- 1 -
総務省への要望書の提出に関する規定の制定について
(案)
我が国のアマチュア無線における大きな課題の一つは、欧米主要国の免許制度と比較し て改善すべき点が多々あることである。JARL は、我が国における唯一のアマチュア局免許 人の利害代表団体として、これらの改善に努力する責務を負っている。 この責務を果たすための一つの方法として、原則として毎年 1 回定期的に総務省へ要望 書を提出することとし、このために必要となる事項を定めることとする。ただし本規定は、 個別の必要に応じて総務省へ提出する要望書を対象とするものではなく、本規定に基づく 要望書以外の要望書の提出を妨げるものではない。 なお、総務省の幹部職員が2年程度で異動すること及び定期異動時期が毎年4月及び7 月頃であること踏まえ、要望書を7月頃の人事異動後に提出こととする。 また、参考までに想定される要望項目例を示す。- 2 -
総務省への要望書の定期的提出に関する規定
(案)
(目 的) 第1条 定款第3条に定める目的を達成し、同第4条第5号に定めるアマチュア無線に関 する建議を行うため、アマチュア無線の制度(電波法、電波法に基づく政令、省令及び告 示、電波法関係審査基準並びに電波関係の施策)の改正を目指して、総務省に対し原則と して年1回定期的に要望書を提出することとし、その際に必要となる事項を定める。ただ し、本規定は、本規定に基づく要望書以外の要望書であって、個々の必要に応じて提出す る個別の要望書に関して規定するものではない。 (提出の時期) 第2条 提出時期は原則として1 年に 1 回、総務省の夏の人事異動後とする。 (提出者及び要望先) 第3条 要望書に記載される要望書の提出者及び要望先は次のとおりとする。 (1) 会長から総務省総合通信基盤局電波部長あて (2) 地方本部長からその地方本部を置く地域を管轄する総合通信局長(沖縄総合通信事務 所長を含む。)あて (要望書の構成) 第4条 要望書の構成は、要望する項目及びその概要、理由、目的、必要性、背景等を簡潔 に記載する。 (理事会における決議) 第5条 要望書は理事会の決議をもって決定するものとする。 (報道機関等への対応) 第6条 関係の報道機関等に対して、要望書の提出に関する報道資料を配布する。 (会員への周知) 第7条 要望書を総務省へ提出したときには、これをホームページで公開するものとする。 (改正等) 第8条 本規定の改正及び廃止は、理事会の決議による。 附 則(2019年9月 日理事会決議) 本規定は2019年9月 日から施行する。- 3 - 参考1
定 款(抄)
第2章 目的及び事業 (目的) 第3条 本連盟は、日本におけるアマチュア無線の健全なる発達を図ることをもって、内外 の電波利用による科学技術の振興、災害の防止と被災者の支援及び国際相互理解の促進 に寄与し、併せてアマチュア無線家相互の友好を増進することを目的とする。 (事業) 第4条 本連盟は、前条の目的を達するため次の事業を行う。 (1) 電波利用による科学技術の振興を図るための次の事業 ア 電波利用に関する調査、研究及び文献の収集 イ 電波利用に関する知識の普及及び電波利用技術の向上を図るための講習会、研究会、 競技会等の開催並びに広報活動 ウ 電波利用秩序維持及び電波利用環境整備に関する事業 エ 機関紙並びに電波利用関係図書の発行、頒布及び斡旋 (2) 災害の防止及び被災者の支援を図るための次の事業 ア 災害時に備えた非常通信の訓練及び災害発生時における非常通信の実施 イ 非常通信協議会の諸活動への参加及び協力 (3) 国際相互理解の促進を図るための次の事業ア 国際アマチュア無線連合(The International Amateur Radio Union:IARU)の日本 支部としての業務
イ 諸外国のアマチュア無線団体との提携 (4) 交信証及び受信証の転送事業
- 4 - 参考2
想定される要望項目例
1 免許制度の簡素化 アマチュア局の無線設備の技術基準遵守を免許人の自己管理・自己責任とする制度は、 我が国を除く全世界のアマチュア局のXX%に適用され、アマチュア局におけるグローバ ルスタンダードとなっている。我が国においてもこのグローバルスタンダードの導入を お願いしたい。 上記制度の導入までの経過措置として以下の制度の早期導入をお願いしたい。 (1)アマチュア局の無線設備が適合表示無線設備であるときには、その無線設備に関する 情報(空中線及び無線設備の外部端子に接続する附属装置があるときにはこの附属装 置に関する情報を含む。)の工事設計書への記載を省略可能とすること (2)周波数、電波の型式及び空中線電力は免許人の持つ無線従事者資格の操作範囲に応じ て包括的に指定すること (3)移動しない局を移動する局へ一元化すること(必要であれば常置場所以外における運 用時の空中線電力を制限する) 2 東京オリンピック・パラリンピックへの対応 (1)2020 年東京オリンピック・パラリンピックの開催に併せて臨時に開設されるアマチ ュア局において、オリンピック・パラリンピックの開催を世界に向かってアピールする ためにふさわしい識別信号の指定をお願いしたい。 (2)前項のアマチュア局において、指揮する無線従事者が行うことができる無線設備の操 作の範囲内であって、アマチュア局の無線設備の操作に係る技術的能力に関する外国 政府が発給した証明書を携帯する外国人にその操作を認めていただきたい(平成27 年 4 月 14 日総務省告示第 166 号と同様の措置)。 3 スプリアス発射等の強度の許容値新基準完全施行への対応 200W を超える空中線電力を指定されているアマチュア局であって、2022 年 12 月以 降も運用継続をその免許人が希望する場合には、当該無線局の無線設備の内、200W 以上 の空中線電力を有する無線設備の新技術基準(2005 年 12 月施行の帯域外領域における スプリアス発射の強度及びスプリアス領域における不要発射の強度の許容値)への適合 を証明するための簡便な手続きを認めていただきたい。- 5 - 4 周波数帯の拡大等 国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則(以下、「無線通信規則」という。)第5 条「周波数の分配」において、第三地域の1800-2000kHz 及び 3500-3900kHz の周波数 帯では、アマチュア業務が一次業務として分配されている。現在1.9MHz 帯、3.5MHz 帯 及び 3.8MHz 帯においてはこの内の一部の周波数帯しか使用できないため、我が国では 使用できない周波数で電波を発射している外国の局をその同一周波数で呼出しができな いことなどの不都合を生じている。1.9MHz 帯、3.5MHz 帯及び 3.8MHz 帯において使用 できる周波数帯の拡大及び連続化をお願いしたい。また、2015 年世界無線通信会議にお ける無線通信規則の改正により二次業務として分配された 5351.5-5366.5kHz を我が国 においても早期に使用できるようにしていただきたい。 5 無資格者による運用 青少年への科学施術への興味・関心を喚起するための一歩として、アマチュア無線への 興味・関心を喚起することを目的に、臨時に開設されたアマチュア局において、指揮する 無線従事者が行うことができる無線設備の操作の範囲内であって、一定の条件(1回の通 信時間、当該無線局開設期間中における通信回数、運用者の年齢等)の下で無資格者が運 用することを認めていただきたい。 6 希望する識別信号の指定 一定期間未指定であった識別信号及び従来は指定していない総桁数が4桁又は5桁と なる識別信号をその希望者に対して指定していただきたい。