— —20 スペシャルゲストとして招かれ,セルロースやその誘導体 に関する講演が行われた.その他にも,4件のプレナリー 講演,14件の基調講演,8件の招待講演をはじめ,236件 の口頭発表,201件のポスター発表が行われ,約450人が 参加した.発表内容は,合成,構造,分析,ナノテクノロ ジー,バイオプラスティック,バイオメディカル,バイオ 燃料,紙・パルプ,食糧など多岐に亘っており,多糖類の 幅広さを再認識する良い機会となった.特にセルロースに 関する発表は非常に多く,セルロースを使ったマテリアル 開発への期待が大きく感じられた.近年ではセルロースや デンプンなどの多糖類は,持続可能な再生資源"バイオ ベースマテリアル"として注目されており,多糖類に対す
る注目の高さを実感した.
筆者自身は,「Chemo-enzymatic Synthesis of a Novel Inclusion Supramolecular Polymer Composed of Amylose and Poly(ʟ-lactide)」のタイトルで,アミロースとバイオ ベースポリマーであるポリ乳酸を化学‒酵素的手法によっ て融合した新奇な超分子ポリマーの合成について発表し た.本会議ではマイナーな内容かと思われたが,今後の研 究展開において有意義なディスカッションをすることがで きた.
最後に,本国際会議参加にあたり渡航費を援助いただき ました公益財団法人農芸化学研究奨励会に,この場を借り て厚く御礼申し上げます.
17th International Congress of Comparative Endocri-
nology(第 17回国際比較内分泌学会)に参加して
国立循環器病研究センター 永井千晶
私は,スペインのバルセロナ市内にあるバルセロナ大学 生物学部において,2013年7月15日から 19日にかけて開 催された 17th International Congress of Comparative En- docrinology(第17回国際比較内分泌学会)に参加した.
IFCES(International Federation of Comparative Endo- crinological Societies)が主催する本学会は,様々な動物 種における内分泌機構の多様性と普遍性の理解をテーマと し,4年に 1度,世界各国の内分泌学研究者が一堂に会す る,歴史のある学会である.本学会では,6演題の基調講 演のほか,State-of-the-Art および Oral communication を 含む 18 のシンポジウム,48演題の口頭発表,175演題の ポスター発表,および 7 つのワークショップが行われた.
ヨーロッパでの開催ということで EU圏各国からの参加者
が多かったが,国別でみるとスペインの次に日本からの参 加者が多く,本分野における日本人研究者の貢献度の大き さを感じた.
今年ポスドク 2年目にあたり,本学会では,博士課程在 籍時の仕事について「Competitive binding of ion trans- port peptide-like (ITPL) and tachykinins to Bombyx neu- ropeptide G protein-coupled receptor (BNGR)-A24」とい う演題でポスター発表を行った.また,現職の仕事につい て「Dynamic changes in beta-2-microglobulin and natri- uretic peptide family peptides during the progression of heart failure in Dahl salt-sensitive rats」という演題で口 頭発表を行った.ポスター発表では,カイコの甲殻類血糖 上昇ホルモン(CHH)族ペプチドである ITP および ITPL の受容体として我々が同定したオーファン G タンパク質 共役型受容体のうち,BNGR-A24 について,タキキニン 関連ペプチドに対する受容体としての機能解析の結果を報 告した.ポスターの公開期間は会期中2日間のみであった が,配布用のポスター縮小版が早々になくなったことと,
写真3 ポスター発表会場 写真4 ニースの海岸
— —21 ポスターセッション以外でも訊きに来てくださる方が多 かったことから,反響はまずまずであったと感じている.
また,口頭発表の方も,セッションのスケジュールが大幅 に遅れており質疑応答の時間が削られてしまったことは残 念であったが,自身の研究内容と考えを十分にアピールで きたと思う.
学会での発表内容は,脊椎動物および無脊椎動物の様々 な種を対象とし,ホルモンの細胞内シグナル伝達経路から 動物の行動まで多岐に渡っていた.これまでにクルマエビ
(甲殻類),カイコ(昆虫),ラット(哺乳類)と実験対象 を変えてきた私にとって,今後の研究活動の方針を考える 上で興味深い演題が多かった.全体としては魚類や無顎類 を対象とした演題が比較的多く,自身の研究範囲と近い研
究者が期待より少なかったことは残念であったが,その分,
思いがけない意見やアドバイスが頂けたことは収穫であっ た.
会期中には,休憩やランチのほか,エクスカーション,
バンケットなど,交流の場が多く設けられており,多くの 著名な先生方や若手研究者と情報交換・交流することがで きた.学会に参加して毎回感じることではあるが,面白い 研究をしている方はバイタリティーに溢れ人間的にも魅力 的な方が多く,本学会においても年齢・国内外を問わずそ のような方々と出会い,多大な刺激を受けた.
最後になりましたが,本学会への参加にあたりご支援い ただきました,公益財団法人農芸化学研究奨励会に厚く御 礼申し上げます.
写真1 学会会場にて. 写真2 バンケットにて.
(右:L. Schoofs先生)
写真3 エクスカーションにて.
(モンセラット)
写4 バルセロナ市内にて.
(サグラダ・ファミリア)