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障害学生支援におけるデジタルデバイスの効果に関する実践的研究:

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Academic year: 2025

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【特別支援教育研究部門】

障害学生支援におけるデジタルデバイスの効果に関する実践的研究:

マルチメディア DAISY 図書の教育への応用

研究代表者 相澤 宏充(特別支援教育講座)

研究分担者 中村 貴志(特別支援教育講座)

研究分担者 太田 富雄(特別支援教育講座)

研究分担者 中山 健 (特別支援教育講座)

研究分担者 韓 星民 (特別支援教育講座)

研究協力者 根本 實(ICTサポート福岡)

研究協力者 矢部 剛(伊藤忠記念財団)

研究協力者 成松 一郎(専修大学)

A practical study on the effectiveness of digital devices providing support to disabled students: The application of DAISY multimedia books to education

Hiromitsu AIZAWA1) Takashi NAKAMURA1) Tomio OHTA1)

Takeshi NAKAYAMA1) SungMin HAN1) Minoru NEMOTO2) Takeshi YABE3) Ichiro NARIMATSU4)

1) Department of Special Education, Fukuoka University of Education 2) ICT Support Fukuoka

3) ITOCHU FOUNDATION Disabled Children Reading Support Div.

4) Department of Liberal arts and Journalism,Senshu University

Many visually impaired persons use the DAISY, an electronic book especially for visually impaired persons. This book is introduced to the Braille library in Japan very early in the world. Multimedia DAISY (mmDAISY) was developed as a standard e-book for use by persons with disabilities, many of whom experience reading difficulties.

However, the introduction of the e-book in Japan has been delayed. In this study, we investigated the processes involved in the production of mmDAISY by conducting interviews with various organizations. The following results were obtained, indicating reasons as to why the introduction of mmDAISY is deemed difficult: ① In Japan, the volunteering producer of mmDAISY has experienced many technical and financial challenges regarding the production of the book. ② Problems with the playing environment of mmDAISY. ③ Problems with the production tools. ④ Challenges with copyrights. ⑤ The selection of suitable content for mmDAISY.

キーワード:マルチメディアDAISY,障害学生,特別支援教育

Key words:DAISY multimedia, students with disabilities, special needs education

はじめに

「著作権法第33条の2」の改正が行われ、児童生 徒が障害その他の特性の有無にかかわらず十分な教 育が受けられる学校教育の推進に資することを目的 として「障害のある児童及び生徒のための教科用特

定図書等の普及の促進等に関する法律」が、2008 年9月17日施行された。現在は、視覚障害児童・

生徒のための「拡大教科書」や「点字教科書」、その 他障害(発達障害など)児童・生徒のためのデジタ ル化された「マルチメディアデイジー教科書」等が、

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著作権を気にすることなく自由に製作できるように なった。

DAISY(デジタル音声情報システム)とは、Digital Audio-based Information SYstemの略で、印刷物 を読むことが困難な視覚障害者や読字障害者のため に作られたデジタル録音図書の国際標準規格である。

従来、視覚障害者のほとんどが利用していたテープ 図書(テープに朗読者の声が録音されていた音声図 書)は多くの視覚障害者に支持され、長年視覚障害 者の情報入手のための貴重なツールとなっていたが、

時代はアナログからデジタルに移行し、DAISY プ レイヤーという国際標準の視覚障害者用デジタル方 式の読書機が登場するようになった。CD1枚に本1 冊分の音声データが入ることもあり、郵便による貸 出を行っている点字図書館にとっては、メディアの 安さ、管理コストの安さ、郵送の簡便さ等から、

DAISY の導入は積極的に進められた。ユーザーに とっても、高品質な音声で聞くことができ、その期 待は高まった。音声で本を読む場合、読みたい場所 に移動や参照、物理的に現在どのくらいの場所(進 み具合)にいるかなど、活字本でなければ得られな かった情報が、DAISY 規格では得られるようにな ったこともあり、従来は小説や雑誌等の閲覧の目的 でしか利用されていなかった音声読書が、学習など にも利用されるようになるなど、その利用範囲は広 がっている。最近開発が進んでいるマルチメディア DAISY(mmDAISY)規格では、音声・テキスト・画 像・ハイライト機能などが実現しており、読字障害

(学習障害)者にも期待されている。

本研究は、mmDAISY図書の特別支援教育への応 用可能性を調べる目的で行われた。視覚障害児者の ために製作された電子図書であるDAISY図書は、

世界でもいち早く日本全国の点字図書館へ導入され、

現 在 多 く の 視 覚 障 害 児 者 が 活 用 し て い る 。 mmDAISY図書やEPUB形式の電子教科書は視覚 障害児者だけでなく、発達障害児者や肢体不自由児 者など、読書が困難な多くの障害児者に役立つ次世 代の電子図書規格として開発されたが、現在視覚特 別支援教育への導入が進まない状況である。本報告 では、mmDAISYの特別支援教育への導入・拡大の ために必要な現状と課題について考察する。

1) 「特別支援教育」(視覚)とmmDAISY(ヒアリ ング調査)

<目的>

DAISY 図書は視覚障害児者中心に開発・提供さ れてきたが、読字障害やその他の障害児者にも活用 されるようになった。プリントディスアビリティを

持つ視覚障害児者にとって、次世代mmDAISY図 書は、ワンソースマルチユース可能な規格として期 待され、拡大や点字、音声、テキストデータなど、

その期待は高かった。次世代電子図書規格として、

視覚特別支援教育分野での利用も多いことが予想さ れていた。ところが、mmDAISYは視覚障害児者を 対象とするより、発達障害児者の支援に多く活用さ れるようになって来ている。

本研究では、特別支援教育における mmDAISY の役割について考察し、視覚特別支援教育分野に mmDAISY が活用されていない現状について分析 する。

<方法>

mmDAISY を製作しているボランティアや製

作・提供している機関などmmDAISY を推進して いる諸団体の代表者を集めた意見交換会・関連研究 会参加・ヒアリング調査の形式で研究を進めた。そ して、mmDAISY関連のシンポジウムや講演会に参 加し情報を収集した。情報バリアフリー研究会(意 見交換会)には、本研究の研究協力者とその他、情 報バリアフリーに関心を持つ研究者や当事者が集ま った。

対象:ICTサポート福岡、伊藤忠記念財団、日本 ライトハウス、ATDO、日本障害者リハビリテーシ ョン協会、京都ライトハウス、DAISY製作関係者。

<結果>

mmDAISY 製作を通じ検証した結果と合わせ、

mmDAISY を推進している諸団体からのヒアリン グ調査により、次のような結果が得られた。① mmDAISY製作において、ボランティア団体により、

多くの製作が行われている日本では、製作者の技術 的・金銭的課題が存在していた。②製作ソフトウェ アの課題もある、使いやすい製作ソフトは高額であ るため、ボランティア団体では購入できない課題が ある。フリーソフトはバージョンアップが十分に行 われず、最新版OSとの相性問題や、使いづらい等 課題が存在する。③視覚障害児者にとっては、

mmDAISYの再生環境に課題が残る。使いやすく手 に入れやすい再生機器やソフトウェアの開発が遅れ ており、コンテンツの量が貧弱である。現在特別支 援教育分野でも注目を浴びている iPad などタブレ ットPCによる再生方法が有効であると考えられた。

④著作権問題は改善されたものの、テキストデータ や画像データが出版社から提供されないため、画像 データの劣化問題が改善されないままである。

<結論>

DAISY図書の製作と再生に比べ、mmDAISYの

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製作と再生にはまだ多くの課題が存在している。と くにmmDAISY 製作の複雑さ・困難さは大きな問 題として残る。

2) mmDAISY製作過程を通じた実証研究

<目的>

デジタル録音により製作されたDAISY図書は、

テープ図書に比べ、検索機能が優れている。とくに 読みたい箇所に瞬時に飛べる移動機能が充実し、音 声は倍速にしても聞きやすいピッチコントロールな どが追加された。本一冊分の音声データは、CD 一 枚に収まるという簡便さもある。DAISY 図書がテ ープ図書と変わらないのは基本音声読書である。そ れに対し、mmDAISYは視覚的な要素が加わった点 である。例えば、読んでいる箇所がハイライトされ たり、音声を聞きながら視覚的な画像や動画を見る 事ができる。文字の大きさや色を自由自在に変える ことができ、長い文字列は画面の右端で折り返し表 示(リフロー)される。

本研究はmmDAISY図書製作に係る関係諸団体 の協力を得て、実際にmmDAISY製作を行うと共 に、mmDAISY再生と製作に関する諸問題点につい て考察する。mmDAISYの製作者のインタビュー調 査からmmDAISYが普及しない要因の一つに製作 過程が複雑であることが示唆される。つまり、ボラ ンティアベースでDAISY図書を製作している日本 では、mmDAISY製作に多くの技能・技術が必要と いう現状が、大きな制約となるのではないだろうか。

本研究は、mmDAISY製作過程に潜む課題を検証 するため実施する。

<方法>

現在mmDAISY版教科書を全国の児童・生徒に 提供している日本障害者リハビリテーション協会の 協力団体であり、全国でもいち早くmmDAISY図 書製作に取り組んでいる、ICTサポート福岡の代表 であり、本研究の研究協力者からmmDAISY 製作 過程に関する詳しい技術と情報を知ることができた。

対象は福岡教育大学特別支援教育講座に在籍してい る学生4名と特別支援教育講座教員1名(計5名)

であった。2 時間の講義後、テキストと画像中心の 絵本を用いてmmDAISY製作に取り組んだ。ソフ トウェアや製作資料などはすべて準備された段階で、

ハイライト機能を中心としたmmDAISY の製作を 行った。

製作前段階としてどのような本を製作するのか、

製作後はどのようにデータを管理するのかなどさら に考慮すべき点などあったが今回は統制せず、本研

究においては製作過程を中心に考察する。

<結果>

製作過程は大きく分けて以下の通りであった。

mmDAISYの製作過程:①本の画像と文章のデー タ化(本の裁断とスキャン)②テキスト校正と画像 の編集③htmlファイル作成(CSS設定)④DAISY 変換(Sigtuna DAR3使用)⑤録音(ナレーション)

⑥サウンド編集⑦メディアに書き込む(CDやSD)

mmDAISYの製作手順:①絵本を購入し裁断する。

②テキストや画像をスキャンする。③テキスト校正 や画像を編集する。④HTMLでテキストデータを記 述する。その際、見栄えや動作を制御する設定情報 CSS(スタイルシート)を定義しておく。⑤テキス トデータを録音する。⑥製作ソフトを使用し、

mmDAISY化・編集を行う。

これらの作業は、IT技術に慣れていないボランテ ィアには困難な作業である。特に④のHTMLでテ キストデータを記述する作業やCSS(スタイルシー ト)の定義などは特別な知識を必要としていた。今 回の講習後、さらに一日指導教員による指導が行わ れたが、大学生4名にとっては大変難しい作業であ った。これまでの音声DAISYの製作過程に比べ、

mmDAISY製作は大変複雑であることが分かった。

日本のDAISY図書は全国の点字図書館に所属す るボランティアにより製作されているため、今後 mmDAISY製作がもっと活発化するためには、ボラ ンティアの製作スキルを高めるか、mmDAISYが簡 単に製作可能なツール開発が必要である。

以下は製作順に追ってその困難さについて考察す る。

①本の画像と文章のデータ化(本の裁断とスキャ ン)

②テキスト校正と画像の編集

視覚に障害を持つ学生や研究者のテキストデータ を用いた支援方法について研究した結果、テキスト データを製作するためには、熟練した技術が必要で あり、大学でテキストデータを製作し、提供するた めには障害学生支援にかかる金銭面での負担が大き い(韓 2010)。テキストと画像が入った絵本一冊を 裁断し、テキスト化する作業は場合によっては数日 かかる作業であり、絵本は画像の見やすさが大変重 要であるため、画像処理のためのテクニックも必要 となる。

本研究・講習会を通じ、ICTサポート福岡から以 下のような画像処理のノウハウについて知ることが できた。

・スキャナー画像(表紙から裏表紙まで保存)。

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・ページ周辺をカットしない。

・ページ中央部の画像の接続や影が出ないよう絵 本を分解するのが基本。

・スキャナーのカラー画像は初期状態ではコント ラストが低めに設定されている場合が多いが、スキ ャン時に色調や明るさを調整しておくとあとの処理 がしやすい。

・ただし、スキャン時でのコントラストの強すぎ は致命的である。

③htmlファイル作成(CSS設定)

ホームページなどで使用されているhtmlを扱う 必要性がある。とくにCSSの設定はhtmlをあまり 知らない学生にとって難しかったようだ。一度設定 しておくことで再利用が可能とは言え、PC や情報 技術にあまり慣れていないボランティアなどには大 きなハードルになっている現状からも分かるように、

本作業の簡素化が可能なシステムが必要であると感 じられた。

④DAISY変換(Sigtuna DAR3使用)

Sigtuna DAR3は、音声のみの録音図書の製作に も使用可能であるが、画像、テキスト・音声を同期 させることで、mmDAISYコンテンツを作成するオ ーサリングソフトウェアとして使われている。

Sigtunaは、日本障害者リハビリテーションが無料 で公開しているソフトウェアである。使い方に慣れ が必要であるが、一度覚えると使えるようになる。

⑤録音(ナレーション)

⑥サウンド編集

MP3などデジタル録音し、それを編集する作業で ある。従来のDAISY図書製作方法と変わらないも のである。

⑦メディアに書き込む(CDやSD)

出来上がったmmDAISYはCDやSDカードな どに保存し、パソコンやiPadなどのタブレットPC で聞くことが可能である。

<結論>

mmDAISY が視覚特別支援教育へ導入が進まな い原因の一つにコンテンツ製作の困難さがある事を 確かめることができた。とくにハイライト機能の製 作過程は大変時間が掛かる作業であった。現在自動 ハイライト機能製作のためのオーサリングソフトウ ェアの開発が進められており、それらの開発動向に 関する考察が必要である。その他の原因として、

mmDAISY の特徴であるハイライト機能の有効性 に関する検証である。次の研究では、ハイライト機

能の有効性に関する研究結果を報告する。

3) mmDAISY のハイライト機能の有効性に関する 研究

<目的>

mmDAISY が視覚特別支援教育に普及していな い原因の一つにハイライト機能を中心とした製作の 複雑さが関わっていることが確認された。

本研究は、ハイライト機能はどのくらい読書に役 立っているかについて実験的手法を用いてその有効 性を検証するものである。筆者らは、本研究を進め るにつれて、ハイライト機能は視覚障害児者の読書 に有効なツールになりうるのかについて定量的な分 析がなされていないことが明らかである。そして、

もし、ハイライト機能が簡単に作れるのであれば、

mmDAISY のコンテンツがもっと多く製作される 可能性がある。

DAISY 図書はこれまで多くの視覚障害児者を中 心として活用されてきた。mmDAISY図書において はどのような特徴があるのだろうか、とくに、テキ ストに音声を同期(シンクロ)させユーザーは音声 を聞きながらハイライトされたテキストを読むこと ができるが、視覚障害児者(特に弱視児者)にとっ て二つの感覚器官(聴覚と視覚)に同時に集中する ことは可能であろうか。これまで多くの認知心理学 的知見により、二つのタスクを同時に行う心理課題

(Dual task)において、課題の同時遂行はもう一 方の課題遂行に影響を与える事が確認されている

(韓 2000)。これらの知見から、mmDAISY再生時、

聴覚に流れる音声を聞きながら、視覚に提示される ハイライト機能にも集中する事は困難ではないかと 考えたため検証することを目的とした。

<方法>

実験方法は、弱視者にハイライト機能があるもの とないものについて、読書課題を行い、その理解度 を調べた。mmDAISY図書再生課題は、標準スピー ドでハイライト機能ありとハイライト機能なしの2 条件からなっていた。1 名の実験協力者に対し、1 0分間流れるmmDAISY を読み終えた時点で内容 理解に関する質問を3回(3試行)行った。使用し た機材は、App Storeで購入した「ボイスオブ デ イジー(VOD)」を用いた。ボイス オブ デイジー は、スマホやタブレットPCでmmDAISYが再生 可能なアプリとして開発されたものである。再生は iPAD Airを用いた。

<結果>

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ハイライト機能がない場合は、音声のみのDAISY になるため、理解しやすい傾向がみられた。ハイラ イト機能に注視しながら内容を聞いた際は、内容理 解が難しかったとの報告があった。そして、単語の 自由再生課題を行ったところ、ハイライト機能があ る場合は5つあったのに対し、ハイライト機能がな い場合は6つの単語が再生できた。

内省報告によると、弱視者にとってハイライト機 能に集中する事は難しく、聴覚情報処理を妨げる結 果となった。

<結論>

本研究の結果から、視覚障害児者にとってハイラ イト機能の有効性は認められず、発達障害児者への 有効性に関する検証が必要であると考えられた。

本実験では実験協力者数が少なかったこともあり、

更なるデータの蓄積が必要であり、今後の課題とな っている。

4) ハイライト機能の自動生成ツールに関する研究

<目的>

mmDAISY を最も特徴付けるものの一つがハイ ライト機能である。このハイライト機能製作が簡単 に行えるツールが存在すれば、mmDAISY製作を行 うボランティアの過重を軽減することになり、コン テンツ製作が増える見込みがある。

本研究では、mmDAISY製作ツールの最新開発動 向を調べ考察したものである。

<方法>

mmDAISY関連研究会・講演会を通じその動向を 調査する。現在製作が進んでいるシナノケンシ社の 開発動向を中心にiPad用アプリ(VOD)を製作し ているサイパック社の開発動向について考察する。

<結果>

DAISY プレイヤー市場では世界シェアトップを 走っているシナノケンシ社が、mmDAISY製作団体 の要望を吸い上げ、現在製作ツールを開発中である。

DAISY 編集以外に、テキストと肉声音声を同期さ せたmmDAISY のハイライト機能を自動制作する とともに、印刷物から抽出したテキストの TTS に よる読み上げ内容との同期も可能であるという。

本ソフト(ツール)が開発されれば、mmDAISY 製作がこれまでより簡便に行う事が可能である。そ

れだけでなく、OCRやTTS機能、EPUBへの変換 機能も備え、肉声だけでなく、TTSとの融合による 幅が広がる見込みである。

<結論>

これまでPCやタブレットPCによるmmDAISY 再生が主であったが、今後は、専用ハードウエア端 末による再生が必要である。そして、サイパック社 は、2013年8月から、アメリカのLearning Ally向 けのAndroid版VODをリリースしている。Android 4.1以降、TalkBackが標準装備されるようになって おり、世界的には、アンドロイド版スマートフォン が多く発売されていることから、今後サイパック社 の開発動向も重要となってきている。

おわりに

視覚障害児者の支援目的で作られた録音図書が、

デジタル化社会に伴いDAISY規格による図書とし て変化し、発達障害児者を含め、多くのプリントデ ィスアビリティの人々に役立つようになった。さら にmmDAISY 図書になるにつれて、視覚障害児者 よりむしろ発達障害を中心とした利用が顕著である。

それは視覚的効果、スクリーン表示もできるように なり、技術が人間の情報行動に変化を加えているこ とを示すものである。

視覚特別支援教育分野では mmDAISYが電子書 籍としての役割を果たしうると、期待されていたこ と も あ り 、 視 覚 特 別 支 援 教 育 分 野 に お け る mmDAISYの役割と課題検証を試みたものである。

mmDAISYの製作と再生環境には、多くの課題が存 在しており、十分なコンテンツ製作の妨げとなって いた。

今後、支援機器や製作ツール開発動向を含め、次 世代mmDAISYとも称されるEPUBの動向に関す る更なる考察が必要であると考えられた。

参考文献

韓星民(2000). Cross-modal における注意の基礎研 究 . Bulletin of the Korean Scholarship Foundation, 23. 120-128.

韓星民(2010). 視覚障害者用支援機器と文字情報へ のアクセス(青木慎太朗編・視覚障害学生支援技法 増補改訂版). 生存学研究センター報告 12, 33-83.

根本實(2013). 情報バリアフリー研究会(意見交換 会).

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