複素関数・同演習 宿題 No. 4 (2020年10月14日出題, 10月20日13:30 までにPDF 形式で提出) 年 組 番 氏名 (解答は裏面も使用可, A4レポート用紙に書いても可)
問4 (1) f: C\ {0} →C を f(z) = log|z| (z ∈C\ {0})で定める。f はいたるところで微分できないこ とを示せ。(2) Ω は C の領域、f: Ω→C は正則、f の実部・虚部を u, v とするとき、以下の問に答え よ。(a) v は調和関数であることを示せ。(b) v の共役調和関数を求めよ。(3) この講義では、z ∈C に対 して、ez =ex(cosy+isiny) (ただしz =x+iy (x, y ∈R)) として指数関数を定義した。(ez)′ =ez であ ることを示せ。
ヒント: (1)などむしろ先週の問題かも。(2)(a)は簡単のはず。(b)授業で説明したようにuは答えでないけれど。
問4解説
(1) f の実部・虚部をそれぞれ u, vとする。
f(x+iy) = log|x+yi|= log√
x2+y2 = 1
2log(x2+y2) であるから
u(x, y) = 1
2log(x2 +y2), v(x, y) = 0.
これらはR2\ {(0,0)} でC∞ 級であるから、(全)微分可能である。Cauchy-Riemann方程式を満たす かチェックする。
ux = 1 2
2x
x2+y2 = x
x2+y2, uy = 1 2
2y
x2+y2 = y
x2+y2, vx = 0, vy = 0.
(x, y) ∈ R2 \ {(0,0)} とすると、x ̸= 0 または y ̸= 0. x ̸= 0のとき ux ̸= 0 = vy. y ̸= 0のとき uy ̸= 0 = −vx. ゆえにつねに Cauchy-Riemann方程式は満たさない。以上から、任意の z ∈C\ {0} に対して、f は z で微分可能ではない。
(2) f が正則であることから、f の実部・虚部u, v は(全)微分可能であり、Cauchy-Riemann方程式 ux =vy, uy =−vx
が成り立つ。u, v は実は C∞ 級である。
(a)
vxx+vyy = ∂
∂xvx+ ∂
∂yvy = ∂
∂x(−uy) + ∂
∂y(ux) =−uyx+uxy. uはC2級であるから、uxy =uyx. ゆえに vxx+vyy = 0.
(b) うっかり書き忘れたが、Ωは領域とする。
U :=v とおく。調和関数 V が v の共役調和関数であるためには
(1) Ux =Vy, Uy =−Vx
を満たすことが必要十分である。(1)が成り立っていれば
Vx =−Uy =−vy =−ux, Vy =Ux =vx =−uy.
これから (V +u)x = (V +u)y = 0. ゆえに(定義域が領域であるから)V =−u+C (C は定数)。 逆にV =−u+C のとき (1) を満たすことはすぐ分かる。
以上から、v の共役調和関数は −u+C (Cは任意の定数)。
(f =u+iv より、実部が v である正則関数を探すと、−if =v−ui が見つかる。これから −u がvの共役調和関数であることが分かる。一つ見つかれば、共役調和関数は定数だけの差しかな いことが分かるので、−u+C (C は定数) が v の共役調和関数全体である。)
(3) (方法1)複素指数関数についても指数法則は証明してあるので、任意の z∈C, h∈C\ {0}に対して f(z+h)−f(z)
h = ez+h−ez
h = ezeh−ez
h =ezeh−1 h .
h=hr+ihi (hr, hi ∈R)とするとき、h→0 とすると hr, hi →0 であるから、eh−1 =ehr(coshi + isinhi)→e0(cos 0 +isin 0) = 1. ゆえに
hlim→0
f(z+h)−f(z)
h =ez·1 = ez.
ゆえにf は C で正則であり、(ez)′ =ez。 (方法2)f(z) :=ez の実部 u,虚部 v は
u(x, y) = excosy, v(x, y) =exsiny.
ともにC1 級であるから(全)微分可能である。また
ux =excosy, uy =−exsiny, vx =exsiny, vy =excosy
であるから Cauchy-Riemann 方程式が成り立つ。ゆえに f は正則である。講義で示したように、正 則関数f に対して一般に
f′(x+yi) = ux(x, y) +ivx(x, y) が成り立つ (f′ =ux+ivx = 1i(uy +ivy) の左半分)。今の場合は
f′(x+yi) =excosy+iexsiny=f(x+yi).
すなわち f′(z) = f(z) = ez.