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⑴ 一 九

ドキュメント内 平等原則のドグマーティク︱︱ (ページ 34-41)

九四 年の 公職 選挙 法改 正に より

、衆 議院 議員 の選 挙制 度が それ まで の中 選挙 区単 記投 票制 から 小選 挙区 比例 代表 並立 制に 改め られ た。 これ に伴 い選 挙運 動の 主体

、手 段等 につ いて も、 改正 が行 われ た。 改正 法で は、 小 選挙 区選 挙に おい て、 候補 者の ほか に候 補者 届出 政党 にも 選挙 運動 が認 めら れた

。そ れに より

、候 補者 届出 政党 に 所属 する 候補 者と これ に所 属し ない 候補 者と の間 に選 挙運 動の 上で 差異 が生 じる こと とな った

。こ のこ との 合憲 性

が争 われ た事 件に おい て、 一九 九九 年の 大法 廷判 決は 次の よう にい う。

①﹁ 衆議 院議 員の 選挙 制度 の仕 組み の具 体的 決定 は、 国会 の広 い裁 量に ゆだ ねら れて いる とこ ろ﹂

、﹁ 選挙 運動 を いか なる 者に いか なる 態様 で認 める かは

、選 挙制 度の 仕組 みの 一部 を成 すも のと して

、国 会が その 裁量 によ り決 定 する こと がで きる

﹂。

﹁選 挙制 度を 政策 本位

、政 党本 位の もの とす るこ とに 伴っ て、 小選 挙区 選挙 にお いて は、 候補 者届 出政 党に 所属 する 候補 者と これ に所 属し ない 候補 者と の間 に、 選挙 運動 の上 で実 質的 な差 異を 生ず る結 果と な って いる

﹂。

﹁被 選挙 権又 は立 候補 の自 由が 選挙 権の 自由 な行 使と 表裏 の関 係に ある 重要 な基 本的 人権 であ るこ とに かん がみ れば

、憲 法は

、各 候補 者が 選挙 運動 の上 で平 等に 取り 扱わ れる べき こと を要 求し てい ると いう べき であ る が、 合理 的理 由に 基づ くと 認め られ る差 異を 設け るこ とま で禁 止し てい るも ので はな い﹂

②﹁ 政党 その 他の 政治 団体 にも 選挙 運動 を認 める こと 自体 は、 選挙 制度 を政 策本 位、 政党 本位 のも のと する とい う国 会が 正当 に考 慮し 得る 政策 的目 的な いし 理由 によ るも ので ある と解 され るの であ って

、十 分合 理性 を是 認し 得 る﹂

③ 。 そう であ る以 上、

﹁候 補者 届出 政党 に所 属す る候 補者 とこ れに 所属 しな い候 補者 との 間に 選挙 運動 の上 で差 異 を生 ずる こと は避 け難 いと ころ であ るか ら、 その 差異 が一 般的 に合 理性 を有 する とは 到底 考え られ ない 程度 に達 し てい る場 合に

、初 めて その よう な差 異を 設け るこ とが 国会 の裁 量の 範囲 を逸 脱す ると いう べき であ る﹂

④﹁ 自動 車、 拡声 機、 文書 図画 等を 用い た選 挙運 動や 新聞 広告

、演 説会 等に つい てみ られ る選 挙運 動上 の差 異 は、 候補 者届 出政 党に も選 挙運 動を 認め たこ とに 伴っ て不 可避 的に 生ず ると いう こと がで きる 程度 のも ので あり

﹂、 候補 者届 出政 党に 所属 しな い候 補者 もそ うし た選 挙運 動や 新聞 広告

、演 説会 等を 行う こと がで きる ので あっ て、

﹁そ れ自 体が 選挙 人に 政見 等を 訴え るの に不 十分 であ ると は認 めら れな いこ とに かん がみ れば

、右 のよ うな 選挙 運 動上 の差 異を 生ず るこ とを もっ て、 国会 の裁 量の 範囲 を超 え、 憲法 に違 反す ると は認 め難 い﹂

⑤﹁ もっ とも

、改 正公 選法 一五

〇条 一項 が小 選挙 区選 挙に つい ては 候補 者届 出政 党に のみ 政見 放送 を認 め候 補者 を含 むそ れ以 外の 者に は政 見放 送を 認め ない もの とし たこ とは

、政 見放 送と いう 手段 に限 って みれ ば、 候補 者届 出 政党 に所 属す る候 補者 とこ れに 所属 しな い候 補者 との 間に 単な る程 度の 違い を超 える 差異 を設 ける 結果 とな る﹂

。 しか しな がら

、﹁ 政見 放送 は選 挙運 動の 一部 を成 すに すぎ ず、 その 余の 選挙 運動 につ いて は候 補者 届出 政党 に所 属 しな い候 補者 も十 分に 行う こと がで きる ので あっ て、 その 政見 等を 選挙 人に 訴え るの に不 十分 とは いえ ない こと に 照ら せば

、政 見放 送が 認め られ ない こと の一 事を もっ て、 選挙 運動 に関 する 規定 にお ける 候補 者間 の差 異が 合理 性 を有 する とは 到底 考え られ ない 程度 に達 して いる とま では 断定 し

( )

難い

﹂。

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この 判決 には

、河 合伸 一裁 判官 など 五名 の裁 判官 によ る反 対意 見が あっ た。

①﹁ 選挙 権を 自由 かつ 平等 に行 使す る権 利は 極め て重 要な 基本 的人 権で ある から

、こ れと 表裏 の関 係に ある 被選 挙権

、す なわ ち国 会議 員に 立候 補す る権 利を 自由 かつ 平等 に行 使す るこ とが でき るこ とも また 重要 な基 本的 人権 で ある

﹂。

﹁被 選挙 権の 内容 には

、当 選を 目的 とし て選 挙運 動を 行う 権利 が含 まれ てい るこ とは 当然 であ るか ら、 憲法 は、 合理 的な 理由 がな い限 り、 選挙 運動 を行 うに 当た り、 すべ ての 候補 者が 平等 に取 り扱 われ るべ きこ とを 要請 し てい る﹂

②﹁ 選挙 運動 を行 う上 で平 等で ある とい うこ と﹂ には

、﹁ 選挙 運動 に当 たり

、候 補者 は…

…特 定の 政党 又は 政治 団体 に所 属す るか 否か によ って 差別 され ない こと も当 然含 まれ る﹂

③﹁ 選挙 制度 を政 策本 位の もの とす るこ とが 望ま しい とし ても

、こ れを 政党 本位 のも のと する こと につ いて は、 別途 検討 を要 する

﹂。

﹁較 差の 程度 と内 容を 検証 して みる と﹂

、特 に、 改正 公選 法一 五〇 条一 項が

﹁質 量共 に大 きな 較差 を設 け﹂ てい るた め、

﹁候 補者 届出 政党 に所 属す る候 補者 の受 ける 利益 は、 候補 者届 出政 党に も選 挙運 動を 認 めた こと によ って 不可 避的 に生 じる 程度 にす ぎな いと いう のは

、あ まり にも 過小 な評 価と いわ ざる を得 ず、 候補 者

届出 政党 に所 属す る候 補者 と、 これ に所 属し ない 候補 者と の間 の選 挙運 動上 の較 差は

、合 理性 を有 する とは 到底 い えな い程 度に 達し て

( )

いる

﹂。

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この 判決 も、 前記 の争 点に 関し ては

、先 行判 決を 引照 して いな い。 しか し、

﹁政 策的 目的 ない し理 由﹂ とそ れに よっ て生 じた

﹁差 異﹂ につ いて

、﹁ 二段 構え

﹂の 正当 化審 査を して いる 点に 特色 があ る。 これ は、 本件 判断 の 対象 が新 たに 導入 した 制度 であ るた め、 両者 の関 係が 明確 だ、 とい う事 情に よる もの と思 われ る。 また 判決 は、 前 者に つい ては

﹁合 理性

﹂の 有無

、後 者に つい ては

﹁一 般的 に合 理性 を有 する とは 到底 考え られ ない 程度 に達 して い る﹂ か、 に関 する 審査 を行 った

。後 者は

、﹁ およ そ他 に例 を見

( )

ない

﹂と 評さ れる ほど 緩い もの であ った が、 同一 の

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論点 を扱 った 近年 の判 決で は、

﹁合 理性 を有 する とは 考え られ ない 程度 に達 して いる

﹂か とい う定 式に 変更 され て

( )

いる

。こ れに 対し て反 対意 見は

、選 挙運 動の 権利 の重 要性 を強 調す るこ とに より

、別 異取 扱い の正 当化 審査 の審 査 密 72

度を 厳格 化し よう とす る︵ 反対 意見

①︶

。こ れは

、選 挙運 動に 関す る規 定を

、多 数意 見と は異 なり

、選 挙制 度の 形 成と いう 観点 から では なく

、権 利の 制限 とい う観 点か らみ たも のと もい える し、 選挙 制度 の形 成を 平等 原則 によ っ て外 側か ら枠 づけ たと もい える もの で

( )

ある

。憲 法学 界で は、 選挙 運動 の規 制は 表現 の自 由の 制限 の問 題だ とみ るの

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が通 説的 見解 だと 思わ れる

地方 公共 団体 にお ける 管理 職昇 進と 平等

東京 都に 保健 師と して 採用 され た者 が、 管理 職選 考を 受験 しよ うと した

。し かし

、日 本国 籍を 有し ない こと を理 由に 受験 が認 めら れな かっ た。 この 者が 平等 原則 違反 など を理 由と して 国家 賠償 を請 求し た事 件に おい て、 二

〇〇 五年 の最 高裁 は次 のよ うに 述べ た。

①﹁ 普通 地方 公共 団体 は、 職員 に採 用し た在 留外 国人 につ いて

、国 籍を 理由 とし て、 給与

、勤 務時 間そ の他 の勤

務条 件に つき 差別 的取 扱い をし ては なら ない もの とさ れて おり

︵労 働基 準法 三条

、一 一二 条、 地方 公務 員法 五八 条三 項︶

、地 方公 務員 法二 四条 六項 に基 づく 給与 に関 する 条例 で定 めら れる 昇格

…… 等も 上記 の勤 務条 件に 含ま れる

﹂。

﹁し かし

、上 記の 定め は、 普通 地方 公共 団体 が職 員に 採用 した 在留 外国 人の 処遇 につ き合 理的 な理 由に 基づ いて 日 本国 民と 異な る取 扱い をす るこ とま で許 され ない とす るも ので はな い。 また

、そ のよ うな 取扱 いは

、合 理的 な理 由 に基 づく もの であ る限 り、 憲法 一四 条一 項に 違反 する もの でも ない

﹂。

②﹁ 公権 力行 使等 地方 公務 員の 職務 の遂 行は

、住 民の 権利 義務 や法 的地 位の 内容 を定 め、 ある いは これ らに 事実 上大 きな 影響 を及 ぼす など

、住 民の 生活 に直 接間 接に 重大 なか かわ りを 有す る﹂

。﹁ それ ゆえ

、国 民主 権の 原理 に基 づき

、国 及び 普通 地方 公共 団体 によ る統 治の 在り 方に つい ては 日本 国の 統治 者と して の国 民が 最終 的な 責任 を負 う べき もの であ るこ と︵ 憲法 一条

、一 五条 一項 参照 に︶ 照ら し、 原則 とし て日 本の 国籍 を有 する 者が 公権 力行 使等 地方 公務 員に 就任 する こと が想 定さ れて いる とみ るべ きで あ﹂ る。

③﹁ そし て、 普通 地方 公共 団体 が、 公務 員制 度を 構築 する に当 たっ て、 公権 力行 使等 地方 公務 員の 職と これ に昇 任す るの に必 要な 職務 経験 を積 むた めに 経る べき 職と を包 含す る一 体的 な管 理職 の任 用制 度を 構築 して 人事 の適 正 な運 用を 図る こと も、 その 判断 によ り行 うこ とが でき る﹂

。﹁ そう する と、 普通 地方 公共 団体 が上 記の よう な管 理職 の任 用制 度を 構築 した 上で

、日 本国 民で ある 職員 に限 って 管理 職に 昇任 する こと がで きる こと とす る措 置を 執る こ とは

、合 理的 な理 由に 基づ いて 日本 国民 であ る職 員と 在留 外国 人で ある 職員 とを 区別 する もの であ り、 上記 の措 置 は、 労働 基準 法三 条に も、 憲法 一四 条一 項に も違 反す るも ので はな い﹂

④当 時、 東京 都に おい ては

、﹁ 管理 職に 昇任 した 職員 に終 始特 定の 職種 の職 務内 容だ けを 担当 させ ると いう 任用 管理 を行 って

﹂い なか った ので ある から

、﹁ 上記 の管 理職 の任 用制 度を 適正 に運 営す るた めに 必要 があ ると 判断 し て、 職員 が管 理職 に昇 任す るた めの 資格 要件 とし て当 該職 員が 日本 の国 籍を 有す る職 員で ある こと を定 めた とし て

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