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巻頭言 Top Column - J-Stage

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Academic year: 2023

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化学と生物 Vol. 50, No. 11, 2012

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今夏はロンドンオリンピックがあり,連

日深夜遅くまで手に汗握りながら実況中継 を見た人が数多くいたことだろう.「科学 はオリンピックではない」,「科学をオリン ピックにしてはいけない」という言葉は,

私の恩師の一人である岡田善雄先生(阪大 名誉教授)から何度も聞かされた言葉であ り,そのとおりだと思う.だが今回,大学 院の教育現場にいて日本の科学技術の将来 を憂えている一人として,オリンピックを 見ていて科学と共通する点もあると感じた のでそれを書きたい.

一つは,世界トップレベルの人たちが競 技しているのを見るのは,それだけで本当 にすばらしいということである.その技術 のレベルの高さを直に知ることができるだ けでなく(本当に同じ人間がやっていると は信じ難い),見ているだけでわくわくし 強烈な感動を覚えたのは私だけではないと 思う.これは,科学に関しても全く同様 で,世界のトップレベルの人たちの話を直 に聞き,また自分たちの研究成果に関して 批判やアドバイスを受けることは,自分の 科学のレベルを知るうえで重要であり,ま た方向性・考え方を再考する貴重な機会と なる.科学は芸術の一つでもあり,未知な ることを知りたい,理解したい,創造した い,というのは人類のもつ本能的な欲求の 一つである.この能力を磨くためには,世 界のトップの人たちと実際に接する機会を もつのが第一だ.この点においては,われ われの時代に比べれば今の若い人たちはた いへん恵まれている.学生のときに海外発 表をする機会があり,それを支援するシス テムもある.これを読んだ若い人たちはぜ ひその機会を利用して海外のトップの人た ちに会い,とにかく話をしてきてもらいた いと思う.それはあなた方に科学への希 望・面白さ・楽しさ(また難しさも含め て)を与えてくれるし,世界の文化の違い

も教えてくれるはずである.

もう一つは,この日本には若者を科学に 向かわせる何らかの仕掛けが早急に必要だ ということである.これはたとえばサッ カーを見ていればよくわかる.現在のよう に日本が強くなったのは,子どものときか らサッカーに接する機会を多く作り,その 技術や能力を磨きあげる指導体制を作りあ げてきた関係者の努力の賜物だ.幼少のと きからの競技人口が増え,それ自体で収入 が得られるプロリーグを作ったことが,世 界のトップと伍して戦うプレーヤーを排出 することにつながっている.しかるに,わ れわれアカデミックな分野では,大学院で 収入がほとんどなく,5年やっても博士が 取れにくく,博士をとっても就職できな い,という「ないないずくし」である.こ れでは若者が夢を目指してこの分野に入っ てこないのも当然であろう.この現状を打 破するためには,少なくとも院生は給付型 奨学金を得ることができ,博士号取得者も 就職先には困らず,かつ修士卒よりも給与 が良いようなシステム作りが必要であろ う.つまり博士になることを目標にしたく なるような魅力あるものにすることと,博 士取得者の受け入れ先を用意することであ る.このような取り組みは大学だけの努力 では無理であり,国・文科省・企業を基盤 とし,練り上げた将来計画が必須である.

科学技術が日本の将来を支えると本当に考 えているのなら,最低限の基盤整備は当然 のことである.

われわれ教育者のすぐできることとし て,「科学の世界には国境もなく,それで 儲けようという私利私欲もなく,素晴らし い発見・発明は年齢に関係なく正当に評価 する,スリリングかつやりがいのある,非 常に面白い実力の世界である」ということ を,若者たちに常日頃発信する努力も怠っ てはならないと思う.

巻頭言

Top Column

これからの日本の科学教育のために必要なこと

河野憲二

奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科

Top Column

参照

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年から 5 年までのスケジュール表がありま すけれども、1 年と 3 年が主にキャリア教育 を行っております。 CO-OP 教育ですが、地域の企業と本校が 連携して、本校に在校しながら企業に出向い て行って、長期休暇の期間、夏と春に就労し ながら、しかもお金もいただく。アルバイト ではないですが、それだけ責任を持つという ことです。そういうようなカリキュラムを