多元研の強みを生かした先端計測研究の成果
本研究所ならではの世界先端計測研究として、「X線自由電子レーザーを用いた分子動画 解析と応用」、「ミリ秒時間分解能4DX線CTの開発」、「レーザー光技術を駆使した光イメージ ング応用」を推進しました。令和3年度の主要な成果として、南後恵理子教授が第18回日本学 術振興会賞並びに日本学士院学術奨励賞を受賞しました。小澤祐市准教授が令和3年度科 学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。また、光イメージング応用に 関する一連の研究成果をまとめた記事が、令和3年度に出版された解説書籍「Progress in Optics」 Vol. 66の第2章として掲載されました。なお、これら3つの研究課題は、国立大学法人 および大学共同利用機関法人の第3期中期目標期間評価において、本研究所の基盤研究実 績として報告されたものです。
共同研究部門/研究拠点事業における成果
■ 非鉄金属製錬環境科学研究部門
国内非鉄金属製錬企業との共同研究成果として、令和3年度に論文3報、特許出願3件を 発表しました。また、共同研究を通じての人材育成の成果として、1名の博士学位取得とThe Copper Club奨学金を獲得しました。
■ 製鉄プロセス高度解析技術(JFEスチール)共同研究部門
設置二年目となる令和3年度は、専任教員1名を雇用すると共にJFEスチールの若手技術者
2名が本研究所に⻑期滞在して解析技術の習得に務めると共に、実操業および現場評価指
標の反映方法の開発を進めました。
■ 次世代電子顕微鏡技術共同研究部門
令和3年度は、データハンドブックの編纂と公開、研究成果のプレス発表(2022. 1. 28)など を実施しました。また、米倉功治グループリーダーをクロスアポイントメントで招聘し、研究成果 のプレス発表(2021. 12. 23)を行いました。量子科学技術研究開発機構の小池雅人博士を客 員教授として招聘し、日本電子とともに令和4年度から新たなテーマ「次世代軟X線分光器技 術開発」を実行することとなりました。
■ ソフトマテリアル研究拠点
東北大学の計測科学研究者と企業との産学連携拠点を目指し、企業ニーズに応えるワンス トップソリューションの提供を可能とする体制構築に取り組みました。令和3年度において、既 設のポリマー用電子顕微鏡を用いた企業との共同研究のスタート、本拠点の体制強化のため 学際科学重点拠点への申請、令和4年度稼働を目指したクライオ電子顕微鏡の導入手続き・
作業を遂行しました。また、量子アニーリング計算技術とソフトマテリアルインフォマティクスの 融合をテーマとしたシンポジウムを令和4年3月7日にオンライン開催しました。
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■ 物質・デバイス領域共同研究拠点/アライアンス事業
本事業は2021年度の期末評価で、最高評価であるS評価を獲得しました。このなかで、本研 究所は第2期の拠点本部として中核的役割を果たしました。
プレスリリース
■ エネルギーデバイス化学分野(本間研究室)
固体蓄電デバイスの3Dプリンティング製造法を開発 ~ウェアラブルデバイス電源の基盤技術 として期待~(2021. 04. 01)
■ 生体分子構造分野(稲葉研究室)
誕生途上のタンパク質が立体構造を形成する新たな仕組みを解明 ~翻訳合成途上タンパク 質に働きかける酵素を一分子レベルで可視化することに成功~(2021. 04. 02)
■ 細胞機能分子化学分野(水上研究室)
光と分子を使って生きた細胞内の蛋白質を自在に連結 ~疾患の分子機構解明につながる オプトケミカルジェネティクス~(2021. 04. 08)
■ 生体分子構造分野(稲葉研究室)
細胞のタンパク質品質管理機構に関する新たな知見 ~ジスルフィド結合の形成・開裂に関わ る酵素の新たな二量体形成モチーフの発見と機能制御機構の解明~(2021. 04. 21)
■ ハイブリッド炭素ナノ材料分野(西原研究室)
電池性能をUPさせるカーボン新素材「グラフェンメソスポンジ」のサンプル提供を開始(2021.
05. 10)
■ 放射光可視化情報計測分野(高橋(幸)研究室)
コヒーレント回折イメージングがワンショットで可能に −三角形でエッジの鋭い開口が鍵−
(2021. 05. 12)
■ ハイブリッド材料創製分野(芥川研究室)
昆虫の脱皮に学ぶ3次元ゲルプリンティング ~空気とゲルの界面を利用した硬化と表面機能 化~(2021. 05. 20)
■ ハイブリッドナノシステム分野(蟹江研究室)
ニコンと東北大学多元物質科学研究所による共同研究成果 “霧”を用いた透明導電性薄膜 の製造 ~表示デバイスのエコな製造革新へ~(2021. 05. 20)
■ ハイブリッド炭素ナノ材料分野(西原研究室)
分子構造により細孔径を制御したカーボン(2021. 05. 24)
■ ハイブリッド炭素ナノ材料分野(西原研究室)
新素材「グラフェンメソスポンジ」の安価な製造法を開発(2021. 06. 01)
■ 量子ビーム構造生物化学分野(南後研究室)
脂質受容体の新たな活性化機構を解明 −脂質がまっすぐ伸びて活性化−(2021. 06. 10)
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■ ナノ・マイクロ計測化学分野(火原研究室)
新型コロナウイルスの高性能な抗体検査技術を開発 ~約20分で測定完了!現場診断やワク チン効果の定量的評価に貢献~(2021. 06. 17)
■ 高分子物理化学分野(陣内研究室)
高分子材料の結晶配向をナノスケールで可視化 電子顕微鏡をベースとした新規分析法で高 分子の研究・開発に寄与(2021. 06. 24)
■ 固体イオニクス・デバイス分野(雨澤研究室)
電池材料の酸素脱離現象を解明 次世代型蓄電池への応用に期待(2021. 06. 25)
■ 放射光可視化情報計測分野(高橋(幸)研究室)
電池材料粒子内部の高精細な可視化に成功 ~多次元イメージング計測とデータ科学の連 携~(2021. 06. 30)
■ 生命分子ダイナミクス分野(高橋(聡)研究室)
改変されたゲノム編集Cas9、DNA上を動く! −遺伝子治療への応用に期待−(2021. 07. 19)
■ 電子回折・分光計測分野(寺内研究室)
強誘電体ナノドメインの電場応答をナノスケールで可視化 電場印可下での分極ナノドメイン の分布変化を初観測(2021. 08. 19)
■ 電子回折・分光計測分野(米田研究室)
厚さわずか2ナノメートルの半導体極薄トランジスタで分子認識に成功!−医療・環境・生産に 特化した分子センサーへの応用に期待−(2021. 08. 25)
■ 生体分子構造分野(稲葉研究室)
クライオ電子顕微鏡によるヒト由来カルシウムポンプの構造決定 ~カルシウムポンプに必要な エネルギ−供給源ATPの新たな取り込み機構の解明~(2021. 09. 09)
■ 超臨界ナノ工学分野(阿尻研究室)
ナノ触媒のリサイクル法を開発 超臨界流体を利用して活性面を短時間で再生することに成 功(2021. 09. 13)
■ 機能性粉体プロセス分野(加納研究室)
セルロースの非晶質化を計算で予測! 身近な製品の製造・開発コストの大幅削減に期待
(2021. 09. 14)
■ 生物分子機能計測分野(米倉研究室)
AI制御によるクライオEMの自動測定システムを開発 −AIに管理を任せてデータ測定を楽に−
(2021. 09. 17)
■ エネルギーデバイス化学分野(本間研究室)
コバルトフリー正極の安定な高電圧動作に成功 ~リチウムイオン電池素材のサプライチェー ンリスク回避に期待~(2021. 09. 27)
■ ハイブリッド材料創製分野(芥川研究室)
新たな動作原理による有機メモリ素子の開発に期待 ~イオンチャネルと強誘電体の共存によ るスイッチング特性の向上~(2021. 10. 07)
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■ 電子線干渉計測分野(佐藤(俊)研究室)
中空構造を持つ球状粒子内に形成された 磁気渦の直接観測に成功 −磁気渦粒子を用い た医療応用の展開へ−(2021. 10. 08)
■ 構造材料物性分野(木村研究室)
岡山県産鉱物「逸見石」が示す新奇な磁性 特徴的な結晶構造が量子力学的なゆらぎを生み 出す(2021. 10. 18)
■ エネルギーデバイス化学分野(本間研究室)
疑似固体リチウムイオン電池の3Dプリント製造技術を開発 ~EVから医療用まで、固体リチウ ムイオン電池を短時間でオンデマンド製造~(2021. 11. 11)
■ スピン量子物性分野(佐藤(卓)研究室)
強磁性準結晶の発見 ~準周期性が示す特異な磁性の解明に向けて飛躍的な前進~(2021.
11. 19)
■ 環境無機材料化学分野(殷研究室)
チタン酸バリウムナノキューブの粒径を制御する手法を新たに開発 環境調和型のプロセスを 採用 高性能小型電子デバイスの開発に期待(2021. 11. 25)
■ ハイブリッド材料創製分野(芥川研究室)
髪の毛の太さより薄い油水分離膜 ミクロな多孔膜の濡れ性を制御して水と油を効率的に分離
(2021. 11. 25)
■ ナノ機能物性化学分野(組頭研究室)
共鳴トンネル効果を用いたモットトランジスタの原理検証に成功 ~次世代デバイスの実現に 向けて~(2021. 12. 09)
■ 原子空間制御プロセス分野(小俣研究室)
不純物ドーピングによる硫化スズ薄膜のn型化に成功 ~有害元素を含まない実用的な薄膜 太陽電池の実現に期待~(2021. 12. 13)
■ ハイブリッド材料創製分野(芥川研究室)
安価で高性能な燃料電池・空気電池用非白金触媒を実現 炭素に担持した金属錯体触媒分 子を最適化(2021. 12. 16)
■ ナノ機能物性化学分野(組頭研究室)
新しい酸化チタンの高品質結晶合成に成功 環境に優しい光・電子デバイスの実現へ(2021.
12. 17)
■ ハイブリッドナノシステム分野(蟹江研究室)
銅微粒子の新たな有機物フリー合成技術を開発 ~水溶性卑金属塩を利用し、グリーンな合 成手法を実現~(2021. 12. 21)
■ 構造材料物性分野(木村研究室)
蜂の巣格子に形成される多様な化学結合 バナジン酸マグネシウム:約半世紀来の謎を解明
(2021. 12. 21)