• 検索結果がありません。

⑧鉄 ○

ドキュメント内 文字・表記の教育 (ページ 148-155)

ツ・ ン

 上表の数詞以外の漢字は,

だけである。

当該字音を持つ初級段階の漢字を任意に掲げた

【①渋と②十】

 現代語音で「ジュー」と発音され,「じゅう」と書かれる漢字には,綴仮 名遣いで

 「じゅう」と書かオ■た「充,雀途,垂充,終」

 「じう」    〃   「柔,1歎」

 「じふ」   〃  「十,渋,汁」

 「ぢゆう」  〃  「住,藁:,中」

などがあるが,この中で促音化するのは「十」だけである。 「じゅう」は,

常用漢字表にも「ジッ」の字音が掲げられているので被覆音ではないかもし れないが,漢字だけでは「ジュウ」か「ジッ」かは丁丁人には分かりにく い。臼本語の促音は「二丁」(ア行),「十年」(ナ行),「十枚」(y/行),「十 羊」(ヤ行),「十楼」(ラ行)及び濁音の各行の前では現われず,カ,サ,

タ,ハ各行に限:られる。 (倶し,片仮名語の揚 合は異なる。〈3.2.1,2.(3)

「捉音の読み書き」参照〉)

カそ了 一1一匝i −i耀幾  一i一区1 −1畷汗 一卜戸f

一・一@139 一

サ行 十冊 十指 十擁.十銭 十足 タ行 十反 十中 十通 十点 十頭 ハ行 十杯 十匹 ナ分 乱心 十本

 ハ行事の後部頭子音H音はP音に変わることにも気をつけさせたい。「じ ゅう」と同じ仲間の「渋,汁」には,「渋滞」のように促音化現象は起こらな い。このような点からも,数詞には気をつけていきたいと思う。

【③石】

力行 石灰 石器 石窟 石鹸 石ユニ サ行 積載 適研    積雪 色素 タ行 石炭 敵地 激痛 歴程 石塔 ハ行 摘発 石弓    積弊 適法

上例のように,後酪頭子音が「K」の場合にのみ促音化が起こる。

【④学と⑤六】

・行

サ行

o難詰難箕灘

・行

o難:葺禍難戸戸

桁{強盛鷺難

一 140 一一

 前部構成要素が「〜ク」,の場合,一般の語ではどの任意の漢字を選んで も,音変化を起こすのは力行だけであるが,数詞のr六」は,力行とハ行で 音の変化を起こしている。

【⑥日と⑦一】

・行

o皇諜響欝欝

サ行

ォ呈菱謄筆攣

・行

o野4鯉∴雌等塾

…fi

o黙品楓∵棄

 語例の欠けている部分は,仮に該治する語があれば,他の語例からみて促 音化することが期待される。1 〜チjに属する漢字は「Hj「八∬吉」ぐら いであろう。ただし,「吉」には「キツ」の字音もあり,「キ・ツ」との結合に よる音の変化とみられないこともないので,一・応( )をつけておいた。

【⑧鋤

力行 鉄管 鉄筋 滑空 鉄並L鉄骨 サ行 活殺 雑誌 出水 鉄石 鉄則 タ行 実態 出張    鵬廷 鉄塔

ハ行出発鉄筆月賦鉄壁鉄砲

「〜ツ」の宇音は,すべての行にわたって促音化を起こし,かつ,ハ行で

一14i一

は後部要素にも影響を及ぼし,半濁音化を健す。これに属する漢字は極めて

多い。

【⑨金と⑩三】

浦{1箋讐ll ll

   人体 人畜 陣痛 金的 人徳 タ行

  三反 三鎮 三通 三点 三頭

 「千」「万」や嗣類扱いの「何」も,「三」と同様の音変化をする。

 後部構成要素が力行音で始まる漢字に続く場合,一一般の漢字は何の変化も 起こさない。数詞の「三」は,(ii撫変化の場合と,㈱濁音化を促す場合とが

ある。

 後部構成要素がサ行音の場合,一一般の漢字も,数詞の「三」もω㈹無変化 の場合と,㈹(毫嚇蜀音化を促す揚合とがある。

 後部構成要素がタ行音の場合は,数詞の「三」を含めていずれも音の変化 を起こしていないG

 後部構成要素がハ行音の揚合,(i)一rwの漢字は半濁音化を健すが,数詞の

「三」は,㈹半濁音化を促すものと,㈹濁音化を促すものとの二とおりの変

一142一

化がみられる。

 なお,【⑦一】と同じ音の型に属する数詞のr八」については,当然のこ とながら「一一」と全く同じで,後部構成要素のカ,サ,タ,ハ各行にわたt、

て音変化を起こす。特異なのは数詞の「七」である。

・行

桁鷹

・行

嵭{

三鷹

駈巫燦蝿

七贔 八潮

七区 巫二 七寸

△竺降

七通

七福

△蕊

七軒 七校 八軒 八校 七千 七足 八千 八足 七点 七頭 八点 八頭 七遍 七百 八遍 八百

 岡じ音の型であり,アクセントも同じ尾高型であるのに,なぜ「七」だけ が異なるのだろうか。想像できるのは,「シチ」の「シ」の母音が無声化し ているため,促音化して発音することがむずかしく,また,促音化して言わ れると聞き取りにくいということがあるのかもしれない。ともかく,母音が 無声化しているために「シチ」そのものも聞き取りにくく,「イチ」や「ハ チ」との混乱を避けるために,言いやすい宇訓の「なな」が頻用されるよう になったのであろう。数量に神経を使わなくて済む一般の語については,第 1拍の母音が無声化していても,促音化現象は起こっている。文脈から意味 の判断がつくからであろう。

 数詞の「四」についても同様の事情があるのであろうか。「四人」「四時」

「四百」「四千」などが,訓の「 osあるいは「よん」で言いならわされて いるのには,そんな背景があるのであろう。もちろん, ドシ」という音が持 つ好ましくないイメージを避ける気持ちが働いていることも否定できない が,「四月」「四面」などの例もあることから,やはり需いにくく,聞き取り

一 143 一

にくい「シヒャク」「シセン」を避けようとする意識があったのであろう。

なお,「三階,三千,三百,三泊」と,「サン」の場合は音変化を起こしてい るのに,「ヨン」にそれがみられないの1まどうしてなのだろうか。「サン」は 字音で「ヨン」は字訓だからというのは当たらない。字訓である「ナン」が

「サン」と同じ変化を起こしているからである。 「サソ」と「ナン」の擾音 は歯茎(鼻)音であるのに, 「ヨン」の三音はr−1蓋垂鼻音である点に差異が 生ずるのであろう。

 (ウ) 前後の音に無関係な固定字音

 前部構成要素と後部構成要素の音の組み合わせによって,熟語になった時 に一定の音変化を起こすものが前項で扱った字音語の音変化であるが,それ とは全く次元を異にした音の変化がある。「3. 3.4.4.複合語の音変化につ いて」の習頭に引用した語例(イ)「感謝・患者」の揚合である。

○ 万謝 陳謝 深謝 感謝   月1謝 代謝 拝謝 報謝 薄謝

 上の語例のように, 「謝」は「〜ン謝」の場合でも,その他の熟語におい ても「ジャ」と濁音化することはない。一方, 「者」のほうは「〜ン老」の 型でも,それ以外の熟語の中においても,「シャ」「ジャ」爾様ある。したが って,問題は「者」そのものであって,「シャ」「ジャ」の読み分けを何が決 定しているのかということであろう。

○ 野老・間者 冠者 信者 隠者 前回

  M im  一 一 一 n

  カンジヤ  カンジヤ  カンジヤ  シンジヤ  インジヤ  ゼンシヤ

  (アクセントは,「明解アクセント辞典」(30)による。)

 東京語アクセントでは決めてにならないが,京都語アクセントなら説明が つくようである(31)。ただ,アクセントに基づく発音,読み方の違いだとして

一 144 一

も,それは一方が濁音化し,他方が非濁形となって今βに至った理由の貴重 な説明にはなるが,外国人に対して字音語を読み分ける判断要素とすること はむずかしいだろう。欝本諾教育の場では,「謝」は常に「シャ」と読まれ,

「者」は「シャ」とも「ジャ」とも読まれることがあるから注意せよとしか 習えないのではないか。

       ニン   ダイ

 これと同様のことは,「人」「大」のように,似たような音を二つ併せ持つ        ジン   タイ

漢字の読み分けの際にも言える。

○ 人家 人口 人災 美人 新人   人形 人間 人足 商人 役人

 呉音,漢音に由来する読み分けであるか,意味用法に基づいた読み分けで あるのか,仮にそういうことがあったとしても,H本人でさえそういうこと を意識しながら読んだり,あるいは語形で読み分けたりしているわけではな

く,既に語彙として身についたものであり,醤慣的に読み分けているにすぎ ないのだから, fどんな晦にどちらの音で読むのか,規則があったら教えて ほしい。」と言われても胴る話である。気の毒だけれども,ある意味を表す 語の読み方e&ndつしかないのだから,その都度決まった読み方で覚えてもら

うしかないだろう。

 以上,外国人学三者を悩ませる漢字の読み方については,例外はあるにし てもある法則性を知れば,それによって発音でき,読めるようになる部分 と,語としての理解がなければ,あるいは一つ一つ教わらなければ,読みが っかめないといった部分とがあるということである。学習者の読字力,読語 力を伸ばすには,前者の法則{生がある部分を,いかに手際よく四捨五入して 教え,身につけさせるかということになるだろう。

一 145 一

ドキュメント内 文字・表記の教育 (ページ 148-155)

関連したドキュメント