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* http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2015/2015_01_08.pdf
マイクロ波計測器信号からの乱流揺動信号抽出法の研究
核融合科学研究所・ヘリカル研究部 徳沢季彦
1.目的
磁場閉じ込め核融合プラズマの研究において、乱流物理の理解は最重要研究課題である。これまで、
高温プラズマ中の乱流を計測する手段が非常に限られていたが、近年新しい非接触な計測手法として、
マイクロ波などの電磁波を用いた乱流揺動計測法が開発され各種装置に適用されるようになってきた。
特に、計測器システムに新しい素子技術が活用できるようになったことだけでなく、新しい解析手法が 開発されてきたことによって世界各国の実験に適用されてきている。本研究では、ハードウエアとして 開発を進めている空間同時多点計測システムの構築と、それによって得られる詳細な空間構造を求める ことをまず当初の目標とし、この計測システムをプラズマ実験へ適用することによって得られる大規模 データに対して、開発が進んできたデジタル信号処理手法を駆使し、乱流信号を抽出する技術開発を行 い、プラズマ乱流物理への知見を得ることを目的とする。
2.計画と実験方法
空間多点を同時に観測し、乱流の構造・物理を知るために、情報通信分野において開発適用が行われ てきている周波数コムを光源とする多チャンネルマイクロ波コム反射計の構築を行う。そして、この計 測システムを核融合科学研究所の大型ヘリカル装置LHDプラズマへ設置し密度揺動およびそのポロ イダル回転分布の計測に適用する。また、乱流輸送において、温度揺動に関する知見が得られると期待 されている新しい計測手法であるFRUUHODWLRQ(&(F(&(システムの構築とそのLHDプラズマへの適
用による電子温度揺動計測データも取得し、これら大容量データに含まれる雑音成分から乱流揺動信号 を、効率的かつ高精度で抽出する技術手法を確立することを目指した研究を行う。本年度は、前者の周 波数コムシステムは、NDEDQG
から8EDQG
までの周波数領域への拡張を行い、より広い空間の情報が得 られるようになった。後者のF(&(
計測について以下に詳細を述べる。3.実験結果
電子熱流束の乱流揺動成分は、電子温度T
e,
電 子密度n
e,
速度V
rを用いて、r e e r
e e
e
T n V n T V
Q ~ ~
2 3
~ ~ 2
3
と記述できる。したがって、密度揺らぎだけでな く温度揺動の情報も必要である。一般に高時間分 解能が期待できる
ECE
ラジオメータ信号では、乱流に起因するような波数の高い揺動成分は、
ECE
の雑音成分に埋没し、検出が困難である。そこで、空間的に近接している(ただし帯域の重
複の無い)
2
つの空間測定位置からのECE
信号間の相互相関を取得し、そのアンサンブル平均処理を 図1:cECE
システム概略図施すことにより雑音成分から電子温度乱流情報 の抽出を行う
cECE
法の適用をLHD
にて行っ た。図1
にcECE
システムの概要を示す。シス テムは、既存のECE
ラジオメータ(RADH)
の信 号の一部を分岐これに周波数可変の局発波をミ キシングすることにより、ECE
信号を検出する。局発波の周波数を変化させることにより、プラ ズマ中の任意の位置の観測を可能とする点が特 長である。本年度、局発波の周波数を
PLL
安定 化、バンドパスフィルタの帯域の最適化などを 実施し、LHD
からの放射ECE
信号の検出に成 功した(図2
)。図
1
に示すように3ch
の計測システムとして おり、同時に異なる2
点間の相関計測が可能で ある。図3
には、相互相関解析で求めたcECE
と対応する空間を計測している従来型のラジオ メータ信号のコヒーレンスの時間変化を示す。t
>5.5s
より周波数的に広がったスペクトルが観測できる。また、
t> 6.5s
以降では、従来のラジオメータではコヒーレンスが低くなっているが、cECE
はより高周波数まで広がっている。この差は、信号の周波数帯域がcECE
の方が半分で、チャンネル間 の周波数がより近接していることによると考えられる。今後、平均化処理による雑音成分の低減による より高周波数の揺動成分や多点計測による空間相関長、径方向波数観測などの諸量の抽出手法の確立を 行っていく。0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
3 4 5 6 7 8 9
[%]
time [s]
ECE si gn al
図2:
cECE
で計測したECE
信号(上)とプラズ マベータ値(下)の時間変化cECE <ch2-ch3> RADH <ch18-ch19>
図
3
:cECE
により求めた2
点間のコヒーレンスの時間変化(左)、RADH
のもの(右).
ドキュメント内
研究成果報告書
(ページ 110-113)