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シングルライン工法システム天井の落下メカニズムと落下防止対策

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テーマ2 小課題番号2.1-1

シングルライン工法システム天井の落下メカニズムと落下防止対策

システム天井 振動台実験 シングルライン工法 山下哲郎 久田嘉章**

加速度 落下防止 Tバー 西川豊宏*** 鱒沢曜****

1. はじめに

小課題 2.1では建築設備の 他、天井の耐震性をテ ーマとして、振動台実験を 中心に研究を実施した。

特に 2011年 東北地方太平 洋沖地震 で落下が 多発し た工学院大学新宿校舎高層 階のシングルライン工法 のシステム天井(以下シン グルライン天井)につい て、振動台実験による落下 メカニズムの解明、落下 を生じる加速度の特定およ び簡易に施工可能な落下 防止対策の開発とその効果 の検証 を実施した。各年 度の研究内容とその概要を以下に示す。

長周期振動台の開発と設計(2010)1)

工学院大学新宿校舎の上階 の揺れを再現すること を目的として、既存のアク チュエーター を活用した 長周期振動台を開発し、設計・設置した。

振動台テストと非構造材の実態調査1,2)(2011) 東日本大震災後の電 力不足 で当分振動台を動かす ことができなかったが、夏 以降、 振動台のテストを 実施して動的特性を確認し 、コピー機など室内什器 類の地震時の転倒、移動な どを調べる実験を実施し た。また東北地方太平洋沖 地震で落下した工学院大 学新宿校舎高層階システム 天井の実態調査を行い、

実験を計画した。

振 動 台 実 験 に よ る シ ス テ ム天 井 の 落 下 原 因 解 明 3,4)

(2012)

振動台を用いて新宿校舎シ ステム天井の振動 実験 を実施し、落下を再現して そのメカニズムと、落下 を生じ始める加速度を特定した。

落下防止対策の考案と検証5,6)(2013-2014) 解明した落下原因に 基づき 天井板の落下防止対策 を考案し、振動実験で効果 を検証した 。その結果天 井板自体の落下は防止でき るが、天井を 支持する周 辺の壁面が天井の慣性力に 耐えられず破壊する可能 性が判明し、天井から壁面 に作用する 力に注目した 実験を実施した。

2. 長周期振動台(大変形加力装置振動台)の開発 工学院大学新宿校舎のような高さ 100m クラスで 1次固有周期が比較的短い(3秒)建物では、200m クラスの超高層と比較して 応答加速度 が大きい。こ のような「固め」の超高層 の高層階の応答を再現す る振動台を開発、設計した。

振 動 台 の 大 き さ は 居 室 が 再 現 で き る 規 模 の 4mx 6mとした。振動台自体の重 量は約42kNである。動 力には既存の動的油圧ジャ ッキを用いるが、定格は

* :工学院大学建築学部 建築学科教授 ** :工学院大学建築学部 まちづくり学科教授

***:工学院大学建築学部 まちづくり学科准教授 ****: 鱒沢工学研究所 図 1 振動台と増幅装置全容

写真 1 振幅増幅装置

(2)

最 大 荷 重 200kN、 最 大 速 度 50cm/s、 可 動 域 ±50cm であり、超高層上階の揺れ の再現には特に速度が不 足するためジャッキの振幅 を増幅 する必要がある。

既にワイヤーと滑車を用い た振幅増幅装置を使用し た長周期振動台が実現されていた 7)が、同システム は剛性が低いため、固有周 期が短く高加速度を生じ る新宿校舎の揺れを再現す るには不向きと判断し、

オリジナルのクランクアー ムを用いた 増幅装置(図

1、写真1)を開発した。増幅率は2.5としたが、後

にアームの交換による1.5の増幅率も可能にした。

図 2 は(a)東海 ・東南海 地震と(b)首都直下 地震の 際新宿校舎の最上階で想定 される応答波を入力した 時の再現波形と入力波形の 変位、加速度、加速度波 形のフーリエスペクトルを 比較したもの である。高 周波成分の多い首都直下応 答波形で加速度の 誤差が 生じるが、このような長周 期成分が支配的な揺れで あれば概ね良好に波形を再現できる。

3. 振動台によるシングルライン天井の落下実験 3.1.東北地方太平洋沖地震 の被害

2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震では、

工 学 院 大 学 新 宿 校 舎 の 高 層 階 14、17、21、27、28 階で天井板の一部落下、脱落が生じた 8)(写 真 2)。

被害階付近の計測最大加速度は 16階で 237cm/s/s、

22階で156cm/s/s、29階で は316cm/s/sである。

落下した天井はすべてラ イン方式のシステム天井 で、照明器具と天井板を支持部材1本で支えるシン グルライン天井である。シ ステム天井の 耐震性に関 する既往の研究は非常に少 なく、被害低減のための 研究が必要である9)

3.2.シングルライン天井の 構成

図 3、写真 3に新宿校舎 シングルライン天井を再 現した試験体の構成を示す。吊りボルトからC型断 面の部材(Cチャンネル)をCC-19ハンガーで吊り、

そこから CTクリップを介 して 直交方向に T型断面 の部材(T バー) を吊り下 げる。天井板は片側を T バーで支持され、反対側は 同じくTバーで支持され るが、壁際では L型 断面の 部材(Lバー) で支持さ れる。東北地方太平洋沖地 震では 壁際の Lバー側で の被害が多く見られたため 、本実験の試験体は天井 板を TバーとLバーで支持 する構成とした。岩綿吸 音板の天井板以外の部材の 材料はすべて鋼材である。

表1に天井構成部材の重量、図4に平面図を示す。

図 2 振動台再現波形と目標波形 写真 2 落下した天井

①Tバー

_eT4025ストレート

⑥CC19-ハンガー ⑤CTクリップ

④Cチャンネル _CC-19

写真 3 試験体天井の構成

③Lバー

⑥CC19-ハンガー

②Hバー ①Tバー

④Cチャンネル

⑤CTクリップ

⑦吊りボルト全ネジ3分ボルト

図 3 試験体天井の構成 図 4 試験体天井板平面図

(3)

テーマ2 小課題番号2.1

3.3.振動台実験概要

写真 4 に試 験体 と実 験装 置の概 要を 示す 。試 験体 の 天 井 は 振 動 台 上 の 鉄 骨 フ レ ー ム か ら 吊 る 。 鉄 骨 フ レーム自体の1次固有振動数は約20Hzであり、十分 に剛で振動台と1体化すると考える 。

天 井 の 両 側 に 木 造 壁 面 を 構 成 し 、 壁 面 に 天 井 板 を 支持する L バーを取り付 けた。 木造の壁は振動台よ り 片 持 柱 と 控 え で 支 持 さ れ て お り 、 天 井 面 レ ベ ル で は多少振動台の入力から増幅があると思われる。

天井板を支持部材のTバー とLバーのフランジ に 載せる際、施工上両端に隙間ができる。以下「隙間」

とは図5に示すように天井板両側の隙間の合計とす る。12mm 以上の隙間では 、 揺れで天井板が片側に 寄り切ると片側の掛かり代 がゼロになり 落下する。

工学院大学20~28階にて調 査した実際の隙間をヒス トグラムで図6に示す。調査結果をもとに試験体の 隙間を平均値の 10mmと、Tバーのフランジ幅より 大きくかつ施工調査によっ て複数箇所見られた隙間 14mm の 2種類に設定した 。但し 実際に組み立てた 試験体の隙間は施工精度に 多少のバラつきがあり 、 全体的に設定値よりやや狭くなっていた(図7)。

振動台への入力は周期一定 の振幅漸増波を採用し た。図8に加振時に計測した振動台上の加速度波形 を示す。継続時間は80sで 、各入力波の加速度、速 度、変位の最大値は周期0.5sで958cm/s/s・64 cm/s・

5cm、周期1.0sで580 cm/s/s・71 cm/s・11cmであっ た。実験条件を表3、4に示す。

3.4.落下加速度と既往のク ライテリア

表5に天井板の滑り出し、表 6に天井板の落下開 始時の加速度を示す。加速 度は振動台上に設置した 加速度センサーの計測値で ある。滑り出し、落下開 始加速度ともにwebカメラ の実験映像から 目視で特 定し、その前後半周期中の 加速度最大値を滑り出し、

落下開始加速度としている 。天井板の滑り出しは加

速度 200~300cm/s/s の間 、落下は加速度 300~600

cm/s/sの間で発生 している 。

写真 4 試験体と実験装置

Cチャンネル

天井板 吊りボルト

Lバー CTクリップ

Tバー

隙間B 隙間A 1435(天井板支持間距離)

1421~1425mm(天井板寸法)

(木材)

Tバー Lバー

25 12

隙間A+B(両側)= 10mmもしくは14mm

12

天井板が支持部材に載っている幅=掛かり代

図 5 天井板の隙間

4 3

5 4

7

4 8

5

4 4

1 0

2 4 6 8 10

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

枚数

Tバー・Lバー隙間合計値[mm]

標準偏差= 2.73

図 6 天井板の隙間の実態調査結果

0 10

21 20 21

14

8

2 0 0

5 10 15 20 25

4 5 6 7 8 9 10 11 12

数量

隙間値

隙間10mm

0

4 5

8 10

1 2

0 0

0 2 4 6 8 10 12

8 9 10 11 12 13 14 15 16

数量

隙間値

隙間14mm

図 7 試験体の天井板の隙間

図 8 加振波形

実験パターン 隙間設定条件 隙間 設定値[mm]

隙間 実測値[mm]

隙間実測値 標準偏差

[mm]

隙間<掛かり代 10 7.0 1.24

隙間<掛かり代 10 8.3 1.26

隙間>掛かり代 14 11.5 1.54

隙間>掛かり代 14 11.6 1.97

表 3 実験パターン

実験パターン 入力波 最大加速度

[cm/sec2]

最大速度 [cm/sec]

最大変位 [cm]

②、④ 漸増振幅波

周期0.5秒 958 64 5

①、③ 漸増振幅波

周期1.0秒 580 71 11

表 4 実験パターンと入力の組み合わせ

(4)

過去の被害地震における被 害統計により定められ たシステム天井の損傷クライテリア10)を表7に示す。

また図9に実験結果との比較を示す。落下加速度は 隙間(施工精度)にも依存 するが、実験における天 井板の落下と地震時の被害はともに300gal程度で生 じており、クライテリアの 損傷度 2「一部パネルの 落下およびラインに曲りや ズレが発生」の 床応答加 速度の下限は300galに下方 修正すべきと考えられる。

3.5.落下のメカニズム

隙間設定値14mmの実験 パターンでは、落下が天 井の端から発生するケースが多い。一方隙間 10mm では本来掛かり代は不足しないが、T バーの支持ス パン中央部から落下し始め ていることから支持部材 のTバーが変形しているも のと考えられる。

加振後の落下状況及び実 験映像により、 天井板の 落下までは概ね図 10 のよ うなプロセスをたどるこ とが判明した。揺れ始めは 天井板がばらばらに Tバ ーに衝突するため作用する 慣性力 も小さく変形はあ まり生じない。しかし徐々 に天井板が連なって移動 するようになり、複数の天 井板がTバーに同時に衝 突することによりTバーが 大きく変形して天井板の 支持間隔が広がり、天井板の落下が生じる。

上記のメカニズムをTバー と CTクリップの静的 加力実験(図11)で検証し た。試験体は振動台の天 井と同様にCTクリップで3点支持したTバーで、

損傷度1 部材の脱落はない 一部のボードがずれる

損傷度2 天井のラインに曲りやズレがある 一部のパネルが落下するが設備の落下はない 損傷度3 天井の部材がずれ、変形・落下する 重量部材が落下する

損傷度 床応答加速度[cm/s/s]

150≦A≦500 500≦A≦1200

1200≦A 表 7 システム天井のクライテリア10)

図 10 天井落下プロセス

発生順序

1 2 3 4

落下 メカニズム

天井板 の挙動

天井板が動き出す

少し動く

天井板が連なって動く

大きく動く事によりTバー・

Lバーに当たり天井板が隣り 合う天井板と一体的に動く

一体的に動いた天井板の衝突 により、Tバーが変形し落下する。

天井板が一体的にTバーに衝突 地震発生

Tバー Lバー

Tバー

地震発生 天井板

天井板が動き出す 天井板が連なって動く Tバーに衝突後落下

0 100 200 300 400 500 600 700

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 落下開始加速度[cm/sec2]

隙間[mm]

天井板が片側に寄っても

自然に落下しない隙間 天井板が片側に寄った場合 自然に落下する隙間

損傷度1 150A500

損傷度2 500A1200

-300 700

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

実験パターン① 周期1秒_隙間10mm 実験パターン② 周期0.5秒_隙間10mm 実験パターン③ 周期1秒_隙間14mm 実験パターン④ 周期0.5秒_隙間14mm

図 9 クライテリアと実験結果

No.1 No.2 No.3

227 208 219

226 196 229

- 205 219

233 284 248

試験No.

実験パターン

滑り出し加速度[cm/s/s]

表 5 滑り出し加速度

No.1 No.2 No.3

403 511 390

550 450 601

367 386 377

315 363 355

試験No.

実験パターン

落下開始加速度[cm/s/s]

表 6 落下開始加速度

1,800

100 1,600 100

100 200 400 400 400 200 100

変位計配置① 変位計配置② 変位計配置①

試験体(Tバー)

図 11 Tバーの横曲げ試験

(5)

テーマ2 小課題番号2.1

トーナメントを用いて等分 布荷重を模擬した水平荷 重を横方向に加力し剛性を同定する。横変位にはCT クリップの回転も含むため、回転剛性の同定も行う。

同定した剛性を用い、実 験時の落下加速度から算 定した慣性力を加えてTバ ーの変位を 算定すると最 大約 2mm となる。もとの 隙間を 10mm とするとち ょうど掛かり代がゼロとなる12mmに達する。

4. 落下防止対策の考案と検証実験 4.1 落下防止対策

実験で判明した落下原因をもとに、写真5に示す 落下防止用金物を考案した。天井板を支持するTバ ーおよび L バーのフラン ジに補強金物を取り付け、

天井板の掛かり代を 20mm 延長させるものであり、

Tバーのフランジにボルト またはビスで固定する。

天井内部の施工が不要で素 人でも居室側から簡便に 施すことができる点が大きな特徴である。

また、天井板を支持するCチャンネルは水平方向 に周囲の壁面(石膏ボード )で支持され、揺れが抑 えられるが、慣性力が大き いとチャンネルが石膏ボ ードを貫通するパンチング シア破壊が生じるため、

C チャンネルが石膏ボード 壁に接する部分に隙間を 設けて鋼板金物を挟み込み、C チャンネル衝突時の 集中荷重を分散させる。金 物は周り縁のLバー上に 装着する。補強金物の板厚は1.6mm、石膏ボードに 接する面の大きさは高さ90mm×幅50mmである。

4.2 検証実験

試験体平面を図 12 に示す 。天井面は前述の落下 実験より大型で、8枚の天 井板を両端の壁際 2列と 蛍光灯ユニット(幅 330mm のラインに設置)の間 に 2 列配置した。 天井板両端の隙間は 10mm とな るように設定した。C チャ ンネルと接する壁には厚

さ 12.5mm の石膏ボードを 使用し、石膏ボード壁と

Cチャンネルの隙間を2mm程度設けた。

実験は、補強金物を取り付 けない無補強の場合、

天井板の落下防止用金物を 設置した 場合および落下 防止用金物と壁補強金物を設置した場合の計3パタ ーンで行った。加振波は周 期 0.5sの振幅漸増波(図 8)である。

無補強天井の加振後の損傷状況を図13、落下防止 用金物のみで補強した天井 の加振後の損傷状況を図 14、落下防止用金物+壁補 強天井における加振後の 損傷状況を図 15 に示す。 無補強では 32 枚 中 31 枚

(97%)の天井板が落下し 、Tバー、Cチャンネル

写真 5 落下防止金物

1,080 530 1,235 1,435 530

1,435 1,435 330

330 1,435

5,592 627

5,592

255 527

3,64040890890890890 40

3,640 3,200220220 3,2001,4601,300100120100120

図 12 試験体平面図

石膏ボード 破壊

石膏ボード 破壊 Tバー曲げ変形

Tバー曲げ変形

Cチャンネルの湾曲 照明器具反射板外れ

ハンガー滑り ハンガー滑り

CTクリップ

Cバーの湾曲 滑り 天井板

ズレ 天井板

ズレ

CTクリップ 回転変形

Tバーフランジ 局部座屈 落下

落下 落下 落下 落下 落下 落下 落下

落下 落下 落下 落下 落下 落下 落下 落下

落下 落下 落下 落下 落下 落下 落下 落下

落下 落下 落下 落下 落下 落下 落下

図 13 加振後の状況(無補強)

脱落 落下 落下 落下 脱落 脱落 石膏ボード

破壊 石膏ボード

破壊

石膏ボード 破壊 ハンガー滑り

Cチャンネル 湾曲

Tバー曲げ変形

天井板 ズレ 天井板

ズレ

天井板

ズレ 天井板

ズレ

Hバーの外れ

ボードの開き Hバーの外れ

天井板 ズレ

天井板 ズレ

石膏ボード 破壊 石膏ボード クラック

石膏ボード 破壊 Tバー曲げ変形

脱落 落下 脱落 脱落 脱落

照明器具 反射板外れ

CTクリップ 回転変形

図 14 加振後の状況(落下防止金物のみ)

天井板 ズレ

ボードの開き

CTクリップの外れ ボードの開き

ボードの開き

天井板 ズレ

ハンガー滑り

ハンガー滑り

Cジョイント部で バーの湾曲

ハンガー滑り

天井板 ズレ

天井板 ズレ 天井板

ズレ CTクリップ 回転変形 天井板

ズレ

ハンガー滑り

照明器具 反射板外れ ボードの開き

ハンガー滑り

図 15 加振後の状況(落下防止金物+壁補強)

(6)

の変形や湾曲、CTクリップ とハンガーの滑りや照明 器具反射板の外れが見られた。またCチャンネルの 石膏ボード壁への衝突によ り、負担荷重の大きい中 央のCチャンネルが接する 石膏ボード壁に押し抜き 破壊が生じた。

落 下 防 止 金 物 の み で は 、 天 井 板 の 落 下 が 4 枚

(13%)、脱落が7枚(22%)の他、下地材の変形が 生じた。天井板の落下が無 いため慣性力が大きく、

衝突により全てのCチャン ネルが接する石膏ボード 壁で押し抜き破壊またはク ラックが生じた。なお天 井板の落下は押し抜き破壊以降に生じている。

落 下 防 止 金 物 + 壁 補 強 で は 、 天 井 板 の 落 下 は 生 じ なかった。加振後、天井板 の多くは、TバーおよびL バーの掛かり代から外れて いたが、落下防止用金物 で支持されていた。また石 膏ボード壁の損傷もなく、

壁補強金物の効果も確認す ることができた。入力加 速度最大値の約900gal程度 の入力であれば今回の落 下防止対策は有効である。

しかしながら、実際の天井 のスパンは今回の試験 体の数倍であり、特に壁面 に作用する慣性力 は規模 の影響を直接的に受けると考えられる。図16は、振 動台の最大加速度に天井試 験体の質量を乗じた慣性 力と、ひずみゲージにより計測したCチャンネルの 最大軸力(3本の合計)の関 係を示したものである。

いずれもCチャンネルの軸 力の方が慣性力を上回り、

壁面との衝突や天井面の応 答増幅の影響が表れてい ると考えられる。C チャン ネルの 軸力(=壁が受け る力)の推定が次の研究課題である。

5. まとめ

ここでは東北地方太平洋沖 地震で落下が頻発した 新宿校舎のシングルライン 天井の落下原因を 新たに 開発した振動台(大変形加 力装置振動台)を用いた 実験で解明し、簡易に施工 可能な落下防止対策を考 案して検証実験を実施した 。しかしながら 実際の大 空間に落下防止対策を施し た際、周囲の壁面 が慣性 力で損傷する可能性が見出 された。このような壁の 損傷の定量的評価と対策は今後の課題となる。

謝辞

当研究の実施にあたり、元 結正次郎東京工業大学 教授、水谷国男東京工芸大 学教授、大橋一正工学院 大学名誉教授から貴重な助 言を頂いた。 落下防止金 物の製作には三洋工業株式 会社の協力を得た。 実験

と研究は久保智弘氏(元工 学院大学特任助教)およ び当時工学院大学に在籍し た大学院生・学部生と共 に実施した。以上ここに記して深謝を表す。

参 考 文 献

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司 ・ 小 泉 秀斗:大 変 形 加 力装 置に よ る 複 合機 の 挙動 実 験 に つ い て,日 本 建 築学 会 大会梗 概 集 、B-2,

pp.1245-1246, 2012.9

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ン グ ル ラ イン 天 井の 耐 震性 と落 下 防 止 対策 に 関す る 研 究 そ の2:補 強 金物 に よる 落下 防 止 対 策の 概 要, そ の3: 補 強 金物 に よ る落 下 防止対 策 の 性 能確 認 実験, 日 本 建 築 学会 大 会梗 概 集B-1 pp.969-970, 2014.9 7) 斉 藤 大 樹,高橋 徹,小 豆畑 達 哉,野口 和 也,箕 輪親 宏 : 大

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状 況 の 分 析,長周 期 地震 動 対策に 関 す る 公開 研 究集 会 , p.151,2012.3

図 16 Cチャンネル軸力と慣性力

参照

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