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PDF 下村 克己 - 国立大学法人信州大学

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Academic year: 2024

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(1)

HOVEY-PALMIERI-STRICKLAND の公理的安定ホモトピー論とその BOUSFIELD束および HOPKINSの PICARD群について

下村 克己

1. 公理的安定ホモトピー圏 定義1.1. Cを閉対称モノイド三角圏とする。

cofibrationとretractについて閉じているC の部分圏Dthickと呼ぶ。

任意のcoproductについて閉じているthick部分圏 Dlocalizingと呼ぶ。

X ∈ D,Y ∈ Cに対してY ∧X ∈Dとなるthick部分圏 Didealと呼ぶ。

localizing部分圏Dがidealであるとき、localizing idealという。

X ∈ D,Y ∈ Gに対してY ∧X∈ Dとなるthick部分圏DG-idealと呼ぶ。

記号1.2. S を閉対称モノイド三角圏Cの対象の系とする。

thick⟨S⟩ = Sを含む最小のthick部分圏 loc⟨S⟩ = Sを含む最小のlocalizing部分圏 locid⟨S⟩ = Sを含む最小のlocalizing ideal

G-id⟨S⟩ = Sを含む最小のG-ideal 定義1.3. 閉対称モノイド三角圏Cの対象Zは、

対象の族{Xi}に対し自然な同型⊕

[Z, Xi][Z,⨿

Xi]があるときsmallと いう。

対象の族{Xi}に対し自然な同型⨿

F(Z, Xi) F(Z,⨿

Xi)があるときF- smallという。

Z thick⟨S⟩のとき、S-有限という。

定義1.4. 閉対称モノイド三角圏Cが安定ホモトピー圏であるとは loc⟨G⟩=Cとなるstrongly dualizableな対象の集合G が与えられていて、次の二つをみたすもの。

i) Cの任意のcoproductが存在する。

ii) Cの任意のcohomology functorはrepresentableである。

• G の任意の対象がsmallである安定ホモトピー圏をalgebraicと呼ぶ。

単位対象Sがsmallであるalgebraic安定ホモトピー圏をunital algebraicと 呼ぶ。

• G={S}となるunital algebraic安定ホモトピー圏を monogenicと呼ぶ。

定理1.5. Cを安定ホモトピー圏とする。

1) Xsmall (resp. F-small, strongly dualizable)とし、Ystrongly dualizable とすると、X∧Y はまたsmall (resp. F-small, strongly dualizable)となる。特 にsmall (F-small, strongly dualizable)な対象の成す部分圏はG-idealである。

2) G-有限=⇒strongly dualizable ⇐⇒ F-small.

3) Calgebraicなら

small ⇐⇒ G-有限= strongly dualizable ⇐⇒ F-small.

4) Cunital algebraicなら

small ⇐⇒ G-有限 ⇐⇒ strongly dualizable ⇐⇒ F-small.

1

(2)

2 下村 克己

1.1. Thick subcategory theorem.

定義 1.6. 安定ホモトピー圏Cの対象の族{K(n) :n∈I}を考える。対象X(resp.

部分圏D)のsupport

supp(X) ={n:K(n)∧X ̸= 0}, (resp. supp(D) =∪

X∈Dsupp(X)) と置く。smallな対象からなるG-idealD

D={X :X finite, supp(X)supp(D)} をみたすとき{K(n)}G-idealを定めるという。

定義1.7. Cを安定ホモトピー圏とする。

(a) R∈ Cは結合的な積µ:R∧R→Rと単位元η:S →Rを持つとき、環対象 という。

(b) 環対象Rが任意のX∈ Cに対して、R∧X =∨

αΣdαRとなるとき、体対象 と呼ぶ。

定理1.8. algebraic安定ホモトピー圏Cに、次の二つをみたす対象の集合{K(n)}

あるとする。

1) 非自明な環対象Rに対し、K(n)∧R̸= 0となるnがある。

2) K(n)∧X ̸= 0である有限対象Xに対し、⟨K(n)=⟨K(n)∧X⟩. このとき{K(n)}G-idealを定める。

1.2. 局所化.

定義 1.9. 完全関手1, L:C → Cと自然変換i: 1→Lの組L= (L, i)が下の3つの 条件を満たすとき局所化関手という。

1) 自然変換Li:L→L2は同値 2) ∀X, Y ∈ C, [LX, LY] i

X

−−→[X, LY]は同型 3) LX= 0なら任意のY に対しL(X∧Y) = 0

定理1.10. L: C → Cを安定ホモトピー圏Cの局所化関手とする。このときiX:X∼= LXである対象の成す圏CL は安定ホモトピー圏である。

2. Bousfield lattice

定義2.1. (a) 安定ホモトピー圏Cのlocalizing ideal⟨X⟩={Y :X∧Y = 0}XBousfield類という。

(b) Bousfield類の系B(C)に順序を⟨X⟩ ≤ ⟨Y⟩ ⇐⇒ ⟨X⟩ ⊃ ⟨Y⟩で入れる。この 順序により得られる束をBousfield束と呼ぶ。

命題2.2. Calgebraic安定ホモトピー圏とする。

(a) ⟨S⟩は最大の、0は最小のBousfield類である。

(b) ⟨X∨Y⟩=⟨X⟩ ∨ ⟨Y⟩,⟨X∧Y⟩ ≤ ⟨X⟩ ∧ ⟨Y⟩.

(c) DL={⟨X⟩:⟨X⟩ ∧ ⟨X⟩=⟨X⟩}により分配束になる。

2.1. 大川の定理. C を安定ホモトピー圏とする。F= thick⟨G⟩と置き、FF の対 象の同型類の集合とする。次を仮定する。

1) |F|=0かつA, B∈ F に対して、|[A, B]| ≤ ℵ0

2) ∀X ∈ C,X loc⟨G⟩.

(3)

公理的安定ホモトピー論 3

定義2.3. E∈ C,A∈ Fとする。x∈EAに対して、xの annihilator idealを annA(x) ={f [A, B] : [B]∈ F, (Ef)(x) = 0}.

Eの大川類 ⟨⟨E⟩⟩を

⟨⟨E⟩⟩={annA(x) :|A| ∈ F, x∈EA}. 命題2.4. 大川類の系は濃度が高々220 の集合である。

定理2.5. ⟨⟨E⟩⟩⟨E⟩に対応させる全射f:O(C)B(C)が存在する。

2.2. レトラクト予想.

記号 2.6.   安定ホモトピー圏CのBousfield類の集合をB =B(C)とし、x∧yxy, inf{x, y}x∧y で表す。

DL(B) = {x:x2=x} J(x) = {y:y≤x∧a(x)} N(B) = {x:xn= 0 (∃n≥1)} A(B) = {x:r(x) = 0}

a(x) = ∨

xy=0y r(x) = ∨

wx,wDL(B)w レトラクト予想:

A. ∃h∈B: r: B/J(h)=DL(B) B. r: B/A(B)=DL(B)

C. r: B/N(B)=DL(B)

もとのレトラクト予想はp-局所化されたスペクトラムの圏の成すBousfield束で の予想AでhをEilenberg-MacLane spectrumHZ/pとしたものである。

命題2.7. Fを体対象とすると、B(CF) =Z/2. 従って、レトラクト予想は成り立つ。

命題2.8. スペクトラムの圏でMoravaK理論の余積∨

nK(n)で局所化された圏 Hについてはレトラクト予想Cは成り立つ。

3. Hopkins’ Picard groups

定義 3.1. Cを閉対称モノイド圏とする。同型X ∧Z →Sがあるとき、Xを可逆 という。可逆な対象の成す充満部分圏をPicard圏と定義する。この圏の同型類に を積として与えたclassをPicard 群と呼ぶ。(集合でないこともある)このclassを Pic(C)と書く。

命題3.2. Cを閉対称モノイド圏とする。Picard圏の任意の対象Xstrongly dual-

izableである。さらにXの逆元はDXである。

補題3.3. 局所化関手L:C → CLは準同型l: Pic(C)Pic(CL)を誘導する。

命題3.4. ⟨E⟩ ≥ ⟨F⟩かつLES=LFSならPic(CE)Pic(CF)

命題3.5. ⟨E⟩ ≥ ⟨F⟩かつPic(CF) =ZならPic(CE)はZを直和成分に持つ。

References

1. W. G. Dwyer and J. H. Palmieri, Ohkawa’s theorem: there is a set of Bousfield classes. Proc.

Amer. Math. Soc. ,129(3)(2001), 881–886.

2. M. Hovey, J. H. Palmieri, and N. P. Strickland, Axiomatic stable homotopy theory, Mem.

Amer. Math. Soc.128/610(1997).

3. M. Hovey and J. H. Palmieri, The structure of the Bousfield lattice, Contemp. Math.239, Amer. Math. Soc., 1999, 175–196.

4. Y. Kamiya and K. Shimomura, Picard groups of some local categories, Publ. RIMS, Kyoto Univ.43(2007), 303–314

5. R. Kato, K. Shimomura and Y. Tatehara, Generalized Bousfield lattices and a generalized retract conjecture, Publ. RIMS Kyoto Univ.50(2014), 497–513.

参照

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