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物理チャレンジ 2020 第1チャレンジ 実験課題レポート

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Academic year: 2025

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第 16 回全国物理コンテスト

物理チャレンジ 2020 第1チャレンジ 実験課題レポート

第1チャレンジ番号:

氏 名 :江波 駿介

学校名または 卒業校 名 :

学 年 :三年

山口県立宇部高等学校

学校のある

都道府県名: 山口県 実験をした場所: 宇部高校生物教室 共同実験者 (1名まで。共同実験者の定義については「実験を始める前に」を参照して下さい。)

氏 名: 第 1 チャレンジ番号

村 上 麻 依 ( 宇 部 高 校 三 年 )

実験課題に取り組んだ時期・期間 実験課題に取り組んだ感想を書いてください。

普段机の上で勉強しているだけではあまり意識してい なかった、実験上の操作や数値の設定の工夫、測定 誤差の考慮の重要性を痛感した。一連の実験を計 画・実行・考察することの難しさとそれを克服することの できたときの達成感を身にしみて感じたいい体験であっ た。

方法を考え始めた時期 5 月27日

実験を始めた時期 6 月 1 日

実験に取り組んだ期間 19 日 2 週間と 5 日

0 カ

2 0 3 5 0 0 7

2 0

銅とアルミニウムの比熱の測定と誤差の補正

~一般的な器具だけを使って正確な値を得る方法~

3 5 0 0 3

(2)

銅とアルミニウムの比熱の測定と誤差の補正

~一般的な器具だけを使って正確な値を得る方法~

山口県立宇部高校三年 江波駿介 共同研究者:山口県立宇部高校三年 村上麻依

要約

実験の上で最も注力したのは正確性の追求である。学校では比較的ありふれた器具だけを 使って、文献値と±1℃の精度で結果を得ることを目的とした。完全に断熱して外気との熱移 動を遮断しようというアプローチは一般的な器具だけでは難しいと考え、むしろ熱移動量 を実験データから数値解析できるような実験を計画し、計測した値に複数の誤差解析手法 をあてはめて補正を加えた。無論実験手法上の観点からも、可能な限り外気からの熱的影響 を最小限に抑えるように努めた。実験結果としては、銅は文献値との誤差を±1℃で抑えるこ とができた。アルミニウムは複数の補正を加えても文献値との±1℃に抑えることはできな かったが、その差は補正を重ねることで縮めることができた。ここにおいて、用いた誤差の 補正手法が手法として有効であることが示された。また、実験操作の工夫と誤差補正手法を 使って、一般的な器具だけを用いても比較的厳密な精度で比熱値を得られたと結論付けた。

目次

《1》目的

…2

《2》実験手法

…2

《2-Ⅰ》測定方法 …2

《2-Ⅰ-ⅰ》使用器具・試料 …2

《2-Ⅰ-ⅱ》比熱の算出方法 …3

《2-Ⅰ-ⅲ》実験の手法及び工夫点 …4

《2-Ⅱ》誤差の解析 …5

《2-Ⅲ》測定値と文献値の比較及び誤差の定義 …7

《2-Ⅳ》目標

…7

《3》実験結果

…8

3-Ⅰ》測定結果と比熱(放熱Q=0)

9

3-Ⅱ》放熱の考慮

13

《3-Ⅲ》更なる補正

15

《4》考察

…17

《5》結論

…19

《6》参考資料

…19

《7》謝辞

…19
(3)

2

《1》目的

実験をするとなればやはり正確な値が得られるに越したことはないし、誤差は工夫次 第でその影響を最小限に留めることが可能である。そこで私の実験の主眼は即ち正確 性である。あまり特殊な器具は使用せず、学校にあるものを活用して、できるだけ厳 密な測定方法に拠った実験及び誤差の補正を試みた。ここで、課題には断熱の仕方を 工夫するようにとあるが、告白すると私の実験はこれとは方針を多少異にする。これ は専ら課題を正確に把握していなかった私の不手際によるのだが、比熱値導出におい て、誤差を抑えるためには断熱を徹底する以外に手立てがないわけではない。むし ろ、いかに断熱材の使用で放熱を最小限に抑えられたとしても完璧なる断熱が困難で ある以上(真空中での実験が可能なら話は別かもしれないが)、ある程度の放熱を許容 して測定情報から放熱量を割り出した方がより簡便かつ、正確な測定値を保証しうる 有効な手法であると考えた。よって、実験で得た数値に複数の誤差解析手法を仮定し て補正を加えた。結果的に課題の趣旨を多少それてしまったのは慙愧に堪えないのだ が、実験・誤差解析の手法としての是非を評価されることを望む次第である。

《2》実験手法

学校の備品に熱量計があったので、それを用いて比熱を測定する。原始的な方法であ っても、直接には測定不可能である以上放熱量は最小限に抑える努力が必要である。

《2-Ⅰ》測定方法

《2-Ⅰ-ⅰ》使用器具・試料

・Cu塊、Al塊…ともに分銅型で糸を通す穴がある。寸法は下表1参照。

・熱量計…内側に断熱材である発泡スチロールが詰められた木箱の中に、銅製容器

(容積350ml)が入る。蓋はプラスチック製。下図1参照。

・電子天秤(精度0.01g)

・蒸留水 ・ラップ(用途は《2‐Ⅰ‐ⅲ》を参照)

・棒状温度計二本(水銀、1/10目盛り、室温と熱量計内の水温を計測するのに使用)

・ビーカー(500ml) ・ガスバーナー ・ストップウォッチ ・細い糸

・マグネティックスターラー(温度計の誤差測定に使用) 試料 底面半径[cm] 高さa[cm] 高さb[cm]

Cu 2.50 2.30 3.48

Al 3.60 3.60 4.70

1:試料の寸法(高さa、bは右の図1に示した部分。)

1:分銅型の金属試料

a b

(4)

3

2:熱量計

《2-Ⅰ-ⅱ》比熱の算出方法

温めた金属試料を熱量計に入れた常温の水中に沈め、それぞれの温度変化から金属試 料の比熱を割り出す。熱量保存則から立てられる式(1)を変形して、銅とアルミニウム の比熱の計算式は各々式(2)・(3)で表される。文字の意味は下表2参照

𝑚金属𝑐金属(𝑇1− 𝜃) = (𝑚𝑤𝑐𝑤+ 𝑚𝑐𝑐𝐶𝑢)(𝜃 − 𝑇₀) + 𝑄

…(1)

𝑐

𝐶𝑢

=

(𝑚𝑤𝑐𝑤)(𝜃−𝑇)+𝑄

𝑚𝐶𝑢(𝑇1−𝜃)−𝑚𝑐(𝜃−𝑇₀)

…(2)

𝑐

𝐴𝑙

=

(𝑚𝑤𝑐𝑤+𝑚𝑐𝑐𝐶𝑢)(𝜃−𝑇)+𝑄

𝑚𝐴𝑙(𝑇1−𝜃)

…(3) 質量[g] 温度[℃] (T₁>θ>T₀) 比熱[J/g℃]

測定試料

m

Cu/

m

Al 𝑇1 CCu/CAl

熱量計内の水

m

w 𝑇0 Cw

銅製容器

m

c 𝑇0 CCu

※Q…実験中の熱量計からの放熱[J] 平衡時の水温…θ[℃]

2:文字の対応表

容器が銅製なので(2)では容器と試料の比熱が同一として、くくりだせる。実験の順序 としては銅の比熱を測定からまず求め、アルミニウムの比熱を求める際は(2)で算出し た銅の比熱の数値を(3)の分子の項に代入して求める。水の比熱は文献値¹

c

w=4.1793[J/g・℃]を用いる。

ここで測定誤差について考える。(1)の式を、左辺にc金属のみが残るように式変形し たのち両辺の対数を取り、微分すると(4)、(5)の式を得られる²。

∆𝐶𝐶𝑢

𝐶𝐶𝑢

= ± {

∆𝑚𝐶𝑢(𝜃−𝑇)

𝑚𝐶𝑢(𝜃−𝑇)

+

∆𝑚𝑐(𝜃−𝑇)

𝑚𝑐(𝜃−𝑇)

+

∆(𝑇1−𝜃)

(𝑇1−𝜃)

+

∆(𝜃−𝑇0)

(𝜃−𝑇0)

}

…(4)

(5)

4

∆𝐶𝐴𝑙

𝐶𝐴𝑙

= ± {

∆𝑚𝐴𝑙

𝑚𝐴𝑙

+

∆(𝑚𝑤𝑐𝑤+𝑚𝐶𝐶𝐶𝑢)

(𝑚𝑤𝑐𝑤+𝑚𝐶𝐶𝐶𝑢)

+

∆(𝑇1−𝜃)

(𝑇1−𝜃)

+

∆(𝜃−𝑇0)

(𝜃−𝑇0)

}

…(5) 測定誤差に関する議論なので(1)式における放熱 Q(直接に測定不可能)はここでは省い た。右辺の分子の∆mや∆(𝑇1− 𝜃)や∆(𝜃 − 𝑇₀)、つまり測定精度が小さければ比熱値の誤 差も小さくなる。質量は 0.01g、温度は 0.1℃と最も細かく測れる器具を使用した。同 様に、右辺の分母(𝑇1− 𝜃)や(𝜃 − 𝑇₀)が大きいほど比熱値の誤差は小さくなるが、T₀は 室温と同じ(少なくとも近い値)でないと室温が及ぼす水温の影響がより複雑になるの で、測定前の試料温度T₁の値、即ち(𝑇1− 𝜃)が大きくなるように操作する。

《2-Ⅰ-ⅲ》実験の手法及び工夫点

【概要】金属資料を沸騰した湯の中につけて100℃にする。(T₁=100℃)

熱量計内の水中に試料を沈め攪拌し、水温と気温が平衡に達するまで(金属試料を沈 めてから1~2分ほど)、10秒ごとに水温と気温を記録する。計算式(2)や(3)に代入して 比熱の測定値を割り出す。

至って簡便な測定方法であるが、より正確性を増すために、測定中の操作に関して以 下の点を工夫した。

・実験装置

金属試料を温めるのに図3の実験装置を用いた。熱水をい れたビーカーの中にラップ(耐熱温度140℃)で包んだ金属試 料を入れ、ガスバーナーで試料を熱する。これは熱量計に試 料を投入する際に試料表面に付着した熱水が混入しないよう にするためと、Al試料表面が熱水と反応するのを防ぐため である(予行実験の際に、熱水にAl試料を触れさせて表面

がAl(OH)₃と思われる物質に覆われたことがあった。)。試

料は上から糸で吊してある。沸騰開始後一分をもって試料が 100℃に達した目安とした。熱量計に入れる水には蒸留水を 用いた。金属試料を素早く熱量計に入れ(すべての実験にお

いて2~4秒でこの操作を行う)、糸を引き抜いて蓋を閉じ、攪拌して水温の推移をみ た。Cu試料とAl試料では体積がそれぞれ違うので、熱量計内の水量を調節して(試料 体積+水の体積)が双方共に等しくなるように操作した。水面から蓋の距離が一定なら ば、水面→空気(水蒸気)→蓋の放熱の過程が同じであるとの仮定に基づく。

・温度管理

諸々の実験器具と熱量計に入れる蒸留水は1時間~12時間実験室内に放置し、なるべ く実験前に水温・室温が熱的平衡に達しているようにする。実験中も室温を変化させ ないことが肝要である。熱量計が風の通り道になって室温が変動しないようにする。

試料を熱量計に移す間の試料からの放熱を抑えるためには熱量計と試料の入った熱湯

(ガスバーナー)を近くに置かざるを得ないが、約1.5m以上の間隔をあけ、極力試料の

3

(6)

5

温度・室温が変化しないようにする(試料移動後すぐにバーナーの火を消す、試料を温 める段階では実験室とは違う部屋で試料を熱する、など)。

・温度計

デジタル温度計は棒状温度計に比べ温度変化に対する応答性の低い難点があるので、

室温、熱量計内の水温共に水銀温度計を一本ずつ使用した。(以下それぞれ温度計①、

②とする。)予め両者にどの程度測定値のずれがあるのかを調べた。水を入れたビーカ ーをマグネティックスターラーでビーカー内の水温が均質になるように温め、二本の 温度計の温度上昇度を比較した。加熱前は温度計①、②ともに水中に長時間放置し、

示度に変化がないことを確かめる。その結果、加熱開始直前の時点で温度計①の方が

②より0.3℃高く、温度上昇中もその差をほぼ一定に保ちながら示度が上昇していくこ

とが確認された。よって、計算では温度計①の値は測定値から0.3を引いたものを使 用する。水温を測る温度計は、温度計が水につかる体積をすべての実験通じて一定に なるようにした。具体的には、温度計の液溜め部分3.0cmが浸るようにした。

《2-Ⅱ》誤差の解析

使用する熱量計は断熱材でおおわれているとはいえ、完全に断熱がないわけではな い。以下では、測定中に熱量計から外気へと逃げる熱量の推定法を考えた。即ち(1)式 におけるQの推定である。

① 凝縮熱を用いた放熱の推定と補正

予行実験において、水温測定中に蓋の内側が結露するのが観察された。水蒸気が凝縮 する際に蓋から外気へと熱の移動が起こっていると考えられる。水の凝縮熱は2442 [J/g]とかなり大きく³、少ない量の蒸発でも放熱量が大きくなることを意味している。

一方熱量計内の空気のモル数及び質量は非常に小さいので、空気を熱するのに使用し た熱量(※)は水の凝縮熱に比べると無視できるほど小さいとみなせる。よって、放熱 量Qが水の凝縮の際に発生した放熱量とほぼ等しいと仮定して、測定前後での水の質 量の変化量を測定し、(1)式のQに代入する。

(※)実験において熱量計内に存在する空気は約0.150Lである。圧力1.01×10⁵[Pa]、

気体定数R=8.31×10³[Pa・L/(mol・K)]、気温300[K]と仮定して、気体の状態方程式

より熱量計内の気体のモル数はn≒0.006077[mol]。空気が窒素と酸素の4:1の混合 気体であるとすると、空気の平均分子量は28.8より、熱量計内の気体の熱容量は約

0.175[J/K]。仮に熱量計内の空気が6℃上昇するとして、その時に投入される熱量は

1.05[J]。一方で、水225gが同じだけの温度上昇を得るのに使われる熱量は

230×4.1793×6=5642.055[J]。よって実験中に空気の温度上昇に使われる熱量は水のそ

れの約0.0186%であり、空気への放熱は無視できる。

(7)

6

② ニュートンの冷却法則を用いた補正

外気=室温が𝑇𝑅[℃]、ある瞬間t[s]における水温がT[℃]とすると、その瞬間の装置か らの放熱量、dQ

dtはニュートンの冷却法則より⁵ dQ

dt

= 𝐴(𝑇 − 𝑇

𝑅

)

…(6) で表される。ここでAとは冷却法則における伝熱面積[𝑚2]と熱伝達率[J/(s・m²・K)]

の積であるが(単位[J/(s・K)])、同じ装置を用いて実験を行うのでAは実験によっては 変化しない定数である。なおこの推定は、断熱材は室温𝑇𝑅[℃]と、熱量計や試料は水

温T[℃]と常に等しいという仮定に基づく。右辺の(𝑇 − 𝑇𝑅)が時間とともに変化する変

数なので(6)式の両辺を区間[0, 𝑡𝑒]で積分して、次式を得る。時間t[s]は試料を熱量計に 入れた瞬間をt=0とし、平衡に達した時間を𝑡𝑒[s]とする。

Q = A ∫ (𝑇 − 𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡 …(7) これを(2)、(3)式に代入して式変形すると、それぞれ(8)、(9)式が得られる。

𝑐

𝐶𝑢𝑚𝐶𝑢(𝑇−𝜃)−𝑚𝑐(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

− 𝐴 =

𝑚𝑤𝑐𝑤(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

…(8)

𝑐

𝐴𝑙 𝑚𝐴𝑙(𝑇−𝜃)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

− 𝐴 =

(𝑚𝑤𝑐𝑤+𝑚𝑐𝑐𝐶𝑢)(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

…(9) 未知数は𝑐金属と定数Aである。上式左辺の𝑚𝐶𝑢(𝑇−𝜃)−𝑚𝑐(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡𝑚𝐴𝑙(𝑇−𝜃)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡、右辺 の𝑚𝑤𝑐𝑤(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡(𝑚𝑤𝑐𝑤+𝑚𝑐𝑐𝐶𝑢)(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡 をそれぞれ𝑥𝐶𝑢と𝑥𝐴𝑙、𝑦𝐶𝑢と𝑦𝐴𝑙とおく。xとy はいずれも実験または文献から値が得られるから、xy平面に測定結果をプロットすれ ば傾きが金属の比熱𝑐金属、切片が-A(<0)の一次関数の直線が得られるはずである。

𝑦𝐶𝑢 = 𝑐𝐶𝑢𝑥𝐶𝑢− 𝐴 …(10) 𝑦𝐴𝑙 = 𝑐𝐴𝑙𝑥𝐴𝑙− 𝐴 …(11)

ところで積分値∫ (𝑇 − 𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡とは、時間t[s]を横軸、室温と水温の差(𝑇 − 𝑇𝑅)[℃]を縦 軸にとった時に、グラフの描く図形と横軸tの範囲[0, 𝑡𝑒]の部分で囲まれた面積だと考 えることができる。この積分値はExcelを用いて台形近似をする。その一例を下の表

3、グラフ1に示す。

(8)

7 秒[s] 水温T

[℃]

室温𝑇𝑅 [℃]

T-𝑇𝑅 [℃]

0 28.0 28.2 -0.2

10 29.2 28.1 1.1

20 30.5 28.1 2.4

30 30.7 28.2 2.5

40 30.8 28.2 2.6

3::実験中の水温と気温及びその差(例) グラフ1:T-TR[℃]の時間推移(黒実線)

平衡時(𝑡𝑒=40s)にθ=30.8℃ グラフの黒・青実線で囲まれた部分の 面積が∫ (𝑇 − 𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡である。

《2-Ⅲ》測定値と文献値の比較及び誤差の定義

比較する文献値として、銅 Cu の比熱 0.38508[J/g℃]、アルミニウム Al の比熱

0.90210[J/g℃]を基準とする。この2値は理科年表⁴からそれぞれの原子量と定圧モル

比熱(いずれも25℃のとき)の値から割り出した。また、誤差は下の計算式から百分率で 出す。

{(測定値)-(文献値)}

文献値 × 100(%) …(12)

《2-Ⅳ》目標

目標としては、文献値の±1%(銅であれば0.38123~0.38893[J/g℃]、アルミニウムで

あれば0.89308~0.91112[J/g℃])の精度を得たい。

-0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 10 20 30 40

T-TR[℃]

t [s]

(9)

8

《3》実験結果

測定日

Cu…6/8三回(朝・昼・夕)、6/9一回(夕)、6/10二回(朝・昼) 計6回

Al…6/5一回(昼)、6/15三回(昼・夕・夕Ⅱ)、6/16二回(朝・昼)、

6/17一回(夕)6/19一回(夕) 計8回

※朝=8:20頃、昼=12:50頃、夕=17:20頃、夕Ⅱ=18:30頃 数値

質量[g] 温度[℃] 比熱[J/g℃]

Cu試料 103.74 100.00 CCu

Al試料 101.17 100.00 CAl

熱量計内の水

m

w 𝑇0 4.1793

銅製容器 124.96 𝑇0 CCu

※Q…実験の過程で発生する放熱[J] 平衡時の水温…θ[℃]

4:実験における各数値

銅の実験の際の

m

w=213.47[g]、アルミニウムの実験の際の

m

w=225.05[g]

(上の

m

wは目安であり、実験によって若干異なる。)

※熱平衡到達時の水温θについて

化学の実験などで、温度計が急激な温度変化についていけない場合、正確な温度を割り出 すための手段として外挿法がよく用いられる。この実験でも、金属試料が冷める(水温が上 がる)時間は短く、多くの場合40秒~1分程度なので、棒状温度計は温度変化についてい けないとみるべきである。しかし、熱平衡に達した(とみられる時間より)後の水温の推移

(放熱するに従い水温は下降してゆく)をみると、どの実験でも0.1℃下がるのに約2~3分

はかかっていた。その間一定の速度で水温が下降しているとすると、その速度は

0.0000556~0.000833[℃/s]であり、要するに平衡に達する間の短時間に外気が水温にもた らす影響は無視してよい。よって、今回の測定では外挿法は用いず、温度変化が一分以上 0になっている段階でその温度を「熱平衡時の水温 θ」とする。また、熱平衡に達した時 間𝑡𝑒[s]は初めてその温度 θ[℃]に到達した時間とする(この𝑡𝑒は補正②で用いる)。

(10)

9

《3-Ⅰ》測定結果と比熱(放熱Q=0)

まず、測定結果のみと放熱を考慮せずに銅とアルミニウムの測定結果を(2)、(3)式に代入し た(Q=0)ときの比熱値を以下に示す。なお、6/8朝の実験では平衡に達した瞬間が二通りに とれる(一度水温の上昇が止まり、50秒後に更に0.1℃程度増加する)ような実験結果が得 られた。この実験については、二通りの熱平衡時の水温 θ[℃]をそれぞれ①、②とし、両 方の値で比熱を計算した。

銅の実験データ(文献値0.38508[J/(g℃)])

実験番号1:6/8朝①

𝑇1− θ [℃] 67.7 T0(水温)[℃] 29.4 T0(気温)[℃] 30.6

θ(平衡時水温)[℃] 32.3

𝑇0− 𝜃[℃] 2.9

mw[g] 213.47

CCu[J/(g・℃)] 0.38843

実験番号2:6/8朝②

𝑇1− θ [℃] 67.6 T0(水温)[℃] 29.4 T0(気温)[℃] 30.6

θ(平衡時水温)[℃] 32.4

𝑇0− 𝜃[℃] 3.0

mw[g] 213.47

CCu[J/(g・℃)] 0.40321

実験番号3:6/8昼 𝑇1− θ [℃] 70.2 T0(水温)[℃] 26.8 T0(気温)[℃] 28.0

θ(平衡時水温)[℃] 29.8

𝑇0− 𝜃[℃] 3.0

mw[g] 213.27

CCu[J/(g・℃)] 0.3871

実験番号4:6/8夕 𝑇1− θ [℃] 70.0 T0(水温)[℃] 27.1 T0(気温)[℃] 26.2

θ(平衡時水温)[℃] 30.0

𝑇0− 𝜃[℃] 2.9

mw[g] 213.51

CCu[J/(g・℃)] 0.37507

実験番号5:6/9夕 𝑇1− θ [℃] 69.9 T0(水温)[℃] 27.3 T0(気温)[℃] 27.9

θ(平衡時水温)[℃] 30.1

𝑇0− 𝜃[℃] 2.8

mw[g] 222.49

CCu[J/(g・℃)] 0.377247

実験番号6:6/10朝 𝑇1− θ [℃] 69.2 T0(水温)[℃] 28.0 T0(気温)[℃] 28.9

θ(平衡時水温)[℃] 30.8

𝑇0− 𝜃[℃] 2.8

mw[g] 222.54

CCu[J/(g・℃)] 0.38135

実験番号7:6/10昼 𝑇1− θ [℃] 71.0 T0(水温)[℃] 26.0 T0(気温)[℃] 27.2

θ(平衡時水温)[℃] 29.0

𝑇0− 𝜃[℃] 3.0

mw[g] 222.68

CCu[J/(g・℃)] 0.39938

(11)

10

アルミニウムの実験データ(文献値0.90210[J/(g℃)]) 実験番号1:6/5昼

𝑇1− 𝜃 [℃] 65.5 T0(水温)[℃] 28.4 T0(気温)[℃] 28.8

θ(平衡時水温)[℃] 34.5

𝑇0− 𝜃[℃] 225.05

mw[g] 6.1

CAl[J/(g・℃)] 0.91000

実験番号2:6/15昼 𝑇1− 𝜃 [℃] 66.4 T0(水温)[℃] 27.3 T0(気温)[℃] 28.0

θ(平衡時水温)[℃] 33.6

𝑇0− 𝜃[℃] 225.31

mw[g] 6.3

CAl[J/(g・℃)] 0.92812

実験番号3:6/15夕 𝑇1− 𝜃 [℃] 66.2 T0(水温)[℃] 27.5 T0(気温)[℃] 27.3

θ(平衡時水温)[℃] 33.8

𝑇0− 𝜃[℃] 225.27

mw[g] 6.3

CAl[J/(g・℃)] 0.93077

実験番号4:6/15夕Ⅱ 𝑇1− 𝜃 [℃] 67.6 T0(水温)[℃] 26.2 T0(気温)[℃] 25.7

θ(平衡時水温)[℃] 32.4

𝑇0− 𝜃[℃] 225.50

mw[g] 6.2

CAl[J/(g・℃)] 0.89789

実験番号5:6/16朝 𝑇1− 𝜃 [℃] 66.05 T0(水温)[℃] 27.7 T0(気温)[℃] 28.9

θ(平衡時水温)[℃] 33.95

𝑇0− 𝜃[℃] 225.04

mw[g] 6.25

CAl[J/(g・℃)] 0.92458

実験番号6:6/16昼 𝑇1− 𝜃 [℃] 67.9 T0(水温)[℃] 25.7 T0(気温)[℃] 26.0

θ(平衡時水温)[℃] 32.1

𝑇0− 𝜃[℃] 225.15

mw[g] 6.4

CAl[J/(g・℃)] 0.92140

実験番号7:6/17夕 𝑇1− 𝜃 [℃] 67.1 T0(水温)[℃] 26.7 T0(気温)[℃] 27.0

θ(平衡時水温)[℃] 32.9

𝑇0− 𝜃[℃] 225.15 mw[g] 6.2 CAl[J/(g・℃)] 0.90325

実験番号8:6/19夕 𝑇1− 𝜃 [℃] 68.0 T0(水温)[℃] 25.4 T0(気温)[℃] 25.5

θ(平衡時水温)[℃] 32.0

𝑇0− 𝜃[℃] 225.15 mw[g] 6.6 CAl[J/(g・℃)] 0.94880

(12)

11

実験中の水温・気温の推移(一例) 秒[s] 水温[℃] 室温[℃]

0 27.1 26.2

10 28.1 26.3

20 29.3 26.3

30 29.8 26.3

40 30.0 26.3

θ[℃] 30.0

𝑡𝑒[s] 40

5-1:Cuの実験中の水温・気温の推移 5-2:Alの実験中の水温・気温の推移

(6/8 夕) (6/19 夕)

グラフ2-1:Cuの実験中の水温・気温の推移 グラフ2-2:Alの実験中の水温・気温の推移

(6/8 夕) (6/19 夕) 秒[s] 水温[℃] 室温[℃]

0 25.4 25.8

10 28.0 25.8

20 30.9 25.8

30 31.8 25.8

40 31.9 25.9

50 32.0 25.9

θ[℃] 32.0

𝑡𝑒[s] 50

25 27 29 31 33

0 10 20 30 40 50

25 27 29 31 33

0 10 20 30 40

T[℃] T[℃]

t[s] t[s]

(13)

12

各金属の実験の測定値及び平均比熱値 実験番号 実験 比熱

[J/g℃]

1 6/8 朝① 0.38843

2 6/8 朝② 0.40321

3 6/8 昼 0.38710

4 6/8 夕 0.37506

5 6/9 夕 0.37725

6 6/10 朝 0.38134

7 6/10 昼 0.39938

平均値 0.38740

標準偏差 0.00990 誤差(%) 0.60244

6-1:Cuの比熱の測定値と平均値 グラフ3-1: Cuの比熱

(Cuの比熱=文献値0.38508[J/(g・℃)])

実験番号 実験 比熱 [J/g℃]

1 6/5昼 0.91000

2 6/15昼 0.92812

3 6/15夕 0.93077

4 6/15夕Ⅱ 0.89789

5 6/16朝 0.92458

6 6/16昼 0.92140

7 6/17夕 0.90325

8 6/19夕 0.94880

平均値 0.92060

標準偏差 0.01541 誤差(%) 2.05099

6-2:Alの比熱の測定値と平均値 グラフ3-2:Alの比熱

(Alの比熱=文献値0.90210[J/(g・℃)])

0.89 0.9 0.91 0.92 0.93 0.94 0.95 0.96

0 1 2 3 4 5 6 7 8

Alの比熱[J/(g・K)]

実験番号 0.37

0.375 0.38 0.385 0.39 0.395 0.4 0.405

0 1 2 3 4 5 6 7

Cuの比熱[J/(gK)]

実験番号

(14)

13

《3-Ⅱ》放熱の考慮

《2-Ⅱ》の項で触れた測定値の補正①及び②を、上記の測定結果に当てはめる。

誤差補正方法①:凝縮熱を用いた補正

銅 アルミニウム 実験 蒸発量[g] 比熱

[J/g℃]

6/10昼 0.12 0.441300

誤差[%] 14.60099

7-1:Cuの比熱の補正(凝縮熱)

7-2:Alの比熱の補正(凝縮熱)

この方法のメリットは、蒸発した水の質量さえわかれば比較的簡単に放熱量Qが近似 できるということである。測定では水が熱平衡に達してからも一分以上はその後の温 度変化を記録していたのだが、測定終了後に蒸発量を測定する時点で蒸発の総量が熱 平衡に達した時点に比べ増加しているので、そもそも有効と言えるようなデータが得 られなかった。測量の失敗も多かったうえ、蒸発による質量の減少幅が電子天秤の精 度と近いので、よしんば蒸発量を測り取れたとしても測定値としてあまり有効ではな い。簡単に蒸発量を求めることができようと見込んでいたのだが、むしろ補正前に比 べて大きく値が文献値とそれてしまった。

誤差補正方法②:ニュートンの冷却法則を用いた補正

8-1:Cuの比熱補正(冷却法則)

実験 蒸発量[g] 比熱 [J/g℃]

6/15昼 0.14 0.979013

6/15夕Ⅱ 0.15 0.951454

6/16朝 0.24 1.012285

6/16昼 0.28 1.020937

6/17夕 0.28 1.003972

平均 0.993532

誤差[%] 10.13556

実験 𝑥𝐶𝑢 𝑦𝐶𝑢 積分値 6/8 朝1 113.8601 44.22650 58.5 6/8 朝2 43.24393 17.43626 153.5 6/8 昼 189.2512 73.25912 36.5 6/8 夕 65.08883 24.41259 106.0 6/9 夕 125.4825 47.33794 55.0 6/10 朝 153.4589 58.52072 44.5 6/10 昼 124.8332 49.85606 56.0

(15)

14

←𝑦𝐶𝑢= 𝑐𝐶𝑢𝑥𝐶𝑢− 𝐴

グラフ4-1:Cの比熱補正(冷却法則)

実験 𝑥𝐴𝑙 𝑦𝐴𝑙 積分値 6/5昼 24.63433 22.41734 269.00 6/15昼 35.6376 33.07599 188.50 6/15夕1 25.36914 23.61277 264.00 6/15夕2 32.88025 29.52299 208.00 6/16朝 34.94002 32.30478 191.25 6/16昼 39.70776 36.58677 173.00 6/17夕 38.57106 34.83928 176.00 6/19夕 29.27472 27.77578 235.00

8-2:Alの比熱補正(冷却法則)

←𝑦𝐴𝑙 = 𝑐𝐴𝑙𝑥𝐴𝑙− 𝐴

グラフ4-2:Alの比熱補正(冷却法則)

※ 𝑥𝐶𝑢=𝑚𝐶𝑢(𝑇−𝜃)−𝑚𝑐(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡 , 𝑦𝐶𝑢=𝑚𝑤𝑐𝑤(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡, 𝑥𝐴𝑙= 𝑚𝐴𝑙(𝑇−𝜃)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡, 𝑦𝐴𝑙=(𝑚𝑤𝑐𝑤+𝑚𝑐𝑐𝐶𝑢)(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

y = 0.9372x - 0.6892

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 10 20 30 40 50

x

Al

y

Al

y = 0.3843x + 0.2566

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 50 100 150 200

y

Cu

x

Cu
(16)

15 結果(補正②)のまとめ)

(10)、(11)式より、銅とアルミニウムの比熱はそれぞれのグラフの傾きである。よって、

②の補正によって計測値は次のように修正された。

金属 補正前 補正後 比熱文献値[J/(g・℃)]

銅 比熱値[J/(g・K)] 0.38740 0.38426

0.38508 誤差[%] 0.60244 0.21283

アルミ ニウム

比熱値[J/(g・K)] 0.92060 0.93719

0.90210 誤差[%] 2.05099 3.88991

9:比熱の補正②

《3-Ⅲ》更なる補正

②の補正によって銅の比熱は文献値により近づいたが、アルミニウムの比熱は逆に文献 値から少し離れてしまっている。ここで、ニュートンの冷却法則で比例定数としておい

た A[J/(s・K)]の値に注目する。この補正に於ける前提条件として、A は実験ごとには

変わらない定数であると仮定したのは《2-Ⅱ》の項で述べたとおりであるが、実際の 結果としてはアルミニウムの場合でA=0.68923、銅の場合ではA=-0.25664となり、

両者が一致しないばかりか銅の場合では吸熱が起こっていたということになってしま う。とはいえこの二数は極めて近い値を取っており、何かしらの誤差によって異なる値 が出たと考えることが十分に可能である。そこで、同じデータを今一度用い、次のよう な補正を試みる。

(8)、(9)式中のAが等しいので、まずAを消去する。つまり、この補正はAがすべての

実験を通じて等しいということを出発点とした補正である。(8)式-(9)式より、次の式 が得られる。記号が混ざらないようにするため、(8)式と(9)式に由来する項をそれぞれ 赤と青で分ける。

𝑐

𝐶𝑢𝑚𝐶𝑢(𝑇−𝜃)−𝑚𝑐(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

− 𝑐

𝐴𝑙 𝑚𝐴𝑙(𝑇−𝜃)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

=

𝑚𝑤𝑐𝑤(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

(𝑚𝑤𝑐𝑤+𝑚𝑐𝑐𝐶𝑢)(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

…(13) 右辺第二項分子の

𝑐

𝐶𝑢を左辺に移項して、次の式を作る。

𝑦𝐶𝑢−𝑤𝐴𝑙

𝑥𝐴𝑙

= 𝑐

𝐶𝑢

(

𝑥𝐶𝑢+𝑧𝐴𝑙

𝑥𝐴𝑙

) − 𝑐

𝐴𝑙

…(14) ここで、(14)式の文字の意味は以下の通りである。

𝑥𝐶𝑢=𝑚𝐶𝑢(𝑇 − 𝜃) − 𝑚𝑐(𝜃 − 𝑇0)

∫ (𝑇 − 𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡 , 𝑦𝐶𝑢=𝑚𝑤𝑐𝑤(𝜃 − 𝑇0)

∫ (𝑇 − 𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡, 𝑥𝐴𝑙 = 𝑚𝐴𝑙(𝑇 − 𝜃)

∫ (𝑇 − 𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡, 𝑧𝐴𝑙 = 𝑚𝑐(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡 , 𝑤𝐴𝑙 =(𝑚𝑤𝑐𝑤)(𝜃−𝑇0)

∫ (𝑇−𝑇0𝑡𝑒 𝑅) 𝑑𝑡

補正②のときと同様に、𝑥𝐶𝑢、𝑦𝐶𝑢、𝑥𝐴𝑙、𝑧𝐴𝑙、𝑤𝐴𝑙は測定で得られる数値なので、この

(17)

16 五つの数値を用いて横軸がx=𝑥𝐶𝑢+𝑧𝐴𝑙

𝑥𝐴𝑙 、縦軸がy=𝑦𝐶𝑢−𝑤𝐴𝑙

𝑥𝐴𝑙 のグラフにプロットすれ ば、傾きが𝑐𝐶𝑢=銅の比熱、切片が-𝑐𝐴𝑙=アルミニウムの比熱(の負の値)である一次関数 になるはずである。ここで、𝑥𝐶𝑢と𝑦𝐶𝑢、𝑥𝐴𝑙と𝑧𝐴𝑙と𝑤𝐴𝑙はそれぞれ銅、アルミニウムの 実験一回につき固有の値一つが得られる。銅の実験は7個、アルミニウムの実験は8 個のデータが得られているので、この補正ではこれらすべての(x,y)の組み合わせ=56 個のデータが座標平面上における。

結果

比熱補正結果 [J/(g℃)]

比熱文献値 [J/(g℃)]

誤差(%)

Cuの比熱[J/g℃] (傾き) 0.38580 0.38508 0.18732

Alの比熱[J/g℃] (切片の絶対値) 0.91374 0.90210 1.43857

10:追加補正の結果

𝑦𝐶𝑢𝑥−𝑤𝐴𝑙

𝐴𝑙 = 𝑐𝐶𝑢𝑥𝐶𝑢+𝑧𝐴𝑙

𝑥𝐴𝑙 − 𝑐𝐴𝑙 (⇒ 𝑦 = 𝑐𝐶𝑢𝑥 − 𝑐𝐴𝑙)

グラフ5:追加補正の結果

また、表9の補正した𝑐𝐶𝑢𝑐𝐴𝑙のデータを再び(8)、(9)式に戻してAを求め、平均値を とると以下のようになる。

実験 Cu Al 全体

A[J/(s・K)]の平均値 -0.07718 -0.09536 -0.08688

11:比例定数A[J/(s・K)]の値

y = 0.3858x - 0.9137

-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5

0 2 4 6 8 10

y

x

(18)

17

《4》考察

・誤差推定法(補正②)について

補正②より、測定結果の文献値との差は縮まった。また、銅の6/8朝の実験での二通 りの θ[℃](結果①と②)について、①と②で平衡に達するまでの時間の差が50秒あっ た。熱量計からの放熱は②の方が多くなっているが、補正②のグラフ4-1で両方のデ ータは他のデータと共に比例の関係をなしている(直線上に点がプロットされてい る)。更にもう一つ、《3-Ⅰ》の一連のデータでも示したが、実験前の段階で予め熱量 計内の水温と室温を熱的平衡に達した状態にすることが難しかった。十分に長時間同 じ室内に実験器具を並べていたが、ある程度水温と気温が近くはなっても水温と気温 が等しくなるとは必ずしも限らなかった。水の蒸発を介した熱の移動が常に起こって いる以上、水温が気温と完全に一致することは難しいらしい、ということが推量され る。しかし、補正②はこの外気温と水温の差をも考慮に入れており、しかもその補正 結果は比例関係を示している。以上のことから、ニュートンの冷却法則に基づく②の 補正は手法として妥当だとみることができる。しかし比例定数A[J/(s・K)]が一致しな いという問題があったため、《3-Ⅲ》の「更なる補正」を行い、Aを固定するとさらに 文献値に近づいた。Aは負の値として算出されたが、-0.08688と0にかなり近く、測 定精度と比べても近い値を取っている。実験回数を重ねるごとにAは0付近を動く可 能性が十分に考えられる。

・文献値との差が生じた原因

銅は目標であった±1%内に誤差を抑えることができたが、アルミニウムではできなか った。銅とアルミニウムのそれぞれの比熱測定値と文献値との誤差を比較すると、測 定データと二回の補正を通じて全て、アルミニウムの方が文献値との誤差が大きく出 ている。考えられることとして、アルミニウムの試料が初めから100℃に達していな かった可能性がある。ラップで包んだ試料を加熱する様子が下の図4である。銅の試 料は比較的小さいので(底面半径2.30cm、高さ3.48cm)、ラップで包んだ試料を水中 に沈めると水圧でラップが押されて、試料上部まで熱湯で包まれた。一方アルミニウ ムの試料は銅の試料に比べて大きいので(底面半径3.60cm、高さ4.70cm)

、上部まで熱湯に十分に包まれなかった。試料が100℃まで温まっていなかったとす

れば(𝑇1< 100)、アルミニウムの比熱を求める式(3)の分母が小さくなるので求められ

る比熱値は大きくなり、実験結果と照合する。

また、銅とアルミニウムの双方に関わることとしては、100℃の熱水から熱量計に移 すまでの間に多少の放熱が起こっている可能性も考えられる。このことについては、

短時間の試料移動中に試料からどれだけの放熱が起こっているかという議論になるが その値を実際に調べることは困難である。

(19)

18

4:Cu、Al試料の熱し方の違い

・今回の実験の難点

この実験の難点は、温度計と攪拌棒の温度上昇に消費された熱量を求めることができ ない点である。攪拌棒はエボナイト製の柄のついた金属製のものであるが、その素材 がわからないため、今回の実験だけではその熱容量を特定することができなかった。

攪拌棒を鉄製と仮定し(鉄の比熱⁶を0.45179[J/(g℃)]とする)、温度計は同体積のガラ スと密度・比熱がほぼ等しいとして(ガラスの密度⁷を2.32g/cm³、比熱⁸を

0.70[J/(g℃)]とする)、実験中にこれらが得た熱量を概算すると下の表12のようにな

る。

熱容量[J/K] Cuの実験中に

それぞれが得た熱量[J]

Alの実験中に

それぞれが得た熱量[J]

温度計(ガラス) 0.34 1.03 2.07 攪拌棒(鉄) 4.65 14.01 28.03

表 12:攪拌棒と温度計の熱容量とこれらの温度上昇に投入された熱量(推定)

温度計は水につかっている部分だけを考えた。また、銅の実験は3.0℃、アルミニウム

の実験は6.0℃の温度上昇があるものとする。攪拌棒と温度計自体の温度上昇に消費さ

れた合計の熱量は、いずれも水の温度上昇に消費される熱量Q=𝑚𝑤𝑐𝑤(𝜃 − 𝑇₀) [J]に くらべたら(※)、銅の場合で1.08%~1.16%、アルミニウムの場合で0.48%~0.52%とか なり小さいのだが、今回の実験で得た比熱値は実際とは当然違っていよう。

(※)実験データにより、水が得た熱量は銅の場合では2587.25 [J]~2791.94[J]、アルミ

ニウムの場合では5737.36 [J]~6210.40[J]。この値と攪拌棒・温度計の得た熱量との 比較を上で行っている。

・文献値との比較の意味

これまではひたすら文献値を基準として測定結果を分析・考察し、その誤差を表出し てきた。しかし、比熱値は実際には温度や金属の組成など、様々な要因に左右される 値であり、実験でも100℃→25~30℃の温度変化があるのでその間の金属試料の比熱 も厳密には変化している。したがって、《2-Ⅳ》目標や《3》実験結果の項で示して きた文献値との誤差は、数値としては特に有効なものではない。とはいえ、予想外に も結果及び補正を加えた比熱値が文献値と極めて近い (時に測定精度よりもその差が

(20)

19

小さい) 値ででたので、比較する便宜上測定誤差の範囲を下回って有効数字をとっ た。いずれにせよ、学校に一般的にある器具だけを用いた実験でも小数点以下二桁目 くらいまではかなりの精度で比熱の値が求められたということである。

《5》結論

実験で得られた値に誤差の補正を加えることで、文献値との差を銅で0.18%、アルミ

ニウムで1.43%にまで縮めることができた。また、補正①は測定の不確かさによって

失敗したが、補正②は原理的に有効な手法であることがわかった。一方で文献値との 差が生じた原因としては、今回の実験からでは攪拌棒・温度計の熱容量や熱した資料 の移動中の放熱が考慮できないこと、補正から得られた比例定数Aが負の値を取って いること 、既に測定値の補正結果と文献値との差が十分に小さく、測定誤差の影響が 大きくでてしまっているということが挙げられる。

《6》参考資料

引用・参照した内容については本文中の引用箇所の後に右上に数字をふった。

¹『理科年表』 国立天文台 編,1995

²『物理実験法 実験のポイントとレポート処理』原留美吉・武田義章 共著,1980第1 版

³『理科年表』 同上

⁴『理科年表』 同上

⁵ニュートンの冷却の法則

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%8 3%B3%E3%81%AE%E5%86%B7%E5%8D%B4%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

⁶『理科年表』 同上

『理科年表』 同上

『理科年表』 同上 ⁷と⁸のガラスの数値はパイレックスガラスのものを使用した。

《7》謝辞

共同研究者の村上麻依さんをはじめ、藤本紘輝君、桑原祥熙君、前田彩夏さん、鈴川 大翔君、新谷拓海君、尾﨑順彦君らは、休み時間や勉強時間を割いて実験を手伝って くれた。彼らの助力がなければ、同時に多くのデータの記録を必要とするこの実験は 不可能であった。そして、実験手法や熱伝導の原理などについて多くの助言を与えて くれ、レポートの見直しや毎夜遅くまでの相談など、多くの面で私の実験をサポート してくれた父、江波陽一に、厚く感謝する。

参照

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(3)

15 ●標準抵抗と比較して未知抵抗の値を測定 方法③:標準抵抗との比較 方法①と②は,個々の未知抵抗の値を直接決定する方法である が,既に抵抗値の分かっている抵抗を標準抵抗として,その抵抗値 と未知抵抗値の比を決定することでも未知抵抗の値を求めること ができる。2つの抵抗を直列あるいは並列に接続する2つの方法が ある。 図 1-14 のように抵抗値 RL

[B] [A]の単振り子の支点が小さな穴になっていて,穴を通して糸の長さを変化できるとす る。糸の長さを変化させたとき,単振り子の振動がどのように変化するかを考えよう。 問7 糸の長さが変化すると振り子は糸を通じて仕事をされる。糸の長さが時間tに依存する 関数ℓtと表されるとき,振り子になされる単位時間あたりの仕事仕事率を糸の長 さℓtと糸の張力Stにより表せ。

4 を導け。 大きな整数 N があるとき,次の近似式を使うことができるこの式はスターリングの公式と 呼ばれる。 logN!≒NlogN −N これを4式の右辺に使うと,エントロピーについて次の式が導ける。 SNc =kB[V −Nc logV −Nc−N −Nc logN −Nc−V −N logV −N] 5 FNc

29 ,と指定されているので,必ず,その番号 の解答欄にマークしてください。 6. 次の頁(表紙裏)に物理定数等の一覧表があります。必要ならばそれらの値を用いて ください。そのとき必要な桁まで利用してください。 7. 終了の合図があるまで,監督者の許可なしに部屋の外に出ることはできません。 8.

帰納的.演経的アプローチがとられている のは, 「力学」 に関する実験課題だけであり,

自然に対する関心を高め, 観察, 実験などを行い,

 私達が,三島のつり合いの実験を行う時に,ばね秤りを水