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預金通貨の流通速度

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Academic year: 2025

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(1)

預金通貨の流通速度

大 北 文 次 郎

本稿は我國に於ける預金通貨流通速度に聞する小研究である︒この問題に關しては既に田中金司教授︵﹃預金の疏通速

度と支拐準備金﹄國民経濟雑誌昭和七年十二月號︶及び中谷實氏︵﹃貨幣と物偵との相關々係に就て﹄経濟論叢昭和八

年四月號︶の研究がある︒

 預金通貨の流通速度は︑一定期間内の小切手振出高を常座預金の李均残高にて除し光る商である︑然るに當座貸越

︵借越︶ を考慮に入れるときは預金通貨の流通速度は︑小切手振出高を︑常座預金肇国同と常座貸越限度︵貸越極度︶のうち未だ利用せられざる部分の額との和にて除したる商であるといはねばならぬ︒︵註︐︶

 小切手振出高は︑銀行の常座預金梯戻高即ち常座預金減少高に依って之を知ることが出來る︑然るに常座貸越契約あ

る場合當座預金痩高以上に小切手が振出されるときは常座貸越が嚢生する故に︑銀行の常座預金減少山口同と當座貸越貸

出高との合計が小切手振出高となる課である︒なほ手形交換高よりして小切手振出山口同を推算する方法もある︒︵註︑︶

 常座貸越限度︵貸越極度︶のうち利用せられてるない部分の数字は︑常座貸越限度より當座貸越現套︒同を控除する

    預金通貨の流通速度       ニ二五

(2)

    商學論集 第五巻       二二六

ことに依って得られるものであるが︑當座貸越現在高の激字は之を知り得るも︑當座貸越限度に聞する統計を得るこ

とは困難である︒從って預金通貨の流通速度︑即ち小切手振出高を當座預金残高と常座貸越限度のうち利用せられて

るない部分の額との和にて除し九るものを算出することは︑當座貸越限度に関する数字が明かとなる迄は不可能であ

  怖物長唄口珍籍却︾轟十爵隈庵塵露≡蟄る︒鯨黙古漸臨翫毛氈囲簸園蟹繰&のや遠嚢虞妥慣∩融舜シ聾の算出が不可能であるとすれば︑之に代はるもので満足せざ

るを得ない︑この場合考へられ得るものは︑小切手振出高を當座預金疫高にて除したるもの

蘇隈憲診逗︾翫十.鯨肉鴻猿蛇田爵       昏密着診鼠︾翫    §園慧診臨画    及び常座預金減少目同を當座預金肇日向にて除したるもの 蒜鵠憲絵漆翫−である︒そこ

で以■下この両者の算出を試みたのであるが︑本稿に於てはこの爾者を並べ掲げるにとyめ︑より正確なる流通速度は

後日の調査研究に依って之を求めることにする︒

  ︵註1︶ 預金通貨の数量には︑常座預金蓬高のみならず︑當座貸越限度のらち末だ利用されざる部分の額なも之に包含せしむべ

  きである︑この鰍一に関しては田中教授前掲論文七頁︵註四︶参照︒

  ︵註2︶ 田中教授前掲論文一四⁝二五頁︑及中谷氏前掲論文↓〇四頁以下参照︒

      二

 先づ小切手振出高の計算が問題であるが︑左の表に於ける

に就ての小切手振出高の概算額である︒ ︑鯨肉薄紗鷺︾爵十繋馬海霧燐=瓠.畠

は︑全国普通銀行

(3)

一 表

.〜ず

牙う

同指数

100 113 197 309 519 748 719 663 698 663 720 811 865 609

618 500 448

        ラ

!  1全國手形 同指数交換所手    形交換高

       f円  100  10,269,77C 11,625,72C

107

20,234,749 13,753,95]

53,273,378 76,823,30]

172 256 411 591

73,853,294 68,091,034

541 457

71,669,277

486

68,〔)58,429

471

73,956,976

494

83338305

  ,    ,

583

88,792,552

626

62ン556,12C

530

68,592,995

588

63,443,307

546

51,376,233

443

46,022,042

420

全國普通銀全國普通銀常座預金減

行當座預金行當座貸越1少高+當座

減少高  貸出高  貸越貸出高

   イロ        ず         モロ

11,970,38013,364,397−15,334,778 3,0e3,392116,429,012 4,875,359 26,309,588 39,2S8,879 63,027,80G 90,642,917  6,971,697

10,901,368 19,245,63(〕

16,786,309182,942,898 13,118,281i70,015,543 15,310,262i74,4G9,65 16,027,318!72,154,87ユ

年度

13,425,619 21,434,?28 32,317,18ユ 52,126,431 71,397,287 66,156,588 56,897,261 59,159,391 56,127,552

60,534,01G 15,239,349 75,773,35t)

69・204・984 v/8・208・271189・413・256 76,407,391…!9,57S,G46i95,986,037 64,128,909!17,091,185!81,220,095 73・177β71116・卿54190・094・325

         1      1

67・919β72 P15・803β07183・722・979

        ラ         ド      サ

55ρ64・9鎚一i2・81ら142、67・器0・131 52,123,825 −2,340,555!64,464,381

大正3年   4年   5年   6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 和1年

 2年  3年  4年

5年 6年

(註)手形交換高は金融事項参考書(昭和七年調)に依る

第一表に於て全国普通銀行當座預金減少高は︑大蔵省銀行局年報に於ける全国普通銀行預金に關する統計より概算せるものである︒

   預金通貨の流通速度       二二七

(4)

    商學論集 第五巻       二二八

即ち例之銀行局年報︵昭和六年︶二六三頁には次の如き数字がある︵こ﹂には千圓を輩位として掲ぐ︶︑

       慧  今 ︵艶書︾柑︶

輪島

e

。∬

藤 恩 慧 冷 ﹂い

G

き菖蒲盤豪巽逢茸書﹇蕊詠ε距鑑遇へm翫

uユN

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、丁

遇一

H㌔H♪恥い一 詠弾道=曲暑ロ画

一窒謡南爵

一報識薦喜桝畠

 然るに︑雪道蓬慰象+§童茂邑コ轟1馨逞況遇沓画H轄誉昆導&       なほ︑

この方法に聞し大賊省銀行局に問合をなしたるところ衣の如き回答を得た︑

  ﹃前期繰越高中ニハ當期中二解散破産業務廃止等二依リ潟液シタル銀行分ヲ含ミ居り當期増加高中二是等消滅シタル銀行ノ分ヲ

  含マス從ツテ前期繰越高一一當期増加高ヲ加へ當期末現在高ヲ控除スルモ正確ナル意味二於テノ當期減少高ト樗スルヲ得サルモ實

  敷二於テハ大差ナキモノト被存候條 慮右方法二佐リ算出スルノ外無之事ト存候﹄

 從って右の方法に依って得られたる常座預金減少高は概算額である︒ ︵銀行局年報に於て當座預金減少高をも掲ぐるに至らんこと

を希累して置く︒︶

 次に讐通銀行常座貸越貸出高は當座貸越一年納貸出高にして銀行局年報︵例之昭和六年のものにては二六四頁︶に依るものである︒

      三

預金醤鑑凄として詠.誤州口論︑談議馨腱一層.︑︑轟−を第髪に︑−譲謹鍛出を第裏に掲げる.

H︸︒88窒 昼︒︒︒いミH  ︒刈岩宝  頃さ㏄著ε であろから︑この方法に依って 年給減少高な算出した︒
(5)

預金.通貨の流通速度

μグナヨゆ 一一

年 度

  常座預金

簾籍惑同指数

  貸出高 大正3年

    4年

    5年

    6年

    7年

    8年

    9年

   10年    11年    12年    13年

      f円 15,334,77卜 16,429,f)12

26ナ309,588 39,288,S79

63.〔)27,800

90,642,917 82,942,898 70,015,543 74,469,654 72,154,871 75,773,35∈)

14年189・413256

昭和1年

    2年

    3年

    4年

    5年

    6年

95,{)86,037

81,220,095 90,094,325 83,722,979 67,880,13ユ 64,464,381

︶72611176143608630 α07519458798238442 111245544445655544

(全蹴逓i @(、)

:3虚艮 了『1旨∫躯「rヨ本旨数

)預金礎高    し2)

     一中谷底流 同本旨婁文通速度       〔証2)

     f円:

 3駅),687

 459,715  578,476  787,609

1,()23,167

1,207,052 U57,5181

1・188・701:

1,336,094】

1,47〔),738

エ,399,893

1,415,650 1,439,11G l,440,786 ユ,353,526

1,261,703 1.147,059 1,020,015

㎜m粥㎜㎜鵬㎜謝蹴講糊識蹣跚錨躍謝韻 邪74B8860G96690盟061316703756361820

39

R5

ハ菊61757158面弗5463665666665963

(註1)常座預金残高は上期末現在高下期末現在高の李均 00

c162757918350弗25386170農7069鋭61 1   1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

39

̀4625お268406810613319057綿

42 T5

ホ7262劔54劔70776366昭5870

(6)

   商學論集 第五巻       二三〇

︵註2︶ 第二表に於ける中谷氏預金貨幣流通速度︵前掲論文︸〇九頁︶は︑全国手形交換高よりして小切手振出高︵全國手形交

換組合及び代理交換銀行に宛て\振出されたる︶を推算し︑ か㌧る小切手振出高を當座預金涯高︵全國手形交換所組合及び代理

交換銀行に於ける上下雨季末李均残高︶にて除して得られたるものである︒手形交換高より小切手振出高を算出するに至る道程

に就ては︑前掲論文の参照を望みこ﹂ではその紹介及び批評をなさない︒衣に小切手振出高を除するに宮座預金獲高を以てし︑常

座預金残高と常座貸超限度の5ち利屠せられてるない額との和を以てせ謝︑﹂る黙に就ては︑同氏は前掲論文一〇九頁註に於て︑﹃叉

預金貨幣の数量としては︑常座貸越高の中にて顧客の未だ利用せざる部分を加ふ可きであるが︑鼓に利用せし常座預金羅高は︑

上下雨季末の残高にて︑毎日李均を探ろ傷合よりも多少多額となれるのみならず︑銀行間の預金の如きも之を包含せる故に︑常

座貸越飛高を加へざる事より生ずる所の誤蕗も亦少いと考へられる︒﹄と述べてゐられるが︑とにかく常座貸越極度に関する数

字が不明であるから︑他の事情と相殺廿一られて誤差の少となるこ乏ありとするもその程度は明確でない︑筆者としては︑常座貸

越極度に聞すろ数字が或程度迄明かとなりたる上にて︑即ち例之當座貸越毎度と常座貸越現在高との%の關係が一部の銀行に就

てのみなりとも明かとなりたる上にて︑研究を進めることにしたい︒なほ第二表の流通速度は全国菩通銀行に関すろものであり

中谷氏のそれは全国手形交換所組合及び代理交換銀行に聞するものである︒

(7)

三 表

預金通貨の流通速度

年 度

         1

i普通銀行,

j減少高 :

      (魯通銀行1當座預金i同指数2常座預金

@       )残高

騰1(・≧       (2)     :

同指数

田中教授

ャ通速度  (註3)

一r円i チ円 1

大正3年 11,970,380、 100  3gO,687 100  30.64   1 100 4年

        i P3,425,619

@       1 112  45誓),715

   …115  29.20

95 27.48

5年 21,434,228 179  578,476 1481 37.05

@  1

121 37.28

6年 32,317,181 270  787,6α〕 202…41.03   1 134 38.87 7年 52,126,431 435 1,023,167    !Q62  50.95 166 50.86

8年 71,397.287・  596 1,207,052

P 309159.15

193 56.95

9年 66,156,588 553 1,157,518 296i 57.15 187 57.74

劃年 56,897.2611 475 1,188,701 304  47.87   !   1 156 47.73 え。ゴ霞。つ01 オ0!1   『l Qqにnoオ 2五つ 1 」五9Q 14厚 4ぼ52        11年

       12年        13年        14年      昭和1年         2年         3年         4年

三    5年

        6年

59・159β91…

        i 56,127,552!

        1 60,534,010:

69,204ン9841         1

76,4つ7,391

〔即28,9α〕…

73,17偽3711

        ! 67,919,6了2!

        1

5澗細

        1 52,123,8251         i         1

49G8861705 囎妬50舘6ε聞6156妬脇 1,336,094

1,470,738 1,399,893 1,415,650 1,439,116 1,440,786 1,353,526 1,261,703 1,147,059 1,020,015

342

   1

3761

   1

3581

   1

3621

   1

368t

   i

3691

346

   1

3231

294

   1

2611

44.28 38.16 43.24 48.89 53.09 44.51 54.06 53.83 48.01 51.10

55103566π7 42467477561111111111 45,53

39.49 43.66 48.92

53.5〔)

46.44 54.24

53.瓢〕

49.37

(8)

   商學論集 第五巻       二三二

︵註3︶ 第三表に於ける田中教授の流通速度︵前掲論文一七頁︶は︑全國普通銀行當座預金流通速度であって︑至國普通銀行當

座預金︸ヶ年増加高を常座預金年末現在高にて除して得られたるものである︒然るに同論文一四頁には︑﹃之︹預金の流通速度︺

を實際に測定するには一定期間に於ける預金の拐戻縮高文は預入総高 ︵なるべく前者を可とす︶ を預金擾高を以て除すればよ

い︒﹄とあるから︑堀加高に依って計算せられたのは減少高の統計なきためであら5︒

      四

 次に銀行局年報に於ける普通銀行當座預金地方別の統計に依り︑預金通貨流通速度

を試みると霞務如−で宏︵例之謂駄蝶鶴舞董.

遜爵着全煙嵐︾蟄蘇眠古諺濃蟄の地方的比較
(9)

さ.ま薫哲良下

篁藍》装養環蕪

誤三三顛罵三=,髭冨島5.罰筒

(((  (o((  ((⊃ ……1凄き 薦覇1…蛍 薄端

ヨ蕊聲 寄冨漣罰 違難

● ● ●  ● !? ●、  ● ●

毒聯雅 畢隙欧憂 綜年

季亭亭蓄書手号す塗

濠繍函 渚:ll愚齪 葬暗

与藩黒闇3ε亨早事

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 ①ρO鼻 一一W・¢⇔ O⇔・G 藤卜⇔O

      講神曠古冷罵知事町一

なほ奏銀行︵蘇燧.第一︶鍵︵霧︶墾・澄︑に於けゑ出座預金減少出.同及ぴ現在︑.同の撃より﹁顛聾響岩

算出し︑之を全國普通銀行全部に於けるそれに比較すれば次の如くである︒ を

預金通貨の流通速度 二三三

(10)

商 學 論集  第 五 巻二三四

丞書癖へ¶

a台 G森

陰⇒

贈長一︑〜噌常駐⇒ ↓卜臼αOハW●oo㏄ ︵ご●Oq

︵肖添

OいHO

︵附記︶銀行局年報に於けろ警通銀行當座預金︑増加高及び現在高の数字は︑牛年毎のものである︑叉銀行業務報告書に於ける

    O預  金

種 類一所鋤越亘窮塩垂薪一翁島一斎窺藷一

噛海嶺幽r⁝⁝一 ⁝一/一−!−口﹂F一日一﹂﹄

も亦牛年毎のものである︑從って預金通貨流通速度の季簡約攣動を知るための材料とならな

少高︵並びに當座貸越貸出高︶が爽表せられるときは︑之に依り預金通貨流通速度の動きな速かに且つ細密に知ることが出來る

であら5︑交換所組合及代理交換銀行が︑各週及び各月の常座預金減少高︵並びに當座貸越貸出高︶を交操所に報告し︑交換所

に於て之が獲表をなすに至らんことを希望する︒ ︵勿論現在に於ても季諦的受動は︑手形交換高叉は之に加工したるものに基い

て計算することが出來るが︑常座預金減少高︹並びに當座貸越貸出高︺に依る方が︑より正確且つより簡軍であらう︒︶

      ︵了︶ い︑若し各週及び各月の宮座預金減

参照

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相殺する場合の手続きについては、次によるものとします。

もちろん現実には,代金支払いの一部(特に小口支払い)は現金通貨で行

       預金通貨需要関数の推計(井澤)       65