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M.W.284 

H NMR spectrum of purified samplof peak B. 

89  Fig.44. 

3‑31‑7.CQA esteraseとTannaseの光学特異性

CQA esteraseはR体より S体の 1‑PAを認識して、(S)‑l‑CAPEを3倍多く 生成した(Fig.45‑a, b)。また、ラセミ体 l‑PAを基質に用いたときに得られた (S)‑l‑CAPEのe.e.値は50%(Fig. 45‑c)、Tannaseでは30%であった(Fig.45‑d)。

CQA esterase  Tannase 

(S)IPA (R)I‑PA I‑PA 

( 弘

(cC)A  thOF‑IC:AP底辺

I  包 . (

I‑PA 

(S)I‑Cj¥PE 75

Jl~l_UL ̲ L  

o b  I20 13O 1 1 20  30 

10  20  30  10  20  30  Retention timc (min) 

Fig. 45. Optical specificity of the reaction catalyzied by CQA esterase and Tannase.  (a), the products from CQA and (8)1PA by CQA esterase;  (b), the productsomCQA and (R)十PAby CQA esterase ; (c), the products from CQA and racemic 1PA by CQA  esterase;  (d), the products from CQA and 1PA by tannase. 

CQA esteraseはTannaseよりエステル置換反応における光学特異性が高く、 S 体をより多く生成することを明らかにした。

3‑3‑1‑8.臭素置換反応

CQA esteraseやTannaseで生成した CAPE類は PA層に蓄積していて、PA とCAPEを分離するのは難しかったので、 PAの代わりに Phenethylhalideを 基質に用いて CAPEを酵素合成できれば、得られた CAPEを反応系から分離し やすくなると考え実験を行った。

Tabl12.  Thdetection  of  products  from pheneth halide bCQA esterase 

Phenylethyl halides  2Phenylethyl chloride  2Phenylethyl bromide  2Phenylethyl iodine  1Phenylethyl chloride  1Phenylethyl bromide 

Substitution reaction 

± 

+ , 

detecteonnew peak othethan caffeic acid  一,detected no peakother than caffeic acid 

2‑phenylethyl chloride2‑phenylethyl iodideを基質 に用いても新たな生成物は検 出 さ れ な か っ た が 、 2‑phenylethyl  bromide  (PEBr)か ら 生 成 物 を 検 出 す

ることができた (Table12)。 しかし Tannaseでは、いずれ

(b)  Product 

S  10  IS  20  25 

Retention Time  (min) Phenethylha1ideを用し、 Fig. 46. Thdetection of products bTLC (a) and  ても新たな生成物を確認する HPLC (b) analysis

ことができなかった。

得られた生成物は

2‑CAPE

と同じ

R f

( R f0 . 5 9 )

にスポッ トが出現し、 ま た、同じ r.t.(16.2 min)にピークが検出された (Fig.46‑ab)

単離した生成物を LC‑MS分析したところ、ESIネガティブイオンモー ドで m

2 8 3

に脱プロ トン化分子が認められたことから生成物を

2‑CAPE

と同定し た。これらの結果から CQAesteraseは加水分解反応とエステル置換反応以外に、

新たに臭素置換反応も触媒できることを見出した。

91 

1‑phenylethyl chloride1phenylethylbromideを基質に用いた反応液から は、 HPLC分析で多数のピークが検出された。これらのピークは酵素無添加の コントロールからも検出されたことから、化学反応によって生成したと考えら れる。

3‑319.Phenyl bromide化合物の炭素鎖長がカフェー酸エステル類合成に与 える効果

phenyl基に鎖長の異なる側鎖が結合した臭化物を受容体として臭素置換反応 を行った結果、 2‑Phenylethyl bromide3Phenylpropylbromideから TLCHPLC分析で新たな生成物を検出することができた (Table 13)  Benzyl  bromideからは多数の生成物が検出され、逆に 4Phenylbutylbromideからは 新たな生成物が検出されなかった。

3‑Phenylpropyl bromideから酵素変換された物質はr.t.16.8 minm 297 に[M‑H] フラグメントが得られたので、 Caffeicacid phenyl‑propyl esterと同 定した。つまり CQAesteraseは受容体に用いた Phenylbromideの種類に対応

したカフェー酸エステル類に変換していた。

Table 13. Effect of carbon chain length of phenyl bromide compounds on the  production of caffeic acid esters. 

Phenyl bromide  Substitution reaction  Conversion rate(%)  Benzyl bromide N.D.  Phenylethyl bromide 

4.6  Phenylpropyl bromide 

2.3  Phenylbutyl bromide  N.D. 

+

 

detected one new peak other than caffeic acid  一,detected no peaks other than caffeic acid  ::t,  detected a number of peaks 

Benzyl bromide はPhenyl基のすぐ隣のα位の炭素に臭素が結合しているため、

Brの反応性が高く、化学反応が起こって多種類の生成物が生成したと考えられ る。一方、 2Phenylethylbromideや3Phenylpropylbromideは、 Phenyl基と 臭素の距離が適当で、化学反応が起こるほど高いエネルギーをもたないが、酵 素 (CQAesterase)のような触媒が存在すると反応が進行すると考えられる。

しかし、4‑Phenylbutyl bromideになると Phenyl基と臭素の距離が離れすぎて、

Phenyl基による臭素の電子吸引力が低下して反応は起こらなかったと推測され る。

また、これらの化合物の大きさも重要で、酵素の基質結合部位にあった大き さの化合物のみが基質として認識された可能性も考えられる。

3‑3‑110.CQA esteraseを用いた臭素置換反応の最適条件の検討

2.2M PEBrと20mMCQA‑200mMクエン酸緩衝液 (pH3)、CQAesterase  (0.24 mg Proteinlml)からなる反応液2.0mlを450Cで24h保っと、 2‑CAPE が0.93μmol生成した(モル変換率4.6%)。

331‑11.縮合反応

CQA esteraseはCinnamoyl基や Caffeoyl基,

p ‑

Coumaroyl基をもっ化合物 を加水分解すること 14)と、エステル置換および臭素置換反応でも Caffeoyl基が 受容体へ結合していたことから、 CQAesteraseは桂皮酸骨格を認識して酵素基 質複合体を形成していると考えた。さらに本酵素は、桂皮酸エステル化合物だ、

けでなく、桂皮酸化合物も基質として認識できるのではないかとかと考えた。

つまり桂皮酸化合物と 2PAや PEBrから縮合反応を触媒してエステル化合物 (たとえば 2‑CAPE)に変換できるのではないかと考えた。そこで、 PEBrと CAにCQAesteraseを作用させたところ、新たな生成物が得られた(Fig.47.)。

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この物質はr.t.16.2 minにピークを示しm

284に[M‑H]一フラグメン トを示 したことからから 2CAPEと同定した。この結果から CQAesteraseはCAと 2‑PAから 2‑CAPEに変換する縮合反応も触媒できることが明らかにできた。

Production  r.t.16.2mi

5  10  15  20  25  Retentiotime(min

Fig. 47. HPLC analysis of the reaction  liquid  from  CA and PEBr by CQA 

33112.CAとPEBrから 2‑CAPEへの最適変換条件の検討

2.99M PEBr と 10m MCA‑200  m Mク エ ン 酸 緩 衝 液 (pH4)、CQA esterase(0.24 mg Protein/ml)からなる反応液2.0mlを500Cで24h酵素反応さ せると、 1.33μmol2‑CAPEが生成した(変換率 6.7%)。

この変換率はハロゲン置換反応(変換率4.6%)より高いものの、エステノレ置 換反応(変換率 50%)に比べると圧倒的に低かった。この結果から、CQAesterase  が 2‑CAPEを酵素合成するのにもっとも適した反応はエステル置換反応である

と言える。

3‑3113.縮合反応の基質特異性

CQA esteraseが触媒する縮合反応の基質をスクリーニングするとともに、本 酵素の活性中心付近の立体構造を考察した。検討した基質(供与体)には、桂 皮酸骨格をもっ化合物ともたない化合物、 Phenyl基に異なる鎖長の置換基が結 合した化合物、また異なる置換基 (‑OH,‑OCH3, ‑NH2, ‑N02)が結合した 17種類の化合物を検討した (Table14, 15)。

また、受容体には一相系となるメタノールと二相系を構成する 2PAを使用した。

検討した基質の中からで新たな生成物が確認できた場合は、基質を PEBrに置 き換えて酵素反応をおこなった。

33‑1‑14..鎖長の異なる phenylalkanoic acidのスクリーニング

ブェニルプロパノイドのプロパノイド鎖長が異なる 5種類の供与体のうち、

Cinnamic acidと3Phenylpropionic acidから対応するエステル化物のピーク をHPLCで検出することができた (Table14)。この結果から CQAesteraseは Phenyl propionic acid骨格を持つ化合物を基質として認識していると考えた。

また、メタノールを受容体とした縮合反応では Cinnamicacid (変換率3.7%) より 3Phenylpropionic acid (変換率8.1%)が高い変換率を示した。 Cinnamic acid はPhenyl基に対して二重結合を持つ側鎖が同じ平面上に位置し、側鎖が自 由に回転しにくい立体構造をしているのに対して、 3‑Phenyl propionic acidは 二重結合を持たないので、側鎖は Phenyl基に対して立体的に突きだし、自由に 回転することができる。つまり、反応が起こる基質のカルボキシル末端部位の 回転できる範囲が、 Cinnamicacidより 3Phenylpropionic acidの方が大きい ため、酵素の活性中心付近の構造にあった立体的配置をとりやすい 3Phenyl propionic acidが高い変換率を示したと推察される。

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なお、受容体をメタノールから 2‑PAに変えると変換率が低下した。これは水 相と二相系を形成する 2‑PA

は界面でしか酵素と接触す る機会がないので、メタノー ルに比べると変換率が低か ったと考えられる。さらに 3‑Phenyl propionic acidの

uv

吸 収 極 大 (λ max:258.7nm)の分子吸光係 数(IoglOE=2)が 2‑CAPE に 比 べ る と 小 さ い た め 、 HPLC分析で生成物を高感 度に検出できなかった可能 性も考えられる。分析方法を 変 え れ ば 3‑Phenyl  propionic acidと2‑PAの反 応液からもエステル化物が

Table 14. Screening of phenyl alkanoic acids. 

MeOH  2‑PA  PEBr 

A

n ‑ u  

H a  

o c  

J 1

αn

e  

¥ 〆

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