牢学校社会科彰景気変動藩単元の教科書比較羅究癖 33
中学校社会科「景気変動」単元の教科書比較研究(2〉
小室 島 彰(経済学〉
井豆之楠会津謬霧島簿立鴫中学樹
戦後最大といわれる今縫の「平成不溌達を強く肇覚しつつ,罫景気変動涯を素材に授業プランを構 馨し,その授業実践の内容を麟稿において詳纈に報告した.ここでは,中学較娃会科の教科書を題 材として曝気変動まがどのように叙達溝成されているび)かを箆較分新し,それぞれの教科書のも っている特毯及び驚題点について灘察する。なお奮では各教科書の1景気変動」の記連面容それ自 体を各縫ごとに詳織に分摂した。その際に配達内容には各桂の学饗課題の設定とも絡んで濃淡の差 異が検量できた。そこで本1稿では各教科書によるヂ景気変銚まの取辱搬いの違い,及び理蕎教讐霧 の意義と瞬題点について考察したい。
ピキーワード3景気変動事不溌,教科書う}極亨経済教育岳経済主体
璽.各教科書に見る「景気変動」の
取鯵扱い構 教科書における「景気変動蓬の位置づ纏 葭簾まで各教科書の記遠内容を分析してきたが,「景 気変動涯という単元に関しては大離して二つの異なる 縫置づけがなされていたことがわかった・第一の系譜
は「景気変動」そのものの遅解を§指した叙遠権威に 特緻を持つ教科書群であむ,第二の系列は「景気変動」
を事擁として挙げつつも根穀的にそれとは異なる財政 会議致策の理解を中心として購成された教科書群で ある。第一系粥に穫するのは東京書籍,騒本書籍,帝 瞬書錠,霧本文教鐵版の露桂の教科書であ舞,また第 二系 彗に属するものは教畜鐵蔽,大阪書籍,濤水書醗 の教科毒であると考える.
第一系翼鱗社の教科書に共通する特色は生徒鶴けに 設定された紅学習の議題」からほぼ明らかである。以 下に,その葉分を翼挙する。
「景気の変嚢はなぜ起こるのであろうか。それは鞠 癒にどのような影響をあたえるのだろうか」(葉書,
圭輸G
「企業の活動や,わたしたちの生活に,景気はどん な影響をもたらすのだろうかゴ(馨本,舞鶴。
「景気の変動とはどういうことでしょうか。また,
それは社会にどのような影響をあたえるのでしょうか雄
(帝嚢藝, i38〉。
「景気や讐憾の変動は,社会にどんな影響をおよぼ すのだろう盛(露文,欝2/。
これらの各教科書の新学饗の課題輩は生徒が「景気 変動達を学ぶ際の理解の重点として編集著たちが設定 したものと筆者らはとらえている。この記述で気がつ く点は,第一にすべての教科書がまず「景気」または
「景気の変動雌が中心となることを醗確におさえてい る点であ弩,第二に景気変動の葬影響涯について絞れ ている点である。第一系興の権威で記連された教科書 はおしなべて「景気変動ゴそれ自体を摺握するのに景 気変動の及ぼすド影響涯から説隣しようとしている,
しかし,影響を受ける穀象については帝蟹書院と雛本 文教轟叛が「社会淫と漠然としているのに対して,馨 本書籍は野企業活動達と「わたしたちの生活ま,東京書 籍は「鞠懸涯とよ鞍具体的1こ対象を絞弩こんでいる点 に独露盤が現珪1している。
第二系翼の教育鐵版,大薮書籍,濤水書錠の三琶の 教科書も「学習の課題涯を見ることによ尊,その特色 が窮らかとなる。以下にその謬分を列挙する。
「経済を安定させるために,財政や金融はどのよう なはたらきをしているのだろうか」(教鐵,欝麟。
「景気の変動と財政・金離酸葉との幾孫や公的な燦 隷こついて調べようま(大薮,駿71。
「私たちが生活する社会の経済の特色はなんだろう
カ、ま (清水, 里28〉。
この記達を見る醸琴,「景気変動珪に対する位置づけ は第二系譜の内翻でもさらに差異が暴に付く。前簾ま での分析結果を踏まえながらその違いを整序すれば.
教育趨叛,大阪書籍はゼ景気変動」に関連させつつ財 政・金融政策を建解させることに重点がおかれて雛る。
また,清水書院は資本主義経済の特色の一つとして
「景気変動が難置づけられている。したがって,三 社とも教科書中に占める「景気変動ま項還の記遠の分 量は第一系譜の撰銭で配達された教科書よ吟も少ない。
ギ景気変動窪を取鯵搬うときにその婦象をどのように位 置づけるかによ1?,教科書の権威が大きく変わるのが 看取できよう。
以上が,教科書における「景気変動涯の麺置づけの
34 福島大学教育実験観究紀要第37警
特色である。
それでは各教科書におけるゼ景気変動墜の内容上の 範響と深さはどのようなものだろうか。次項ではこの 点に関する考察を行う。
〈2〉「景気変動蓬に関する内容上の重心 羨道のように各教科書の「景気変動嵯の取静掻いは 大きく二つの類型に区分することができた。本項では すべての教科書が「景気変動」を取1ラ擾っていること を議提に,それぞれの教緯書が軒景気変動」について 纏をどこまでとらえさせようとしているのかを検討す
る。
上記の観点から各教秘書をよ尋詳綴に吟賑すると,
それぞれ教科書が生徒にとらえさせようとしている馨 襟は,第…に「景気変動葺における好溌・不溌の経済 状態の麗解,第二にヂ景気変動達の発生するメカニズ
ムの理解という二点に集約できる。
そして,それぞれの教科書がこの二つの特色のどち らを重視するかに応じて叙述権威上の差異が生じてく るが,ここではこの二つの基準から現行教科書の特質 を導饑したい。
紛 「景気変動まをどのように捲いているか 〜不溌を倒に〜
すべての教科書が「景気変動涯の局薩として好況・
不溌の経済状態については必ず取舞上げている。
では,その状態をどのような形態で取舞一とげている だろうか。これについては①企業の視点,②労働考・
家誹の視点,③政府・馨銀の視点という三つの視点か ら好混・不溌の状態を考察している。以下,この三つ の携点を「景気変動3の一局面である「不混逢の状態 を舞に検許する。
①企業の筏点
各教科書が取を}上げている視点の申で一番多いのは,
この企業と不溌との鷺わ辱の視点である.各教科壽の 不溌状態の記遠景:を箆較すると,東京1書籍や溝水書院 は以下のようにかな穆の分量を欝いて丁寧に譲達して いる,「ものをつくってもなかなか売れず,企業の秘舞 は大きく滅ってしまう。こうした企業は生産を纏小し,
なかには人蚤整馨をして労働者を解雇する企業も繊て
くる」(索書,亙46〉。夢不才晃のときには,嚢糞晶の癒麟各オ書 下がを}・企業は生産をへらす。不溌がひどくなると,
慶産する企業が続申し,失業者もふえる」(溝水,
i2湧。縫方,教蕎撮版の「饗産があい次いで…感(教鐡,
玉561や大藪書籍「不溌が長びけば,金業経産や失業が 増えて…藩(大阪,鍵8/のようにほんの数文字で済ま せている教科書もある。
なぜこのような違いが生まれるのかは,繭遠したご とく「景気変動達それ霞体の位置づけ方の強弱に起馨
嘩{捻9一蓄2
し,教科書紙嚢における比重のかけ方がそのまま文字 数に反験していることは明雛である。しかし,このよ
うな不溌状態を生み超す蒙馨,もしくは発生のメカニ ズムについて丁寧な説明がないならば,景気変嚢の本 質,資本主義経済の本質的問題を理解したことになら ない。われわれは「景気変動曇を資本主義経済におい て決定的1こ重要なマク資凝念であると考えてお今,そ の点からすれば取1)擾いの少ない教群書に対しては不
満が弄実る。
また,企業の視点から不溌状態を見る場合,すべて の教科書が企業擬産という事態に懸れていた。なかに は帝蟹書錠のように企業舞逢に旛えて,資本の集積・
集中という企業行動にまで踏み込んでいるケースもあ る。すなわち,「このようなときに資金によゆうのある 企業は生き残量),鱗産した企業を畷殺して企業の幾摸 を大きくしていきます」(帝国,欝9)。
② 労灘者・家計の視蕪
労働者の視点から不溌をとらえる場合,蔚述の企業 饒産に難籍して「失業者の増撫」をあげる教科書がほ とんどであった。つま弩,不溌状態は失業者の増擁と して鐵かれているのである。しかし,不況を労鱗者の 視点からとらえる場合,失業だけではなく,賃金の問 題,新規採屠の潤題,企業の合理化からの翼題なども 駁撃}上げることが可能である。無i論失業者数の増簾は 不混における最大の特質ではあるが,失業がなぜ増え
るのかを企業倒産の結果としてだけ描くだけではなく,
企業の合種化による従業員解雇や新規採霧の擁麟とい う麟面も存在することを巻過してはならないと患う。
その意味で,現行のすべての教科書にはやや開題が残 るといわざるを得ない。
但し,東京書籍と帝国書醗の配達は失業だけではな く,「賃金もあま1りふえないから涯(東書,護萄や「賃 金は下落し」(帝霧,欝窃として,賃金低下の潤題に
まで航れていることは至当である。
さらに,不溌を家裁の視点からとらえようとした教 科書はほとんどないのは残念である。教科書に晃られ る配達は,野不溌参長びけば,企業麟産や失業が増えて,
人々の生活がおびやかされます」(大藪,i48〉やゼ失 業者がふえ,賃金は下落し,羅民生活にも大きな影響 が獲て来ます」(帝園,欝9〉のように,蟹疑生活の不 安や影響というかたちで配達するか,「商品炉いっそう 売れなくなる涯(諺文.欝8〉のように企業の縫題と関 連させて絞れる程度である。このことは労働者・家計 の梶点として不溌を鑑こうとはしているものの,内実 は家譜の視点が弱いことを意嫁する。また,不混下の デフレーシ葺ンの鶏題と関連づけた記遠も晃られなか った。それでは不溌状態を家計の視点からとらえるこ とは不薄能なのであろうか。家計の視点で撮む下げる とすれば,「賃金が下落するので,濤費行動を控えよう
中学校縫会科「景気変動達単元の教科書駕較醗究響 3㌘3
とするユとか,ギ将来の不安に備え貯蓄に回すユなどの 記連が可能であると考える。さらに,睡異生活金棒の 不安という点では,不溌は経済的不安薫危機を醸織し,
それはやがて政治麟な不安瓢危機へと展麗する可能性 も毬めている。この点から政府が財政・金鞍政策など 有効な経済政策をとらざるを得ない必然性を導超する
ことも一醇書髭である⇔
③ 政府・霞銀4〉幌点
政1膏・蕪銀の携点から不混状態をとらえようとする 場合,不溌が政府唱銀へどのような影響を与えるの かというよ弩も,不溌に対する政府・蔭銀の経済政策
・経済行動としてすべての教科書が描こうとしていた。
このことについては異隷のないことである・なぜなら,
不溌下における企業・労簿者・家計にとっての悪しき 経済状溌は,政府にとっても放置できない潤題として 認識されるからであ1ラ,癖らかの対応が要請されてく る.また,不混と政府・露銀の聡係を考えた場合,続 鞭の需題や貿易霧題など重要な要灘と考慮されるべき であろうが,やは弩主要には政府の景気対策に関する 饗解が生徒にとっては基本となるべき問題である。こ の意秣にお》て各教科書の政府・馨銀の記違のあ今方 は妥当であると考える。
鱒 景気変動のメカエズムについて
ここでは,第二の特色である景気変動発生のメカニ ズムがどのように認達されているかを考察する。際気 変動」は不溌・好混それぞれの局灘の婚環運動からな る経済現象である。したがって,局面から馬面へどの ように,なぜ転{乞するのかを理解すること;む灘{要であ る。各教科書ではこの点はどのように描かれているの であろうか。
まず,馬掻から縁面への転化の根礎について一窮雛
矛していない教季手書毒ごないわけで1まない。教=奮鐵版とξ毒 水書霧がそれである。教官鐵版では「資本三豊義経書斎の
もとでは,生産が活発で失業者が少ない好景気(好溌〉
の状態と,倒産があい次いで失業者が多くなる不景気
(不混1の壊態がくり返えされてきたま(教墨,蔦紛 とその状態のみで,不混と好瀧との幾達についての配 達はない。また,清水書院では「資本主義経済の生産 は,もともとは魑々の企業の見込み生産で,それが毒 場のはたらきによって社会全棒としては講整される」
(溝水,i28/との言霧垂は見られ.るが,企業の見込生産 と竃場調整との関係はまったく不瞬である。
この二桂以外の教科護は不溌・好溌の経連を「不溌 から好混への転{緯かギ好況から不溌への転化匪のど ちらか一方を取弩上げ,そのメカニズムを説明してい
る。
まず「不混から好溌への転{羨については,東京書 籍版が取善上げている。そこでは以下のような記述が
なされている。
「経済がスランプにおちいると企業は合理化を行っ て費湧を滅らそうとし,致府も財政政策や会議政策を 行って景気を馨復させようとする.このような努力に
よって景気は上向きにな景},今度は生産も消費ものび ていく」(東書,i蕊!。
この記述によれば,不溌から好溌への輯ヒ過程は,
第一に企業が合遅化を行なって費湧を滅らすこと,第 二に酸癖が蹴放政策や金鞍政策を行なうこと,この二 点から説購されている。かかる不混から好溌への転化 過程における短鰯的及び長橋的な視点からの論瑳的展 麗については既に指摘したのでここでは繰形}返さない。
なお筆者な鱗こ工夫すれば,かかる転化ついては次の ような叙逮が考えられる,すなわち「好溌時に生まれ た遜鶏設備の廃棄や過擬生産霧の遙遷が進み,帯場に おける需要量と{翼奉含量のノ蒐ランスカ寸霞孝慶し,ついで企 業賜襲争による新鋭設{灘こよる生産拡大によ1濡要へ
の豪毅敷がなされる」と,,
次に,「好溌から不潔への転化」に絶しては嚢本書籍,
大阪書籍,帝響書饒,羅本文教鐵版の懸社が説明を与 えている。その藻分に瞬わる総連を以下に挙げる。
r好景気の時鰯1こは,社会全体の僕給よ1)も需要の ほうが多く,商品がよく売れて生産がふえ,企業活動 は活発になる。人々がたくさん雇わ蔑て失業が少なく なるが,一一方で鞠懸が上舞する。撲給かふえていくと,
婁給が琶会全体の需要を上国るようになを},不景気
(不溌1がはじまる」姦ヨ本,錘6み
夢好溌時に立てた強気の訪露が,霊要の停びなやみ によって見込み違いであることが分かると,売れ残弩 がたま1ラ,生産活動は縮小に海かいます。企業が過褻 な売れ,残睾》や過大な設備規模を適正な水準に縮小する 購は,不溌が続きます.しかし,その調整が終われば,
企業は再び生産を増鑛させはじめ,設篶投資を絃太し ますゴ(大飯,鍵71。
「ときには生産過剰が生じ,在庫をかかえた企業が 灘鬱した弩,生産の規模を縮小するため,隻業者がふ えた離するという事態がおこ辱ます。ものは余ってい るのに,消費者に買うお金がなくなるわけです」(帝国,
i38−i39)自
ギしかし,好景気がつづくと,やがて僕給が需要を 上繧む,藏品の売れ行きが悪くなる。企業の生産も落 ちこみ,なかには倒産する企業も鐵てくる」(露文,
i381阜
これらの配達から鵯藪するならば,いずれの教科書 も不溌発生の療馨を遍羅生産に求めている点では共通 性をもっている。しかし,懸々の記述に着§するとそ れぞれが羅題を掩えているのが読みとれる。まず騒本 書籍蔽教秘書の記述においては,好溌から不溌への転 でヒの様子を「供給が需要を上懸る∫というタームを用
36 簸驕大学教官実践醗究詫要纂37帯
いて説萌しているが,なぜ、と回るのかという譲理的証 圭進が晃られない。確かに生産選1棄彗ということは,購書 すれ1まf「{翼審倉オ§需要を一と麟るまことではある。し治、し,
この言邑達ではあま1)に糠象的で具体盤に乏しく,生徒 の礫解を漫読させる可能性がある。また蕎巽給が需要
を上縁る」には,その醸穣としては遺票軽な僕給の場合 もあれ1ま,需要の減退の場合もある。この点を企業行 嚢や家計行動に難して具俸的に記達する工夫が必要で
1まなかろうか,、
次に,大飯書籍蔽教科書の記述を見てみる。この記 遽では金業行動の視点から,好溌から不溌への転記を 説覇しょうとしているのが窺える。しかし,この記連 は生莚活動全体を踏まえた■kでの好混から不溌への転 でヒの説鱗という意嚢泰よ諺も,かかる転化遜程における 企業行動の一一蜷藏という葎象を受けざるをえない。資 本董義経済の動きの中で好溌から不溌への転化がどの
ように生じるのか,すなわち,「景気変動」の発生根鎚 を資本主義経済全体との経連で掻くことが大切ではな いだろう力愁
帝藩書院蔽教科書は{翼給と霧穿要のノ濠ランスの嶺れを ヂ生籬遇驚3というタームを震いて明解紅説霧してい る。生産遜剰を原馨とする不溌を「ものは余っている のに,消費者に買うお金がなくなるわ縁です」という かたちで具体的に説鋸していることを評癒したい。
霞本文教職版教科書は馨本書籍と隅棟に婁給と需要 のバランスの鱗れから不溌発生のメカニズムを説明し ようとしている。したがって,譲本書籍で捲摘した開 題点である具体1姓を搾った配達が望まれるといえる蔀
難.現行教科書の特色と問題点
これまで筆者らは理窟発行されている全七絶の教科 書の「景気変動藩に聴する記述を詳纈に分析してきた。
本節ではこれまでの分析を踏まえた上で教科書の内容
.しの叙遠に見られる意義と問題点について考察をおこ なう。
〈雇〉現行教科書の特色
「景気変動≦という複雑な諸要露から罎誇立つ経済 事象をその局面である好溌と不溌の状態理解と,妊溌
・不溌が発生するメカニズムの理解という二つの複点 から考察している聡行教科書は,教麟が実燦に授業を 権懇する際に非常に麿意義だと考える。
特に好溌と不溌の状懇の理解については,罷行の教 科書は企業の視点や労働者の視点.家誹の視点,政府 B銀の視煮などによ辱,景:気の擾1覆誌こおける各経済 主体の行動や影響を説隣している点は評慰したい。も ちろん,一藏的な撹点から艦環局露の説窮が行われて いた教科書も見られないわけではない。だが,それぞ れの教科書に一般的に共通する意義としてこの点を指 摘しておきたい。このように,それぞれの馬面の経済
総9警一葉2
状態を経済主体の立場からとらえさせ,それによって 不溌あるいは好混という経済状態を機念的に捨撰して いる点が脊憲義である。
第二は,好溌・不混の発生のメカニズムまで踏み込 んで鰹解させようとした教科書が晃られた点である。
各教群書のメカニズムの説瞬や配達のあ1り方について は検馨すべき課題はいくつかあ1》,次の「現行教科書 に見る購題点」の籔瞬の講達にゆずるが,なによ吟も
「景気変動藩を耀解する.とでそのメカニズムまで踏み 込んで権威された教蕎書が箆恥だせたことは穫極的に 評癒したい。好溌・不溌発生のメカニズムまで驚み込 むということは,不再遊的に資本主義経済の本質的な 領簸にまで接近していることは疑い得ない。景気変動 のメカニズムの学習は生産・流通・消費などの藻分的 髄驚的な礫論を超える総合的学習であ量),資本主義
経済を全体としてどのように摺握するのかという点に 直に関わる要諦である,
〈2〉現行教科書の聡題意
筆者らはここまで各現鴛教科書の記遠内容の分析を 行ない,新景気変動注の位置づけやヂ景気蛮勇垂学習の ねらいを明らかにしてきた。蒋に各教科書が学習課題
として定めた事項に関しては,繭遠したように婚環緯 面についてはすべての教科書が遊べており,そしてそ の申の五経がメカニズムの遅解にまで踏み込んでいた。
後者については積極的に意義のあるものと評簸するが,
反面その取鯵扱い方や記違の仕方についてはいくぶん 工夫すべき余地が残されていたと思う。
ここでは以、ヒの諸点を麟提にしつつ,譲理権威や内 容に関する問題点を整序しておきたい。
開題点① 具躰:駒記逮に乏しいことの開題牲
かつて岩醗隼浩氏はわ炉馨経済教育の進展の緩害要 露として以下のような潤題点を摘鐵したことがある。
すなわち,「ζ嚢蟹絡選・『貨幣選・騨恐竜菱垂といった経済 学の奪鱒語は,歎米社会の実生活の絹語でもあるが馨 本の昔会ではそうではない。嚢本人はそれに代えて,
『纏段垂・ゼカネ盤・ζ不混書と呼びなれている。霞本の 生活実態にフィットした形で経済学を語舞えないこと,
ましてや,晃童・生徒の蒙常生活に密養して経済を展 開できな疑ことは大きな賜題である」替。
この指摘を念頭に教科書の罷述をみると,景気の罵 懇の転でヒについては,二社の教科書が「僕給炉社会全 体の需要を上懸る3ことを根礎に不溌が発生すると説 明していた。この説弱は景気変動という経済事象.す なわち,好溌から不溌への転牝の灘瑳を需要と盤給と いう新たな経済機念を驚いて説醸するという手法をと っている。つまり,最後まで岩蟹氏の遊べる生活実感 にフィヅトしない,霧常生活に密養しない言葉で説明
力書なされてレ逸るのである。需要と{莫華{}という縫蓬系惹まよ
中学校教会科「景気変動嘘単元の教誓書箆較醗究121 37
ほど丁寧に説畢1しない銀琴,婁給が需要をま二懸ること から不溌を説くという講理は難しいと思われる。もち ろんこの醗題点には縷られた紙悪の中で教科書を編集 せざるをえないという麟約がつきまとっている。しか し,生後にとってよ辱わか鞍やすい仕方で記達する工 夫を探らなくてはならない。この翼題はまた,教麟が 授業案を具体的に欝恕する鰹にも大鰐な事樋である。
では,この複雑で擦象麟な経済事象やメカニズムを どのように具体化して生徒に提示したらよいのであろ うか。この点に関して中澤賢一一氏は以下のように問題 解決の薄肉を示唆している,ギ経済のしくみを饗解する 鰹に,しくみをそのまま受け入れるのではなく,行為 者の春動のレベルに置き換えると理解しやすいという
ことがある.経済のしくみは,むしろ行為者の鴛勧の レベルに置き換えて説購されないと学習者は理解され にくい」齢。
われ.われは,経1斉の{と緩みを還解させるのに行為者 の行動のレベルに置き換えると璽解しやすいという氏 の主張には基本的に賛成である。
懸題点② 蕊濡者筏点の希薄性
すでに捲摘してきたように筆者らは,現行教科書の 構成において,不溌・好況状懇の摺握の霧萎に企業の視 点や労欝者の観点,家計の擬点,政癒・暴銀の視点等 を通してとらえさせようとしていることを高く評難し た。しかし,その経済主体に関する記述の量的寵置を 発るならば,企業,労働者,政海・駐銀の視点が多く,
家譜すなわち生活者からの視点の分量は決定的に少な いことが震に付く。経済教畜の欝害要霞として,ギ生活 実感にフィットしない,嚢常生活に密着しない」点を 岩鐙氏は懸締しているが,経済事象を遷解する場合に 生徒の生活に密養した視点の重要軽1はいうまでもない。
かかる観点すれば,現行教科書は企業からの視点か多 く,生活者からの視点があま弩にも少ない。
開題点③ 経済主体聞綴互の連醗的樗握の弱さ 各教科書においては,蕪達した通辱企業,労働者,
政癖・馨銀,そして家妻の観点から経済状態の罷達が なされていた。しかし,教科書の典塑的な記遠のあ写 方に問題がないわけではない。鯵えば,「好溌のときに は,企業は投資をふやし,設備を拡大して生産の増大 に努める。失業者はへ鯵,労鍛者の賃金は、と弄するし,
彗勢懸も圭1がる。不溌のときには,薩品の懸格・が下が静,
企業は生産をへらす。不溌がひどくなると,饗産する 企業は続鐵し,失業者もふえる」(清水,129/のよう に籍環縁蚕において企業はどうなるのか,労鱒者はど うなるのかというは遠べられている。だが,どうして そういう結果になったのかという馨果経連が必ずしも 瞬確ではない。もちろん多少そうした原石について触 れている教科書も存蔑する。鷺題は各経済主体翼
つまを}企業と労麟考,企業と嚢銀・政府,企業と家計 一の聡達を見据えた上で識遅展鬱しているとはいえ ない点である。それらの経済主体闘の相互縫係を基礎 として資本主義経済の仕緩みが腹立し,そこからすべ ての経済環象は発生している以、k,経済主捧縫の穏互
関{系を丁寧に解き明力》す二£夫力聾宍:定露㌻に重要である。
王)唇蟹拳法「小学校社会科教育における経済的観点につ いて」蓼大阪教育大学紀要第V藻野麓(第32巻,欝欝葎1,
玉3?頁。
2)中澤賢一「経済学習における教材溝鍍一一方法論的憲人 主義をめぐる譲争に学ぶ一一μ東京大学教育学無教育内容 講究塞ぎ教育海容羅究圭,欝欝奪),53責。
おわりに
これまで筆者らは現行教科書における経済領域,特 に「景気変動」に関する記違を仔綴に験試してきたが,
各教舞書に共通する特色として次の三点を募継してお
きたい。
まず積極的1こ評癒すべき点として,第一に,好溌と 不混の状態の饗解についてはそれに騰わる経済主体の 視点で行動や影響を説霧している点,第二に,難語の 機念規定をしっか辱と行っている教科書が多かった点,
第三に,好溌・不溌の発生のメカニズムまで踏み込ん で理解させようとした教科書が散見できた点である。
次に翼題点として捲擁すべき点は,第一に,具体的 記述青書なされ.ない;がために蓬解しにくいことの開題童生,
第二に,経済状態の摺握において生活に密蒼した視点
力・らの孝警握毒害窮1いという点,第三は,藻蚤量斉壷{塞賜の権
豊麗係に関する分析の弱さ,局嚢転記の論還的欠落に 大きな開題を内包していた点である。
これらの積極的に評慰すべき点と問題点とを総合離 に轡離して言うならば,筆者らはもっとも優れた教科 書として帝国書醗版教科書を評癒したいと考える。い うまでもなくこの評癒は教科書全体ではなく曝気変 動三の記違に鰻ってのことである。さらに,誤解を与
えぬよう付言すれば,麗教科書を教えるのではなく,教 科書を鑓って教える蜂ということを踏まえた上でのこ
とである。
この教科書を評慰する遅窃は,第…・に,好溌・不溌 の状態を経済主体の行i勤(主要には企業行動〉を踏ま えてとらえさせようとしている点,第二に,景気変動 の影響を多様な観点からとらえさせようとしている一 一舞えば,不溌の影響を失業だけではなく賃金低下の 開題まで踏み込んでいる一点や,第三に,企業鱗産 だけではなく企業合遷化の題題まで触れている点,第 獲に,好溌から不溌への転化に鷺して遇鷲生産を舞に 企業の行動に羅して具体釣に解馨している点である。
しかしながら,この教科書においても,生活に密養し た視点からの麺握は希薄といわざるをえない。
38 藤島大学教畜実践観究紀要第37号 肇鱒§一モ2
社会科教締が実際に授業を購怨する際には,これら 教科書の全般的特色を艶まえ,教科書の麗述を一つの 参考としながらも,生徒の縫題意識,特に薩常の生活 意識を踏まえた講理を購棄することが重要であろう。
完
(茎999年§月228憂饗!