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パーシャルデンチャー補綴学講座

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Academic year: 2024

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パーシャルデンチャー補綴学講座   

プロフィール   

1. 教室員と主研究テーマ   

教    授      山下秀一郎    主機能部位としての大臼歯部の役割に関する研究  咬合の再構成時に有用な咬合分析法に関する研究  講    師      田坂  彰規    ストレス緩和に効果的な咀嚼指導 

デジタルデンティストリーの有床義歯への応用  森岡  俊行    ヒト下顎骨における生体アパタイト結晶の配向性 

助    教      古屋  克典    高強度正方晶ジルコニア多結晶体(TZP)の低温劣化特性に関する研究  大平真理子    要介護高齢者における MASA と VE の比較による摂食嚥下スクリーング法  齋藤  研太    経験年数と局部床義歯の満足度の相関に関する研究 

レジデント    上窪  祐基    無歯顎および遊離端欠損部顎堤粘膜に対する光学印象の精度検証  岡野  日奈    積層造形で製作した義歯の精度に関する研究 

西根  万純    補綴前処置用ガイド使用に対する形成精度に関する研究 

大学院生      小峯  明子    咀嚼時筋活動量の低下が Stage II transport の発現様相に及ぼす影響  田中  章啓    局部床義歯の支台歯へ新規材料補綴装置の応用に関する研究 

池田  一洋    咬合平面の傾斜と下顎機能運動路との関連  酒井    遼    疑似的短縮歯列が顆頭変位に及ぼす影響 

寺島  達秀    ラット付着上皮の防御機構の出現に関する発生学的研究 

中村美伽代  CAD/CAM を用いたコーヌステレスコープデンチャーの内外冠製作システムの  構築 

加藤  芳実    鋳造および CAD/CAM で製作したクラスプの形状再現性の精度検証  鎌田  聡仁    ヒト由来セメント芽細胞の電位依存性イオンチャネル発現に関する研究   

2. 成果の概要   

1)パーシャルデンチャーで補綴治療を行う際に部分欠損歯列をどう診るか? 

パーシャルデンチャーで咬合を回復する場合、残存歯との間に調和のとれた咬合関係が必要であ り、口腔 健康を維持する上で重要な鍵となる。特に遊離端義歯症例においては,咬合時の負荷は被圧変位量 の異なる 支台歯と顎堤粘膜の両者に対して伝達され、複雑な動態を示す.安定した咬合を確立するためには 、初診時 の咬合状態を確実に把握すること、さらに、欠損様式に合わせて適切な義歯の設計を行うことが、 重要な要 件となる。本研究では、欠損に伴い崩壊した咬合状態を定量的に評価する手法として、側面頭部エ ックス線 規格写真に基づく咬合高径の評価について、さらに、義歯の設計に関する基本的概念、特に義歯の 動揺の最 小化について明確にした。 

(日本補綴歯科学会誌,9:87-93,2017)   

2)チューイングによる精神的ストレス緩和効果  −咀嚼機能関連因子と緩和効果の関係− 

本研究は、咀嚼機能関連因子(咀嚼能率、咬合接触面積、最大咬合力、チューイング回数、筋活動量)と チューイングによるストレス緩和効果との関連について検討した。被験者にストレス負荷として計算問題を 行わせた後に、安静またはチューイングを指示した。ストレス状態の評価として唾液中コルチゾール濃度を 計測した。ストレス負荷後から10分後の唾液中コルチゾール濃度変化率は安静と比較してチューイングで減 少し、両者間に統計学的有意差が認められた。唾液中コルチゾール濃度の減少率とチューイング回数との間 に負の相関関係が認められた。唾液中コルチゾール濃度の減少率とその他の測定項目との間に有意な相関関 係は認められなかった。健常有歯顎者においてチューイング回数がチューイングによるストレス緩和に影響 を及ぼすことが明らかとなり、回数が多いほどストレス緩和に効果的である可能性が示唆された。 

(J Prosthodont Res. 2018; 62:50-55)   

3)ミリングおよびSelective Laser Meltingで製作したクラスプの精度検証 

ミリングおよび金属粉末を積層(Selective Laser Melting : SLM)によるクラスプの製作が可能となっ てきたが、その精度については不明な点が多い。本研究はミリングとSLMで製作したクラスプの精度を比較 することを目的とした。下顎歯列欠損模型を3Dスキャニングを行い、CADソフトを用いてエーカースクラス

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プを設計した。設計データから、ミリングマシンにてCo-Crディスクから削り出したものおよびSLMにて積層 造形したクラスプを各5個ずつ製作した。製作したクラスプを3Dスキャニングした。精度検証は設計データ に対して、ミリングクラスプとSLMクラスプの製作データを、3次元データ検査ソフトウェア上で重ね合わ せ、形状差分比較を行った。SLMクラスプはミリングクラスプと比較して差分値は小さく、有意差が認めら れた。これらのことから、ミリングクラスプと比較して、SLMクラスプの製作精度は優れていることが示唆 された。 

(第3回日本顎顔面再建デジタルテクノロジー学会プログラム・抄録集:31)   

4)要介護高齢者におけるMASAとVEの比較による摂食嚥下スクリーング法の開発 

Modified Mann Assessment of Swallowing Ability (MMASA)は急性期脳卒中患者の摂食嚥下評価法として 開発された。今回、摂食嚥下障害が疑われ嚥下内視鏡検査(VE)を受けた脳卒中の既往がある要介護高齢者48  名にMMASAを実施し、その診断精度と有用性を検討した。MMASAの合計点の平均は74.6±13.9点、VEの結果よ り摂食嚥下障害を認めた者は44 名であり、有病率は89.6%であった。既存の摂食嚥下障害のカットオフ値 94点を使用した場合、感度は0.91であった。誤嚥を認めた者は20名であり、誤嚥の有無によりMMASAの合計 点に統計学的に優位な差を認めた。算出した誤嚥のカットオフ値は71点であり、診断精度は感度0.75、特異 度0.81、尤度比3.28であった。以上より、MMASAは要介護高齢者の摂食嚥下機能の評価に有用であることが 示唆された。 

(平成29年度科学研究費助成事業  研究成果報告書)   

5)咬合平面の傾斜と下顎機能運動路との関連 

本研究の目的は機能的指標により咬合平面を決定するために、咀嚼運動運動及びタッピング運動と咬合平 面との関係を明らかにすることとした。歯の欠損のない健常有歯顎者に6自由度顎運動測定器を用い、咀嚼 運動とタッピング運動を測定した。計測部位は切歯点と第一大臼歯とし、基準平面は上顎咬合平面とした。

計測項目として矢状面におけるそれぞれの運動で第一大臼歯が咬頭嵌合位から咀嚼運動では直下5.0〜0.5㎜

間、タッピング運動では1.5㎜〜0.5㎜間で任意の点をとり、その点と咬頭嵌合位の直線と基準平面とのなす 角度を算出し、これを閉口角とした。咀嚼運動では1.0㎜地点において第一大臼歯の閉口角は64.7±10.6度 となった。タッピング運動では1.5㎜地点において第一大臼歯の閉口角では59.4±8.8度となった。これによ り、機能的咬合平面を決定する際にはこれらの値を配慮することの重要性が示唆された。 

(2017 CED-IADR/NOF Oral Health Research Congress September 21th 2017 Vienna Austria)   

6)実験的臼歯部咬合支持の喪失が下顎運動に及ぼす影響 

本研究では臼歯部咬合支持の喪失が下顎運動へ及ぼす影響について検討することとした。被験者5名に対 して上顎両側第二大臼歯までを被覆するスプリントを製作し、順次両側性に後方から切断し疑似的短縮歯列 を再現した。被験運動として、各スプリント上でタッピング運動15回を5セット、側方滑走運動を5セット 行わせ、タッピングポイントの前後的移動量、側方滑走運動時の全運動軸点の前後的・左右的移動量を評価 した。咬合支持を喪失するにつれてタッピングポイントの前後的移動量に有意差を認めたことから、咬合支 持の存在が顎位の安定に重要であることが判明した。また、顆頭の側方滑走運動時の動態は咬合支持の喪失 による影響を受ける可能性が示唆された。 

(歯科学報 Vol.117 No5:415,2017)   

7)疑似的短縮歯列が顆頭変位に及ぼす影響 

本研究では臼歯部咬合支持の喪失が顆頭変位に及ぼす影響について検討することとした。被験者6名に対 して上顎両側第二大臼歯までを被覆するスプリントを製作し、順次両側性に後方から1歯ずつ切断し、疑似 的短縮歯列を再現した。被験運動として各スプリント上でタッピング運動15回を行わせた。その後、各スプ リント上での顆頭点の変位量を求め、これを評価項目とした。上顎両側第二大臼歯までのスプリントを装着 することで左右側顆頭は、前下方に変位する傾向が認められた。また、臼歯部咬合支持を喪失することで左 右側顆頭変位量に有意差が認められた。このことから臼歯部咬合支持が下顎運動時の左右側顆頭の変位量に 影響を与える可能性が示唆された。 

(日本補綴歯科学会 東京支部総会・第21回学術大会 プログラム・抄録集:28,2017)   

8)加熱重合および積層造形で製作した義歯の人工歯排列位置の比較 

本研究では、加熱重合と積層造形で製作した義歯の人工歯排列位置を比較した。上下顎無歯顎石膏模型の 3Dスキャニング後、人工歯排列を行い、蝋義歯の3Dスキャニング後、実験義歯を加熱重合にて製作した。積 層造形での義歯は、蝋義歯のSTLデータから模型データを差し引いて製作した。製作した2種類の実験義歯 の3Dスキャニングを行った。精度検証は蝋義歯の人工歯部のデータに対して、加熱重合義歯および積層造形

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歯に対して加熱重合義歯は人工歯が浮き上がる傾向が認められたのに対し、積層造形義歯は沈み込む傾向が 認められた。上顎および下顎で統計学的有意差を認めた。積層造形義歯の人工歯部は、加熱重合義歯と比較 して異なる方向の変位を示したが、製作精度は優れるため、人工歯を含めた義歯製作に積層造形を応用でき る可能性が示唆された。 

(2017 CED-IADR/NOF Oral Health Research Congress September 23th 2017 Vienna Austria)   

9)遊離端欠損部顎堤粘膜に対する光学印象の精度検証    第2報  補綴臨床経験の差による比較 

近年のデジタルデンティストリーの普及に伴い、口腔内スキャナーを用いた光学印象の技術革新が目覚し く、フルカラーの3D画像としてスキャニングすることが可能となった。これまで我々は欠損部顎堤粘膜に対 する光学印象の精度について、第125回日本補綴歯科学会学術大会にて報告を行い、術者間での影響が少な いことを明らかにしてきた。 本研究では、補綴専門教育を受けた歯科医師(歯科医)と臨床研修歯科医

(研修医)との間で、欠損顎堤粘膜の光学印象の精度には差がないという仮説を立て、これを検証した。 

結果として、歯科医−研修医間の比較では最大値および積分値ともに統計学的有意差が認められた。 

以上から、臨床経験によって口腔内スキャナーの操作に差が生じ、光学印象の精度に影響が生じる可能性が 考えられた。今後、臨床経験が乏しくてもスキャナーの操作に影響の少ない光学印象法を検討する必要性が 示唆された。 

(日本補綴歯科学会誌,9(126回特別):173,2017   

10)鋳造および金属粉末レーザー積層造形法で製作したクラスプの形状再現性の精度検証 

近年、3Dプリンタが様々な分野で一般的な方法として普及しつつあり、歯科補綴学分野においてもそれら を応用した局部床義歯の支台装置製作が試みられているが、それらの形状再現性の精度は未だ不明点が多く 残されている。そこで、局部床義歯支台装置の製作方法として、選択的レーザー溶融法(SLM)、削り出し法 (Milling)の形状再現性の精度を、従来法である鋳造法(Cast)と比較して検証した。各方法で製作したクラ スプをスキャニングして3Dデータ化し、製作に用いたデータと重ね合わせ、差分値を測定した。Castの誤 差範囲は-0.24〜0.13mmだった。これに対し、SLMは-0.05〜0.11mm、Millingは0.01〜0.22mmだった。これら のことから、SLMは形状再現性の精度において、他の方法よりも優れていると考えられ、臨床応用への可能 性が示唆された。 

(2017 CED-IADR/NOF Oral Health Research Congress September 23th 2017 Vienna Austria)   

3. 科学研究費補助金・各種補助金   

研 究 代 表者  研 究 課 題  研 究 費  科 研費の場合は種別も記載 

山下秀一郎  下顎骨生体アパタイト結晶配向性からみた咀嚼時主機能 部位のミクロ解析 

科学研究費助成事業・ 

基盤研究(C)  大平真理子  要介護高齢者における MASA と VE の比較による摂食嚥下

スクリーング法の開発 

科学研究費助成事業・ 

若手研究(B)   

4. 研究活動の特記すべき事項   

学会・研究会主催 

主 催 者 名  開 催 年 月日  学 会 ・ 研究会名  会 場   開 催 地  

山下秀一郎  2017. 

12.2-3 

日本補綴歯科学会東京支部学術

大会  東京歯科大学  東京都 

千代田区   

学会招待講演・特別講演・教育講演 

講 演 者   年 月 日   演 題   学 会 名   開 催 地  

山下秀一郎  2017.10.28 

顎間関係の設定の基本:診察・

検査から診断まで  咬合挙上に ついて再考する 

平成 29 年度日本補綴歯

科学会東海支部学術大会  名古屋市   

(4)

学術学会に相当しない団体が開催するセミナー・研究会・カンファレンス等における発表・講演 

講 演 者   年 月 日   演 題   会 合 の 名称  開 催 地  

山下秀一郎  2017. 7.19  欠損歯列に対する咬合からのア

プローチ  豊島区歯科医師会講演会  東京都  豊島区   

5. 教育講演等教育に関する業績、活動   

教育ワークショップ・FD 研修 

講 演 者   年 月 日   ワ ー ク ショップ名  役 割   開 催 地  

山下秀一郎  2017. 4.23 

第 19 回試験問題作成に関する ワークショップ〜共用試験 CBT  問題作成のためのアドバンス・

ワークショップ〜 

タスクフォース  東京都  千代田区 

田坂  彰規  2017. 4.23 

第 19 回試 験問題 作成に 関する ワークシ ョップ 〜共用 試験 CBT 問題作成 のための アドバ ンス・

ワークショップ〜 

参加者  東京都 

千代田区 

大平真理子  2017.11. 3  第 20 回試 験問題 作成に 関する

ワークショップ  参加者  東京都 

千代田区  齋藤  研太  2017.11. 3  第 20 回試 験問題 作成に 関する

ワークショップ  参加者  東京都 

千代田区  齋藤  研太  2018. 

1. 6- 7 

第 36 回東 京歯科 大学カ リキュ

ラム研修ワークショップ  参加者  東京都 

千代田区   

共用試験 

氏 名   年 月 日   種 別   役 割   開 催 地  

山下秀一郎  2018. 2.25  平成 29 年度東京歯科大学 

第4学年 OSCE  評価者  東京都 

千代田区 

田坂  彰規  2017. 

7.22-23 

OSCE 外部評価者養成ワークショ

ップ(ワークショップⅡ)  参加者  神奈川県  横須賀市 

田坂  彰規  2018. 2.25  平成 29 年度東京歯科大学 

第 4 学年 OSCE  課題責任者  東京都  千代田区 

森岡  俊行  2018. 2.25  平成 29 年度東京歯科大学 

第4学年 OSCE  補助係  東京都 

千代田区 

古屋  克典  2018. 2.25  平成 29 年度東京歯科大学 

第4学年 OSCE  補助係  東京都 

千代田区 

大平真理子  2018. 2.25  平成 29 年度東京歯科大学 

第4学年 OSCE  補助係  東京都 

千代田区 

大平真理子  2017.12.20  平成 29 年度東京歯科大学第 5

学年臨床実習後技能確認試験  評価者  東京都  千代田区 

(5)

齋藤  研太  2018. 2.25  平成 29 年度東京歯科大学 

第 4 学年 OSCE  補助係  東京都 

千代田区   

他の大学・研究機関等における学生・大学院生を対象とする講義 

担 当 者 名  年 月 日   テ ー マ ・演題  大 学 ・ 機関  所 在 地  

山下秀一郎  2017.6.1  2017.6.15 

局部床義歯の設計,印象採得  支台装置 

昭和大学歯学部  第3学年 

東京都  大田区   

6. 社会的貢献・社会に対する活動   

医学の啓蒙を目的とする講演会(市民を対象とするもの) 

講 演 者   年 月 日   演 題   講 演 会 名  開 催 地  

大平真理子  2017.12. 1  美味しく食べて目指せ健康長寿 

平成29年度  日本補綴歯 科学会東京支部 

市民公開講座 

東京都  千代田区   

参照

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