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燃料電池

A9642231

押澤 秀樹

2000年1月11日

(2)

数年前に常温核融合という話題が世界を駆け巡って消えたのを覚えている人はいるだ ろうか。

核融合はむずかしい。超大型の実験装置に発電所1個分ぐらいの大電力を投入し、1 億度以上のプラズマを作って というのが大変で、何年たっても実用化が見えてこない。

みんなが核融合を不信の目で見はじめた頃、核融合は常温で試験管の中でできると言 いだした学者がいて、大騒ぎになった。もしこれが本当ならば、エネルギー問題はすべて 解消。人類の悩みも半分ぐらいは消滅する。無限のエネルギーがあれば、恐いものはない。

作りすぎた熱をいかに宇宙に捨てるかが問題になるくらいだ。

常温核融合が実現すれば、家々には小さな冷蔵庫ぐらいの装置が配備されて、これが 発電装置。家の配線をこれにつないで、あとは電気は使い放題。燃料の補給もほとんどい らない。大きな発電所も変電所も電車の架線も電柱も不要になる。電線がなくなるのがい いなとぼくは思った。どうも昔から電線というものが嫌いだった。日々お世話にはなって いるけれども、早い話が目障りである。

しかし、結局のところ、常温核融合の話は消えた。いかになんでもうますぎる話だっ た、試験管の中でなにか未知の現象が起こっていたにしても、それはすぐに実用化につな がるものではなかった。日本の大きな企業で力をいれて研究をしていたところもあったよ うだが、今では話題にもならない。

先日、似たような話が新聞に載っていた。アポロ宇宙船などで使われた燃料電池とい うものがある。水の電気分解では電気の力で水を酸素と水素に分けるが、それを逆にして 水素と酸素を合わせて水を作れば電気が得られる。水素はメタンなどのガスから供給する。

電池とはいうものの、電気を蓄えるのではなく作り出すのだから、立派な発電装置だ。

これが大幅に改良されて、なんだか家庭用の製品が作られるのも間近いような報道。

作ったのは東京ガスで、出力1.68キロワットの発電に成功したという。新聞の写真を 見たところでは本体部分は30センチ立方ぐらいで、内部は摂氏千度になるから分厚い断 熱材がいるが、それでも全体は小型の冷蔵庫ぐらいのサイズに収まるはずだ。廃熱をうま く利用すれば変換効率は80%。湯沸かし器とでもセットにするか。燃料のガスは都市ガ ス系につないでもいいし、ボンベでもいい。

ガスを供給し続ける以上、常温核融合とはだいぶ違うけれども、それでも家に電線を 引っ張らなくても済むというのはなかなかいい。水と二酸化炭素しか出てこないから、環 境への影響も放射性廃棄物を残す原子力よりはずっとまし。

中央に大きな施設を作ってそこで生産した商品を配布するのが今の社会の基本型であ

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普及した。つまり集中型ではなく分散型になったのだ。

もう一つは下水処理。都市ではまだ集中型の処理施設の方が有利だが、人口密度が低 い田舎ではそれぞれの家に合併浄化槽を用意した方が、広域下水道を造るよりも社会的コ ストが少なくて済む。

燃料電池の話は、ひょっとしたら電気についても同じようなことになるかもしれない と思わせる。

なぜこういう話題に惹かれるのか。どうもぼくは国単位の大きな社会をあまり信用し ていないらしい。分散型の、せいぜい村単位の、ローカルなシステムがいい。実際にはま ったく無理な話なのだが、できることなら自給自足で暮らしたい。電気も自分の家で作り たいと思っている。だから燃料電池に興味を持った。しかし、そうなると、ガスの供給に 縛られる点が中途半端。

いちばんいいのは太陽光や風力で発電することだ。これならば自分の家の敷地内で完 結する。ただ、この種の自然エネルギーに頼る場合は、供給と需要の差を吸収してくれる ような効率のいい電池が必要になる。電気自動車の研究に期待しよう。あとは暮らし方を 変えて、節約の姿勢を身につけること。

夢のような話だけれど、二昔前、自分専用のコンピューターは夢のまた夢だったこと を考えれば、そう不可能な話ではないような気になってしまうのは、不思議だ。

燃料電池とは?

初めて燃料電池が実用化されたのは、米国アポロ計画での宇宙船。エネルギー効率が 高く、さらに宇宙生活での飲料水も作れる、画期的な発電システムとして登場した。

じゃぁ、燃料電池ってどのようなものなの?よくわからないよ!って人のために、説 明しよう。

電池 といっても電気を蓄えて使用するのではない。理科の授業で水の電気分解の 実験をしたことを覚えているだろうか?電気を通して水を電気分解すると、水素と酸素が 発生するが、この逆の原理を応用したものが燃料電池だ。つまり燃料電池とは、触媒を介 した水素と酸素の電気化学反応により、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換させ る、新しい発電システムのことなのである。

折しも地球温暖化やオゾン層破壊といった環境問題に、人々の関心が高まっているな か、クリーンなエネルギーとしての燃料電池が、にわかに脚光を集め始めている。環境へ の影響が少なく、もっと効率が高く、もっといろいろな燃料に適応できるエネルギーシス テム・・・・・・このような条件を満たす最適なエネルギーシステムとして、燃料電池は世界的 にも再び注目されるようになった。

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燃料電池の第一の魅力は、ボイラーやエンジンによる燃焼を必要としないから、酸性 雨の主な原因といわれる窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を、ほとんど排出 しないことだ。さらに、地球温暖化の主な原因となる二酸化炭素(CO 2)に付いても、

高いエネルギー利用効率が得られるため、生成されるエネルギーに対して、その発生量を 非常に少なくすることができる。タービンやエンジンなどを用いる従来の方式と異なり、

静止方発電装置であるため、騒音や振動が極めて少ないことも魅力。

また燃料電池は、容量や負荷率の大小に関係なく、高い発電効率が得られる。その値

は40%以上にもなり、超大型火力発電に匹敵するほど。しかも、発電の際に発生する熱を、

給油や冷暖房などに利用できるコージェネレーション(電熱併給)※1 設備だから、総 合エネルギー効率は 80%以上にも達する。最も優れた高効率省資源エネルギーシステム、

といっても過言ではない。

しかも、発電に必要な燃料の酸素は、空気中にほぼ無限に存在する。水素は自然界に 微量しか存在しないが、安定供給可能な都市ガスなどに含まれる炭化水素化合物を改質器 に通し、そこから水素を取り出して燃料にするシステムが確立した。この方法は様々な炭 化水素化合物に応用できるので、天然ガスをはじめメタノールやLPG、ナフサなど、多 くのものが水素発生源として利用可能となる。また最近では、下水処理施設での汚泥から 発生する消火ガス(メタンが主成分の発酵ガス)より水素を発生させ、発電に利用するシ ステムも開発された。燃料電池には身の回りのあらゆるものが燃料になる可能性がある、

画期的なエネルギーシステムなのだ。

こんな理想的ともいえるクリーンなエネルギーシステムを、家のすぐそばに設置して 利用することができたなら、そんな夢のような話も、実は現実的な話となりつつある。

いままで燃料電池は長時間稼動させると、触媒の劣化などにより発電効率が徐々に低 下する傾向にあり、発電プラントとしては信頼性や耐久性といった面で多少課題を残して

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燃料電池発電装置は大きく分けて、大規模なプラント型(電力事業の分散配置用)と、

病院やオフィスビルなど、エネルギー需要地に設置できる、コンパクトなオンサイト型が ある。※2このオンサイト型については、様々な用途が考えられる。

例えば、燃料電池は単なる発電装置としてだけではなく、多様な熱利用や、反応時の 生成水利用も可能。また、下水や生ゴミなどの廃棄物の処理と組み合わせて、発電する技 術も確立している。近い将来、一つのコミュニティー全ての生活サイクルが、燃料電池で まかなえるようになるかもしれない。さらに燃料電池をより小型化することで、自動車へ の応用も研究・開発されている。各国で開催されているモーターショーにおいて、すでに その試作モデルが発表され、公害を出さない自動車の実用化も、いまや夢物語ではない。

燃料電池の活躍の場は未来に向けてますます広がっているのだ。

なぜ燃料電池が期待されているのだろう ?

燃料電池 =発電装置

燃料電池は、乾電池や蓄電池(バッテリー)の仲間? いや、電池といっても燃料電池という のは、むしろ発電装置と言う方がふさわしいものだというのはわかったと思う。燃料電池 は、天然ガス(都市ガスの主原料)から取り出した水素と空気中の酸素を電気化学反応させ て、水の電気分解とは逆の反応で電気を作る装置だ。したがって、天然ガスと空気を送り 続ければいつまでも発電することができる。

都市ガスのまったく新しい利用法

都市ガスというと、調理に使うガステーブルや暖房に使うガスファンヒーターのように原 料の天然ガスを燃焼させて、その高温の熱エネルギーを利用することが頭に浮かぶことだ ろう。しかし、燃料電池は天然ガスを燃焼させて熱エネルギーを生むのではなく、電気化 学反応で電気エネルギーを生むという従来の都市ガスとはまったく異なる使い方をするこ とで、都市ガスの新しい有効な利用方法を提供するものなのだ。

環境・エネルギー問題に貢献する燃料電池

そのうえ、燃料電池は発電効率が高い、環境性に優れている、排熱も利用できる、など、

今日大きな問題となっているエネルギー問題、環境問題の解決に貢献することが可能な理 想的な発電装置として、その実用化と普及拡大に大きな期待が寄せられている。国も通産 省を中心として燃料電池の開発・実用化に積極的な政策を掲げ支援を行っている。※3

燃料電池とガス会社

ガス会社は、エネルギー供給を担う基幹産業としてエネルギー問題、環境問題に真剣に取 組み、コージェネレーション・システム(電気と熱を効率よく供給するシステム)の普及拡

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大に努めているが、燃料電池はその中でも理想的なコージェネレーション・システムにな るものと考え精力的な開発を進めている。

燃料電池には、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、固体高分子型、アルカリ型など の種類に分類できますが、ここでは実用化段階になって実際の建物に設置されていて、そ の普及にガス会社が最も力を注いでいるリン酸型を中心に話を進めていきたいと思う。

(なぜなら、資料が一番多くそろって、商用化もされているから)

燃料電池の原理

発電の原理は水の電気分解の逆

水の電気分解では、水に外部から電気を通じると水素と酸素に分解する。燃料電池は、水 の電気分解の逆の原理により、水素と酸素を電気化学的に反応させると、水を生成すると 同時に電気を外部に取り出す(すなわち、発電する)ものだ。化学反応の結果、生じるのは 水のみで、「排気ガス」ならぬ「排気水蒸気」となる。

水素と酸素を供給し続ければ連続して発電できるから、発電装置として利用することがで きる。

燃料電池の原理

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燃料電池の化学式

燃料電池の基本構成

燃料電池の構成単位をセル(単電池ともいう)というが、セルは平べったい乾電池のように プラスの電極板(空気極という)とマイナスの電極板(燃料極という)がリン酸電解質を含んだ 層をはさんだサンドイッチのような構造をしている。

空気極と燃料極には数多くの細い溝が掘られていて、ここを外部から供給された酸素(空気:

酸素は空気中に約 20%含まれている。) と水素 (都市ガスの原料である天然ガスを分解し て水素が得られる。) が通ることによって、反応が起こる。

水素はリン酸電解質を接する面まで入り込んで、電子を遊離して水素イオンとなり、電子 は外に出て行く。リン酸電解質中を移動した水素イオンは、反対側の電極に送られた酸素 と外部から電線を通じて戻ってきた電子と反応して水になる。

この電子とイオンに分かれるところが燃料電池の原理の重要な点。電子が電線を移動する ことは、電流が流れること、すなわち電気が発生することになるのだ。

電池本体を構成する単セルの構造

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リン酸型燃料電池の反応 (単電池を 2 枚直列に接続した例 )

燃料電池の発電部の構造

縦・横1メートル、厚み 5〜6 ミリメートルの大きさのセル(単電池)で発生する電気は、電

圧が0.65V、電力が1.3kW程度。(現状は縦・横の寸法で50cm〜1m程度のものが使われて

いる。) 従って、必要な電気出力を得るためにはちょうど乾電池を直列につないでいくよ うにセルを積み重ねていく。(上下のセルの間には隣同士となる水素と酸素の通路を仕切る とともに電気的につなぐ役割を持つセパレーターが入る。) このセルを積み重ねたものを セルスタック (燃料電池発電装置のなかでは燃料電池本体と呼ばれる。) というが、200kW 出力の燃料電池なら200層程度のセルが積層されることになる。

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スタック概念図

燃料電池によるコージェネレーション

なお、理想的にはすべてが電気エネルギーになるのだが、実際にはセルの内部でわずかな がら電気抵抗があって、それにより一部が電気でなく熱エネルギーに変わってしまう。こ のためセルで発熱が生じセルの温度が上がってしまうので、冷却水を通す管を埋め込んだ 板をセルスタックのところどころに挟んでセルが適当な温度 (リン酸型燃料電池の場合、

200_程度)になるよう冷却している。この冷却水は逆に温められるので外部で給湯や暖房 等に利用できる。

これによって、燃料電池は電気と熱を両方発生するコージェネレーション・システムにな るのだ。コージェネレーションとなれば、原料の都市ガスの持つエネルギーが最大で 80%

以上が電気と熱の形で有効に利用されるので、省エネルギーに大きく貢献できる。

燃料電池の種類はいろいろある

燃料電池の種類

乾電池にマンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池など化学反応を起こす物質によって いくつかの種類があるように、燃料電池にも原理はすべて水の電気分解の逆反応でも電解 質によっていくつかの種類に分類できる。

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リン酸型 (PAFC)

溶融炭酸塩型 (MCFC)

固体電解質型 (SOFC)

固体高分子 (PEFC)

アルカリ型 (AFC) 原料 都市ガス、

LPG等、

都市ガス、

LPG,石炭等

都市ガス、

LPG等

都市ガス、

LPG等 水素

作動気体 水素 水素、

一酸化炭素

水素、

一酸化炭素 水素 水素 電解質 リン酸 炭酸リチウム

/炭酸カリウム

安定化ジルコニ ア

陽イオン交換 膜

水 酸 化 カ リ ウ ム

イオン伝

導種 水素イオン 炭酸イオン 酸素イオン 水素イオン 水酸イオン

運転温度 約200_ 約650_ 約1000_ 常温

〜約100_

常温

〜約100_

発電効率 40〜50% 45〜60% 50〜60% 40〜60% 45〜60%

開発段階 商用化段階 試験研究

〜実証段階

試験研究

〜実証段階

試験研究

〜実証段階

宇 宙 船 に 実 用 されている

リン酸型燃料電池は商用化段階

このうち、リン酸型燃料電池(Phosphoric Acid Fuel Cell)は、最も開発が進んで現在商用化段 階に入った。電気出力が50〜200kWクラスの小型のものはビルなどに設置され都市ガスの 配管をつなぐだけで運転できるタイプで、日本国内でも50か所以上の建物で実際に設置・

運転され、発生した電気は建物内の照明などに、また発生した熱は給湯などに利用されて いる。今後、商品として広く普及していくことに期待。

その他の燃料電池は実用化に向けて開発中

固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell)は近年自動車用に研究開発が進んでク リーン自動車実現への期待が高まってきた。

また、溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell)、固体電解質型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell)は、リン酸型や固体高分子型よりも高い発電効率が期待できるので盛んに研究開 発が行われているが、現状はまだ実証試験段階だ。

なお、一般の民生用にはならないが、アルカリ型燃料電池(Alkaline Fuel Cell)は純水素、純 酸素を原料として発電する宇宙船の電源用としてスペースシャトルに搭載され実用化され ている。

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燃料電池の発電システムはこうなっている

パッケージ形燃料電池発電装置

現在実用化されているリン酸型燃料電池は、ビルなどに設置し、都市ガスを原料として運 転される発電装置で、ちょうど庭などに置く物置を大きくしたような箱形のパッケージタ イプである。

床や地面の上に据付け、パッケージの一端に都市ガスの配管を結び付け、他端から発生す る電気の配線と熱(温水や蒸気)の配管を引き出せば運転準備完了。

パッケージ内主要構成機器

パッケージの中には、水素と空気中の酸素から直流の電気を発生する(発電する)燃料電池 本体(セルスタック)の他に、都市ガス(天然ガス:メタンが主成分)を水素ガスに変換する燃 料改質装置、燃料電池本体から発生した直流の電気を交流電気に変換するインバーター、

ならびに燃料改質装置・燃料電池本体からの余剰な排熱を回収して蒸気や温水に変える排 熱回収装置の4つの主要な機器が配置されている。

なお、酸素はパッケージ内に設けたファンで周囲の空気を吸い込んで燃料電池本体に送り 込むことによって得られる。

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燃料電池の特長はここだ

燃料電池の優れた特長

近年、地球温暖化防止が強く叫ばれている中で、エネルギーおよび環境問題を解決するた めの政策の柱として「新エネルギー導入大綱」が平成6年に策定されている。

排気が非常にきれいで環境にやさしい特性を持ち、かつ小容量でも発電効率が高く、さら には排熱の有効利用により総合エネルギー効率の向上がはかれる燃料電池発電装置は、新 エネルギーの一つとして位置づけられ、普及促進が大いに望まれている。

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接電気エネルギーに変換するため、エネルギー変換に伴って発生す る損失が少なく、高い発電効率が得られる。

2. 熱の有効利用ができ省エネルギー

反応の過程で発生する熱を有効に利用することが可能で、電気と熱 を同時に発生するコージェネレーション・システムに最適。投入し た都市ガスのエネルギーの約40%が電気に、約40%が温水や蒸気に なり、総合では約 80%が有効に利用できる省エネルギーに優れた装 置である。

3. 環境にやさしい

発電の原理は水の電気分解の逆反応ですから基本的に生成される物 質は水だけで、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)をほとんど 発生しない。また、総合効率が高いので二酸化炭素(CO2)の発生も 少なくなる。

4.

街中に設置しても静か

基本的には電気化学反応で発電するためエンジンやタービンのよう に騒音・振動を発生するものがない。空気を取り入れるファンなど 付属の機器から発生する音ぐらいなので、他の発電装置と比べ極め て低騒音・低振動。

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燃料電池の開発の歴史は

燃料電池の始まり

燃料電池の開発の歴史は今から 150 年以上も前の 1839 年イギリスの科学者グローブ卿が 燃料電池による発電実験に成功したことに始まる。しかし、実験室で簡単にできるレベル から実用レベルになるまでには長い年月を必要とした。

1839

イギリスのグローブ卿、

燃料電池発電の実験に成功。

月まで行った燃料電池

燃料電池が実用レベルになったのは、1960 年代にアメリカのジェミニ、アポロ宇宙船の電 源用に開発されてからだ。アポロ11号が人類初めて月に降り立った時、その宇宙船の電源 は燃料電池だった。純水素と純酸素を原料とするこの燃料電池は現在のスペースシャトル にも搭載され活躍している。

開発は宇宙から地上へ

値段が高く普通では手に入りにくい純水素、純酸素の代わりに、都市ガス(水素を主成分と するガスに比較的容易に変換できる。) と空気 (空気中には約20%の酸素が含まれている。) を原料として、地上の建物などで使えるような燃料電池の開発は 1970 年代から活発に行 われてきた。日本では 1970 年代前半の石油危機を契機に燃料電池の開発が通産省のムー ンライト計画に取り上げられ開発が進んだ。

都市ガス会社の積極的な開発

都市ガス会社は早くから燃料電池の優れた特性に着目し、1970 年代初めから日米のメーカ ーと協力してビル等の建物に設置して電気と熱(温水等)を供給するコージェネレーション

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になっていて、燃料電池の実用化開発に大きな貢献をしている。

燃料電池の市場導入

現在、いろいろな業種の建物で運転されている燃料電池は、性能はもちろんのこと耐久性 や信頼性も十分に実証され、実用の発電装置として利用されている。

ただし、燃料電池発電装置の価格はまだ従来のシステムに比較して高いので、本格的に商 品として多くの建物に設置され普及していくためには、現状の価格の 1/2 程度に下げるこ とが求められる。そのために、国も導入・普及に対する支援策を進めている。

燃料電池が数多くの場所で活躍する日が来るのも遠いことではないだろう。

燃料電池はこんなところで使われる

燃料電池の開発を行っている会社

燃料電池は単電池(セル)を積み重ねていって出力を大きくしていくので、発電出力は家庭 用となる数 kW の小さいものから火力発電所の代替となる数万〜数十万 kW の大きなもの まで自由に設定することができる。また、発電の原料となる水素をメタンガスを主成分と する都市ガスのみならず、プロパンガス、メタノール、石油(ナフサ)、石炭など種々の燃 料から得ることができる。

従って、燃料電池の研究開発は都市ガス会社のみならず、電力会社、石油会社も電機メー カー、重工メーカーと協力しながら開発している。また、自動車会社やNTTのような通信 会社なども燃料電池の開発を行っている。

燃料電池の多様な用途

燃料電池の優れた特性を活かした高付加価値の適用例として、以下のようなものがあげら れる。

1. コージェネレーションタイプの業務用自家用発電機  (主にガ ス会社が開発 )

o 事務所ビル、ホテル・病院、工場、集合住宅などいろいろ な業種の建物に設置し、建物内に電気や熱(温水、蒸気)を供 給する

2. コージェネレーションタイプの業務用自家用発電機 (主に石油 会社が開発)

o ガス会社と同じような目的、ただし燃料は石油、メタノー ル等

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3. 火力発電所代替、または分散型発電所  (主に電力会社が開発 ) o 都市近傍の中規模発電所、または都市エネルギーセンター

向け

4. 電気自動車のようなクリーン自動車 (主に自動車会社が開発 ) o 燃料電池単独、またはバッテリーとの組み合せによる排気

がきれいな自動車

5. 直流を利用する通信機器の電源  (主に通信会社が開発 ) o 直流発電という燃料電池の特長を有効に活かせる 6. その他 燃料電池の特性を活かした種々の用途が考えられて

いる。

o 宇宙船電源 o ライフスポット

o 浄水場・下水処理場、など

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_燃料電池の優れた特性を活かした、高付加価値適用例

ガス会社が開発している燃料電池

コージェネレーション用燃料電池

都市ガス会社は、燃料電池をコージェネレーションタイプの自家用発電機として実用化・

普及するため、積極的な開発を推進してきていて、現在電気出力 50kW、100kW、200kW の 3 機種を中心に、事務所ビル、ホテル、病院、工場などの建物で実用に供して商品化・

市場形成のためのモニター運転をしている。

都市ガス会社が現在までに実際の建物などに導入・設置し運転をしているリン酸型燃料電 池は約100台、電気出力の合計で約 1万kW になる。このうち、初期のものは性能確認な どの試験目的で運転されたもので、その目的を達成し既に運転を終了しているが、約 50 台が現在も運転中で建物内に電気と熱(温水など)を供給している。これらは今後の燃料電 池の商品化、市場普及の足がかりになるだろう。

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ガス会社が開発・試験しているリン酸型燃料電池の例

出力200kW新型機(PC25C型)

*市場導入機として平成8年から導入、設置が開始されている。

主な仕様 電気出力 200kW 原料 都市ガス 寸法

縦3.0_横5.5_高さ3.0m 重量

18.2トン 製作

米国ONSI/東芝

その他の機種

50kW機 (製作:富士電機)

100kW機 (製作:富士電機)

200kW機 (製作:三菱電機、東芝)

500kW機 (製作:富士電機)

1000kW機 (製作:東芝)

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都市ガス会社が燃料電池を設置した建物・施設

* 複数の業種が入っている複合ビルについては主な業種で分類した 建物等の種類 燃料電池を設置した建物・施設の名称

(現在稼働中のもの、および稼働終了のものを含む)

事務所ビル リバーサイド隅田、阪急電鉄本社ビル、東京イースト 21、梅田セン タービル、富士電機大阪ビル、大和銀行本店ビル

商業施設等 コープ姫路白浜、マイカルボーレ三田、アジア太平洋トレードセン ター、甲子園東洋ビル、ロイヤルホスト石津川店

ホテル 目黒雅叙園、甲子園都ホテル、三井ガーデンホテル大阪、ホテルプ ラザ、第一イン池袋

病院 大阪赤十字病院、大阪逓信病院 学校 東京工学院、大阪府立大学

スポーツ施設等 邦和スポーツランド、名古屋港水族館、キンダークラブ鶴見、筑波 科学博ガスパビリオン

集合住宅等 ザ・シーン城北、 NEXT21、TGS 赤羽ビル、エスティームライフ学 園前

通信施設 NTT横浜支店、NTT関西ネットワークセンター

研究施設等 板橋区エコポリスセンター、 UNEP 国際環境技術センター、地球環 境産業技術研究機構、東京都環境科学研究所、きんでん京都研究所、

四国総合研究所

工場 デンソー西尾製作所、日新製鋼堺製造所、キリンビール京都工場、

松下電工本社工場、オーツタイヤ泉大津工場、住友化学工業大阪工 場、JR東日本大井工場

地域冷暖房施設 新宿地冷センター、立川都市センター 上下水道施設 東京都水道局三園浄水場

ガス会社施設 東京ガス田町地区、東京ガス袖ヶ浦工場、東京ガス千住営業技術セ ンター、東邦ガス本社ビル、大阪ガス酉島燃料電池センター、大阪 ガス姫路製造所、 KRP ガスビル、東邦ガス総合技術研究所、西部ガ ス小倉供給所

燃料電池を使った革命

COP3(地球温暖化防止京都会議)は、2次エネルギーに転換された需要側のエネルギ ー問題についての議論に終わってしまい、エネルギーを供給する発電プロセスそのものが どれだけ環境に負荷を与えているかという重大な議論が欠落していたという。発電に伴う CO2 が全体のほぼ5割に及ぶにもかかわらず、そのエネルギーロスについてはまったく触

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れないで、需要部分での省エネを訴える内容に終始していたそうだ。

そして COP3 の結果を受けて、日本政府が打ち出した発電に対する「第1の解決策」

は、「原子力発電所の約20基の増設」だった。

一方、これとは対極の解決策としてあげられる「第2の解決策」は「自然エネルギー」

の活用である。化石燃料に代わる代替エネルギーは、風力発電や太陽光発電をはじめ、地 熱や波力の利用などすでに数多く登場している。

原子力発電には安全性の問題が依然として立ちはだかっている。また発電によって発 生する熱の2/3が廃熱として捨てられるため、周辺環境の生態系などに悪影響をもたらし、

温暖化をさらに悪化させる恐れもある。さらに核燃料の製造から原子力発電所での運転、

廃炉による解体までのプロセスを換算した場合、さまざまな過程で発生する放射性物質が 環境破壊を起こすのに加え、核廃棄物を永久に保管するためのコストを考えると莫大なエ ネルギー消費になることがわかる。

では自然エネルギーについてはどうだろうか。地域の気候特性を活かして分散型の自 然エネルギーを活用すれば、化石燃料に頼らない電力供給がかなり実現できるだろう。し かし自然エネルギー利用にはまだ課題が多いことも確か。最大の難点は大規模発電にはま ったく向かないことである。また現状ではコストの問題もあるし、気候や環境に大きく左 右されてしまう。設備の耐久性やメンテナンスコストに未知の部分もある。

このようにみてみると、原発増設の推進という第1のシナリオ、自然エネルギーで代 替させてしまうという第2のシナリオがあるが、そのどちらを採用しても現在のエネルギ ー問題をすべてクリアするものにはならない。

ではどのようにすれば解決に向かうのだろうか。その答えは「燃料電池をベースに据 えた分散型発電」に潜んでいるのである。

燃料電池が次世代のエネルギー革命と言われる訳

燃料電池のもたらすメリットを、今度はダイムラー・ベンツが試作した燃料電池自動 車「NECAR」を例にあげて説明しよう。

まず、燃料となる水素やメタノールは、天然ガスや下水汚泥、廃棄オイルなどから簡 単に作り出すことができる。

次に CO2 をはじめとする排気ガスを一切排出せず、環境保全型。ダイムラー・ベンツ が開発している燃料電池は、すでに 40〜45%という高いエネルギー効率を達成していて、

将来的には 80%程度まで高めることが可能だという(現在のディーゼル車では 25〜30%

程度)。

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を削減しているため、走行前の段階ですでに環境負荷が小さくなっている。

またインフラ設備を見ても、液体燃料であるメタノールの供給には従来のガソリンス タンドがそのまま活用でき、新たなインフラ設備に膨大なコストをかける必要がない(蓄 電池式の電気自動車は6〜8時間もの充電時間と、充電設備が必要)。

さらにカナダの研究機関、バラード・パワー・システムズ社によると、メンテナンス フリーで 20 年以上の耐久性があるとのことだし、燃料電池は蓄電池のように有害な重金 属を含まないため、リサイクルを前提とした設計が可能である。

このようなことから、燃料電池自動車は21 世紀の代替エネルギーの本命だと言われて いる。また燃料電池のインパクトは自動車にとどまらず、社会全体に影響を与えうるもの で、第1、第2のシナリオに代わる第3の実現可能なシナリオとして重大な鍵を握ってい るのである。

PEM(プロトン交換膜)型燃料電池

 ダイムラー・ベンツが開発した PEM(陽子交換膜)型燃料電池についても簡単に説明し ておこう。

プロトン交換膜型というのは、膜の間に電子の移動そのものを集めて発電するシステ ムである。

膜を介して酸素と水素が並んでいる。水素原子は、それぞれ1個の電子を残し、正の 電子を帯びた水素イオンとともに陽子透過膜を通過していく。その結果水素側には、負の 電荷、酸素側には正の電荷が蓄積されて電解効果が生じ、それによって電流が流れるので ある。

ダイムラーは、優れた技術をもつカナダの研究機関、バラード・パワー・システムズ 社と提携し、PEM 型燃料電池の開発に取り組んできた。そして従来の燃料電池のもつ弊害 を克服して「小型、低温、大量生産」を実現させたのだ。

ダイムラーが発表した2004 年の燃料電池自動車の量産体制が実現し、コストが削減さ

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れていくと、50kW の家庭用燃料電池が20 万円代で買える時代がやってくるという。現在 の太陽光発電システムの導入額が 300 万円前後であることを考えれば、一般にも一気に普 及する可能性がある。PEM 型燃料電池の開発には、すでにトヨタ、マツダ、三洋電機など も進出してきている。PEM 型燃料電池を組み合わせることによってあらゆる発電量に耐え うる発電システムができれば、家庭や事務所、ビル、病院、熱を大量に使わない工場など でも一気に普及する可能性が高まるだろう。そうすれば、既存の大規模発電所は不要にな る時期がくる。

生物に学ぶ「時を経た技術」

実は、燃料電池について調べていくうちに、ぼくはあるとても興味のある事実に遭遇 した。燃料電池の発電メカニズムは、デンキナマズやデンキウナギなどの電気魚の発電メ カニズムと似ているということだ。ここで強調したいのは、燃料電池での発電が生物進化 の歴史のなかで磨きあげられた「バイオケミカル」な発電システムに非常に近いというこ とだ。このことは心臓のペースメーカーなど、体液のなかで駆動する未来電池の可能性さ え内在させている。

これまでの発電は、原子力を利用したり、物理的な力を使ってタービンを回すなど物 理学に頼る発電システムだった。一方、電気魚の細胞膜間の電位差を利用する発電は、原 理が単純で合理的、かつ生体にとって安全であるがゆえに、歴史を通じて支持されてきた ものだと言うことができる。

今世紀の人類の多くの発明には、原子力や化学薬品、塩化ビニルなどに象徴されるよ うに、功罪両面の要素をもつものが多い。ある時期までは素晴らしいものとして評価され ても、わずか4半世紀でその害毒が明らかになり、化けの皮がはげた素材や技術も少なく ない。それに対し、生物たちの技術は、進化という試行錯誤を重ねた末にその有用性と合 理性が検証された「時を経た技術」である。私たちが燃料電池に期待するのは、それが「バ イオミメティックス」と呼ばれる、生物に学んだ未来技術であり、時間のなかでその有効 性が照明されている技術だと確信しているからなのである。

4つのエネルギー戦略

燃料電池の効用について述べてきたが、この「燃料電池をベースにした持続可能なエ ネルギーシステム」を実現するためには、次の4つのステップが必要である。

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2、 地域資源循環・活用戦略

 私たちの産業活動や生活にも循環型の考え方を盛り込み、モノの流れも本来の循環型に してゼロ・エミッションを実現し、そのなかで PEM 型燃料電池による循環可能なエネル ギーシステムを確立する必要がある。

3、 天然ガス活用戦略

 燃料電池利用への移行期においては、天然ガスを最大限に活用することが重要なポイン トとなる。

4、 インテリジェント化戦略

 的確な量のエネルギーを的確な場所に送り込むためのテクノロジーは、確実に省エネに 結びつき、分散型発電により発生した余剰エネルギーの売電も可能になる。そのためエネ ルギーの需要と供給の最適化ロジスティックスシステムの確立も必要になる。

 現状のエネルギー消費生活を続けていくなかで選択すべき道は、地球温暖化防止の ためにも、安全性の疑わしい原発などを推進する第1の選択ではない。またコストの高い 太陽光、風力など自然エネルギーへの極端な傾斜によって、経済活動を犠牲にしていく第 2の選択でもない。そうしたジレンマを克服し、なおかつ経済活動を犠牲にせず、環境問 題、エネルギー資源問題を解決し、資源循環型社会を作る第3の選択 燃料電池革命 な のである。そしてさらに 10 年後におこるであろう燃料電池革命の影響は、ただエネルギ ー環境問題にとどまらず、日本の公共事業のあり方、まちづくりのあり方、そして生活者 一人ひとりのライフスタイルにまで波及するだろう。

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用語説明

※1「コージェネレーション」

発電と同時に発生した排熱も利用して、給湯・暖房などを行うエネルギー供給システム。

従来の発電システムでのエネルギー利用効率は 40%程度で、残りは排熱として失われてい たが、コージェネレーション・システムでは最大 80%まで高められる。これまでは紙パル プ、石油化学産業などで導入されていたが、最近ではオフィスビルや病院、ホテル、スポ ーツ施設などでも導入されつつある。

※2「オンサイト発電」

需要地近傍で自家消費を目的に設置される自家用発電装置をオンサイト型発電装置といい ます。発電所から需要地までの送電による経費や電力損失を低減できます。また、その排 熱を利用した場合はコージェネレーション・システムになります。

※3「ニューサンシャイン計画」

これまで、通産業省工業技術院では、新エネルギー技術については昭和 49 年に「サンシ ャイン計画」を、省エネルギー技術については昭和 53 年に「ムーンライト計画」をそれ ぞれ発足させ、産官学の連携の下、長期的な視点の下にエネルギー関連技術の研究開発を 推進し、太陽光発電、燃料電池発電等の各プロジェクトにおいて基本的な技術の確立、成 果の実用化、関連分野への技術的波及等の着実な成果を挙げつつある。また、平成元年度 から地球環境技術に係る研究開発制度を発足させた。しかし、地球温暖化を始めとする地 球環境問題に対し、経済成長、エネルギー、環境保全を三位一体としたバランスのとれた 対策を進める上では、総合的な観点から技術開発を推進していくことが重要である。また、

技術的にも新エネルギー技術、省エネルギー技術及び環境対策技術は互いに重なる分野、

共通的分野が存在するため、これらの有機的な連携を図ることにより、エネルギー・環境 技術開発の効率的、加速的推進が期待されている。このような観点から、工業技術院では サンシャイン計画、ムーンライト計画及び地球環境技術開発を一体化した「ニューサンシ ャイン計画」(エネルギー・環境領域総合技術開発推進計画 )を平成 5 年度に発足させ、

持続的成長とエネルギー・環境問題の同時解決を目指した革新的技術開発を開始すること としている。

参照

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