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キ ャ ッ シ ュ

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全文

(1)

亅

M −

〈管理会肖[学 会r志

{島

:

∫早会Iiir

幽

ji

’2000 年 第8巻 弟1

・

2 脅

f

洋岩

.

総 合 報 告

キ ャ

ッ

シ

ュ

フ

ロ

ー 重 視 の 経 営

池 田   和 明

*

〈

論 文 要 旨

〉

 

キャ ッ シュ フ ロ

ー

の重視が 日本企業に も浸 透 しつ つ あ る

.

しか し誤 解 さ れて い るこ と も

多

い よ う だ

.

例えば

,

単なる運転 資 本の 効 率 化

,資

金の 集 中 管理 また は不 採 算

事

業の 整理 だ と捉 えら れた りしてい る

.

我々 は キ ャッ シュ フロ

ー

重 視の経 営 とはバ リュ

ー ・

ベ

ー

ス ト

・

マ ネジ メ ン ト (企 業 価 値 経 営 ) と同 義と考えてい る

.

それ は

,

戦 略 的 意 思 決 定 や業 務 的意思 決 定におい て企業 価 値 増 大 とい う判 断基準を適 用 することで あ る

.

これ に

よっ て

自

社の価 値 増 大に

向

けて

,

企業全体のベ ク トル を揃 えるこ と がで きる

.

 

顧客の 長 期 戦 略

構

想 策 定 におい て

,

我 々 は シ ナ リ オ

・

エ ン ビジ ョニ ン グ とい うアプロ

ー

チを

使

うこ と がある

.

これ は劇

的

な

事 業環

境

変

化に

直

面 し てい る企

業

に

特

に有

効

な

方

法 で あ る

.

ま ず 顧 客 と 共 に 将来の

事

業環境 に 関 す る 複数の シ ナ リ オ を作成 す る

.

そ し て 現 状の事 業モ デ ルが新 た な 環 境で有 効に機 能 する か否かを 評 価 する

.

そ して新たな 環 境

に対 応 する た めの 事業モ デ ル の構 想 を策 定 する

.

こ の過 程で , 環 境 変 化の影 響 評 価お よ び戦 略 代 替

案

の経 済 的 効 果 定量化のた め に企業価 値 分 析を実 施 する

.

 さ らに企 業 価 値 増 大の現 実 化に は

,

戦 略だけでは な く事 業 運 営が重 要である

.

企業の あ ら ゆ る レベ ル の

構

成 員 を 企

業

価値 増 大 に

向

けて動

機付

け る こ と が 望 まれ る

.

そのた め には期間業 績 を 的 確 に 測定 する評 価 指 標が 必 要と なる

.EP

(

Economic

 

Profit

)はその

目 的に適し た指 標である

.

〈 キ

ー

ワ

ー

ド〉

キャ ッ シュ フロ

ー,

企業 価 値 分 析

,

シナリ オ

・

エ ン ビジョ ニ ン グ

,

業 績 評価

指

標

,

エ コ

ノ ミック

・

プロ フ ィ ッ ト

1999年 8 可 受付

2000年 2月 受理

*

プ ラ イスウ

ォ

ー

タ

ー

ハ ウスコ ンサル タ ン ト株式 会 社 戦 略コ ンサル テ ィ ン グサ

ー .

ビ ス事業 部 シニ ア

・

マ ネ

ー

ジャ

ー

(2)

管 理 会 刮 学2000 年 第8巻 第 1

・

2 含 併号

1 . は じ め に

 

日 本で

今

, キ ャ ッ シュ フ ロ

ー

重 視の経

営

が

着

目さ れて い る が,

運 転資 本効 率化

,

投 資

の 圧縮,

お よび

不採 算 事業

の

切 捨

て とい っ た

面

が 強

調

さ れ 過 ぎ

, 本 来

の 意

味

が 曲

解

さ れ てい る こと が

多

い

.

キャ ッ シュ フ ロ

ー

重 視の 経 営 と は

, 企

業

価 値, す なわ ち企

業 自体

の

市

場 価 値の 増 大を指

向 す

る

経 営

で

あ

り

,

バ リュ

ー ・

ベ

ー

ス ド

・

マ ネジ メン トと

同 義

で ある

.

企

業価 値

の

増 大

の ため に

は,

戦 略

立

案

と

事 業

運

営

の

両方

が 重

要

であ る

. 本 稿

で は,

我

々 の キ ャ ッ シュ フロ

ー

重

視経営

に

対 す

る

考 え 方

と, 顧

客

で

あ

る 企

業

の

皆様

に

提 案

し,

共

に

実 践

して い る企

業 価値 向

上に

向け

た

戦

略

策定

と

事 業

運 営につ い て述べ る

.

2 . キ

ャ ッ

シ

ュ フ ロ

ー 重 視 の 意 味

 

ブ リニ

・

キ ャ ッ シュ フ ロ

ー ( FCF )

は 企

業本 来

の

事 業活 動

か ら

創 造

される キ ャ ッ シ ュ フ ロ

ー

で あ り

,資

金

調

達

活 動

に

関

る キャ ッ シュ フ ロ

ー

は 含 ま ない

. 今

,

経 営管

理

指 標

と して

FCF

が

注

目さ れ る理

由

の ひ とつ に

,

財 政

状 態

や

資

金

繰

鯛悪

化

し た 企

業

の

増 加

が

あ げ

ら れ る

.

こ

う

し た 企

業

は

年 度

の

FCF

を

黒字 化

し財 政

状 態

を

改 善 す

る必

要

がある

.

そ こ か ら

,

キ ャッ シ ュ フ ロ

ー

重

視

とは,

投 資

を 圧縮 し

事 業 展

開 を

絞

り

込

む

縮

小

指 向

の

経営

で

あ

る とい

う

誤 っ た認 識が 生 れ が

ち だ

.確

か に過

大

な 成

長 期待

や

精 度

の

低

い

経 営 管

理 が

原

因で 過

剰投 資

と なっ た 企

業

,

自社

の

強

み につ い て 吟 味せ ず 横 並 的に事 業

展

開 して きた 企 業にお い て は, 縮 小 施 策は有 効 であ る

.  

た だし

,本 来

は

投 資期

間を 通

算

した上 で

FCF

が プラ スで

あ り,

か つ

資本

コ ス ト を 上 回る

余 剰

を

創 造 す

る

投 資

案

件

は

実行 す

べ き だ

.

そ

う

し た

投 資

案

件

が ある と き, ある

年 度

の

FCF

をマ

イ ナ ス に して , そ の分 外 部 か ら資 金 調 達 す る こ と は , 当 然 合 理 的で ある

. 一

律

に

年

度 の

FCF

を 黒

字

化 す る こ と がキ ャ ッ シ ュ フ ロ

ー

重

視

で は ない

.

 

キ ャ ッ シ ュ フ m

一

重 視 の 目 的 は, 企 業 価 値や

株

主 価 値の 増 大 にある

.

株 主

資

本は , 株 式 と し て 流

動 化

さ れ

売

買

価 格

がつ く

.

上 場企

業

で あ れ

ば 株 式 市

場で

時

価 評 価 さ れて お り

, 株

価に発 行

済株

式

数

を

乗

じ た

時

価 総

額

が,

文 字

ど お

り資

本の

時

価 を

表

してい る

.

こ の

時 価総 額

に

有 利子 負 債

の

時

価 を 加 え た もの が , 企

業

の 「

経 済的

な

」

価

値

で あ り, 企

業価 値 (

ま たは

市場 価 値 )

と

呼 ば れ る

.

時 価 総 額の

部

分 だ けで みれ ば 株 主 価

値

と なる

.

企 業 価

値

と

投

下資 本

( 修

正

項

目 を 反

映

し た もの

)差

額は

MVA ( Market

 

Value

 

Added

:市 場 付 加 価 値

)

と呼ば れ る

.

 

企

業価 値

は

,過 去

の

業績

で は な

く,将

来に対

す

る

期 待

に よ っ て形

成

さ れ て い る

、 株

価の低 迷 は, 企 業の 未 来 に 対 す る

投 資

家の

評

価 が

低

い こ と を 意

味

する

.

財

務 諸 表

の

情 報

は,

過 去 情報

と して今 後の 期 待 形 成へ の イン プッ ト と なるが , そ れ 以 上の もの で は ない

。

企 業 価

値

の形 成 過

程

を 説 明

す

る 最

も

基 礎 的 なモ デ ル は

,言 う

ま で も ない が

割

引 キ ャ ッ シ ュ フ ロ

ー ( DCF

:

Discounted

 

Cash

 

Flow )法

である

.

 

DCF

は,

資

本の時 価 は, 企 業 が 将 来 獲

i

得 す るで あろ う 期 待

FCF

流

列

の

現在

価

値 合計

に よっ て 決

定

さ れ る と

考

える

.

  株 式

市 場 に お ける 自社 の 評 価 を 注 視 する経 営 者 が 増 加 してい る

.株

式 市

場

と

積 極的

に コ ミュ

ニ ケ

ー

ト し

,

自 社の価

値

に関

す

る

情 報

を

伝

える ことで

,

よ

り適

切 に 評

価

さ れ る よ

う

に な る

.

ま た市 場 か らの メ ッ セ

ー

ジに 関 心 を

持

つ こ とで

, 自社

の 状 況 を

客観 的

に

見

る こ とが

出来

る

.資 本 市 場

の 主

要

プ レ イ ヤ

ー

で

あ

る

機

関 投

資

家は, 経 済 環 境, 産

業

動

向

, 投

資

企 業の 戦 略, 競 合 他 社

の

動

向

,

に関 して

多

くの

情 報

を

持

ち

,洗 練

さ れ た

投 資 判 断

を

行

っ て い る

.彼

ら が 企

業

を評 価 し

(3)

キ:

・

ッシュフ ロ

ー

重 視の経 営

た 結

果

が

, 資 本市 場

で の

時

価 に反 映さ れ てい る

. 資 本市 場

に 関 心 を

持

つ こ と に よっ て,

彼

らの 持つ 情 報と判 断 を 企 業 経 営 に取 入れ る こ とが 出 来る

.

投 資 家の言 う 通 り経

営

すべ き とい

う

つ も

り

は ない

.

し か し

自分

の

姿

を

鏡

に映 し て

見

る こ とは重 要 だ

.

3 . 企 業価 値 増 大 の た め の 経 営

 

企

業

は

,

ドメ イ ン

( 事 業領

域

)

を

定義

し

, 経 営資 源

を

投

下 し

, 競 争

優

位

の

確

立 を

試

み る

.

こ れ らを 検 討 する こ とが 戦 略 立 案で ある

.

こ こ で は他 社に 出 来 ない こ と

,

他 社 が や ら ない こ と

,

をや るの が重 要で ある

.

過

去

, 日

本

企

業

は こ れ が

苦手

であっ た

.

もちろ ん全 て の 日 本 企 業が そ

う

で あっ た とい

う訳

で はな く

, 一

般

論

で はあるが

.経 済

が

持続 的

に成

長

してい た

時代

で は

, 戦

略 を明 確に し 他 社 との 差 別 化 を

考

え ず と

も,

同 じこ とをよ り効

率

的 に 実 施 する こ と で成 長 す る

こ とが 出

来

た

.

そこで 日

本

企

業

の

経営

に お い て は

,事 業運 営

の

効 率

が 重

視

さ れ て

き

た

.

効

率

は 重 要で はあ るが, それ だ けで は ダメ だ

.

長 期 的 な 観 点 か ら,

有

形, 無 形の

資

産 に

投資 す

る とい

う行

為 は, 極めて 戦 略 的 な もの で ある

.

過 去, 日 本 企 業は高 水 準の投

資

を 継 続 して き た

.

し か し その 投 資 に関 す る意 思 決 定 は

,

他 社 に追 随 す る とか, 既 存

市

場の 成

長

を

当

て込ん だ もの で

あ

っ て

,

戦 略 的

意

図 を

持

っ て い なかっ たの で は ない か

.

 

そ して , 戦 略の重 要 性 と同 じ くらい 事 業 運 営 も 重 要で ある

.

素 晴 ら しい 戦 略 が 出 来 て も

,

適 切に実

行

されな けれ ば

意

味が

無

い

.

また

事 業

運 営が

非

効 率で は, 戦 略は 実 行 で

き

ない

.

よっ て,

有 効 な 戦

略

と

事 業

運 営は 企

業

価

値 向

ヒの両

輪

で ある

.

シ ナ リ オ

・

エ ン ビ ジ ョ ニ ング に よ る 戦 略 策 定

  事 業

環

境

の

変

化 が

激

しい

業

界 に お い て は, 将 来の

事

業 環 境につ い て , ある

一

つ の 状 態 を 想

定

して戦 略 を

策 定

す る

手 法

は

有

効と は

言

え ない

.

想

定

と全 く異 なっ た

環 境

が

現 実

と なっ た

時, 過 去

に立

案

し た戦 略は

意

味を

無

くして し ま

う.

企 業を取 巻 く環 境 変 化 は激 し くな る

一

方の よ うに 思 える

.

技 術

革 新

に よる産 業

構

造の 激

変, 規

制

緩 和, 新

しい タイ プの

競 合他 社参

入 に よ る

競 争

の 変 質 とい っ た, 現 状の 延 長で はない, 不 連 続 的 な 新 しい

事 業 環境

が 出 現 する可

能 性

が

高

い 産 業が

多

く なっ て い る

.

それ は企 業 に とっ て脅

威

で あるが , 裏 返せ ば新た な 成 長の 機 会で も あ る

.

 

シ ナ リ オ

・

エ ン ビジ ョ ニ ン グ は, 激 変 す る

事 業 環

境下で 有

効

な 戦

略

立

案 手法

で ある

. 将 来

の

事 業環 境

につ い て

複数

の シ ナ リ オ を

作

成

す

る

.

そ して

, 各

シ ナ リ オ が現

実

化し た場

合

, 現 状の 戦 略で い っ た ら自 社は どう なるの か

,

ま た 勝 ち

残

る た めに 有 功 な 新 た な 戦

略

につ い て

, 真

剣 に

検 討

し て お く

。

人 間や

組織

は

,経

験がある こ とに は 上

于

に対 処 で きる 可 能 性 が高い

.

シナ リ

オ

・

エ ンビ ジ ョ ニ ングに よっ て

, 企 業は未 来の経 験を獲

得

で きる

.

 

シ ナ リ オ

作

成

時

に は,

何

をシ ナ リ オ の主 題 (シナ リ オ

・

ドラ イバ

ー )

に す る のか ,

何 年 後

(

シ ナ リオ

・

タ イム フ レ

ー

ム

)

の

事

業 環 境 を予 測 する の か, そ して 将 来の シ ナ リ オ テ

ー

マ の

変 動

範

囲 (

バ ウン ダ リ

)

を ど

う

見 る のか

,

につ い て

留

意 す る

.

シ ナ リ オ

・

ドラ イバ

ー

と して は

,

不 確 実 性 が 大 き く, かつ 自 社に与 える影 響 が 大 きい 要 因 を 選

定

する

.不確 実性

の 小 さい

要因

で あ れ ば, その

変動

につ い て シナ リ オ を

作 成 す

る必 要は な く

,

対 処 す る た めの戦 略 を 立 案 し 事 業 計 画 に織 込め ば 良い

.

また不

確

実 性 が 大 き くと も

,

自 杜に

与

える

影 響

が

小

さ い

要 因

に つ い て は,

真

剣

に

考

える必 要は ない

(

図

1 参

照

〉 .

(4)

着王里会言1弓冫2000 舞 第8巻 第1

・

2 含 併 弓

凵

〈

n

大

小

事 業 計 画

に

反 映 す

る

課 題

 

. ・は

     

遡匸 ’

   

げ

難  

、

         鯲 滞

、

繰

・

獸

・

1

…

  轗 薫 轟

痛 講      櫻 龝鯉 藩

‘

監講噸 騨 §騨 嬾 嚶

…

モ ニ タ

ー す

る

    課

題

モ ニ タ

ー し 再 評 価 す

る

  課

題

小

不 確 実 性

図

1

  シ ナ リ オ ドライバ の 抽 出

大

 

シ ナ リオ

・

ドラ イバ

ー

が

選 定

さ れ た ら,

次

に

各

々 の

相

互

作 用 ,

す な わ ち

各

ドラ イバ

ー

の

変 動

の

相関 分析

を

行

う

.

そ して

作

成 す るシ ナ リオの フ レ

ー

ムワ

ー

ク

(

枠 組

)

を 決 定 する

. 各

シナ リ

オ は単 なる バ リエ

ー

シ

ョ ンで はな く, 本 質 的 に

異

な っ た未 来 につ い て

記

述し, シ ナ リ オ

数

を

あ

ま り

多 く

し ない こ とが 重

要

で

あ

る

.

また

,

シ ナ リ オ が

整合 性

を

持

っ てい る こ と は

当然

と して

,

内 容 が もっ とも ら し く, かつ 現 状の 延 長 で はない 新 しい 未 来 を 描 出 して い る必 要があ る

.  

そ し て

,

戦 略の

策定

過 程 に お い て は

,代 替案

の

投 資効

果を

定

量

化

し

,経 済性

を

評価

し た 上 で

,

実 施の 可 否 や 優

先

度 が 決 定 される

.

経 済 性 とい う 価 値 判 断 基 準 は 企 業 経 営の 根 本 である

.

経 済

性

評 価の フ レ

ー

ム ワ

ー

ク と して

, 従 来の

会

計 に よ らず

,

企

業

価

値

概

念

を

適

用

す

る ことに よ っ て

,

よ り的

確

な 意 思

決定

が 可

能

と なる

.

  こ れは シナ リオ

・

エ ン ビ ジ ョ ニ ン グに おい て も 同 様 である

.

シ ナ リオ で想 定 し た事 業 環 境 の 中で ,

自

社の 企

業

価

値

は ど う なるの か

.

ま た

,

その

事 業環 境

の 中で

有

効 な 戦 略 は 何 か

.戦

略シ

ナ リ オ 策 定 プロ ジ ェ ク トで は, こ の

2

つ の 質 問 に回

答

する た め に

,

企

業

価 値 分

析

を実 施 する

.

そ の た め に

,

企

業

価

値

をそ の

決 定要

因

(

バ リュ

ー

ド ラ イバ

ー

と

呼

ばれ る

)

に

因数 分解

し

,

モ デ

ル 化 してお く

.

また ,

各

要 因の企

業

価

値

に

与

え る 重

要

度 分 析

(

感 度 分 析

)

は

,

戦 略

代替

案の 抽 出 と評

価

に

有益

な

情 報

を

提 供 す

る

.

業

績評価

指 標へ の

EP ( Economic

 

Profit )

の

導

入

 

企 業は 人 間の集 りで あ り

,

戦 略に従 っ た

事 業

運

営

を

行

うの は 企

業

の

構

成

員

で ある

.

よっ て

,

戦

略

の

実行

に は,

彼

らを

動機

づ ける こ とが

重

要 となる

.

ま た

事 業

運 営の

効 率

性 を測 定 し, その

改 善

を 企

業 構 成員

に

動 機

づ

け

る

仕

組が

必

要で

あ

る

. 更

に

, 経 営 陣

は

, 適

切 な 頻

度

で 戦 略の 実

行

状 況とその 結 果 およ び効 率 性 を把 握 す る必 要 が あ る

.

そ れ を 可 能 とする仕 組 が

業

績 評 価

指

標

体 系

で

あ

る

.

  戦 略

の

実行

を

動機

づ

け

るため に

, 当 然

なが ら

業 績

評

価指 標体 系

は

戦 略

と

整 合 性

を もっ てい る 必 要 が ある

.

また, ケ

ー

ス

・

バ イ

・

ケ

ー

ス で ある が

,

戦 略 を 明 示 する ために は

,

財 務 指 標だ け で はな

く他

の 切口 での

業績 評 価指 標

を 設

定す

るこ とが

有 効

な場

合

が

あ

る

.

こ れ らの 財 務 指

標

以 外 の指 標 を適 切 な 切 り口で バ ラ ン ス させ ると い うコ ン セ プトをバ ラ ン ス ド

・

ス コ ア カ

ー

ド と

呼

(5)

キヤツシュ フロ

ー

重 視の経 営

ぶ

.

こ の コ ンセ プ トを

提唱

し た カ プラ ン とノ

ー

トン は

「

財

務 」

,

「

顧

客」

,

「 学

習 と成 長

」

,

「

杜 内 ビ ジネス プロ セ ス

」

とい

う 4

つ 切口 を

あ

げてい る

.

ま た, そ れ 以

外

に も

様

々 な切口 が

提

唱 さ れ お り, 導 入 す る企 業は 自 社に適 し た切 り冂 を設 定 して い る

.

 

バ ラン ス ド

・

スコ ア カ

ー

ドの も

う 一

つ の

意味

は , 財 務

指 標

に

影 響

を

与

え る で あろ

う事象

を

事

前 に

認

識 し

測 定す

る こ とに ある

.

こ

う

した

指

標 を 先

行 指 標

と

呼

ぶが ,

先行 指 標

を

認 識

し測

定 す

る こ とで , 問 題

点

に関 する , よ

り素

早い ア ク シ ョ ンが 可

能

とな る

.

 

た だ し

,経 済的 業績

を

測定

す る

財務 指 標

は

最

も 重

要

な もの で ある

. 年 次

の

業績 測 定

に は

,

企 業 価 値 の よ う な

一

定 時 点の ス トッ クで は な く, 期 間 内の フ ロ

ー

概 念の 指 標 が 必

要

であ る

.

こ こ

で ド記の

3

つ の

指 標

に つ い て

年 次業

績 評 価へ の

適

合 性を

検 討

して み る

.

  年

初 と

年

末の市

場価

値

(

時 価 総

額

+

有

利子

負債 )

あ るい は

MVA

の 差分

 

市 場 価

値

や

MVA

は

株

式 市 場 要 因に よ っ て も

変 化

し

,

かつ

変 動

が激 しい

.市場

や

業 種別

イ ン

デ ッ ク ス と対比 し

,市

場や

業

界 全 体の平 均 よ り上 回っ た か否か と い

う

切 り口 か ら, 企 業 全 体 に 対 して 責 任 を 負 う 経

営

者の 業 績 評

価指 標

と して は適用 可

能

で ある

.

しか し企

業 内

の

事 業部

,

部

門

, 社 員個

人の

業績 管

理

指標

に は

適

さ ない

場合

が

多

い

.

 

フ リ

ー

キャ ッ シュ フ ロ

ー

 確

かに

,

企

業

価

値

は 将

来

の

FCF

流

列

を

資 本

コ ス トで

現在 価 値

に

割

引い て

資 本 化

した もので あ る

.

し か し, 年

次

で 見た場 合, 投 資 に よ るキ ャ ッ シュ

・

ア ウ トとリタ

ー

ンに よる キ ャ ッ シ

ュ

・

イン との

対

応 関

係

に

大

きな ズ レが

あ

るこ と が

多

い

.

よ っ て ,

FCF

は

, 年 次

の

業績

評 価 に適 さ ない

.

仮 に, 本 仕 経 営 陣 が

各 事

業

部

の トッ プの 業 績 評 価 を

年

次の

FCF

で

実施 す

る とい

う

状 況 を

想 定

し て

欲

しい

.

こ

う

し た

中

で将 来に

向

け た価

値

あ る投

資

が 実

行

され る だ ろ うか

.

 

EP ( Economic

 

Profit

)

  EP

は

FCF

の

持

つ

欠点

を

補

正 してお

り

, 下

記算 式

で

求

め ら れ る

.   EP

=

NOPAT ( Net

 

Operating

 

Profit

 

A

銑er  

Tax

:税 引 後 営

業利

益

) 一

資 本使

用

料   資 本使

用

料 =投

下

資 本残 高

×

資

本コ ス ト レ

ー

ト

  EP

の 世

界

で は, 減 価 償 却

費

金

額

が

維持 投

資 金

額

であ る とい う

仮 定

を

置

くか

,

ま た は

減 価償 却 費

の

計

上 を

維 持 投資

金

額

に近づ ける よ

う

な

修

正

(す

る と

投

下

資本

も

修

正 さ れ る

)

を行っ て ,

NOPAT

を

算定 す

る

.

そ して

減

価 償 却

費

を 上 回る 純 投

資 (

こ れ を 新 規 投

資

とみ な す

)

につ い て

は

,

そ れ が キャ ッ シ ュ ア ウ トし た

年 度

の

NOPAT

か ら差

引 く

の で はな く

,資 本使 用料

に よっ て 標 準 化 し, 複 数

年 度

に亘 っ て差 引 くとい う 仕 組 に なっ て い る

. EP

の本

質

は投 資に よ る キ ャ ッ

シ ュ ア ウ ト を その

時 点

で

認 識

せず

,投 資期 間

に 亘 っ て

標 準 化

し た フ リ

ー ・

キ ャ ッ シュ フロ

ー

で ある

( 図 2 参

照

) . 年 度 業績 管

理に は

EP

が

適

してい る

.

  将 来

の

期待 EP

流

列

の 現

在 価値 合計

は

MVA

とな り,

FCF

に よ る企

業

価 値 評 価 と

EP

に よ る年 度 業 績 評 価は

,

理

論

的 な 整 合 性 が

取

ら れ てい る

.

(6)

管埋会言[学2000 年 第8巻 第1

・

2 合 「ii 71

鬮

売

上 キ ャシ ュ

利 益 率

キヤ シ ュ

 税額

      髄

・

  滋

轢 礁 難 1 鷺

運 転資 本

覊 蘿覊

壕

」

賜

肖

囎

肖 ・

、 尸、

  軸1ご 

減価 償 却 費 輳 麹 驪

肖 匸

 

柵ゴ

 

尉 ヒ

  

£ 新 規 投 資

驪 疆驤翻

資本

コ ス ト

  レ

ー

ト

図

2

 

FCF

と

EP

の関 係

4 .   む すび

 

企

業

価

値

の

増大

の ため には , 的

確

な 戦 略 立

案

と効

率

的 な

事 業

運

営

が 必 要で ある

。

シ ナ リ オ

・

エ ンビ ジ ョ ニ ング は,

激 変す

る環

境

下で

有効

な

戦 略 策定 手法

で

あ

る

.

こ の

中

で企

業 価値 分析

を

行

い

,

シ ナリ オの

影響

や , 戦 略

代 替

案の効 果 を 評 価 する こ と は

,

重

要

な 意 思 決

定

基

準

とな る

.

また , 戦 略は , 絵 に描 い た 餅で あっ て はな ら

ず

, 適 切に

実行

されて こそ

意

味 が ある

.

実

行

の た

め に は

事業

運

営

に おい て戦

略

の

達 成

を

動 機

づ ける こ とと

, 運 営

の

効率 性

が重 要で

あ

る

.業 績

評

価 指標 体系

は, そ れ ら を

実 現 す

る ため の

経 営

ッ

ー

ル で あ る

.

そ の

体 系

の

中

で 基

本

に なる

財 務指

標 と し て は

EP ( Economic

 

Profit )

が

適

し てい る

.

(7)

The Joumal of Management Aceounting,Japan Vol,8,No. 1・2 2000

,

Value Based Management

Kazuaki Ikeda*

Abstraet

Maximizing

cash

flow is becoming

a

key

corporate objective

in Japan. However the

concept

is

often misunderstood that

it is just

a working eapital management, a cash

pooling

or a

divestment

of money

losing business

unit.

We define the

cash

fiow

management as

the

same as

Value Based Management,

which means

that

applying a shareholder value concept

to

strategie and operational

decision

making,

is

a

powerfu1

way of energizing

the

whole corporation

in pursuit

ofvalue.

In

creating a

long-term

strategy, we sometimes use

Scenario Envisioning,

an

innovative technique

used

to develop

a new vision of an

industry's possible future

with our clients.

Then,

we evaluate a client's current

business

model against some

future

scenarios and

design

a new

business

model

to

survive

in

a new environ- ment.

Shareholder

value analysis

is

a

precise tool to

evaluate the

long-term

eco- nomic

impact

of environmental changes and strategic options.

To

make

Value Based Management

a reality, we need

perfbrmance

measures,

which can measure real shareholder value creation

in

a certain

period,

and we

need

to incentivize people

at all

levels to pursue the

overriding objective of

improv-

ing

shareholder value.

The Economic Profit is

suitable

for these

objects.

Key Words

Cash Flow, Shareholder Value Analysis, Scenario Envisioning, Pefbrrnance Measures, Economic Profit

SubmittedAugust 1999.

AcceptedFebrary2000.

"Price Waterhouse

Coepers

ConsultantsCo.Ltd,StrategicChange Divisien,SenierManager

参照

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