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証券訴訟とイベントスタディーの活用

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(1)

証券訴訟とイベントスタディーの活用

-オリンパス証券訴訟を取り上げて-

香川大学連合法務研究科 溝渕 彰

©Akira Mizobuchi

(2)

はじめに

証券訴訟とは何か?

粉飾決算等により有価証券報告書等に虚偽記載があったため、株価が下 落し、投資家が損害を被った場合に、投資家がその損害の回復を求めて裁 判所に提訴する訴訟を証券訴訟という。

本報告の構成及び概要

損害回復のための手段、金商法による損害回復、流通市場と被告会社、ラ

イブドア事件最高裁判決、虚偽記載の事実の公表とは?、公表の主体、市

場の誤りを明らかにするとは?、オリンパス事件〔東京地裁・大阪地裁〕、統

計的検証の活用、イベントスタディ、今後の課題

(3)

損害回復のための法的手段の分類

不法行為に基づく手段・・・民法

709

条に基づく損害賠償請求により、損害の回復を図る。

金融商品取引法に基づく手段・・・金融商品取引法

19

条以下の規定に基づいて、損害の 回復を図る。なお、金商法の規定は、不法行為法の特則であると考えられている。

金商法における損害回復の手段は二つのタイプに分類される。一つは、発行市場の ケースであり、いま一つは流通市場のケースである。

また、誰を被告とするかによっても概ね二つのタイプに分類される。即ち、会社を被告と するケース、役員等個人を被告とするケースに分類される。

本報告では、オリンパス社の証券訴訟について取り上げる。これは、会社を被告とする 流通市場のケースである。

(4)

不法行為による損害賠償請求

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害 した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

・損害賠償請求者は、①故意・過失、②行為の違法性

(

あるいは権利侵害

)

、③損害 の発生、④行為と損害との間の因果関係、につき立証する必要がある

・流通市場で会社を被告とするケースでは、虚偽記載については、②の違法性が法 律上、認定されており、③の損害の発生、④の因果関係については、法律で推定規 定がある。①の故意・過失については立証責任が被告に転換されている。

・基本的には、虚偽記載の事実と損害額を立証すれば足りる。

(5)

損害額の推定規定

金商法 21 条の 2 第 3 項

当該書類の虚偽記載等の事実の公表がされたときは、当該虚偽記載等の事実の公表が された日(以下この項において「公表日」という。)前一年以内に当該有価証券を取得し、当 該公表日において引き続き当該有価証券を所有する者は、当該公表日前一月間の当該有 価証券の市場価額(

)の平均額から当該公表日後一月間の当該有価証券の市場価額の 平均額を控除した額を、当該書類の虚偽記載等により生じた損害の額とすることができる。

・損害の推定規定を利用できる株主は、以下の要件を満たしている必要がある。

①「公表日」から

1

年以内に株式を取得していること

②「公表日」において引き続き株式を保有していること

・損害の推定額=公表日前

1

ヶ月間の株式の平均価額-公表日後

1

ヶ月間の株式の平均 価額

(6)

虚偽記載の事実の公表とは?

金商法 21 条の 2 第 4 項

虚偽記載等の事実の公表」とは、当該書類の提出者又は当該提出者の業務若しく は財産に関し法令に基づく権限を有する者により、当該書類の虚偽記載等に係る記 載すべき重要な事項又は誤解を生じさせないために必要な重要な事実について、公 衆の縦覧その他の手段により、多数の者の知り得る状態に置く措置がとられたことを いう。

簡潔に説明すると、

虚偽記載の事実の公表とは、特定の主体が虚偽記載に係る事実について、公衆 の縦覧等により、多数の者の知り得る状態に置く措置が取られたことをいう。

ライブドア事件最高裁判決でこの虚偽記載の事実の公表が問題とされた。

(7)

ライブドア事件最高裁判決

事案の概要

・ライブドア社が、

3

億円の経常赤字であったにもかかわらず、

50

億円の経常利益があると記載 した平成

16

年度の連結計算書類を含む有価証券報告書を関東財務局に平成

16

2

月に提出し た。

・東京地検特捜部は、平成

18

1

16

日に証取法(当時)違反

(

偽計・風説の流布

)

により、強制 捜査を行い、ライブドア社社長らを逮捕した。平成

18

1

18

日に、検察官による記者会見を行 い、粉飾の疑いのある平成

16

年度

9

月期決算の有価証券報告書を提出した容疑により捜査が 行われたことを話した。

・東京地検の強制捜査以降、ライブドア社の株価は急落し、最終的には、平成

18

4

月に上場 廃止に至った。

・ライブドア社の株主

(

機関投資家

)

らが有価証券報告書の虚偽記載によって損害を被ったとし て、ライブドア社及び代表取締役社長

A

を相手取って訴えを提起した。

(8)

ライブドア事件最高裁判決

公表の主体の問題・判決要旨①

「・・・検察官は,有価証券報告書等の虚偽記載等の犯罪につき刑訴法に基づく種々 の捜査権限を有しており,その権限に基づき,有価証券報告書等の虚偽記載等を訂 正する情報や有価証券報告書等に記載すべき正確な情報を入手することができる のであって,その情報には類型的に高い信頼性が認められる。したがって,検察官 は,金商法21条の2第3項〔旧規定:筆者注〕にいう「当該提出者の業務若しくは財 産に関し法令に基づく権限を有する者」に当たるというべきである。・・・」

〔ポイント〕

検察官は、

①有価証券報告書の虚偽記載に係る正確な情報を入手できること

②その入手した情報は類型的に高い信頼性が認められること から、金商法

21

条の

2

4

項に定める公表の主体と認められる。

(9)

ライブドア事件最高裁判決

虚偽記載の事実の公表とは?・判決要旨②

「金商法21条の2第2項にいう「虚偽記載等の事実の公表」とは,有価証券報告書 等の「虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項」について,多数の者の知り得る状 態に置く措置がとられたことをいうのであって(同条3項),その文理からすれば,「虚 偽記載等の事実の公表」があったというためには,単に当該有価証券報告書等に虚 偽記載等が存在しているとの点についてのみ上記措置がとられたのでは足りないこ とは明らかであるが,有価証券報告書等に記載すべき真実の情報につき上記措置 がとられたことまでも要すると解すべきものではない。なぜなら、取引所市場の評価 の誤りを明らかにするに足りる情報が開示され、その結果当該有価証券が大きく値 下がりしたにもかかわらず、真実の情報が明らかにされないことをもって「公表」がな いものとし、同条

2

項の推定規定を適用することができないのでは投資者保護に欠け、

相当ではないからである。・・・」

〔ポイント〕

・完全に真実である情報まで明らかにする必要はない

(10)

ライブドア事件最高裁判決

判決要旨③

「むしろ、同項〔金商法

21

条の

2

3

:

筆者注〕が「公表」をもって損害の額を推定する 基準時としたのは、信頼性の高い情報を入手することができる主体が「公表」するこ とによって、当該有価証券に対する取引所市場の評価の誤りが明らかになることが 通常期待できるという趣旨によるものであると解され、また、評価が誤っていたかどう かは、当該「公表」の時点ですでに明らかになっている事実を考慮に入れて判断され るべきことであるから、同条

3

項にいう「虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項」に ついて多数の者の知り得る状態に置く措置が取られたというためには、虚偽記載等 のある有価証券報告書等の提出者を発行者とする有価証券に対する取引所市場の 評価の誤りを明らかにするに足る基本的事実について上記措置がとられれば足りる と解するのが相当である。」

〔ポイント〕

・信頼性の高い情報を入手できる公表主体によって、当該有価証券に関し取引所市 場の評価の誤りが明らかにされるに足る情報が提供される必要がある。

(11)

ライブドア事件最高裁判決を オリンパス事件に当てはめると …

マイケルウッドフォード氏がフィナンシャルタイムズ紙のインタビュー記事を通じて、オ リンパス社の粉飾決算につき暴露し、最初に株価が大幅に下落した

2011

10

14

日が虚偽記載の公表日と考えられるのではないか。このような可能性が正しいと言 えるためには、二点乗り越えなければならない問題がある。

①マイケルウッドフォード氏を公表主体と考えることができるか否か ?

② 2011 年 10 月 14 日に、マイケルウッドフォード氏がフィナンシャルタイムズ紙

のインタビュー記事を通じて、オリンパス社の粉飾決算につき暴露したこと

が市場の評価の誤り明らかにするに足る基本的事実を開示したと言えるか

否か ?

(12)

公表の主体の問題

・ウッドフォード氏は、

2011

10

14

日まで代表取締役等の地位にあったが、フィナ ンシャルタイムズ紙とのインタビューが行われる直前の

2011

10

14

日に代表取締 役等の地位を解職された。

・しかし、彼は取締役の地位に留まったままであり、内部者として会社に関する情報 を直接入手していた。

・このような者は信頼性の高い情報を入手できる主体であり、かつ入手した情報も 類型的に高い信頼性があったと考えることができる。現に、彼が入手し公表した情報 は、後に公表された第三者委員会報告書に照らしても極めて正確なものであった。

・従って、マイケル・ウッドフォード氏は、直前までオリンパス社の代表取締役等であり、

「当該書類の提出者」

(

金商

21

条の

2

3

)

と同視して良いのではないか。

(13)

市場の誤りを明らかにするとは何を意味するのか?

裁判所の言及する「市場の誤りを明らかにする」とは何か。そもそもファインナンス分野 における多くの研究成果が示す通り、我が国の株式市場は、半強度型の効率的市場であ ると一般に認識されている。

半強度型の効率的市場とは、情報が公表された時点において、当該情報の全てが即座 に株価に織り込まれると仮定する市場のことである。したがって、半強度型の効率的市場 を前提にする限りは、インサイダー情報が開示された時点で市場はそれに全て反応する。

そもそも、「市場の誤りが明らかになる」というのは、株式市場が公開情報を即座に全て 消化することによって、適正な株価が形成されるということにほかならない。したがって、

半強度型の効率的市場においては、インサイダー情報のみが、市場に対して追加的な価 値をもたらす情報であることになる。

追加的な価値をもたらす情報が一体どこにあったのかを探り当てるために、イベントスタ ディを活用することにより、アブノーマルリターンの検出を試みる。換言すれば、どのタイミ ングで提供されたインサイダー情報が、株価の変動に影響を及ぼしたかを検証するため にイベントスタディーを用いる。

具体的には、ウッドフォード氏が暴露したインサイダー情報が公開情報を提供したタイミ ングと認識できるかどうかを統計的に確認するために、

2011

10

14

日をイベント日とす

(14)

オリンパス事件〔東京地裁〕

平成 27 年 3 月 19 日

・オリンパス社〔被告〕は、平成

23

年度(

2011

年度)第二四半期(

4-6

月)に係る有証券報告書の中に純 資産合計額を嵩上げする虚偽記載を行い、このような報告書を関東財務局に提出した。

2011

10

14

日に、オリンパス社の代表取締役及び社長執行役

CEO

であったマイケルウッドフォード 氏が上記役職を解職されると、同社株主〔原告〕は、同日から同月

18

日までオリンパス社の株式(現物 株)を

10

株購入した。

・オリンパス社は、

2011

11

8

日に、過去において有価証券投資等による損失を先送りしていた事 実をプレスリリースにより認める発表を行った。

・原告は、オリンパス社による有価証券報告書の虚偽記載を原因とする株価下落により損害を被った として、オリンパス社に損害賠償を求めて提訴した。原告は、「虚偽記載の事実の公表」があった日は、

2011

11

8

日と主張した。これに対して、オリンパス社は、この見解を否定しているが、仮に損害額 の推定規定を用いるにしても、相当な額の減額が必要との主張を行っている。

・裁判所は、「虚偽記載の事実の公表」があった日は、

2011

11

8

日との判決を下した。

(15)

オリンパス事件〔大阪地裁〕

事案の概要

・オリンパス株式会社が、

1990

年代に行った財テクの失敗により被った損失を隠 蔽する目的で損失の先送りを行った。

・損失の先送りを行う過程で、平成

13

(2001

)3

月期~平成

24

(2012

)3

月期の 有価証券報告書の連結純資産額に虚偽記載があったため、株価下落による損害を被っ たとして、同社株主

12

名がオリンパス社に損害賠償請求を行った。

・原告は、虚偽記載の事実の公表があった日は、

2011

11

8

日と主張した。他方、被告 会社は、

2011

12

14

日と主張した。

・裁判所は、虚偽記載の事実の公表日は、

2011

11

8

日との判決を下した。

・本件は、大阪高裁に控訴されたと考えられる。

2016

6

30

日に、大阪高裁によって控 訴判決が下された。

(16)

イベント・スタディー

基本的手法の概要

Step 1.

イベントの定義

Step.2.

推定ウィンドウの設定

Step 3.

モデルの構築

Step 4.

イベント・ウィンドウの設定

Step 5.

イベント・ウィンドウにおけるアブノーマル・リターンについて

t

検定を行う。

(17)

Step 1. イベントの定義

・マイケル・ウッドフォード氏が代表取締役等の役職を解職された後で、フィナンシャ ル・タイムズ紙のインタビューを受けた。このインタビュー記事が掲載されたのが、

2011

10

14

日である。

・このインタビュー記事の中で、同氏はオリンパス社には、過去において会計不正を 行っていたことを告白した。この記事の掲載後、株価は急落した。

・このインタビュー記事の公表をイベントと捉え、統計的な検証を行ってみることとす る。

(18)

Step 2. 推定ウィンドウの設定

・マーケットモデルを用いて、イベントがなかったならば想定される株価リターンを算 定するために、推定ウィンドウを設定する。

・今回のケースでは、イベント前の

90

日間程度の株価データを基礎にモデルを構築 する。具体的には、

2011

5

30

日から

2011

9

30

日までをイベントウィンドウに設 定する。

(19)

Step 3. モデルの構築

・想定される株価リターンを算定するために、最も単純なモデルであるシングルファク ター・モデルを利用して、モデルを構築する。推計ウィンドウでパラメーターを推計す る。

Y= 𝐴 + 𝐵𝑋

𝑋 = TOPIX

の収益率

Y

=オリンパスの収益率

R=0.001037+1.165735X

(20)

Step 4. イベント・ウィンドウの設定

・本件におけるイベント日は、

2011

10

14

日である。この日を含めた前後数日間を イベント・ウィンドウとして設定する。

・具体的には、

10

3

日から

10

31

日までをイベントウィンドウに設定する。

(21)

Step 5. t検定①

2011

10

14

日におけるアブノーマルリターンについて

t

検定

(AR/SD)

を行う。

2011

10

14

日:

AR(t)=-9.30 (1

パーセント水準で統計的に有意

) 2011

10

17

日:

AR(t)=-15.0 (1

パーセント水準で統計的に有意

)

・故に、

14

日と

17

日が統計的に見て有意と言える。

(22)

Step 5. t 検定②

・イベント・ウィンドウ内で

t

検定を行った結果、最初に有意であったと考えられる日は、

2011

10

14

日である。

・すなわち、稀にしか起こり得ないようなマイナスの株価の変動が

10

14

日に発生し たことになる。

10

14

日は、ウッドフォード氏がフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューを受けた 記事が公表された日である。この記事の中で、ウッドフォード氏は、オリンパス社が 会計不正を行っていた事実を明らかにしている。

(23)

Step 5. t 検定③

・ウッドフォード氏のインタビュー記事は、株価の変動に(マイナスの)影響を及ぼすも のであり、これ以外に株価の変動に影響を及ぼすような情報がなければ、このインタ ビュー記事による情報によって株価が影響を受けたということができる。

・仮に、オリンパス社からの反証がなければ、すなわち、これとは別に株価に影響を 及ぼすような情報が公表されたとの主張がなされなければ、ウッドフォード氏のインタ ビュー記事の影響を受けて株価が変動したと裁判所は判断することになる。

(24)

統計的検定

-t 検定 -

Date Olympus TOPIX Olympus(R) TOPIX(R) Expected Stock Return

(Olympus) AR CAR AR(t)

2011/10/3 2,306.00 747.11 -0.0459247 -0.018471564 -0.020519371 -2.5% 0 -1.46

2011/10/4 2,272.00 736.18 -0.014744146 -0.014629706 -0.016043608 0.1% 0.1% 0.07

2011/10/5 2,275.00 726.25 0.001320423 -0.013488549 -0.01471416 1.6% 1.7% 0.92

2011/10/6 2,358.00 736.86 0.036483516 0.014609294 0.018019828 1.8% 3.6% 1.06

2011/10/7 2,416.00 741.55 0.024597116 0.006364845 0.008415045 1.6% 5.2% 0.93

2011/10/11 2,423.00 755 0.002897351 0.018137685 0.022130403 -1.9% 3.3% -1.11

2011/10/12 2,373.00 753.44 -0.020635576 -0.00206623 -0.001407152 -1.9% 1.4% -1.11

2011/10/13 2,482.00 758.83 0.045933418 0.007153854 0.00933424 3.7% 5.0% 2.10

2011/10/14 2,045.00 748.81 -0.176067687 -0.013204539 -0.014383287 -16.2% -11.2% -9.30 2011/10/17 1,555.00 761.88 -0.239608802 0.017454361 0.02133433 -26.1% -37.3% -15.00 2011/10/18 1,417.00 751.24 -0.088745981 -0.013965454 -0.015269754 -7.3% -44.6% -4.22 2011/10/19 1,389.00 751.49 -0.019760056 0.000332783 0.001387692 -2.1% -46.7% -1.22 2011/10/20 1,321.00 746.02 -0.048956084 -0.007278873 -0.007479887 -4.1% -50.9% -2.38 2011/10/21 1,231.00 744.21 -0.068130204 -0.002426208 -0.001826533 -6.6% -57.5% -3.81 2011/10/24 1,099.00 755.44 -0.107229894 0.015089827 0.018579648 -12.6% -70.1% -7.23 2011/10/25 1,189.00 747.7 0.08189263 -0.010245685 -0.010936223 9.3% -60.8% 5.34 2011/10/26 1,099.00 746.48 -0.07569386 -0.00163167 -0.000900896 -7.5% -68.3% -4.30

(25)

統計的検定

-t 検定 ( 補足① )-

Date Olympus TOPIX Olympus(R) TOPIX(R) Expected Stock Return

(Olympus) AR CAR AR(t)

2011/11/1 1,206.00 754.5 -0.003305785 -0.012512106 -0.013576604 1.0% -57.8% 0.59 2011/11/2 1,200.00 738.58 -0.004975124 -0.021100066 -0.023581577 1.9% -55.9% 1.07 2011/11/4 1,118.00 752.02 -0.068333333 0.018197081 0.022199599 -9.1% -65.0% -5.21 2011/11/7 1,034.00 750.45 -0.075134168 -0.00208771 -0.001432183 -7.4% -72.3% -4.24 2011/11/8 734.00 738.03 -0.290135397 -0.01655007 -0.018280832 -27.2% -99.5% -15.63 2011/11/9 584.00 749.4 -0.204359673 0.015405878 0.018947848 -22.3% -121.8% -12.84 2011/11/10 484.00 730.3 -0.171232877 -0.025487056 -0.028692421 -14.3% -136.1% -8.20 2011/11/11 460.00 729.13 -0.049586777 -0.001602081 -0.000866425 -4.9% -141.0% -2.80 2011/11/14 540.00 735.85 0.173913043 0.009216463 0.01173718 16.2% -124.7% 9.33 2011/11/15 640.00 730.91 0.185185185 -0.006713325 -0.006821023 19.2% -105.5% 11.04

2011/11/16 740.00 724.11 0.15625 -0.009303471 -0.009838544 16.6% -88.9% 9.55

2011/11/17 747.00 727.71 0.009459459 0.00497162 0.006791938 0.3% -88.7% 0.15

2011/11/18 625.00 719.98 -0.163319946 -0.010622363 -0.011375053 -15.2% -103.9% -8.74

2011/11/21 725.00 717.08 0.16 -0.00402789 -0.003692491 16.4% -87.5% 9.41

2011/11/22 869.00 717.79 0.19862069 0.000990127 0.002153498 19.6% -67.8% 11.30 2011/11/24 1,019.00 706.08 0.172612198 -0.016313964 -0.018005768 19.1% -48.8% 10.96 2011/11/25 1,107.00 706.6 0.086359176 0.00073646 0.001857976 8.5% -40.3% 4.86

(26)

統計的検定

-t 検定 ( 補足② )-

Date Olympus TOPIX Olympus(R) TOPIX(R) Expected Stock Return

(Olympus) AR CAR AR(t)

2011/12/1 1,049.00 740.01 0.023414634 0.015855366 0.019471502 0.4% -50.9% 0.23

2011/12/2 1,067.00 744.14 0.017159199 0.005581006 0.007501872 1.0% -49.9% 0.56

2011/12/5 1,091.00 748.61 0.022492971 0.006006934 0.007998078 1.4% -48.5% 0.83

2011/12/6 1,190.00 738.01 0.090742438 -0.014159576 -0.015495906 10.6% -37.8% 6.11 2011/12/7 1,128.00 749.63 -0.05210084 0.015745044 0.019342976 -7.1% -45.0% -4.11 2011/12/8 1,178.00 745.11 0.044326241 -0.006029641 -0.006024532 5.0% -40.0% 2.90

2011/12/9 1,206.00 738.12 0.0237691 -0.009381165 -0.009929057 3.4% -36.6% 1.94

2011/12/12 1,300.00 749.69 0.077943615 0.015674958 0.019261326 5.9% -30.7% 3.37

2011/12/13 1,370.00 740.71 0.053846154 -0.011978284 -0.012954701 6.7% -24.0% 3.84 2011/12/14 1,314.00 736.98 -0.040875912 -0.005035709 -0.004866601 -3.6% -27.6% -2.07 2011/12/15 1,041.00 725.02 -0.207762557 -0.016228392 -0.017906076 -19.0% -46.6% -10.92

(27)

累積アブノーマルリターン (CAR)

-70.0%

-60.0%

-50.0%

-40.0%

-30.0%

-20.0%

-10.0%

0.0%

10.0%

20 11 /10 /3 20 11 /10 /4 20 11 /10 /5 20 11 /10 /6 20 11 /10 /7 20 11 /10 /8 20 11 /10 /9 20 11 /10 /10 20 11 /10 /11 20 11 /10 /12 20 11 /10 /13 20 11 /10 /14 20 11 /10 /15 20 11 /10 /16 20 11 /10 /17 20 11 /10 /18 20 11 /10 /19 20 11 /10 /20 20 11 /10 /21 20 11 /10 /22 20 11 /10 /23 20 11 /10 /24 20 11 /10 /25 20 11 /10 /26 20 11 /10 /27 20 11 /10 /28 20 11 /10 /29 20 11 /10 /30 20 11 /10 /31 20 11 /11 /1

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今後の課題

・ 10 月 14 日以外にもイベント日を設定し、このイベント日について、イベントス タディを行うことも必要ではないか。

・このようなイベント日としては、会社が公式に損失先送りを認めた 11 月 8 日 や有価証券報告書の訂正報告書を提出した 12 月 14 日が考えられる。

・推定ウィンドウの設定についても再考する必要があるのかもしれない。例 えば、 11 月 8 日をイベント日に設定した場合に、推定ウィンドウとして設定す る期間に 10 月 14 日を含めるべきかどうか検討する必要がある。

・オリンパス社は、 ADR をニューヨーク証券取引所に上場しているため、この

ADR についてもイベントスタディを行う必要があるのかもしれない。

参照

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