第3章 各活動・学校行事の目標と内容
第2節 生徒会活動
2 生徒会活動
中学校の生徒会活動においては,小学校での児童会活動で身に付けた資質・能 力を基礎にし,生徒の自発的,自治的に活動する態度や能力を高めていくように することが必要であり,自主的,実践的に活動できる場や機会の計画的な確保も 含めた学校の一貫した指導体制の下に運営される必要がある。
その際,生徒の自主性,自発性をできるだけ尊重し,生徒が自ら活動の計画を 立て,生徒がそれぞれの役割を分担し,協力し合って望ましい集団活動を進める よう,教師が適切に指導することが大切である。
生徒会活動は,全校の生徒が参加するものであるが,多くの活動の形があり,
その関わり方によって生徒は様々なことを学び,体験する。このため,生徒会活 動の学習過程を一つに言い表すことは難しいが,基本的には,特別活動の目標を 踏まえて生徒会活動で育成される資質・能力は「問題の発見・確認,議題の設定」,
「解決に向けての話合い」,「解決方法の決定」,「決めたことの実践」,「振り返り」
といった実践も含めた全体の学習過程の中で育まれる。
具体的には,例えば生徒総会において,生徒会として協力して取り組むべきこ とを合意形成して実践し,その成果等を踏まえて次の取組につなげたり,各種の 委員会で取り組むことを決め,実践し,振り返って次の課題に向かったりすると いう活動が考えられる。いずれの活動においても,生徒が自発的,自治的な学級 や学校の生活づくりを実感できるような一連の活動を意識して指導に当たる必要 がある。生徒会活動の具体的な学習過程は,例えば次の表のように表すことがで きる。
第3章各活動・学校 行事の目標と 内容
2 生徒会活動の内容
生徒会活動の内容については,学習指導要領第5章の第2の〔生徒会活動〕の 2「内容」で,次のとおり示している。
1の資質・能力を育成するため,学校の全生徒をもって組織する生徒会に おいて,次の各活動を通して,それぞれの活動の意義及び活動を行う上で必 要となることについて理解し,主体的に考えて実践できるよう指導する。
(1)生徒会の組織づくりと生徒会活動の計画や運営
生徒が主体的に組織をつくり,役割を分担し,計画を立て,学校生活の 課題を見いだし解決するために話し合い,合意形成を図り実践すること。
(2)学校行事への協力
学校行事の特質に応じて,生徒会の組織を活用して,計画の一部を担当 したり,運営に主体的に協力したりすること。
(3)ボランティア活動などの社会参画
地域や社会の課題を見いだし,具体的な対策を考え,実践し,地域や社 会に参画できるようにすること。
(1) 生徒会の組織づくりと生徒会活動の計画や運営
生徒が主体的に組織をつくり,役割を分担し,計画を立て,学校生活の課 題を見いだし解決するために話し合い,合意形成を図り実践すること。
この内容は,生徒が,生徒会において主体的に組織をつくり,役割を分担し,
活動の計画を立てたり,学校全体の生活の課題を見いだし,それを解決するため に話し合い,合意形成を図り実践したりする一連の活動を示したものである。こ のような目標に向けて実践する過程で,自治的な活動に必要な資質・能力を育む とともに,生徒相互の心の交流を深め,よりよい人間関係を形成し,集団への所 属感や連帯感も育まれていく。
この内容においては,例えば次のとおり資質・能力を育成することが考えられ る。
○ 学校生活の充実と向上のために,生徒の総意によって目標を設定し,役員 選挙等を通した組織作りや役割分担を行って協働して実行することの意義を 理解し,そのために必要な計画や運営,合意形成の仕方などを身に付ける。
2 生徒会活動
○ 生徒総会や各種の委員会において,学校生活の充実と向上のための課題や 生徒の提案を生かした活動の計画について考え,課題解決の方法や役割の決 定,その実践に取り組むことができるようにする。
○ 集団の形成者として,多様な他者と,互いの個性を生かして協力し,積極 的に学校生活の充実と向上を図ろうとする態度を養う。
こうした資質・能力を生徒会活動において育成するためには,話合いを通して,
学校生活をよりよくするための課題の解決に向けて自発的,自治的に取り組む活 動を充実させることが必要である。そして,全校の生徒という大きな集団で話合 いを行い,合意形成を図って実践していくためには,組織づくりが重要となる。
生徒会における組織等については,各学校の生徒の実態や特色をもって設置す るものであるが,一般的には,生徒全員で話合いを行う「生徒総会」を置くとと もに,「生徒評議会(中央委員会など)」といった審議機関,「生徒会役員会(生徒 会執行部など)」や各種の「委員会(常設の委員会や特別に組織される実行委員会 など)」などの組織から構成することが考えられる。
生徒会活動の教育効果を高めるためには,生徒がそれぞれの役割を分担し,活 動の計画を立てて自主的に実践する場や機会が豊富であることが重要である。特 に,中学校においては,小学校での児童会活動などの経験を基礎にし,生徒の自 発的,自治的に活動する態度や能力を一層高めていくことが求められる。
そこで,生徒の自主性,自発性をできるだけ尊重し,生徒が自ら活動の計画を 立て,協力し合って望ましい集団活動を進めるよう指導することが大切である。
しかし,生徒の発達の段階からいってもその計画や運営は決して容易なことでは ない。また,生徒会活動は,その活動内容・範囲が極めて広いことから,生徒会 活動を活性化し,その教育的価値を高めていくためには,教師の適切な指導と,
活動に必要な場や機会の計画的な確保も含めた学校の一貫した指導体制の下に運 営されることが大切である。
なお,生徒会長等の生徒会役員や各種委員会の委員長等の決定に当たっては,
生徒会規則等に則って,公正な選挙等により選出されることが望まれる。生徒自 らが,選挙管理規則等に従って役員選挙等を運営することにより,生徒会活動は,
自治的な活動であるということを一層自覚することになる。ただし,小規模校等 において,役員選挙への立候補・選挙という手順が適切でないと判断される場合 は,生徒会規則等で適切な選出方法を明らかにし,生徒が主体的に取り組む工夫 も大切である。
生徒会活動において,学校生活の改善を図る活動を全校生徒の課題として取り 上げ,継続的に取り組むものとしては,例えば以下のような活動が考えられる。
第3章各活動・学校 行事の目標と 内容
○ 環境の保全や美化のための活動
○ 生徒の教養や情操の向上のための活動
○ よりよい人間関係を形成するための活動
○ 身近な課題等の解決を図る活動 など
生徒会活動において,学校生活の改善に向けた議題を取り上げ,話し合って生 徒会全体で取り組むことを合意形成したり,各種の委員会において,それぞれの 委員会ごとに課題を設定して実践し,振り返って次の活動につなげていったりす ることが考えられる。
また,生徒会活動は,それ自体一つの生徒の活動であるとともに,内容(2)「学 校行事への協力」も含め,学校内の様々な生徒の活動についての連絡調整に関す る機能をもっており,これにより学校生活の充実・向上を導く生徒の諸活動を円 滑に進めることに資するものである。生徒会の学校行事との関わりにおける各学 級との連絡調整,放課後等に行われる生徒の自発的,自治的な活動としての部活 動などの年間を通した活動の計画の調整,利用する施設設備,活動の時間などの 調整が考えられる。
なお,いじめの未然防止や暴力などの問題を生徒会として取り上げる際には,
学校として,このような生徒の主体的な活動を大切にしながら,学校と家庭や地 域との連携・協力を積極的に進め,その解決に全力で当たることが必要である。
(2) 学校行事への協力
学校行事の特質に応じて,生徒会の組織を活用して,計画の一部を担当し たり,運営に主体的に協力したりすること。
この内容は,日常の学習や経験を総合的に発揮し,その発展を図り,学校生活 を豊かな実りあるものとするものである。
この内容においては,例えば次のとおり資質・能力を育成することが考えられ る。
○ 学校行事の意義を理解し,生徒会としての意見を生かすための組織や全校 生徒の協働を図る仕組みづくりなどについて理解する。
○ 学校行事の特質に応じて,生徒会としてどのような協力を行うことが学校 行事の充実につながるか考え,話し合い,決めたことに協力して取り組んだ り,生徒会の組織を活用した学校行事運営上の役割に取り組んだりできるよ うにする。