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Academic year: 2024

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国立大学法人豊橋技術科学大学 Press Release

2023年10月24日

<概要>

豊橋技術科学大学次世代半導体・センサ科学研究所 山下 幸司研究員、三田 理央毅さん

(2021年3月 本学電気・電子情報工学専攻修了)、河野 剛士教授、沼野 利佳教授、鯉田 孝和准教授と茨城工業高等専門学校、テクノプロR&Dの研究チームは、直径が僅か4 µm の刺入型プローブを用いて、糖尿病モデルマウス脳組織からの低損傷での計測に成功しま した。糖尿病マウスの脳組織は、脳血管障害の発症などにより脳組織からの直接的な電気信 号の取得が困難ですが、世界最小級のプローブを用いることで血管への損傷や脳組織の免 疫作用を最小限に抑えられることを証明しました。

<詳細>

糖尿病は、脳血管障害の発症を含めて様々な合併症を引き起こすことが知られています。

さらに、血管障害は神経細胞の減少につながり、アルツハイマー病とも密接に関わっている とされています。脳疾患に関する研究分野では、動物モデルの行動解析だけでなく、刺入型 電極による電気的記録を用いた定量評価が期待されています。しかし、刺入型電極は脳組織 に対して直接刺入を行うため、血管や脳細胞に損傷を与えるだけでなく、神経細胞ネットワ ークの破壊を引き起こすことで、自然な脳からの信号取得ができないという課題がありま した。加えて、糖尿病などの繊細な脳からの信号取得は、従来の電極では脳に対する損傷の リスクが高まります。

これらの課題に対し、本研究チームは、世界最小級である4 µm直径の刺入型プローブを 用いることで、脳に与える損傷を極限まで低減可能な計測技術を開発しました。

「今回私たちは、糖尿病モデルマウスという、最も小さく繊細な大脳皮質をもつ動物から の神経信号取得に取り組みました。本研究で用いた電極の直径は4 µmと、従来より小さい 電極となります。この微細な形状により、電極が血管に与える損傷や脳への埋め込み時に生 じる免疫反応を有意に抑えられることが実験結果より明らかとなりました。これらの結果 は、糖尿病などの繊細な脳組織に私たちの電極が応用できることを示唆しています。」と筆 頭著者の山下 幸司研究員と三田 理央毅さんは説明します。

<開発秘話>

研究チームリーダーの河野 剛士教授は、「糖尿病は様々な合併症を引き起こす病気であ り、特に血管障害は手足の壊疽 を誘発し、最終的には四肢の切断という決断を余儀なくされ ます。近年、急速に発展をしているブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術は、

義手・義足の方々に希望を与える技術の1つと言えます。しかしながら、BMI に使用され る神経電極は脳に与える損傷が大きいため、糖尿病により血管障害を発症している患者の 方々にとっては適用のリスクが高くなり、BMI 技術の導入が困難であることが予測されま した。そこで、糖尿病などにより血管障害を発症した脳に対するやさしい計測を行うための プロジェクトを立ち上げました。」と語っています。

糖尿病のための脳計測技術

~よわい脳とやさしい電極~

(2)

<今後の展望>

研究チームは、今回開発した糖尿病モデルマウスのための計測技術は、糖尿病だけでなく 繊細な脳組織をもつ他のモデルマウスを用いた創薬研究などにも応用可能と考えています。

また、ラットやサルなどの他の動物種への応用も可能であると考えており、次世代型のブレ イン・マシン・インターフェースへの展開も可能と考えています。

<外部資金情報>

本研究は、JSPS 科学研究費(基盤研究(B)17H03250、若手研究(A)26709024、基 盤研究(A)20H00244、20H00614、新学術領域研究(研究領域提案型)15H05917)、NEDO

(次世代人工知能・ロボット中核技術開発)、科学技術振興機構A-STEP(トライアウト)、

公益財団法人 永井科学技術財団、及び公益財団法人 武田科学振興財団の助成を受けたも のです。

<論文情報>

Rioki Sanda, Koji Yamashita, Hirohito Sawahata, Kensei Sakamoto, Shota Yamagiwa, Shohei Yokoyama, Rika Numano, Kowa Koida and Takeshi Kawano (2023). Low- invasive neural recording in mouse models with diabetes via an ultrasmall needle- electrode, Biosensors and Bioelectronics, https://doi.org/10.1016/j.bios.2023.115605.

図:糖尿病モデルマウスの写真

本件に関する連絡先

広報担当:総務課広報係 岡崎・高橋 TEL:0532-44-6506 FAX:0532-44-6509

参照

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