S ={∆,∆0,k}は佐武-Tits図形で,∆は古典型単純ルート系かつk ≤2と仮定する. このとき∆ の型とkの値から次の6タイプが生じうる.
1An, 2An, Bn, Cn, Dn, 2Dn
Weilの定理から与えられた体上の古典型単純随伴群はすべて対合をもつ中心的単純環の自己同型 群として得られる. このことから実現可能な佐武-Tits図形をすべて記述できる.ここでは結果だけ を述べる. 以下現れる佐武-Tits図形は
kX(d)n,ℓ={∆,∆0,k},
Xnは∆のディンキン型 d2は実現に現れる斜体の次数 ℓは∆−∆0の軌道の個数 という具合に,名前kXn,ℓ(d)で表される. 各分類の結果は
(名前 : kXdn,ℓ) (佐武-Tits図形) (F∆(kXn,ℓd )のディンキン型)
と表示される. ここでF∆(kXdn,ℓ)は∆−∆0の軌道から定まる相対ルート系とする.
1An-型
α1—α2—· · ·—αn−1—αn
実現可能な佐武-Tits図形は
1A(d)n,ℓ ={∆,∆− {αd, α2d,· · ·, αℓd},1} (d(ℓ+1)=n+1)
•—· · ·—•
| {z }
d−1
— ◦
αd
—•| {z }—· · ·—•
d−1
— ◦
α2d
—· · · ·— ◦
α(ℓ−1)d—•| {z }—· · ·—•
d−1
— ◦
αℓd—•| {z }—· · ·—•
d−1 F∆(1A(d)n,ℓ)=Aℓ
(6.6.1)F上1A(d)n,ℓが存在するための必要十分条件はFを中心にもつ斜体Dで[D:F] =d2となる ものが存在することである.
2An-型
α1—α2—· · ·—αn−1—αn
実現可能な佐武-Tits図形は
2A(d)n,ℓ ={∆,∆− {αd,· · ·, αℓd, αn−ℓd· · ·αn−d},2} (d|(n+1), 2ℓd≤n+1)
|{z}→ •—· · ·—•d−1— ◦
αd
—· · · ·— ◦
αℓd—•—| {z }· · ·—•
n−2dℓ
— ◦
αn−ℓd—· · · ·— ◦
αn−d—•—| {z }· · ·—•
d−1
ただしn−2dℓ=1ならば図の中心にある頂点は白丸になる.
F∆(2A(d)n,ℓ)=
BCℓ (2ℓd<n+1) Cℓ (2ℓd=n+1)
(6.6.2) F 上 2A(d)n,ℓ が存在するための必要十分条件は, F の2次拡大 E を中心にもつ斜体 D で
[D:E]=d2なるものとその上の第2種の対合ρが存在して,かつD上d−1(n+1)-次元,ヴィット 指数ℓの非退化ρ-エルミート形式が存在することである.
Bn-型
α1—α2—· · ·—αn−2—αn−1=⇒αn
実現可能な佐武-Tits図形は
Bn,ℓ={∆,{αℓ+1,· · ·, αn},1}
◦—· · ·—◦
| {z }
ℓ
—•—| {z }· · ·—•=⇒ •
n−ℓ F∆(Bn,ℓ)=Bℓ
(6.6.3)F上Bn,ℓが存在するための必要十分条件はF上2n+1次元,ヴィット指数ℓの非退化2次形
式が存在することである. Cn-型
α1—α2—· · ·—αn−2—αn−1⇐=αn
実現可能な佐武-Tits図形は
C(d)n,ℓ ={∆,∆− {αd, α2d· · ·, αℓd},1} (dは2のべきで2nの約数, ℓd≤n, d=1ならばℓ=n)
•—· · ·—•
| {z }
d−1
— ◦
αd
—· · · ·— ◦
α(ℓ−1)d—•—| {z }· · ·—•
d−1
— ◦
αℓd—•—| {z }· · ·—• ⇐=•
n−ℓd
ただしℓd=nならば右端は· · ·—• ⇐=◦になる
F∆(C(d)n,ℓ)=
BCℓ (ℓd<n) Cℓ (ℓd=n)
(6.6.4)F上C(d)n,ℓが存在するための必要十分条件は,F上次数d2の斜体Dとその上の第1種のシン プレクティック対合ρが存在して,かつD上2d−1n-次元,ヴィット指数ℓの非退化ρ-エルミート形 式が存在することである.ここでd=1の場合はρは自明で,ρ-エルミート形式はシンプレクティッ ク形式と考える.
1Dn-型
α1—α2—· · ·— αn−2 — αn−1
| αn
実現可能な佐武-Tits図形は
1D(d)n,ℓ={∆,∆− {αd, α2d,· · ·, αℓd},1} (dは2のべきで2nの約数, ℓd≤n, ℓd+1,n)
d−1
z }| {
•—· · ·—•—α◦d—· · · ·—α(ℓ−1)d◦ —
d−1
z }| {
•—· · ·—•—α◦ℓd— •—· · · —•— •
|
•
ただしn−ℓd≤2のときには右端は次のようになる
—◦— ◦
|
◦
(n=ℓ,d=1),
—◦— •
|
◦
(n=2ℓ,d=2),
—•— •
|
◦
(n=ℓd,d≥3),
—◦— •
|
•
(n=ℓd+2)
F∆(1D(d)n,ℓ)=
Bℓ (2ℓd<n) Dℓ (2ℓd=n)
(6.6.5)F上1D(d)n,ℓが存在するための必要十分条件は,Fを中心にもつ次数d2の斜体Dとその第1種 直交対合ρが存在して,かつD上2d−1n-次元,ヴィット指数ℓ,判別式=1の非退化ρ-エルミート 形式が存在することである.
2Dn-型
α1—α2—· · ·— αn−2 — αn−1
| αn
実現可能な佐武-Tits図形は
2D(d)n,ℓ ={∆,∆− {αd, α2d,· · ·, αℓd},2} (dは2のべきで2nの約数, ℓd≤n−1) z }| {d−1
•—· · ·—•—α◦d—· · · ·—α(ℓ−1)d◦ —
z }| {d−1
•—· · ·—•—α◦ℓd— •—· · · —•— •
|
•
ただしℓd=n−1のときには,d=1,2となり右端は次のようになる
—◦ —◦— ◦
|
◦
(d=1),
—◦ —•— ◦
|
◦
(d=2)
F∆(2D(d)n,ℓ)=
Bℓ (2ℓd<n) Dℓ (2ℓd=n)
(6.6.6)F上2D(d)n,ℓが存在するための必要十分条件は,Fを中心にもつ次数d2の斜体Dとその第1種 直交対合ρが存在して,かつD上2d−1n-次元,ヴィット指数ℓ,判別式,1の非退化ρ-エルミート 形式が存在することである.