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■2006年以降

ドキュメント内 Technical news vol.16 (ページ 51-54)

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(U-16)につくり、この年代が抱えていたトレーニ ングやゲームから遠ざかる期間を少なくすることが できた。そして、U-18年代の過密スケジュールの軽 減にもつながっている。

U-16の選手が都道府県を代表する選手として真剣 勝負を闘うことで、技術・戦術に関しての向上が見 られる。また、学年的には下級生であるが、この機 会に自分自身がリーダーシップを発揮し、ゲームの 責任を持って遂行する場を持つことは、選手を自立 させていくために大きな効果があると思われる。

(2)中学生の天井効果の排除

中学3年生にU-16での出場を認めたことで、第3種 の中では余裕を持ってプレーできる選手に、カテゴ

リーを上げた公式戦に出場することで天井効果を排除することが できると思われる。今大会では18名の中学3年生が出場した。全 体から見るとまだ5%と低い数字であるが、今後はより多くの中学 生が出場するのではないかと思われる。

(3)トレセンとの連携〜都道府県での長期一貫指導体制の確立 高校3年生の国体では高校生になってから鍛えれば良かった。都 道府県内の強豪高校やJユースチームに入る選手が入口の問題であ り、その後に各チームやトレセンでの強化を考えていれば良かっ た。しかしU-16化したことで今までのやり方では通用しない。ま だU-16年代は心身ともに不安定であり、強豪高校やJクラブに入っ た選手でも高校1年生の前期では、4月から選手を招集してチーム づくりをしても間に合わないことが今大会ではっきりした。

優勝した千葉県はU-12年代から第2種と第3種のコーチがミック スして各年代を育成している。同じように取り組んでいる都道府 県も多く、今年の国体の監督で昨年も47FAのトレセン活動に携わ っている監督は、全体の3分の2に達している。指導者が種別の壁 を取り外し、年代に応じた指導により、都道府県内での長期一貫 指導体制の確立が促進されたと思われる。

(4)指導者の交流とコーチングの向上

長期一貫指導体制の確立でも触れたが、種別を越えた活動が増 えることにより、個人とグループまたチームでのやるべきことを、

違う種別の指導者と共有することができると思われる。具体的に は第2種の指導者が13、14歳の年代のトレセンにかかわることで、

チームを組み立てる個人、またはグループの技術・戦術の段階別 な指導や、中学生年代の選手の導き方などを第3種の指導者とディ スカッションできるであろうし、第3種の指導者はU-16のトレセ ンや国体チームにかかわることで、チーム全体のマネジメントを 肌で感じることもできると思われる。またそこに第4種の指導者も 加われば一層指導者の連携は取れてくると思われ、各年代のコー チがもっと幅の広い年代にかかわり、コーチングの質を向上させ ることができると思われる。

(5)マッチデーとの連携(リーグ戦化、M-T-Mの創出)

U-16化でこの年代に公式戦をつくることはできたが、ミニ国体 や本大会は短期の闘いであり、特に本大会は5日間5連戦のトーナ メント方式になっている。トーナメント戦を否定するのではない が、選手を長期にわたり育成する観点から、リスクにトライでき てM-T-Mの確保できるリーグ戦は不可欠であると思われる。その ために毎月1回のマッチデーを設けて地域内のリーグ戦からM-T-M を導入していくことを行っていきたい。

本年度は関東と東海がマッチデーでの対戦をミニ国体の組み合 わせの予備戦として位置づけた。それにより4月から真剣勝負の場 が創出され、どの都県も4月とミニ国体の8月とを比較するとチー ム力が大きく進歩していたと思われた。関東地域では国体で終わ るのではなく、U-16の育成強化は年間を通したリーグ戦から行う と考えている。

また、このマッチデーでは90分ゲームを行っている。この年代 で90分は長いと思われるが、国際大会では90分はスタンダードと なっており、先般行われたAFC  U-17選手権(U-16年代)でも1日 おきの90分ゲームにより世界大会が争われている。所属チームで はまだ完全なレギュラーではなく90分を体験できない選手が多い が、このマッチデーで4月から90分ゲームを経験したことは、今 回のU-16日本代表が大会の全6試合のパフォーマンスを落とすこ となく闘え、12年ぶりのアジアチャンピオンを勝ち取った一翼に なっている。

1つの改革ですべてを解決することはできない。ウイークポイン トを補いストロングポイントに変えても、そのことで新たなウイ ークポイントが出てくるのは当然だと思われる。しかし、「ウイー クポイントが出たから失敗」ではなく、新たにできたウイークポ イントをいかにして改善するかを考えていくことが重要である。

4.国体U-16化の課題

(1)17、18年代の選手発掘と強化

国体少年の部をU-16化したことで17、18歳 の選手の場は少なくなった。しかしU-18年代 はトップレベルのチームでプレーする年代

(FIFAワールドカップでも10代で多くの選手が 出場している)であり、少年の部ではなく成 年の部での出場をお願いしてきた。高円宮杯 全日本ユース(U-18)、プリンスリーグに出場 する選手に関しては既にレベルの高いゲーム 環境があることと、18歳年代の過密を解消す る目的から、それ以外の選手に成年の部での 出場を考えた。今大会(本大会)で第2種年代 の選手の出場は4名であり、数の上ではまだ少 なかった。しかし今後は成年の部は社会人の

大会のような固定観念を取り払い、能力のある選手に場の提供を してカテゴリーが上がり、厳しいゲームの中での選手強化を狙っ ていくようにしていきたい。

(2)所属チームとの日程調整

18歳年代の過密を解消するためのU-16化でもあったが、新たに U-16年代での過密が生じていることも出てきた。所属チームで既 にレギュラーに定着して毎週プリンスリーグで90分間をフル出場 している選手は、所属チーム、代表チーム、国体チームと過密に なっている。代表招集と重複した部分もあった。今後、代表チー ムとしては「マスト」で招集するキャンプを年度当初にアナウン スし、チームとの連絡連携を深めていきたいと考えている。また、

プリンスリーグとマッチデーの日程調整も行う必要がある。どう しても各大会が独自に運営を考えてしまうことがある。今後はこ の問題に限らずユース育成全体を包括的に行うことのできる地域 のユースダイレクターの存在が必要となると思われる。

それでもプリンスリーグとマッチデーとの連戦が生じる場合も あるが、チーム間での調整を「プレーヤーズ・ファースト」で行 うことが重要だと思われる。今年の例では翌日のプリンスリーグ にスタートで使いたい選手を、前日のマッチデーでは国体チーム が45分のプレー時間にしていた県もあった。また、プリンスリー グよりもマッチデーを尊重し、マッチデーに出場させた上で、翌 日のプリンスリーグは、日ごろはベンチを暖めているU-18年代の 選手を先発させてくれたチームもある。この問題は強制的に優先 権をつくるのではなく、ケースに応じてチーム間の紳士的な解決 を考えていくことが重要であると考える。

(1)国体の意義

国体は都道府県の体育協会から強化費が出されている。だから 国体で勝利し得点を獲得することが必要であり、「国体での得点が 次年度の補助金の査定になるので勝利至上主義になる」という意

見を聞く。国体強化費は都道府県民の税金であり、体育協会から プレッシャーがあるのも事実だと思われる。しかしその中でわれ われコーチは選手に何をしていくのかが問われる。「理想論」だと 一言で片付けるのではなく、チームスタッフが圧力を感じている のなら各協会でプレッシャーからプロテクトしていくべきであり、

選手の将来につながらない目先のチーム強化に走ってはならない。

今回のU-16化は日本サッカー全体を考えての改革であり、国体 という一大会の改革ではない。そして日本体育協会も国体は都道 府県の獲得得点を争わせて意識高揚を狙っているが、その根本の 目的は「日本の競技力の向上」であり、国体を通して国際競争力 を向上させることが一番の狙いである。U-16化は日本全体のスケ ジュールから逆算して、選手を育成強化しレベルアップを目指す 改革であるので、極端な勝利至上主義に陥り、選手の強化育成に 効果の上がらない大会になってしまうことはあってはならない。

(2)今後の方向性

大人のサッカーの入口であるが学校体育の狭間にあたる中学3年 生の後期の受験によるブランクと、高校1年生になり、まだ所属チ ームでの出場機会が少なく公式戦から遠ざかる選手に対して、必 要なことは何かが重要になる。国体という短期の大会だけでなく 毎月1回のトレセンマッチデーを創出し、継続的な活動からM-T-M の確保をしていくことを考えたい。

また第2種と第3種、そして第4種も含めて種別を越えた長期一 貫指導体制を都道府県内で確立することを狙いとしていきたい。

5.国体改革(少年の部U-16化)の方向性

「勝つことと育てることは矛盾すると同時に矛盾しない。

われわれコーチはその矛盾の中に生きている」

イビチャ・オシム日本代表監督 勝つこと、育てることの両立を目指して

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