Tag D
9.2 今後の課題と展望
G-Kadの平均メッセージ反復回数は,Kademliaよりも多く,これは,G-Kadがタグを 用いた検索を行うことと,タグを用いた検索に失敗した場合にKademliaで検索を試行す るためであるということがわかった.GET成功数では,G-Kadの方がKademliaよりも 多くのバリューをGETすることができた.これは,G-Kadの複製値が,タグによって動 的に決定されるためである.このような性質により,G-Kadはデータの人気などに合わ せて効率的に資源を配分できることが確認できた.
次に,データ展開におけるキャッシュノードの配置効果を検証するために,キャッシュ ノードを用いない場合と用いる場合でその効果を測定した.
評価では,データ転送待ち時間とデータ展開のノード数の推移を比較した.データ転 送待ち時間は,キャッシュノードを用いる・用いないに関わらず発生するが,キャッシュ ノードを用いた場合の方が,データ転送待ち時間は短縮できることがわかった.データ展 開のノード数の推移では,実際にキャッシュノードを用いた方が,ボトルネックを発生さ せずにデータ展開を行うことが可能であり,キャッシュノードの選択についても,キャッ シュヒット率により,正確に行えることを確認できた.
9.2.2 Kademlia の拡張方法についての検討
本研究では,Kademliaの経路表のみを拡張し,k-bucketsのサイズや,一度に検索す るノード数αなどについては,論文で提示されたものを利用している.しかし,実際に運 用を行う際は,k-bucketsのサイズや,一度に検索するノード数などについて,十分に考 慮を行い,必要であれば変更を検討する必要がある.特に,k-bucketsのサイズについて
は,7.1.4節で述べたように,GETの成功率を左右する可能性があるため,ノード数を含
めて検討する必要があると考えている.
また,検索を行う際にも,今回はグループで検索を行った後,Kademliaで検索を行う という方法を採ったが,このような方法だと平均メッセージ反復回数が多くなるというこ
とが7.1.4節で行った評価によりわかった.そのため,検索を行う際に,グループでの検
索を行うのが良いのか,Kademliaで検索を行うのが良いのかを判断し,検索に柔軟性を 持たせることで,G-Kadの性能やユーザビリティの向上につながると思われる.
9.2.3 データ転送手法についての検討
本研究では,データの転送手法については,拡張を行っていない.しかし,例えば
BitTorrentなどの手法を用いることで,データ展開を高速化することは可能である.そ
のため,データを事前にキャッシュしている最中からデータ展開を開始するなどの検討を 行うことで,より高速なデータ展開が可能になると思われる.
特に,実ネットワークでは様々な要素により,データ転送が高速に行えない場合がある ため,そのような場合にキャッシュノードの作成を効率的に行う方法などについて,検討 する必要がある.
9.2.4 他の分野への応用
本研究では,Kademliaの経路表を拡張し,そこにノードの属性を設定したが,例えば,
これをラベルとして使用することも可能である.そのため,例えば,ネットワークの情報 などを経路表のラベルとして埋め込むことで,実ネットワークにおける経路最適化などを 行うことが可能である.
また,データのキャッシングという意味では,例えば,テレビ番組表などのように,既 に公開するスケジュールが決まっているデータを本手法を用いてキャッシングすること で,今後の放送モデルを大きく変えることも可能であると考えている.
9.3 おわりに
謝辞
本論文の作成にあたり,ご指導頂いた慶應義塾大学環境情報学部教授村井純博士,同学 部教授徳田英幸博士,同学部教授中村修博士,同学部准教授楠本博之博士,同学部准教授 高汐一紀博士,同学部准教授三次仁博士,同学部准教授植原啓介博士,同学部専任講師重 近範行博士,同学部専任講師中澤仁博士,同学部専任講師Rodney D.Van Meter III 博士 に感謝致します.
また,絶えず御指導と御助言を頂きました慶應義塾大学政策・メディア研究科特別研究 講師,斉藤賢爾博士に感謝致します.
そして本研究を進めていく上で,様々な励ましと助言,お手伝いをいただきました,
共に修士論文を執筆した,慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科,六田佳祐氏,峯 木厳氏,鈴木詩織氏,江村桂吾氏に感謝致します.
最後に,大学入学から大学院の6年間に渡る研究生活で,私を支え続けてくれた家族に 心から感謝致します.
以上を持って,謝辞といたします.
参考文献
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[2] Ustream. http://www.ustream.tv/.
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