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スペクトル分解定理の証明

ドキュメント内 33. T M E dim E C (ページ 35-38)

11 Axiom A

命題 13 局所積構造 (Local product structure))

12.2 スペクトル分解定理の証明

以下では 定理21(スペクトル分解定理)を証明する.

pを周期点とし

Xp =Wu(p)Ω(f)

とする.Xp は閉集合であり,pの周期が なら f(Xp) =Xp である.

Step 1: Xp が Ω(f)の開集合であることを示す.

η >0 を局所積近傍が定義される定数とし,任意のx∈Xp に対して,その局所積近傍 Bη(x)を考え る.Bη(x)⊂Xp を言えば良いが,x∈Wu(p)Ω(f)なので,x∈Wu(p)Ω(f)としてBη(x)⊂Xp

を示せば良い( ηf から決まる定数なので,x∈Wu(p)Ω(f)に十分近い y∈Wu(p)Ω(f)で Bη(y)⊂Xp が言えれば,それが xの近傍にもなっている ).

Per(f) は Ω(f)で dense であり Xp は閉集合なので,Bη(x)に含まれる周期点が Xp に含まれる ことを言えば良い.x∈Wu(p) なのでWu(x) =Wu(p)であることに注意.

q を周期 k の周期点で d(q, x)< η となるものとする.

z=Wϵs(q)∩Wϵu(x)とするとz∈Ω(f)である.z∈Ws(q)なので,fmk(z)→q (m→ ∞)である.

一方 z∈Wu(x) =Wu(p) なので,fmℓ(z)∈Wu(p) (∀m∈Z) である(pの周期).

fmkℓ(z)→q (m→ ∞)であり fmkℓ(z)∈Wu(p)なので q∈Xp である.

Step 2: p, qを周期点とすると,Xp=Xq であるかまたはXp∩Xq= であることを示す.一般に,次 が成り立つ.

補題 8.

p,a を周期点とし a∈Xp とする.このとき Xa⊂Xp である.

補題8の証明:p,a の周期をそれぞれ ,γ とする.

Xp は開集合なので,ある δ >0 があって次が成り立つ.

Wcδu(a) =Wδu(a)Ω(f)⊂Xp

f(Xp) =Xp なので fmℓ

Wcδu(a)

⊂Xp である.

一方で [

m0

f

cWδu(a)

=Wu(a)Ω(f)

であり [

m0

f

Wcδu(a)

= [

m0

fmℓγ

cWδu(a)

なので [

m0

fmℓγ

cWδu(a)

=Wu(a)Ω =Xa となる.fmℓ

Wcδu(a)

⊂Xp なので Xa⊂Xp である.■

Xp∩Xq 6= とすると,Xp,Xq は開集合なのでXp∩Xq は開集合である.

Per(f) は Ω(f) で dense なので Xp∩Xq に含まれる周期点が存在する.そのひとつを a とする と,この補題から Xa⊂Xp である.

XaXp の開集合なので,あるy∈Xay∈Wu(p)Ω(f) となるものが存在する.

p,a の周期をそれぞれ , γ とすると,fγ(Xa) =Xa であり f(Wu(p)) =Wu(p) なので,

fmγℓ(y)∈Xa であってfmγℓ(y)→p(m→ ∞)である.

従って p∈Xa である.そうすると上の補題から Xp⊂Xa となり Xa=Xp となる.

同様に Xa=Xq なのでXp=Xq となる.

Step 3: p の周期を とする.f(Xp) =Xp だが,fm(Xp) =Xp となる最小の m >0 を ρ とする.

fρ:Xp→Xp は位相混合的であることを示す.

U, VXp の開集合とする.Xp は開集合であり Per(f)は Ω(f) で denseなので,V の中には 周期点が存在する.そのひとつを q とする.

Xp=Xq なので q の周期をγ とすると fγ(Xq) =Xq である.従ってγ= (1≤k) となってお り,Xq =Xp に含まれる q の軌道の点は

{ f(q) }0jk1={q, fρ(q),· · ·, f(k1)ρ(q)}

である.これらは全て Xq =Xp 内の周期点なので,0≤j≤k−1 とすると Xf(q)=Xq=Xp で ある.

U は開集合なのでz0∈Wu(q)Ω(f) となる点z0∈U が存在する.同様に,

zj ∈Wu(f(q))Ω(f) となる zj ∈U (0≤j ≤k−1) が存在する.

f(zj)∈Wu(q) となるので

f(f(zj)) = fmkρ(f(zj)) =fmkρ(zj)

= f(mk+j)ρ(zj)→q (m→ ∞)

である.q∈V だったので,ある mj があってm≥mj ならf(mk+j)ρ(zj)∈V である.

L= max{ mj }0jk1

とすると,任意の 0≤j≤k−1 と任意の m≥Lに対して f(mk+j)ρ(zj)∈V

となる.これを言い換えると,∀n≥(L+ 1)k に対してある z∈U があって f(z)∈V が成り立 つ,ということになる.

これは,∀n≥(L+ 1)k に対して(fρ)n(U)∩V 6=,すなわち (fρ)n(V)∩U 6= 成り立つことを 意味しており,fρ:Xp→Xp が位相混合的であることが示された.

Step 4: 任意の x∈Ω(f) はある Xp に含まれることを示す.

任意の x∈Ω(f)に対しその局所積近傍 Bη(x)をとる.Per(f) = Ω(f)なのでBη(x) には周期点が 存在する.そのひとつを p とする.

qBη(x)内の任意の周期点とすると,Wϵu(p)∩Wϵs(q)は1点でありそれをz とする.pの周期を qの周期をγ とすると,∀k≥0 に対してfkℓγ(z)∈Wu(p)∩Ws(q)となっているが,fkℓγ(z)→q

k→ ∞)なので q∈Xp である.

x にはBη(x) 内の周期点が収束しているが,それらの周期点は全て Xp に含まれるので x∈Xp で ある.すなわち任意の x∈Ω(f) はある Xp に含まれることが分かった.

Step 5: 基本集合と Xp の関係について.

S

pPer(f)Xp は Ω(f)を cover しているが,各Xp は開集合でありΩ(f)はコンパクトなので,有 限個で cover される.

Ω(f) =Xp1∪ · · · ∪Xps

さらにこれらは,互いに f で移りあうグループに分割される.すなわち,

i=Xi,1∪ · · · ∪Xi,ki

f(Xi,j) =Xi,j+1 ( 1≤j≤kiXi,ki+1=Xi,1 )となっているΩi があり,

Ω(f) = Ω1∪ · · · ∪k

となっている.さらに Step 3 で示したように,fki :Xi,j →Xi,j は位相混合的である.

Step 6: 位相推移性について:

f|i: Ωii を考える.

i=Xi,1∪ · · · ∪Xi,ki

となっているので,任意の開集合 U, V i は,ある開集合 U U, V V があって,ある 1≤s≤t≤kiU⊂Xi,s, V⊂Xi,t となっている.

fts(U) =U′′ とすると U′′, V ⊂Xi,t となる.fki:Xi,t→Xi,tmixing なので,あるm00 があって ∀m≥m0fmki(U′′)∩V 6= である.従って,あるn≥1 があってfn(U)∩V 6= と なり f|i: Ωii は位相推移的である.

[定理21(スペクトル分解定理)の証明終り]

12.3 Dense orbit はどのくらいあるのか?

各基本集合上で f|i : Ωi i は位相推移的となり,dense orbit を持つ点が存在することが分かった が,実はdense orbit を持つ点はかなり沢山あることが分かる.

補題 9.

U i を開集合とすると次が成り立つ.

i= [

mZ

fm(U)

補題9の証明:U i を開集合とする.f|i : Ωii は位相推移的なので,その軌道が Ωi で稠密な点 z がある.Orb(z)∩U 6= なのでΩi=S

mZfm(U)である.■ 各基本集合上の位相推移性については,次が成り立つ.

命題 14.

Ω(f) = Ω1∪ · · · ∪k をスペクトル分解とする.各Ωi 上において f|i は位相推移的 だが,Ωi の中で稠密な軌道を持つ点の全体は residual setである.

命題14証明: コンパクト多様体は可算個の開集合の基底を持つので,Ωi の開集合の基底を{Uj}jZ と する.S

mZfm(Uj) は開集合だが,さらに 補題9より Ωi で稠密である.従って,

V = \

jZ

[

mZ

fm(Uj)

!

は Ωi 上のresidual set である.任意のx∈V の軌道がΩi で稠密であることを言えば良い.

∀y∈iy を含む任意の開集合 U i を考える.{Uj}jZ は Ωi の開集合の基底なので,ある Uj が あって Uj ⊂U となっている.

x∈V なので,x∈S

mZfm(Uj)であり,これは,ある mj があってx∈fmj(Uj) となることを意味す る.fmj(x)∈Uj⊂U なので,xの軌道は Ωi で稠密である.■

ドキュメント内 33. T M E dim E C (ページ 35-38)

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