2 0 1 9 年 度 第 1 回 6 月 東 大 本 番 レ ベ ル 模 試 国 語 採 点 基 準
1文(文章)で解答する設問の答案については、次のA項の加点要素の合計から次のB項・C項の減点要素の合
計を引いた得点をその設問の得点とします。ただし最低点は0点としマイナスの得点はつけません。
A
a以下の採点基準では、模範解答をいくつかの要素に分割し加点要素とします。答案中にその加点要素に相当す
る部分があれば、その加点要素に配点された得点を与えます。
bある加点要素は、その加点要素に配点された得点か0点で採点することを原則とします。たとえば5点配点さ
れた加点要素であれば5点か0点で採点することを原則とします。
ただし、その加点要素中の部分点を認める場合もあります。その場合それぞれの採点基準の中に明記されていま
す。
cある要素に加点するか否かが、他の要素と無関係に決まる場合と、他の要素との関係で決まる場合があります。
前者の場合は、その要素を単独採点(独立採点)すると言いその旨必ず明記されています。後者の場合は、他の要
素との関係について以下の採点基準で具体的に指示されています。
d解答通りという条件がある場合はいかなる部分点も認めません。
B
a答案中に大きな誤読と判定される内容(語句)などがある場合は、その内容(語句)を減点要素として示され
ている場合もあります。
b加点要素でも減点要素でもない部分もありえます。その部分は加点も減点もしません。
C
次に該当するものは、答案の形式上の不備として、一箇所につき1点の減点要素とします。
a誤字。漢字などの文字の明らかな誤りは誤字とします。
b脱字。
c文末の句点の脱落。
*字数指定のない場合、句点の脱落は誤字とし1点の減点とします。
dその他不適切と判断せざるをえない箇所。
e不適切な文末処理。設問の問い方に対応していない形で答案の文末を結んでいない場合は、適切な文末処理が
行われていないと見て形式上の不備による減点要素とします。
たとえば「…とはどういうことか?」という問いに体言で結んでいないものなどは適切な文末処理が行われてい
ないと見て形式上の不備とします。
また、理由が問われているのに、「から」「ので」などで結んでいないものなども適切な文末処理が行われていな
いと見て形式上の不備と見ます。
*ただし、「ことである」などの表現も「こと」などで結んでいるものと同様適切な文末処理が行われていると見ま
す。また、「からである。」などの表現も「から」などで結んでいるものと同様適切な文末処理が行われていると見
ます。
また文末の表現を問わない場合もありますが、その場合はその都度明記されています。
2日本語の表現として不適切なものは程度に応じて減点します。
3次の各項に該当するものは、部分点の要素があっても、その設問の得点を0点とします。
a答案が解答欄の欄外にはみ出しているもの。
b一行の解答欄に二行以上書いた場合もその設問の得点を0点とします。
c字数指定のある設問で、字数をオーバーしたもの。
d答案の文章が最後まで完結していないもの。
4古文あるいは漢文の訳を記述する設問の場合も以上に準じますが、文末の句点や文末の処理あるいは答案の完
結にこだわらなくともよい場合はその都度明記されています。
1
2019年度第1回6月東大本番レベル模試採点基準
第 一 問 ( 評 論 ) 採 点 基 準 ( 合 計 点
40
点 )
㈠7点
(模範解答例)
A①○1点A②○1点 今までは物の現実性に制約されていたが、 B①○1点 B②○1点 B③○1点
電子的なヴァーチャル世界では、壊れたものが再生可能になるなど、物の存在の範
B④○1点 X〈逆説=矛盾を含むこと〉○1点
囲を自由に変えられること。(7点)
【構造点】
・Xは、傍線部を、A、Bの〈矛盾〉する二条件に引き裂いて説明する〈逆説=矛盾を含むこと〉の仕組
みへの評価である。ここでは、条件A、Bの要素がそれぞれ一つ以上入っていればこの仕組みの骨組み
が成立しているとみなして1点加点。
X〈逆説=矛盾を含むこと〉条件Aの要素+条件Bの要素○1点
◎採点のポイント
※A、Bは原則的に条件同士において、また各条件内の要素間においても部分採点可能。
(6点満点)
※ただし、【構造点】Xは、右に示した要件を満たしている場合に限り加点する。(1点)
A「今までは物の現実性に制約されていたが、」(2点)
※傍線部を説明する、譲歩的な条件。
①「今までは」の要素に1点。
○「電子テクノロジー以前では」「これまでは」などでも可。
×「電子テクノロジー以前」のニュアンスが入っていなければ×0点。
②「物の現実性に制約されていたが、」の要素に1点。
○「『身体の現実性』に制限されていたが、」「物の現実性の基準にしたがって行動
2
していたが」などでも可。
×「物の現実性(≒身体の現実性)」「制約」の二成分のニュアンスがそろっていな ければ×0点
B「電子的なヴァーチャルな世界では、壊れたものが再生可能になるなど、物の存在の
範囲を自由に変えられること。」(4点)
※傍線部を説明する、Aとは〈矛盾〉する条件。
①「電子的なヴァーチャルな世界では、」の要素に1点。
○「電子的なテクノロジーの時代では、」「電子的『ヴァーチャル』の時代には、」
などでも可。
×「電子的」「ヴァーチャルな世界」の二成分のニュアンスの成分がそろっていな ければ×0点。
②「壊れたものが再生可能になるなど、」の要素に1点。
○「破壊されたものがあとでふたたび再生されうるなど、」「破壊のあとで再生が起
こりうるなど、」などでも可。
×「壊れたもの」「再生可能」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。 ③「物の存在の範囲を」の要素に1点。 ○「物の存続の領域を」「物の継続性の限界を」などでも可。
×「物の存在」「範囲」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。
④「自由に変えられること。」の要素に1点。
○「自在に変化させられること。」「思いのままに拡大できること。」などでも可。
×「自由に」「変えられる」の二成分のニュアンスがなければ×0点。
3
㈡7点
(模範解答例)
A①〇1点 A②〇1点
感覚領域全体を背景とした身体を拠点とする時代が終わり、
B①○1点 B②○1点 B③○1点 B④○1点
身体領域から電気のある限りで存在するヴァーチャルな領域での知覚、思考に移っ
X〈分析=分けること〉○1点
ていること。(7点)
【構造点】
・Xは、傍線部を、条件Aと条件Bを〈notP~butQ〉の〈矛盾〉しない構文でつなぐ―〈not〉が入って いるためPとQの〈矛盾〉は排除される(例えば男じゃないよ、女だよ)―、つまりは〈分析=分け
ること〉の仕組みへの評価である。ここでは、条件Aと条件B内の要素がそれぞれ一つ以上入っていれ
ば、この仕組みの骨組みは成立しているとみなして1点加点。
X〈分析=分けること〉条件Aの要素+条件Bの要素○1点
◎採点のポイント
※A、Bは条件同士で、また各条件内の要素間においても原則的に部分採点可能である。
(6点満点)
※ただし、【構造点】Xは、右に示した要件を満たしている場合に限り1点加点する。(1
点)
A「感覚領域全体を背景とした身体を拠点とする時代が終わり、」(2点)
※傍線部を説明する〈notP〉の条件。 ①「感覚領域全体を背景とした」の要素に1点。 ○「感覚が及ぶ『共生領域』を頼りにした」「感覚が及ぶ領域全体を根拠にした」
などでも可。
×「感覚領域全体」「背景」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。
②「身体を拠点とする時代が終わり、」の要素に1点。 〇「自分の身ひとつを根拠とする時代から、」「身体領域を土台とする時代が終わり
を告げ」などでも可。
×「身体を拠点とする時代」「終わり」の二成分のニュアンスがそろっていなけれ
4
ば×0点。
B「身体領域から電気のある限りで存在するヴァーチャルな領域での知覚、思考に移っ
ていること。」(4点)
※傍線部を説明する、Aとは〈矛盾〉しない〈butQ〉の条件。 ①「身体領域から」の要素に1点。 ※「身体領域からの離脱」のニュアンスがあればよい。
○「身体領域を離れて」「身体から離脱して」などでも可。
×「身体領域からの離脱」のニュアンスが全く欠けていれば×0点。
②「電気のある限りで存在する」の要素に1点。
〇「電気の切れない限り存続する」「電気さえあれば継続する」などでも可。
×「電気のある限り」「存在する」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×
0点。
③「ヴァーチャルな領域での」の要素に1点。
〇「ヴァーチャルな次元での」「ヴァーチャルな領野における」などでも可。 ×「ヴァーチャルな領域」のニュアンスがなければ×0点。
④「知覚、思考に移っていること。」の要素に1点。
〇「知覚や思考に移行していること。」「知覚し思考することへ進んでいること。」
などでも可。
×「知覚、思考」「移る」の二成分のニュアンスがなければ×0点。
5
㈢9点
(模範解答例)
A①○1点 A②○1点 A③○1点 身体を基盤にした「自由」などの近代的概念が無効化した後、 B①○1点 B②○1点 B③○1点
脱近代という時代の中で、どこにもいない「わたし」が、捏造されるしかない人工的
な特権の上で
B④○1点 X〈逆説=矛盾を含むこと〉○1点
考え生きるあり方。
Y〈分析=分けること〉○1点(9点)
【構造点】
・Xは、条件B内で、B②とB③の〈矛盾〉する二要素に引き裂いて説明する〈逆説=矛盾を含むこと〉
の仕組みへの評価である―〈どこにもいない「わたし」〉が〈特権〉を持つという〈矛盾〉を含む。こ
こでは、B②、B③がそろっていれば、この仕組みは成立しているとみなして1点加点。
X〈逆説=矛盾を含むこと〉B②+B③○1点
・Yは、条件A、Bを〈notP~butQ〉の構文で捉え―〈notP〉=A、〈butQ〉=B―、傍線部をこれら〈矛
盾〉しない二条件に〈分析=分けること〉して説明する仕組みへの評価である。ここでは、条件Aと条
件Bの要素がそれぞれ一つ以上入っていればこの仕組みの骨組みは成立しているとみなして1点加点。
Y〈分析=分けること〉Aの要素+Bの要素〇1点
◎採点のポイント
※A、Bは条件同士、また各条件内の要素間で原則的に部分採点可能である。(7点満点)
※ただし、【構造点】X・Yは、右に示した要件を満たしている場合に限り加点する。(2
点満点)
A「身体を基盤にした「自由」などの近代的概念が無効化した後、」(3点)
※傍線部を説明する〈notP〉の条件。 ①「身体を基盤にした」の要素に1点。 ○「身体を根拠とした」「身体を土台にした」などでも可。 ×「身体」「基盤」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。
6
②「『自由』などの近代的概念が」の要素に1点。 〇「『責任』などの近代を象徴する諸概念が」「『デモクラシー』などの近代的諸概
念が」などでも可。
×〈「自由」、責任」、「デモクラシー」の内の少なくとも一つ〉、「近代的概念」の二
成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。
③「無効化した後、」の要素に1点。 〇「有効性を失った後に、」「実行不可能となった後に、」などでも可。
×「無効化」「後」の二成分のニュアンスがそろっていないと×0点。
B「脱近代にて、どこにもいない「わたし」が、捏造されるしかない人工的な特権の上
で考え生きるあり方。」(4点)
※傍線部を説明する、Aとは〈矛盾〉しない〈butQ〉の条件。
①「脱近代にて、」の要素に1点。
○「ビヨンドモダンの時代に、」「近代以後において、」などでも可。 ×「脱近代」のニュアンスがなければ×0点。
②「どこにもいない「わたし」が、」の要素に1点。 ○「身体性を持っていない『わたし』が、」「定在を持たない『わたし』が、」など
でも可。
×「どこにもいない」「『わたし』」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×
0点。
③「捏造されるしかない人工的な特権の上で」の要素に1点。 ○「捏造された人工的特権に乗っかって」「捏造されざるを得ない人為的な特権の
上で」などでも可。
×「捏造されるしかない」「人工的な特権」の二成分のニュアンスがそろっていな
ければ×0点。
④「考え生きるあり方。」の要素に1点。 ○「思考し生きる在り方。」「考えつつ生きる仕方。」などでも可。 ×「考える」「生きる」の二成分のニュアンスがそろっていないと×0点。
7
㈣
14点
(模範解答例)
A①○1点 A②○1点
電子的なメディア世界では、「生身」の世界と情報スペースの区別がないため、た
A③○1点 A④○1点
った一人の一時的、神経的痙攣が
A⑤○1点 X〈分析=分けること〉○1点Y〈分析=分けること〉○1点
世界を変えることがあり、
B○1点
「自由」の過剰ともいえる、
C①○1点 C②○1点C③○1点 C④○1点 C⑤○1点 姿の見えない唯一者を、嘗てないほどの特権を持つ 実質的権力者に仕立てるこ
Z〈逆説=矛盾を含むこと〉○1点
とにもなること。(14点)
【構造点】
・Xは、条件A内で、〈A③+A④〉とA⑤が〈因果関係〉を構成する二成分となるが、その因果の二成
分に〈分析=分けること〉する仕組みへの評価点である。ここでは〈A③+A④〉内のいずれかの要素
と、A⑤の要素が入っていれば、この仕組みの骨組みは成立していると見なして1点加点。
X〈分析=分けること〉〈A③+A④〉内の少なくとも一つの要素+A⑤の要素○
1点
・Yは、条件A内で、A①を、A②と〈A③+A④+A⑤〉の〈因果関係の〉二成分に〈分析=分けるこ
と〉して説明する仕組みへの評価である。ここでは、A①、A②と、〈A③+A④+A⑤〉内の少なく
とも一つ以上の要素がそろっていれば、この仕組みの骨組みは成立しているとみなして1点加点。
Y〈分析=分けること〉A①+A②+〈A③+A④+A⑤〉内の少なくとも一つの要素
○1点
・Zは、条件Aを、〈矛盾〉する二条件、B、Cに引き裂いて説明する〈逆説=矛盾を含むこと〉の仕組み
への評価である。ここでは、条件A内の少なくとも一つの要素と、条件B、それに条件C内の少なくと
も一つの要素が入っていれば、この仕組みの骨組みは成立しているとみなして1点加点。
Z〈逆説=矛盾を含むこと〉Aの要素+B+Cの要素〇1点
8
◎採点のポイント
※A、B、Cは条件同士において、また条件A、C内の要素間においても原則的に部分
採点可能である。(
11点満点)
※ただし、【構造点】X・Y・Zは、右に示した要件を満たしている場合に限り加点する。
(3点満点)
※「一〇〇字以上一二〇字以内」という字数制限付きの設問であるから、字数不足・字
数オーバーは採点対象外、つまり総点0点である。
A「電子的なメディア世界では、「生身」の世界と情報スペースの区別がないため、たっ
た一人の一時的、神経的痙攣が世界を変えることがあり、」(5点)
※傍線部を説明するための前提条件。
①「電子的なメディア世界では、」の要素に1点。
○「電子的メディアのスペースでは、」「電子的なヴァーチャル世界では、」などで
も可。
×「電子的」「メディア世界」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。 ②「『生身』の世界と情報スペースの区別がないため、」の要素に1点。 〇「『生身』の世界と情報スぺースの区別がつきにくいので、」「『生身』の世界と情
報スぺースの境界が判然としないので」などでも可。
×「『生身』の世界」「情報メディア(スペース)」「区別がない」の三成分のニュア
ンスがそろっていなければ×0点。
③「たった一人の」の要素に1点。
〇「一人だけの」「ただ一人だけの」などでも可。 ×「たった一人」のニュアンスの成分が入っていなければ×0点。 ④「一時的、神経的痙攣が」の要素に1点。 ○「一時的な頭脳的・神経系的な痙攣が」「瞬時の頭脳、神経の痙攣が」などでも
可。
×「一時的」「神経的」「痙攣」の三成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。 ⑤「世界を変えることがあり、」の要素に1点。 〇「世界の変化を引き起こすことがあり、」「世界を変貌させることがあり、」など
でも可。
×「世界」「変える」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。
9
B「『自由』の過剰ともいえる、」(1点)
※Aを説明する条件。
〇「過剰なる『自由』の実現といえる、」「個人の『自由』の過剰と見れる、」など
でも可。
×「『自由』」「過剰」の二成分のニュアンスがそろっていないと×0点。
C「姿の見えない唯一者を、嘗てないほどの特権を持つ実質的権力者に仕立てることに
もなること。」(5点)
※Aを説明する、Bとは〈矛盾〉する条件。
①「姿の見えない」の要素に1点。
○「身体性を持たない」「定在性を持たない」などでも可。
×「姿の見えない」のニュアンスの成分がなければ×0点。
②「唯一者を、」の要素に1点。 ○「ただ一人の者を、」「単独者を、」などでも可。 ×「唯一者」のニュアンスの成分がなければ×0点。
③「嘗てないほどの」の要素に1点。
〇「これまで経験されたことのないほどの」「未曽有の」などでも可。
×「嘗てない」のニュアンスがなければ×0点。
④「特権を持つ」の要素に1点。
○「特権的立場に立つ」「特権を行使しうる」などでも可。
×「特権」のニュアンスの成分がなければ×0点。
⑤「実質的権力者に仕立てることにもなること。」の要素に1点。
○「実質的な権力者を登場させることになること。」「ヴァーチャルな権力者を生み
出すことになること。」などでも可。
×「実質的権力者」「仕立てる」二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。
㈤各1点(合計3点)
a=廃(「頽」も可) b=増殖 c=液晶
10
第二問(古文『続俳家奇人談』)採点基準 ※文科30点・理科20点
(一)文科ア・理科ア傍線部を現代語訳せよ。 【3点】
[傍線部]A1さらにB1答ふる事なかりしC1とぞ
[解答例]A1まったくB1答えることはなかったC1ということである。
[ポイント]
A【1点】さらに→まったく
※「まったく・決して・全然」等、全否定の副詞として訳してあればよい。
B【1点】答ふる事なかりし→答えることはなかった
※「答えなかった・返事をしようとしなかった」等でもよい。
※過去「〜た」の訳がない場合は×。 C【1点】とぞ→ということである。
※「という・と聞く」など伝聞であることがわかるように訳してあればよい。
※「と。」は×。
(一)文科ウ・理科イ傍線部を現代語訳せよ。 【3点】
[傍線部]A1これは貴坊にB1参らすべしC1とて、
[解答例]A1この反物はあなたにB1差し上げましょうC1と言って、
[ポイント]
A【1点】これは貴坊に→この反物はあなたに
※「この反物は」は「これは」のままでもよい。
※「あなたに」は「あなた様に・御坊に」でもよい。「貴坊に」のままは×。 B【1点】参らすべし→差し上げましょう
※「差し上げよう・差し上げたい・差し上げるつもりだ・差し上げようと思う・差し
上げるべきだ・差し上げるのがよい」等でもよい。
(「べし」の訳は、意志「〜しよう・〜つもりだ・〜したい」、当然「〜べきだ」、
適当「〜するのがよい・〜するほうがよい」のいずれかであるこ
と。推量(〜だろう・〜はずだ)・可能(〜できる)・命令(〜せよ)・予定(〜す
ることになっている)等は×。)
※「やる」・謙譲・意志(貴坊・当然)の三つの意味がなくてはならない。どれか一
つが欠けても×。
11
C【1点】とて、→と言って、
※「と思って・と考えて」等でもよしとする。
(一)文科カ・理科エ傍線部を現代語訳せよ。 【3点】
[傍線部]A1封も切らでB1ありしをC1訝 いぶかり問ふに、
[解答例]A1封も切らずにB1いたのをC1不審に思って尋ねると、
[ポイント]
A【1点】封も切らで →封も切らずに
※「ずに」は「ないで・ないまま・ないままで」などでもよい。
B【1点】ありしを→いたのを
※「いた」は「あった・置いてあった・置いていた」等でもよい。
※「のを」は「ので・から・ため」等でもよい。
C【1点】訝り問ふに、→不審に思って尋ねると、
※「不審に思って」は「不思議に思って・変に思って・どうしたことかと思って・あ
やしんで」等でもよい。
※「尋ねる」は「問う・質問する・聞く・問いただす」等でもよい。
※「と」は「〜したところ」でもよしとする。「ので・から・のに」等は×。
12
文科(二)文科のみ傍線部を、主語を補って現代語訳せよ。 【5点】
[傍線部] (A1)B1烏明が俳諧の一体C1かねて
D1おのが心に適はざりしE1にや
[解答例] A1白雄は、B1烏明の俳諧の流儀はC1以前から
D1自分の考えに合わなかったE1のだろうか、
[ポイント]
A【1点】(主語補い)→白雄は、
※Dが×の場合は得点できない。ただし、誤字等で0点になっている場合は除く。
※「加舎は」でもよい。
※書かれている位置は冒頭でなくてもよい。
※「は」は「には・にとって」等でもよしとする。
B【1点】烏明が俳諧の一体→烏明の俳諧の流儀は
※「俳諧」は「俳句」でもよしとする。
※「流儀」は「やり方・取り組み方・詠み方」などでもよい。「形・型・形式」でも
よしとする。
「姿・一つ」等は×。 C【1点】かねて→以前から
※「前から・昔から」等でもよい。
※「ずっと・長いこと・どうしても」等は×。 D【1点】おのが心に適はざり→自分の考えに合わなかっ
※「自分の」は、意味が通っていれば「白雄の」でもよい。
※「考えに合わなかった」は「気に入らなかった・納得がいかなかった・思い通りの
ものでなかった・心に合わなかった」等でもよい。
E【1点】しにや→たのだろうか、
※過去(〜した)と疑問(〜か)があれ、「たのであろうか・たのか・たのではない
か」等でもよい。
過去がない「〜(する)のだろうか」や、疑問がない「〜たのだろう」は×。
13
文科(三)・理科(二)傍線部「···」とあるが、白雄はどうして着物を脱がなかっ
たのか、説明せよ。【5点】
[傍線部]すぐさま取りてうち着てよりかつて脱がず
[解答例]A3世の無常を思うと、B2せっかく甘谷にもらった衣を今着ていたい
から。
[ポイント]
A【3点】世の無常を思うと、(〜から。)
※「無常を思うと」「命ははかないものなので」「人は 、、いつ死ぬか分からないから」
等、「無常」を一般的なこととして説明していれば【3点】。
※「無常」を一般的なこととして説明していないが、「いつ死ぬか分からない」の意
がある場合は【1点】。
B【2点】せっかく甘谷にもらった衣を今着ていたいから。
※「甘谷に」の有無は不問。
※「せっかくもらった 、、、、、、、、衣を着ていたい」「贈り物の 、、、、衣を着ていたい」「今 、衣を着てい
たい」等の表現によって、「衣」もしくは「時」がかけがえのないものであるという説
明になっていれば【2点】。これらの説明がない「もらった衣を着ていたいから・衣を
着ていたいから」は【1点】。
14
文科(四)文科のみ傍線部「···」とあるが、甘谷がどのような人であったと言っ
ているのか、説明せよ。【5点】
[傍線部]甘谷も庸人ならねば
[解答例]A3白雄の言動をよしとすることができる、B1凡庸でないC1粋な人。
[ポイント]
※A〜Cの内容の書かれている順は不問。「甘谷は」という主語の有無は不問。
A【3点】白雄の言動をよしとすることができる、(〜人。)
※「白雄」は「加舎」でもよい。
※「言動」は「考え・思い・言葉・価値観」、または「(白雄の)言う無常というこ
と」等でもよい。
※「よしとする」は「理解できる・認められる・受容できる」等でもよい。
※「できる」の意の有無は不問。
※右の内容はないが、「白雄の思うままにさせてやる・白雄の自由にさせる・白雄の
好きにさせてやる」の意がある場合は【1点】。
B【1点】凡庸でない(〜人。)
※「非凡な・ただ者ではない・優れた」等でもよい。
※マイナスの意にとれる「劣った」や「異常な」等は×。
C【1点】粋な人
※「粋な」は「風流な・しゃれた・洒落の分かる」等でもよい。
15
文科(五)・理科(三)傍線部「···」とあるが、白雄のどのような点が「洒落」だ というのか、具体的に説明せよ。【6点】
[傍線部]その洒落かくのごとし
[解答例]A3金に執着がなく、B2忘れていた金が出てくると再びもらったよう
だC1と喜ぶ点。
[ポイント]
A【3点】金に執着がなく、
※「金銭に執着がない・金のことを気にしない」という内容があればよい。
※「もらった金を忘れた」は【1点】。「金を忘れた」だけでは×。
B【2点】忘れていた金が出てくると再びもらったようだ
※「忘れた金が出てくるともらったようだ(と喜ぶ・と思う・と考える)」の意があ
ればよい。
※「もらった」が「見つけた」となっている場合は×。
※「金」がない「忘れたものが出てくるともらったようだと喜ぶ」は【1点】。
C【1点】と喜ぶ点。
※Bが0点の場合は得点できない。
※「と喜ぶ・と面白がる」等、または「というひょうきんな・とふざける」等の意が
あればよい。
※「というひょうきんな・とふざける」等がない「と考える・と思う」等は×。
16
第三問漢文採点基準
2点
(一)a自分の真価を知ってくれる待遇(
2点)
※「遇」には(注)「待遇」があるから、ここで部分点にはしないが、逆に「待遇(処遇)(し
てくれること)」が欠けているものは△
-点とする。「優遇・礼遇・厚遇」なども△ 1
-点と 1
する。
(例)自分の価値を認めてもらえるこ ・と ・。△
-点 1
※自分の真価 知ってくれる 自分の価値 わかってくれる 自分のこと を 認めてくれる 待遇………
2点 自分の心 よくわかってくれる 自分の力(業) 認めてもらえる 自分の才能 評価してくれる
※友人としての
知人としての 待遇………0点
親友らしい
1点
1点
bよく治まった理由(
2点)
※「治」………
1点
○よく治まっ(てい)た
平穏に治まった などが○
1点
治まった
統治が行き届いた
○よく治まる など、過去形でないものは×
-点 1
治まる
17
○収めら ・れ ・ている などは×
-点 1
統治の
※「所以」………
1点
「理由・わけ」で○
1点
「原因・根拠」は×
-点 1
「方法・手段」は×
-点 1
1点
1点
d主君に仕える(
2点)
※「君」は「主君」「君主」が○
1点
「皇帝」「王」は×
-点 1
「太宗」は×
-点 1
※「事」は「仕える」。1点
18
a
2点b
2点c
4点不問
(二)太宗が謙虚に臣下の諫言を聞き入れたため、群臣が自由に諫言できたこと。
(
8点)
a「太宗の常に己を屈し」の要素………
2点
※a・bの主体として「太宗」が明示されていないものは×
-点 2
※「君主が」「皇帝が」でも可とする。
※「己を屈し」が「謙虚に」の意味合いにとれていること……
1点 ○身(腰)を低くして ○自分を下に置いて など○
○へりくだって
b「以て群臣の議に従ひ」の要素…………
2点
※「臣下」は「群臣」「魏徴ら」などでも可。
※「諫言を聞き入れた」
「進言を受け入れた」など○
「意見に従った」
c「魏鄭公の徒」が「事の大小諫諍せざる無き」の要素…………
4点
※「群臣(たち)が」は、「臣下(たち)が」「魏徴らが」などでも可。
2点
※cの主体を取り違えていたらcは×
-点 4
※「自由に諫言できた」
「何でも言えた」 など○
「ことの大小にかかわらず諌めた」
※「忠誠を尽くせた」は×
-点 2
d文末の「~こと」は不問とする。
19
a
3点b
3点
(三)人々の言論を弾圧して、主君が自分の過失を覆い隠したり、(
6点)
a・bいずれかの位置にa・bの主体「主君(君主)が」あること。
※これを取り違えているものは全体×0点
※欠けているものは全体から△
-点 3
a「人言を滅して」の要素………
3点
※「人言」は
○人々の言論 ○世の人々の言葉(意見)
○世の人々の非難(のことば)など○
2点 ○臣下たちの意見(諫言)
○「人 ・の言葉(意見)」は△
-点 1
※「滅して」は
○弾圧して ○無視して など○
1点 ○聞かず(聞き入れず)
○封じ込め ○「消して」、「滅して」のままは×
-点 1
b「以て己が過ちを俺ひ」の要素………
3点
※「主君が」はaにあれば、ここはつけなくてもよい。
※「己が過ち」は
○自分の過失 は○
○自分のあやまち ○自分の失敗は△
-点 1
※「俺ひ」は、
○覆い隠し(たり) は○ ○隠(そうと)し(たり)
※言い切りの形になっているもの△
-点 1
20
(四)(文科のみ)
a
4点b
1点c
2点d
3点
諫言を嫌う太宗の気持ちを知っていたので、群臣たちは誰もあえて諫言しなくなった
e不問
ということ。(
10点)
a「此の意」の内容………
4点
※ここが「太宗の気持ち(考え・思い)」であることが不明瞭なものはaは×
-点。ただし、 4 dで「太 ・宗 ・に ・諫言しなくなった」ことが言えていれば可とする。
※「此の意」の内容は、第一段落末~傍線部c「人言を滅して以て己の過ちを俺ひ」から判
断する。
○諫言(諫諍)を嫌う太宗の気持ち など○
2点 ○諫言を聞き入れようとしない太宗の態 ・度 ・
※内容が欠けて、単に「太宗の気持ちを」になっているものは△
-点 2
b「知りて」の内容………
1点
※「知っていたの ・で ・」があってほしいところであるが、「知って」でも可とする。
※「忖度して」のように、言いたいことが合っていれば別の表現でもよい。
※a・bの位置を「(群臣たちは)太宗に取り入ることを覚え」のようにしているものはa・
b×
-点。 5
c「群下」の内容………
2点
※この位置ではなく、aの前などでもよい。
※「群下は」のように、そのままのものは△
-点 1
※「群臣(たち)は」のほか
○臣下(たち)は などは○ ○家臣(たち)は
※「人々は」「世間の人々は」などは×
-点。 2
21
d「言はず」の内容………
3点
※「誰も敢えて諫言しなくなった」のほか、
○諫言するもの(こと)がなくなった ○決して諌めなくなった など○
3点 ○太宗の過ちに対して何も言わなくなった ○誰も意見しなくなった
※「何も言わなくなった」はa・cが○ならば△
-×点。aの「太宗が諫言を嫌う」ことが 1
なら、△
-点。 2
※「進言しなくなった」は△
-点。 2
e文末の「~ということ」については不問とする。
22
第 四 問 現 代 文 ( 随 筆 ) 採 点 基 準 ( 合 計
20
点 )
㈠5点
(模範解答例)
A①○1点 A②○1点 誰もが自己表現し、舞台と客席の区別のない社会で、
B○1点
犯罪が注目され、
C○1点
また犯罪をするより、犯罪をする自分を大げさにアピールする傾きになってしまったこと。
X〈分析=分けること〉○1点(5点)
【構造点】
・Xは、Aの内実を、〈矛盾〉しないB、Cの二条件に〈分析=分けること〉して説明する仕組みへの評価
である。Aの要素、B、Cがそろっていれば、この仕組みの骨組みは成立しているとみなして1点加点。
X〈分析=分けること〉Aの要素+B+C○1点
◎採点のポイント
※A、B、Cは条件間において、また条件A内では要素間において原則的に部分採点可
能である。(4点満点)
※ただし、【構造点】Xは、右に示した要件を満たしている場合に限り加点する。(1点)
A「誰もが自己表現し、舞台と客席の区別のない社会で、」(2点)
※傍線部を説明するための〈場〉の前提条件。 ①「誰もが自己表現し、」の要素に1点。 ○「誰もが舞台に上がって表現し、」「誰もが自己をアピールし、」などでも可。
×「誰もが」「自己表現」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。
②「舞台と客席の区別のない社会で、」の要素に1点。
〇「舞台と観客の間の仕切りが消えてしまった社会で、」「誰もが勝手に舞台に上が
ってしまう社会で、」などでも可。
23
×「舞台と客席」「区別のない」「社会」の三成分のニュアンスがそろっていないと
×0点。
B「犯罪が注目され、」(1点)
※Aを説明する条件の一方。
○「犯罪に関心が集中し、」「犯罪しか注目に値するものがなくなり、」などでも可。
×「犯罪」「注目」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。
C「また犯罪をするより、犯罪をする自分を大げさにアピールする傾きになってしまっ
たこと。」(1点)
※Aを説明する、Aとは〈矛盾〉しない他方の条件。
○「また犯罪行為よりも、犯罪行為をする自分をオーバーアクトにアピールする傾
向になってしまったこと。」「また犯罪自体よりも犯罪を行う自分を見せつけるこ
とを目的とする傾きとなっていること。」などでも可。
×「犯罪よりも」「犯罪する自分をアピールする」「傾き」の三成分のニュアンスが そろっていなければ×0点。
24
㈡5点
(模範解答例)
A①○1点 A②○1点
自己主張したがる人が違いより同じであることを強調するのは奇妙に思えるが、
B①○1点 B②○1点
型にはまることで、自分と似た人達との一体感を求めていると考えられるから。
X〈逆説=矛盾を含むこと〉○1点(5点)
【構造点】
・Xは、傍線部を、A、Bの〈矛盾〉する二条件に引き裂いて説明する、〈逆説=矛盾を含むこと〉の仕組
みへの評価である。ここでは、条件A、Bの要素がそれぞれ一つ以上入っていれば、この仕組みの骨組
みは成立しているとみなして1点加点。
X〈逆説=矛盾を含むこと〉Aの要素+Bの要素○1点
◎採点のポイント
※A、Bは条件間において、また各条件内では要素間において原則的に部分採点可能で
ある。(4点満点)
※ただし、【構造点】Xは、右に示した要件を満たしている場合に限り加点する。(1点)
A「自己主張したがる人が、違いより同じであることを強調するのは奇妙に思えるが、」
(2点)
※傍線部を説明する一方の条件。
①「自己主張したがる人が、」の要素に1点。 ※主体明示の要素。
○「『自分の自己』を主張したがる人が」「自己主張の欲求を持つ当人が」などでも
可。
×「自己主張」「人」の二成分ニュアンスそろっていなければ×0点。
②「違いより同じであることを強調するのは奇妙に思えるが、」の要素に1点。 〇「『それぞれの違い』ではなく、『みんなと同じ』を強調したがるのは奇妙だが、」
「違いではなく同じであることを強調するのは変であるが、」などでも可。
×「違いよりも同じであることを強調」「奇妙」の二成分のニュアンスがそろって
25
いなければ×0点。
B「型にはまることで、自分と似た人達との一体感を求めていると考えられるから。」(2
点)
※傍線部を説明する、Aとは〈矛盾〉する他方の条件。 ①「型にはまることで、」の要素に1点。 ○「型通りにすることで、」「典型的に行動することで、」などでも可。
×「型にはまること」のニュアンスの成分がなければ×0点。
②「自分と似た人達との一体感を求めていると考えられるから。」の要素に1点。
〇「『みんなと同じ』にすることによって『自分』を見出そうとしていると考えら
れるから。」「『みんなの中に』いる安心感を求めているのだと思われるから。」など
でも可。
×「自分と似た人達」「一体感」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0
点。
26
㈢5点
(模範解答例)
A○1点
個の確立を求める「近代的自我」の影響下にあるはずの「私」が、
B○1点 X〈逆説=矛盾を含むこと〉○1点
それを不要とし、思考の基軸はないなと思うと、
C○1点 Y〈総合=まとめること〉○1点
考え方を見失っているという衝撃を感じること。(5点)
【構造点】
・Xは、傍線部を、AとBの〈矛盾〉する二条件に引き裂いて説明する〈逆説=矛盾を含むこと〉の仕組
みへの評価である。A、Bとがそろっていればこの仕組みは成立しており1点加点。
X〈逆説=矛盾を含むこと〉A+B○1点
・Yは、A、BをCに〈総合=まとめること〉する仕組みへの評価である。A、B、Cがそろっていれば
この仕組みは成立しており1点加点。
Y〈総合=まとめること〉A+B+C○1点
◎採点のポイント
※A、B、Cは条件間において原則的に部分採点可能である。(3点満点)
※ただし、【構造点】X・Yは、右に示した要件を満たしている場合に限り加点する。(2
点満点)
A「個の確立を求める『近代的自我』の影響下にあるはずの『私』が、」(1点)
※傍線部を説明する一方の条件。
○「個としての“自分”を確保する近代的自我に影響されている『私』が、」「個
の確立を要求する『近代的自我』の影響にさらされている『私』が、」などでも可。
×「個の確立を求める」「『近代的自我』の影響下」「私」の三成分のニュアンスが そろっていなければ×0点。
B「それを不要とし、思考の基軸はないなと思うと、」(1点)
※傍線部を説明する、Aとは〈矛盾〉する他方の条件。
27
○「それはなくてもいいし、考えるための基軸はないなと考えると、」「それはいら
ないし、思考の中核はないな思うと、」などでも可。
×「(近代的自我の)不要」「思考の基軸の不在」の二成分のニュアンスがそろって
いなければ×0点。
C「考え方を見失っているという衝撃を感じること。」(1点)
※A、Bをまとめて至った結論の条件。 ○「思考方法を見失っているのではないかという衝撃を受けること。」「考え方を喪
失しているのではないかという衝撃に陥るということ。」などでも可。
×「考え方を見失っている」「衝撃」の二成分のニュアンスがそろっていなければ
×0点。
28
㈣5点
(模範解答例)
A①○1点A②○1点
日本では、自己主張が自己主張を嫌う社会に働きかけずに、仲間意識に向かうため、 B①○1点 B②○1点
増大する、個別的であるはずの自己主張は、閉じた「へん」な主張に変じてしまうから。
X〈分析=分けること〉〇1点(5点)
【構造点】
・Xは、傍線部を、A、Bの〈因果関係〉を構成する、〈矛盾〉しない二条件に〈分析=分けること〉して
説明する仕組みへの評価である。ここではA、Bの要素がそれぞれ一つ以上入っていれば、この仕組み
の骨組みは成立しているとみなして1点加点。
X〈分析=分けること〉Aの要素+Bの要素○1点
◎採点のポイント
※A、Bは条件間において、また各条件内では要素間においても部分採点可能である。
(4点満点)
※ただし、【構造点】Xは、右に示した要件を満たしている場合に限り加点する。(1点)
A「日本では、自己主張が自己主張を嫌う社会に働きかけずに、仲間意識に向かうため、」
(2点)
※「筆者」が傍線部のように言う理由を説明する、〈因果関係〉の〈因〉の条件。 ①「日本では、」の要素に1点。 ※日本に特徴的な現象であることを示すための〈場〉の条件。 ○「日本の場合、」「我が国では、」などでも可。
×「日本」のニュアンスがなければ×0点。
②「自己主張が自己主張を嫌う社会に働きかけずに、仲間意識に向かうため、」の要
素に1点。
〇「自己主張が自己主張を喜ばない社会に向かわずに、仲間との一体化に向かうた め、」「自己主張がそれを好まない社会に作用するのではなく、仲間との連帯感に向
かうため、」などでも可。
×「自己主張が自己主張を嫌う社会に働きかけず」「仲間意識に向かう」の二成分
29
のニュアンスがそろっていなければ×0点。
B「増大する、個別的であるはずの自己主張は、閉じた変「へん」な主張に変じてしま
うから。」(1点)
※「筆者」が傍線部のように言う理由を説明する、〈因果関係〉の〈果〉の条件。 ①「増大する、個別的であるはずの自己主張は、」の要素に1点。
○「増大しつつあり、本来別個のものであるあるはずの自己主張は、」「増え続ける、
また個別的性格を持つ自己主張は、」などでも可
×「増大する」「個別的」「自己主張」の三成分のニュアンスがそろっていなければ
×0点。 ②「閉じた「へん」な主張に変じてしまうから。」の要素に1点。 〇「内向きの変わった主張になってしまうから。」「内向的な変な主張に変わってし
まうから。」などでも可。
×「閉じた」「変な主張」の二成分のニュアンスがそろっていなければ×0点。