トップPDF カルデロンの翻訳から見る鷗外の翻訳論 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

カルデロンの翻訳から見る鷗外の翻訳論 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

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日本青年行動と経験に材料を採った三つ創作は、それぞれが何らかの形で作者ド イツ生活報告書」(小堀: 7 )となっている。三部作うち最後となった『文づかひ』につ いて述べると、その小説舞台はドレスデンである。小堀は、『独逸日記』から『文づ かひ』女性主人公として実在人物がいたとしながらも、その内容から判断すると、「作者 が自分離婚体験を形を変えて書いたものであった。(中略)作中核心となる事件とそれ 持つ心理的意味づけは自身ものであった。その点でこれは実際には『舞姫』揚合よ りもはるかに直接にまた密度濃く作者自身を反映し、その内心坤き声を伝える作品であった。 しかしモティーフと道具立てと絡み合せ方が如何にも巧みに出来ており、到底、作者は実は 自分ことを書いただとは気取られぬ様に」(同:12)気配りをし創作した。それが『文づか ひ』である、と小堀は言う。実在主人公や離婚、これら事を理解しつつも、可能性 有無にかかわらず、どうしても筆者には関連付けたくなる出会いがある。それが文壇デビュ ー第一作を飾ったスペイン劇作家カルデロンと、それが取り持つスペイン人少女と出会い である。なぜならその出会い場が、『文づかひ』舞台となったドレスデンであったからだ。 明治文豪森を知る人は多い。しかし文学活動最初がスペイン演劇翻訳から始 まったということを知る人は、決して多くはないであろう。自身最初文学活動をスペイン 演劇翻訳で飾るほど印象深いその体験、「必ずや作家体験や省察や願望(中略)ドイツに留 学中日本青年行動と経験(中略)生活報告書」(同: 7 )というであれば、ドレスデ ンを舞台とした『文づかひ』創作時に、この忘れがたい、印象深い体験を思い出さずにいたで あろうか。筆者はそう考えてしまう。ところで満を持して帰国後新聞に連載を始めたカルデロ ン翻訳であったが、はそれを一つには翻訳に関する不評が理由で中断してしまった。さ てドイツでどのような出会いがあったかを含め、本論主旨である翻訳態度や翻訳 に就いて、カルデロン翻訳を通して考えてみたい。
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移入史初期の『ドン・キホーテ』をめぐって 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

移入史初期の『ドン・キホーテ』をめぐって 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

1  翻案・国籍  日本で最初『ドン・キホーテ』翻訳は、明治20年(1887)4 月に出版された愛花仙史(閲)、 斎藤良恭(訳)、『欧州新話谷間乃鶯』(東京共隆社、117頁)である。三木愛花(本名:貞一) は序文で「近頃斎藤生一書を携へ来り。曰く。是れ西班牙小説『ドンキーショット』中に録 するものにして。其原書ハ文章流暢優美を以て。全欧に称され。翻訳して諸邦に伝えれり。 其事ハ即ち実伝にして。所謂小説なるものにあらず。然れども。其事絶奇にして。其文章も巧 みなるが為に。終に小説社中に伝播流布して。見て一部小説となすに至れり。今之を訳して。 谷間鶯と云う」(『谷間乃鶯』:1-2)、と翻訳に至った経緯を述べている。『ドン・キホーテ』 は、ドン・キホーテとサンチョ・パンサいくつもからなる行状記ではあるが、『谷間乃 鶯』に一致する挿話はない。実はこれはセルバンテスが1613年に出版した『模範小説集』所収 作品『血力』を翻訳したものであって、『ドン・キホーテ』一挿話を訳したものではなか った。また『谷間乃鶯』は、原文にない挿話も加筆され、話が 2 倍程度長くなっている。これ についても愛花は序文で「素より原書巧妙に及ばずと雖も。其奇構に至っては。嘗て損せざ るなり。儘又蛇足を加ふ。蓋し読者見て巻了るを惜しむを恐るゝ為なり」(同:2)と説明 している。シェークスピア『ベニス商人』が、『何桜彼桜銭世中』(さくらどきぜに なか)や『人肉裁判』、またトルストイ『戦争と平和』が『泣花怨柳北欧決戦余塵』と改題さ れることを考慮すれば、また西洋に追いつこうと始められた演劇改良運動や改良小説などが唱 えられた時代背景を考え合わせれば、当時翻訳にあっては加筆なども許されたかもしれな い。しかし『谷間乃鶯』では問題視されなかった翻訳も、同じスペイン劇作家であるカルデ ロン作『サラメア村長』翻訳場合にはそうはいかなかった。これを翻訳したは森 である。は演劇改良運動先駆的な翻訳として、ドイツ留学から帰国した自身文芸活動 最初に、この劇作を選んで、邦訳名を『音調高洋箏一曲』(しらべはたかしギタルラひとふ し)(明治22年)と題し新聞紙上に連載した。『谷間乃鶯』とほぼ同時期でありながらも、新聞 紙上に発表したことで反響が大きかったこともあって、翻訳論争となってしまったであろう。 さて『谷間乃鶯』に何が加筆されたかに話を戻せば、それは主人公男性がイタリアへ旅立 つことになる理由や、イタリアで生活様子を描いた箇所である。しかし主人公滞在した イタリアはセルバンテスイタリアではなく、現イタリア建国時代であった。これは明 治における自由民権や国会願望表れではないかと考える。また電信など挿話もあるが、時 代錯誤に陥らない内容であることが幸いしている。詳細は拙著「日本における偽『ドン・キホ ーテ』考」(1992年)を参照されたい。
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分離疑問文( Split Questions )のSC 分析 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

分離疑問文( Split Questions )のSC 分析 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

he was straight. (住吉2005. 27-28) (46)-(47)は一見いずれも本稿で論じてきた SQ-type4に値するものである事は明らかである。だ が住吉(2005)によれば(46)と(47)とでは性質が完全に異なるだという。(46a)は相手答え を問うものであり、先行する疑問文(do you think)省略形であるという。 8 また同様に (46b)も問いかけ、返答という隣接ペアをなしており先行する質問(they were worried)が省 略されているという。一方(47a-d)に関して順を追って見ていくと、(47a)後半 that 節は動 詞(think)、あるいは(47b)動詞(speak)に後続する省略構文ではないと主張している。こ うした主張は(47c)で動詞(miss)が、また(47d)構文(make A of B)が that 節をとらない ことからも明らかである。よって(47a-d)は全て情報追加機能を持つものとして考察されており、 相手が思っている事を予測して自ら情報を機能するため遊離付加詞(loose adjunct)と呼称し
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구성원소 이론으로 보는 한국어 'ㄷ' 불규칙의 음운현상 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

구성원소 이론으로 보는 한국어 'ㄷ' 불규칙의 음운현상 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 朝鮮いわゆる ㄷ 変則活用では、語幹末子音/ㄷ/[t,d]が母音で始まる語尾前で/ㄹ/ [ ]に変化する音韻現象が見られるが、語幹末に/ㄷ/がありながら変則が起こらない用言もあ る。本稿ではエレメント理論をもとに、[t,d]が[ ]に変化する現象を、すべて言語に普遍的 に適用される仕組みと照らし合わせて解析する。まず、[t,d]は内部構造として[ ]と同じ構成 要素を持っているため、弱化結果が必然的に[ ]になることを示す。また、弱化を起こす環 境は音節強弱関係性に依存することを根拠に、[t,d]から[ ]へ変化を引き起こす動因を 解明すると同時に、いわゆる変則活用と正則活用違いを明らかにする。
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翻訳を通して文化が規定するアブノーマルの概念を考える 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

翻訳を通して文化が規定するアブノーマルの概念を考える 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

子どもをダンスに興じさせ、ヨーロッパ街にあふれたダンスマニア 23) は、私たちがいかに感 化されやすいかを示す極端な例である。  これら行動は、どんどん手込んだものに仕上げられることがあり、人はそれにかなり 労力を費やす。一つ文化なか不安定な人物特徴は、他文化では欠落しているか、非 常にまれなものかもしれず、その特徴に社会的価値が与えられると、その特徴はますます顕著 なものとなる。たとえば、なんらかの境界性行動をシャーマン属性として認め、シャーマン に権威や影響力を与える社会では、シャーマンは自分境界性行動を人に見せびらかすことに なる。これまで見てきたとおり、カリフォルニアシャスタ族( Shasta )、そして世界様々 な部族においてひきつけを起こすことはシャーマンになるため切符を得たようなもので、シ ャーマン実践には必ずそれがつきものである。他宗教においては幻視、あるいは幻聴、そ してまた別社会では私たちがヒステリー的な癲癇と呼んでいるものに近い行動などがこれに あたる。シベリアにおいては、私たちが霊界と交信集いとしてよく知っている特徴が、シ ャーマンあらゆるパフォーマンスで必要とされている。これらすべてケースで社会で選ば れた特定体験は、手が加えられ、地元基準に合わせてかなり細かくパターン化されている が常である。つまり、それぞれ文化は境界性行動という広い分野から、かなり少数もの を選ぶだが、その体験タイプを特定人物属性として結びつけるである。その不安定 な性格を持っている人物特定行動は、その人持つアブノーマルな面を表わす唯一、あ るいは必然的行動ではない。社会人と同じように、彼は伝統的に規定された行動パター ンをとっているである。逆に、私たち社会を含めてどの社会においても流行からはずれた 不安定な特徴がある。流行にあったものを感化されやすい人に与えれば、その人たちはそれを すぐに真似ることになる。彼らは社会大多数を占めており、社会からはアブノーマルとみな される。ここで明らかなことは、こうした人々行動がノーマルとかアブノーマルということ ではなく、あるグループ生物学的、遺伝的特徴でもなく、社会的パターンに則っているとい うことである。
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レクサイル指標の位置づけと計測方法 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

レクサイル指標の位置づけと計測方法 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

号がつくが本来使い方だが省略されている場合もある。  メタメトリクス社によるとレクサイル指標が与えられている書籍は2014年現在13万 5 千冊ほ どだが、新聞記事やウェブ・サイトを含めると総数は 1 億部を超えており、オンライン資料 検索サービスである ProQuest ではほぼすべて記事・資料に対してレクサイル指標が示され ているという(MetaMetrics offi cial web site 2015)。また先にも示した通り全米50州にわたる 計3,500万人生徒がレクサイル指標を与えられ、世界180か国でレクサイル指標が何らかの形 で使われているという。日本でも amazon.co.jp はレクサイル指標を子供たち英語読み物指 標として積極的に取り上げている。また「はじめに」において示したように、いわゆる「読み・ 書き・そろばん」を中心的な内容とする各州共通基盤スタンダード(CCSS)において、読書に おける読みやすさ指標位置づけ利用が拡大され続けている。今後ともレクサイル指標は教 育場でますます活用されてゆく可能性が高いと言わなければならない。
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プロジェクト授業の実践と課題 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

プロジェクト授業の実践と課題 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

とするプロジェクト授業において、学習者評価をどの程度成績に盛り込むかは現実的な問題 として議論余地がある。グループや学習者によっては自己評価基準を甘く設定する場合もあ り、ここでも教員による調整は不可欠である。  こうした問題解決方法として、学習者評価と教員評価を比較し、両者ズレを互いに確認 することを提案する。つまり学習者に教員側視点を提示し、その重要性認識を働きかける ことが重要ではないだろうか。たとえば、「グループにどの程度貢献したか?」「要点をいかに 簡潔に説明したか?」「説明スピードは適切か?」といった教員側評価がなぜ重要なかを 議論させ、自己評価に対して多様な評価基準があることを自覚させるである。これによって より多角的な自己評価が可能となり、グループへ貢献とモチベーション維持につながって いくと考えている。
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韓国語教育の視点からみた「-을게요」の運用に関する一考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

韓国語教育の視点からみた「-을게요」の運用に関する一考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

場合も少なくないからである。また、「約束」がコミュニケーション上機能意味と、韓国終止法一つである「約束法」に由来する意味が混在しており、学習者に「約束」という 用語が混乱を生じさせる一因になる恐れもある。  コミュニケーション上機能として約束を限定すると、意志は約束よりその範囲が広くなる。 そこでまず、「-을게요」が意志意味としてどのようなコンテクスト中で使われるかを分 析し、「-을게요」が持っている運用的な条件を明らかにする。その後、約束をはじめ他コミ ュニケーション上機能とどのように関連するかを見てみる。
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≪アンケート≫による授業(実践報告) 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

≪アンケート≫による授業(実践報告) 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

〔1〕モチベーション  私はいくつも枠組みでフランス語教育に携わっている。大学、短期大学、専門学校、日仏 協会、カルチャーセンター、個人レッスン。  このうち、大学と短期大学と専門学校は「一般教養」。学生は必修単位一つとしていくつ か用意された外国うち1つを選ぶことを要求されるか、ケースによっては純粋なオプショ ンとして、つまり単位は必修ではないが、学生科目履修情況によっては必要となる。  日仏協会、カルチャーセンターでは受講生は自発的に多く場合「必要性」とは関係なく、 フランス語を学びにやってくる。時間帯によるが、受講生多くは家庭主婦、あるいは働い ている女性である。彼女らは必ずしも語学完全な習得を目指している訳ではなく、集まり・ 学び・語ることによる充実した時間を求めてやってくる。
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グループ活動を取り入れた初級スペイン語教育の試み 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

グループ活動を取り入れた初級スペイン語教育の試み 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

5 .まとめ  今回グループ活動を取り入れた授業を行なってみて、文法シラバス授業に比べて学習でき る項目が少なくなるという問題や活動内指導ありかたについて改善点すべき点があるもの 、文法項目習得にはある程度効果があると感触を得た。またグループ活動は教室を活気 付けることに貢献する傍ら、学習者自身が知りたいと望むことを学習する環境を整えることで、 スペイン国々文化やスペインそれ自体へ興味を彼らうちに膨らませ、スペイン を学習する積極性を付与するものであると実感した。こうしたことから、グループ活動を教 室で授業に取り入れる意義は大いにあると思われる。
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ヨーロッパ共通参照枠におけるレベルB1について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ヨーロッパ共通参照枠におけるレベルB1について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

力が定着していなければならない。  「話す」行為について、B 1 になって新しく求められていることは、思いつくままに話す ではなく、物事を相互に関連付け、全体として脈絡通った話をすることができる能力であ る。自分体験や夢や希望を語ることができ、その理由を説明でき、現実に起こった出来事や 想像上出来事を語り、自分読んだ本や見た映画あら筋を順序だてて述べることができ、 物語を語ることもできる。特に、A段階では求められなかった、相手と議論する能力も身につ けている。「書く」行為については、筋通ったテクストを書くことができるようになってお り、A段階ではできなかった短いエッセーや報告書を書くこともできるようになっている。  そのため方略として、正確なが出てこなくても他言葉で言い換えたり、「母国をフランス語風に発音したり綴ってみたり」franciser un mot de sa langue maternelle (p.54)、 会話が途切れても自分ほうから話を再開することができる。また、相手に自分フランス語 を直してもらうことができ、場合に応じてはこちらが会話主導権を握ることもできるように なっている。
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短歌の英語翻訳 ―与謝野晶子と『小倉百人一首』の実例をとおして― 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

短歌の英語翻訳 ―与謝野晶子と『小倉百人一首』の実例をとおして― 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

残した言葉意味を考え、「今日」という時間がとても大切なものなだということを再確認 し、皆様とご一緒に過ごせるこの時間を、丁寧に使わせていただきたいと思います。 Ⅰ.翻訳関わり  まず、どのようにして私が翻訳に関わるようになったか、なぜ翻訳をしようと思うように なったか、という個人的なお話から始めさせていただきます。20 年ほど前、二度目アメリ カ留学をしていたときにさかのぼります。一度目留学では言葉点で大いに苦労していまし たが、その四年後「今度は二度目なので大丈夫だろう、通じるだろう」と思って行ったです が、やはり自分言いたいことがなかなか伝わらず、自分思いを自由に表現することができ ませんでした。文学を学ぶクラスでは、文学作品を読み、それについてディスカッションをす ることが中心となるですが、そこで、自分には言いたいことが一杯あるのに、それを伝える ことができなくて、もどかしさがつのるばかり毎日が過ぎていきました。フラストレーショ ンがどんどん溜まり、自分研究先行きが不安になるだけでなく、自分あり方そのものに まで疑問を抱くという状態で秋学期が過ぎていき、そうした気分まま春学期を迎えることに なりました。ところが、春学期に提供される科目中に「翻訳」というコースを見つけたとた ん、私心はそれに捉えられ、今までとは違う方向をめざすことになったです。これなら自 分が知っている日本文学ことを、他人たちに向かって少しは話しができるかもしれない、 自分声を聞いてもらえるかもしれないというふうに思ったです。こうして、このクラス 履修を決め、そこから翻訳に入っていくということになりました。これが私と翻訳初めて 出逢いでした。しかし、実際そのクラスに参加してみると理論研究が行われるばかりで、 私が夢見ていたような、日本文学を紹介するという機会は全くありませんでしたが。でも、あ とから考えると、私には頭を抱えるほど難しい理論研究も貴重な経験だったと思います。他方、 そのクラスで課されたタームペーパーでは、自分好きなものを訳してよいという許可が教授 から出て、こうして、日本文学を訳す機会を得ることになりました。
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日本語母語話者が初めて書いた作文を英語に翻訳することについて 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本語母語話者が初めて書いた作文を英語に翻訳することについて 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

2 )語彙について  日本語を読んですぐに気がつくとおり、もと日本語には、蕾、茎、チューリップ、どんぐ り、カニ、ジンベイザメ、マンタ、クラゲ、ヒトデ、ナマコ、ぞう虫など、子どもたちが日常 生活中で頻繁に接する自然に関する語彙や、「リスごっこ」「ゴム跳び」「あやとり」「お手玉」 といった遊びに関する語彙が使用されているが、学校教育における英語授業では、受験に必 要な語彙を中心に学習指導が行われるため、母語で身につけてきた「ふつう」日常語彙に対 応する英語を知らないまま学校教育を終えてしまう。そのため、実際に英語でコミュニケーシ ョンをとろうとすると、母語なら小学生でも表現できる平易な内容が英語では表現できないと いう事態が多発する。母語であれば小学生レベルで多用する平易な語彙こそが、現実コミュ ニケーションでは必要となる。
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動画投稿サイトYouTubeを活用したドイツ語授業 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

動画投稿サイトYouTubeを活用したドイツ語授業 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 そもそも我が国外国教育では、受験という大きな障壁もあり、聞き取りや発音訓練 を体系的に授業カリキュラムに組み込んだ教材開発が遅れていることは否めない事実で あろう。教員自身発音能力がほとんど問われない上に、発音善し悪しが評価基準に含 まれない現状では、当然結果であると言えようか。しかし[中略]まず相手発話内容 を的確かつ迅速に理解することが、円滑なコミュニケーション前提条件として必要不可 欠であろう。[中略]「受動的」ないしは内容理解中心語学教育から、発信型「能動的」 な語学教育転換がさけばれているが、相手を無視して、自分言いたいことを一方的 に述べたてるだけでは、だれからも相手にされないことは明白である。まさにリスニング (聴解力)こそが、ボールを投げあうような円滑な対話にとって、表現力以上に決定的に重
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第二外国語としての中国語の初級教育に於ける問題と対策 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

第二外国語としての中国語の初級教育に於ける問題と対策 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

(三) 学生は中国文化、歴史、現代事情などについて勉強したいという要望がある。勉強す る教材は教科書だけに頼らず、ビデオなどメディアを利用して授業を行うべきである。 3 .アンケート調査結果に基づく対策  どんな授業も、教える側と学ぶ側両方からなっている。学ぶ側を無視して、一方的に教え る側から授業進行は必ず失敗を招く。学生ことを考えるということは、中国授業 が、学生意志によって左右されるということではなく、学生関心対象に基づいて、学生 中国に対する興味を引き出し、教養中国教育学習効果を引き上げることである。上述 した日本大学における教養中国教育実情や学習途中で見られる問題、学生希望に基づ いて、初級段階教養中国教育に以下ように取り組めば、より良い効果を得られるでは ないかと考えている。
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日韓における謝罪の「定型表現」の使用について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日韓における謝罪の「定型表現」の使用について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

いよどんで遠慮気持ちを示している。また、聞き手に席を外してもらいたいという願いが「나 선미 고 좀 고 싶 은 얘기 있는데(私、ソンミとちょっと話したいことがあるんだけど)」 のみ発話で行われており、聞き手全面的な了解を前提にした上で会話と見られる。  一方、例⑿日本語吹き替え版は「 기…(あのー)」部分が「ごめんね」となっており、 続き台詞には韓国原語版には見られない「よかったら」という聞き手了解を求める表現 がある。日本語では聞き手全面的な了解が期待される親しい関係でも一方的な割り込みや押 し付けにならないよう言語表現面で明示的に示す必要があり、韓国相違が見られる。  また、このようなことは話し手と聞き手共有領域から「一時的な離脱」でも類似してい る。
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日本のスペイン語教育における 授業内容の標準化の必要 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本のスペイン語教育における 授業内容の標準化の必要 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3 .メキシコにおけるスペイン教育 3 . 1  スペイン教育歴史  メキシコにおけるスペイン教育はどのようなものなだろうか。まずはその歴史をみるこ ととする。周知ようにメキシコはかつてスペイン植民地であった。もともとマヤやナワ トルなど先住民言語が話されていたが、16世紀以降、キリスト教修道士たちがスペイン 教育を始めた。先住民たちをキリスト教に改宗させることが目的だった。フランシスコ修道 会(1523年)を皮切りに、ドミニコ会(1526年)やアウグスティノ会(1533年)、さらにはイエ ズス会(1572年)がつぎつぎと新大陸へとおもむき、スペインを通じて、キリスト教に加え てヨーロッパ芸術やラテン語を伝えた。(Muria, 1982、O’Gorman, 1958、国本伊代2002)や がて、子供や若者ため教育機関、学校を設立している。当初は宣教師が現地言語を習得 し、伝導することが多かったようだが、時がたつにつれ先住民あいだにスペインが定着し た。今日南北アメリカ大陸におけるその普及度について、ここで語るまでもないだろう。そ してこのような視点に立てば、かつて宗主国スペインは自国言葉を外国で教えるというこ とについて、比較的長い歴史と伝統を有しているといえる。
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名詞性並列構造“茶壷茶碗”について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

名詞性並列構造“茶壷茶碗”について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 では,“和”が生起してもしなくてもよい並列構造や,“和”が生起しないが一般的とされ る並列構造に,“和”を生起させるとどのような意味的差異が生じるか。作文や記事タイ トルとしては, “茶壶和茶碗”や“爸爸和妈妈”ようにA和B型を採用するが自然であるが, テクストによっては,“茶壶茶碗”に敢えて“和”を生起させ“茶壶和茶碗”とすると,他に 受け皿なども存在し,そのようないくつか要素から(ほかでもなく)きゅうすと湯 飲みを取り上げるという意味合いが生じ,“爸爸和妈妈”も,(ほかでもなく)お父さんとお母 さんを選び出し取り上げるというニュアンスを帯びる。下例では,
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中国語の結果複合動詞について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中国語の結果複合動詞について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 生成文法では「補部(complement)」という言い方もある。荒川 2005 英文タイトルで「補 と し て 使 っ て い る complement と J. Huang, A. Li, and Y. Li 2009:44 complement とは異なる概念である。後者は生成文法 X バー理論において、動詞目的 や前置詞目的などについて、主要部である動詞補部(complement)となる名詞、前置詞が 主要部である場合にその補部(complement)となる名詞句というように用いられる概念である。  以上ように各言語により「補語」という用語内包が異なり、また、中国語学における
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Oral Testing for Conversation Skills 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

Oral Testing for Conversation Skills 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

関西大学英語Ⅰコミュニケーション授業では学生会話能力向上を目指している。学期 終わりに口頭試験があり、先生が学生会話能力を評価する。会話能力評価法における最近 動向、特にインタビュー形式で学生評価を行う方法について論じた後、コミュニケーション授 業で使われているテスト方法を考察する。英語Ⅰコミュニケーション授業では先生によるインタ ビューによって学生会話能力が評価されるではなく、学生同士が会話をし、それを先生が評 価する方法が取られている。これがどのような形で行われているかを調べるため、授業を担当し ている特任外国講師にアンケートに答えてもらった。本稿ではこのアンケート結果をまとめ、 その信憑性を論じる。
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