IFRS第17号、修正公開草案、暫定決定の議論の流れ
修正公開草案ではIFRS第17号の適用開始日を1年延期することが提案されましたが、グローバルで足並みをそろえて IFRS第17号を適用することを可能にするためなどを理由に、適用開始日を2年延期することが暫定決定されました
すべての規制団体、一部の財務諸表利 用者、少数の保険会社からのコメント
すべての地域の保険会社また はその代表者、いくつかの基 準作成団体からのコメント
E ) IFRS 第 17 号の発効日等( 2/2 )
IFRS第17号の適時な適用は、保険会計の品質と比較可能性を改善す
るために非常に重要である
しかし、世界の企業が同時に IFRS 第 17 号を適用することは、投資家、
保険会社、その他の利害関係者にとって有益である
それを達成するためには発行日を 2023 年 1 月に延期することが必要 IASB スタッフ見解
IFRS 第 17 号の発効日
IFRS第17号の発効日を2023年1月1日以後開始す る事業年度とする
暫定決定された内容
IFRS 第 4 号における IFRS 第 9 号の一時的免除 IFRS 第 9 号の一時的免除を適用する企業は、 2023 年 1 月 1 日以後開始する事業年度に IFRS 第 9 号を適 用することが要求される
IFRS 第 9 号の適用を遅らせることは、金融商品の多額の保有者である 保険会社のより良い情報(特に信用リスクに関して)の提供を遅らせ、
また、他の企業との比較可能性を低下させる
しかし、 IFRS 第 9 号が IFRS 第 17 号の前に適用される場合、追加的な会 計上のミスマッチや純損益のボラティリティなどが生じる可能性がある
IFRS 第 9 号と IFRS 第 17 号を同時に適用することのメリットは、 IFRS 第 9 号の適用を遅らせることのデメリットを上回る
実務に与える影響の考察:
IFRS 第 17 号の導入作業が遅延している企業は、 2023 年 1 月 に適用開始できるようプロジェクト工程を見直す必要がある
IFRS 第 17 号の導入作業が進んでいる企業は、適用開始の 延期によるコストの増加を分析する必要がある
修正公開草案に対するフィードバックで、IFRS第17号の適用時期 が企業によって異なる場合に以下のような懸念があるとのコメント があった。特にグローバル企業において考慮が必要である
後発のIFRS第17号適用企業は先発の企業が行った会計方針 の判断を検討する必要が生じ、それまでの適用作業の見直しが 必要になる可能性がある
異なる法域で財務報告義務がある企業は、各法域でIFRS第17 号の適用時期が異なる場合に、財務報告の運用が複雑になる暫定決定の詳細
財務諸表に重要な影響を与えるIFRS第17号の適用は世界の企業が同時に実施することが望ましく、また、IFRS第9号と
IFRS第17号の同時適用は会計上のミスマッチの低減等の観点から必要と判断されました
F )その他
# トピック Agenda paper
1 融資についての範囲除外 2019年12月AP2A
3 財政状態計算書における表示 - グループ・レベルではなくポートフォリオ・レベル 2019年12月AP2A
5 企業結合についての経過的な救済措置 2019年12月AP2A
7 クレジットカードについての範囲除外の提案 2020 年 1 月 AP2A 10 保有している再保険契約についての修正案 - 損失の回収 2019 年 12 月 AP2C
15 軽微な修正の提案 2020 年 2 月 AP2D
16 集約レベル - 一部の特定の保険契約についての年次コホート 2020 年 2 月 AP2B 17 企業結合 - 決済期間において取得した契約 2020 年 1 月 AP2C 19 追加の具体的な経過的修正および救済措置
(保険獲得 CF に係る経過措置以外) 2020 年 2 月 AP2E
F )その他( 1/4 )
#
トピックIFRS第17号
修正公開草案 暫定決定1
融資についての 範囲除外IFRS第17号は融資について範囲除外を
行っていない
保険契約の定義を満たすが、保険事 故に対する補償を当該契約によって 創出された保険契約者の義務を決済 するために要する金額に限定する契 約(例えば、死亡時に債務免除のある 融資)に対し、企業はIFRS第17号ま たはIFRS第9号を適用することを選択 しなければならない
当該選択は保険契約の各ポートフォリ オについて行い、選択は取消不能で ある修正公開草案からの変更なし
3
財政状態計算 書における表示- グループ・レ ベルではなく ポートフォリオ・
レベル
資産である保険契約グループおよび負債 である保険契約グループの帳簿価額を財 政状態計算書において区分して表示する
資産であるポートフォリオおよび負債であ るポートフォリオの帳簿価額を財政状態計 算書において区分して表示する
修正公開草案からの変更なし
5
企業結合につい ての経過的な救 済措置決済期間において取得した契約の分類に 関する経過措置の記載はなく、残存カバー に係る負債として分類される
修正遡及アプローチにおいて、遡及適 用のための合理的で裏付け可能な情 報を有していない範囲で、保険契約の 取得前に発生した保険金の決済に係 る負債を(保険カバーに係る負債では なく)発生保険金に係る負債として分 類しなければならない
公正価値アプローチにおいて、このよ うな負債を発生保険金に係る負債とし て分類することを選択できる修正公開草案からの変更なし
ドキュメント内
金融機関のためのIFRS最新連続セミナー(第18回)
(ページ 41-44)