,000

インド 1,847 23,652 49,792 96,892 118,964 145,030 255,000 302,000

日本 11,193 92,483 319,473 398,877 292,701 85,440 -31 58

韓国 631 36,664 46,641 76,083 30,124 6,480 1,100

タイ 6,433 21,272 58,756 116,652 109,600 176,000 86,500

アメリカ 192,454 643,462 668,129 358,708 32,456 1,134 576 916

イギリス 23,217 163,019 149,895 93,526 15,731 268 -1 187

フランス 83,385 152,357 125,549 63,571 -374 169

イタリア 6,942 73,322 132,358 180,529 62,407 40 -20 -29

ロシア 38,332 453,384 680,589 1,470,000 2,151,800 449,239 315,000 280,000

ブラジル 136 26,906 37,710 195,202 163,238 172,560 139,000 93,800

世界全体 388,541 2,178,681 3,543,889 4,728,619 3,963,873 2,035,150 2,260,000 2,080,000

表4 各国のアスベスト消費量

注)消費量=(産出量+輸入量)-輸出量

出典)U.S., Geological Survey, Worldwide Asbestos Supply and Consumption Trends from 1900 to 2003.

9.維持可能な社会 ( Sustainable Society) へ

(1)維持可能な発展から維持可能な社会へ

維持可能な社会は次の課題を総合しうる社会 ①平和を維持する、特に核戦争を防止する

②環境と資源を保全・再生し、地球は人間を含む多様な生態系の環境として 維持改善する

③絶対的貧困を克服して、社会的経済的な不公正を除去する

④民主主義を国際国内的に確立する

⑤基本的人権と思想・表現の自由を達成し、多様な文化の共生を進める

世界国家をつくれない現実の下では、国連の中に

WEO(

世界環境機構)が必要。

資本主義はこのような社会を創るには限界。それに代わる生産関係について、

当面は混合経済体制の下で、政治経済システムの改革をしながら、人類は模 索しなければならないだろう。

このままでは地球環境の危機は避けられないかもしれないが、小さなパニック の際に、軌道修正ができるかどうか人類の英知が試される。

経済学者にとっては政治経済システムの転換という課題への挑戦に迫られる。

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(2)維持可能な内発的発展 (Sustainable Endogenous Development)

現状の国際政治の下では

SS

を作ることは難しいが、地球環境の危機 は待ったなしである。

足元から

SS

を作らねばならない。

EC

Sustainable Cities Plan

やドイツの

Green City

が参考。

日本では内発的発展の運動がモデルであろう。

①目的は環境保全を枠組みとした総合性

②方法は地域内資源循環・産業連関、社会的剰余の地元分配、

福祉・教育・文化への配分重視

③主体は地元の個人・住民参加の公共的組織、協同組合・

NPO

私はこの7月に『戦後日本公害史論』を刊行して、日本の公害対策の 失敗と成果を総括した。今日はその核心の一部を述べた。

日本の公害対策は企業と政府の失敗の後に、国民の憲法の民主主 義制度に基づいた自発的な公害反対の世論と運動と専門家の努力・

マスメディアの協力によって政策が転換し、世界でも最も成果を上げ、

欧米の研究者の参考になった。

その後の不況の下で、環境政策は停滞し、いま原発事故対策で多く の困難を抱え、地球環境政策ではドイツをはじめ EU の対策の方が進 んでいる。

現政権は平和・基本的人権・民主主義の戦後憲法体制に反対し、

政治経済全面にわたって改革を進めつつある。戦後の公害史の歴 史的教訓は、戦後憲法体制を維持しつつ維持可能な社会を創らね ばならぬことであった。安倍政権はそれとは反対の方向へ進みつつ ある。私たちは勇気を持って、この事態の進行を止め、維持可能な社 会への国際的連帯をすすめなければならない。

おわりに ― 歴史は未来の道標

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参考文献(数は多いが、この報告に使った資料)

宮本憲一『環境経済学新版』(岩波書店、 2007 年)

宮本憲一『維持可能な社会へ向かって』(岩波書店、

ドキュメント内 戦後日本公害の歴史的教訓 (ページ 37-44)

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