【論 文】 UDC :624
.
e74.
42 日本 建築 学会構 造系論文報告 集 第 395 号・
昭 和 64 年1月テ
ンシ
ョ ン構 造
の
形 態
の
理 論
に
つ いて
正 会 員安
宅
信
行
* 1.
は じ めに 近 年, テンショ ン構 造は大 空 間の架 構 技 術 とし て注 目 されるよ うになり,
現 在で は建 築 構 造の重 要な一
分 野 と し て定 着し て き て い る。
こ の構 造の基準と な る形態は初 期 応 力のつ り合いを前 提と し,
形 態の安 定 性や構 造 物と して の耐 荷 能 力は,
導 入 されて い る初 期 応 力の大 きさに 依 存し て い る。
そ れ ゆ え, テ ン シ ョ』
ン構 造に お い て, 初 期 応 力は構 造の存 立に関わ る重 要な構 造 要 素とし て位 置 付け ら れて い る。
この よ う な初期応 力の存在を前提に し た構造物には,
これ までの 構造に は ない新た な問題 が発 生し た。 その一
つ に, 境 界 条件と初 期応 力のつ り合いか ら決ま る形 態 を求め る問題が あ る。
この 問題 は 形状解析 問題 といわ れ,
この構 造 を 設計,
あ るい は解 析す る 以 前 に解決し て お くべ き重要な テー
マ であ る。 こ の よ う な問 題は,
膜 構 造や ケt−一
ブル ネッ ト構 造の分 野で, 基準状態の形状を決 定す る問題 と し て研 究さ れ,
これ ま でに,い ろい ろ な解析手法が提案さ れ て き てい る。
例え ば,
つ り合い方 程 式 を厳 密に解こ う とす るものIL4),
ま た, ポテ ン シ ャ ルエ ネルギー
を最小に しよ うとするも のz ]な どである。 現 在,
こ の問 題の解 法 として は,Haug3
)に よって提 案 さ れ た,
仮 想 仕 事の原 理に基づ く有 限 要 素 法に よ る膜 構 造の形 状 解 析法 が一
般に定着し て きて いる。
しか し,
形状解 析 問題の理論的な面では十 分に解 明さ れて い る と はい い難く,
これ まで に提案さ れて いる手法 や実 験 的な事 実を 包括 的に 説明 す ることの でき る 理論は い ま だ確 立さ れては お らず,
連 続 体の力 学ρ中では依 然 とじて特殊な問題 とし て扱わ れ,一
般に馴染み にくい問 題と して受け取ら れて いる よ うで あ る。 そ れ は,
連続 体 の力 学が媒 体の運 動 やつ り合い形 状な どを記 述 すること を 目的に し て い る の に対 し,
こ れ ま で の形 状 解 析理論で は媒 体を考 慮す ること な く,
この問題 を 連続 体の力学で 記述し ようと し ているこ と,
ま た, 形状解析問 題が構造 上の 問 題と して発生してい るこ と か ら,
この問題を特に 固体の力学 を基に して定 式 化し よ う と する ところに無理 が あ り,
これまで,
こ の問 題 を連 続 体の一
般 的な手 法で 掌 (株 )ニ ュー
メディッ クス総 合 研 究 所 代 表 (昭和63年6月6日原 稿 受理} 扱うこ と が で き な かっ た。
し か し,Plateau
は1873
年に, 閉 じ た空 間 曲 線で囲 まれ た曲面の中で極 小な曲 面はT/
その境 界の空 間 曲線 を 針 金で作り, こ れ に石鹸 膜を 張 る ことに よっ て実現で き る ことを主 張した。
こ れ は極 小 曲 面, す なわ ち, 等 応 力 曲 面 を,
実 在 する物 質の膜で実 現できること を示してお り,
同 様な立 場にある形 状 解 析 問 題 も適 当な物 質 (媒 体 ) を考える ことによっ て,
物 質の形 態とし て とらえ る得る こと を示唆し ている。 そこ で,
本研究では,
これ まで に提案さ れている 形状 解 析の手法に矛 盾す る事な く, ま た, 極 小 曲 面を石鹸膜 などによっ て実 験 的に求め得る 理論 的な根 拠につ い て, 包 括 的に説 明 す ること がで き る 理論の確 立を 目的と し, 媒体と し て 「0
次弾性体」の概念を導入 す る。 こ れに よっ て,
形状 解析問 題が連続体の力 学の標準 的な手法と し て 統一
的に扱い得るこ と が,
明 ら かに な る と 共に,
連 続体 の力 学と して,
こ れ まで長 年にわ たっ て蓄 積さ れ て き た 多く の知 見を形状解析問 題に対し て も有効に利用で き る よ うにな るであ ろ う し,
ま た,
これ を 通 して,
これ まで 形 状 解 析 問題 が一
次元, あ るい は 二 次元的 問 題に限定さ れ てい た もの を,
三次 元 問題 を も含めて,
よ り広 く考 察 する事が可 能に な る こ とを期 待し て い る。2.
幾 何 学的 な関係2.1
基準 状態の 形態につ いてSl・
9)’
1°)・
tl) つ り合い状態にお け る物質点の 空 間の 位置ベ ク トル を 次の よ うに表 す。
た だ し,
添 え 字 はEinstein
の総 和 規 約に従う も の と し,123
の値を取る も の と す る。 R・
=xm (/1κ)em………・
…………一 ………・
(2.
1
> た だ し,
em :直 交座標 系の基底ベ ク トルX
皿 :直 交 座 標 系 が :一
般座標 系 ま た,
曲線座標 系の基 底ベ ク トル を次の よ うに定 義す る。
G
.=
∂R
/∂ノ生h・
・
…
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
.
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
2) この と き,
基 本 計 量テン ソ ルは次の よ うに定 義され る。G
∫κ・
=G
,・
G
.…………一 …………一 ・
t…・
・
(2.
3) また,G =
det)G
」iC1…・
・
……・
・
…・
……・
………・
…・
(2.
4) と定 義す ることに よっ て,
基 本 計 量テン ソ ル の反変成 分 は次の よ うに定 義さ れ る。
一 93 一
GJh=
cofactorlGjnl /G ………・
…
(2
,
5)2.2
変形前の形 態につい て 変形前の物 質 点の空 間の位 置ベ ク トルや,
その ほ かの 幾 何 学 的な基 本 量は上記の変 形 後の場 合に習っ て , 次の よ う に定義さ れ る。
r=
xm (ノL「)em・
・
・
・
・
…
喞
・
・
・
…
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2,
6)9h; ∂r ノ∂Ak
…
『
・
…
7・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2
.
7 )9丿κ;
9
丿・
9h ・
一一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
曾
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
一
(2.
8
) ま た,
9=det19
」hi…………・
・
………
(2.
9
) と定 義す ることによっ て, 基 本 計 量テ ン ソ ル の反 変テ ン ソ ル は次の よ う に定義さ れ る。
9”t= c ・fact
・r19
,、1
/9−一 ・
t・
………・
……
(2.
10)2.3
ひずみ お よび仮 想ひずみ ひずみ は次の よ う に定 義され る。
γ周
=
(1/2)(Gv −
9ke)一 ・
・
…・
………
(2.
11 > また,
仮 想ひずみ は次の ように表さ れる。
δ)fhi=
(1/2)δGnv・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
一
…
(2.
12 ) 2.
4 体 積 要 素の変分 微小体 積要素はdV
=VCdnidA2dA
:・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
13) ように表さ れ,
こ の体積要 素の変分はδ1/
C
; 〔1
/2
)GnVDG
. v 〆乙「・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2
,
14> よ うに な る。3,
形 状 解 析 問 題の基本式 形 状 解 析 問題は,
これ まで特殊な条件の下に存在す る つ り合い形 態 を求 める問題と して,
さ まざま な定 式 化が 試み ら れてき た。 例え ば,
厳密なつ り合い条 件 式 を立て て解こ う と す る もの,
ま た,
体 積 を一
定に して表 面 積 を 最小にす る問 題や, 逆に表 面積を一
定に し て体 積を最 大 に す る問 題など, い わゆる変 分 問題とし て定 式 化し よう とするもの な どである。
しか し, 厳 密なつ り合い方 程 式は変 分 原理 よ り導くこ とができ
,
変 分を受け る汎 関 数は問題の物理的な意 味を 考え る 上で き わ めて有 効で あ るの で,
こ こで は形 状 解 析 問題 を 変 分の 問題と して考察す る。
一
般に,
形 状 解 析 問 題は次の ように表現で き る。 す な わち, 「領域 内のつ り合い方 程 式と境 界にお ける力学 的 境 界 条 件 式および領 域内の初期応 力分布を仮定し て, その応 力 状 態でつ り合う形 態 を求め る問 題」 こ のよ うに し ても, 問題の一
般性を失うこ と は ない。
こ れを数 式を用い て記 述す る と次の よ うにな る。
1.
つ り合い方 程 式 (領 域 内 )士斎
(VC
’
th)+pf−
・…一 ・
……・
…
(・・
1
) お よびC
κ×th=
0・
…・
………・
…t・
(3.
2)2.
力 学 的境界 条件 (力 学 的 境 界 上 ) t= tD・
………一 ……・
…・
・
………
(3.
3)一 ’
一
3.
初 期 応 力の分 布 (領 域 内 )tk=tlit
…・
…・
……・
・
……・
・
一 …一 ・
…・
…・
・
(3.
4) 4.
ひずみ一
形 状 関係 (領 域内 ) rv==(1〆2}(Gw −
9w)………・
……一
(3.
5}こ こ に
,
tk
:Stress
Vector(=
τhiGj ) (unknown )xm :直 交 座 標 系 (unknown )
tD
:Boundary Stress Vector (known )tD
=
τDWnltG 」τDN :Bo皿ndary Stress TensQr (known >
tt
:InitialStress
Vector (known
〕trit= τ厂WG 」
τ尸:
Initial
Stress
Tensor
(known
>
f
:Gravity
Acceleration
VectQr
(known
)ρ :
Density
ofMass
(known
)Gbl:変 形 後の基 本 計 量テ ン ソ ル
9ti
:変 形 前の基 本 計 量テン ソ ル nit、
:境界の単 位法線ベ ク トル の共変成分 こ こ で,
領 域 内の応 力 分 布 は 式 (3.
4)の規 定に よ り 既 知と なる か ら, 結 局, こ れ は, 三 個の未知の座標 関数xm
を,
式 (3.
1)に含ま れ る 三本のつ り合い 方 程 式か ら決 定す る 問 題に帰着 され る。
さ て,こ の 問題 を変分問題へ 変換す ることを考えよ う。
この表現方 法に は次に示す よ う な仮想仕事の原理と停留 ポ テン シャルエ ネルギー
の原理 と に よ る二通 りの方 法 が あ る。4.
仮 想 仕 事の原 理 つ り合い方程式 (3.
1)と 力学 的 境 界 条 件式 (3.
3)か ら通 常の方法で仮想仕事の原理が導か れ る。一
∫
川
盍
蒜
(vc
’
th)・pf]
aRdV+
∬
(嫉 }棚 ・一
………・
・
…・
…・
・
…・
(4・
・) これ を, 部分積分法とGreen−Gauss
の 定理 を 用い て変 形す る, こ のとき, 式 (3,
4
) を用いて変 形す るとf
川 者
一
T・ ・SG ・ ・+pfaR]
d
v
・
∫
∫
螺d
・一
。…・
一 ・
・
一 …一 ・
(… ) と なる。 さ らに,
ひずみ の概 念を導入 するこ とによっ て,
次の よ うにな る。fff
[
・・… 7・・+pfaR]
dV
・
∫
f
・・aRds−
・一 一 ・
・
一 …一
(・・
3) 式 (4.
2)あるい は式 (4.
3)が形 状 解 析 問 題の仮想仕 事 の原理であ る。
こ こ で,
注 意 すべ き 点 は 固体の 力 学で通 常 使われている仮想仕 事の原理 と異な り, 体 積 要fi
’
dV や面 積 要素ds
は変分 を受け る独 立な関 数 を 含ん でお り,
変分の対象になっ て い る点であ る。
さ らに,
式 (3.
4) におい て,
等 応 力性を仮 定す る と, 式 (3.
4)は次の よう に書か れ る
。
虚κ=tlt=
(PoG 岬 )G
丿…
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4,
4) こ こ に,
p。は定 数と する。
式 (4.
4> を式 (4.
3 )に代 入 す る と,・
∫∬
・・va
赧 ・ ・d
ガ+
fff
・faRd v・
∬
繊d
・一
・…・
…・
…・
・
……・
…・
…
(・.
・) こ こ に,
式 (2.
13 )と式 (2,
14
)の関係を用い てい る。 さて,
式(4.
5)の第一
項は体 積の 変分を意 味してい る,
こ の こと は,
等 応 力 問題が体 積,
面 積あ るいは線 分の極 値問題に帰着す ること を示して いる。 以 上の よ うに,
形 状 解 析 問 題は仮 想 仕 事の原 理 を用い て完 全に記 述す る事がで き る。 し か し,
こ こ で注 意すべ きことは,
仮
想仕事の原理に は上述の定式か らも明ら か なよ うに,
応 カー
ひずみの関 係 式,
すな わ ちs 構 成 方 程 式に は 無関係で あ る。
こ の こと は領域に物質を規定し て いないか ら, 形 状 解 析 と 言っ ても具 体 的に物 質の形 を決 める の で はなく, 力のつ り合い状 態の み を問題と した非 物 質 的な形 状 を決 定 する ことになる。 こ の ことが, 物 質 の力学 的な挙 動を規 定 する連 続 体の力 学と馴 染ま ない点 である。
そ こ で, 形 状 解 析 問 題 を連 続 体の 力学の一
般 的 な手 法で扱 うために は,
媒 質 (物 質 )の力 学 的特 性 を規 定す る必要が あ る。
ここで は, 形 状 解 析 問 題は,
より具 体 的な物 質の形を決 定する問 題に変 換する こと を意 図し て, 次の よ うな考 察 を行 うL
5。
構 成 方 程 式 5.
1 0次弾 性 体 形 状 解 析 問 題 を物 質の形 を決 定する問 題とし て と ら え るた めに は, その物 質の 力学 的な特 性を決め な け れ ば な ら ない。
す な わ ち,
その連 続体の構 成 方 程 式 を 規 定 す る 必要がある。
通 常,
応 力と ひずみとの間に次の よ う な線 形の関 係が 成り立つ と き,
τw=
HWht71t・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
(5.
1) こ のよ う な物 質は (線 形 )弾 性 体 と 定 義され る。
こ こ で,
応 力は 二階の反 変テ ンソル で あ り,
ひずみ は 二 階の共 変 テンソ ル で ある か ら, 弾 性 係 数は四階の反 変テンソ ル で 表現さ れ る。
逆に,
こ のよ う な弾性 係 数 を持つ物 質 を(線 形)弾 性 体と定義 す ることが で き る。
こ れ と 同様に次の こと を参考に し て0
次弾性 体を定義す る。
Oden,
J
.
T .
は文 献L21の中で 『連 続 体の静 力 学 的な問 題に おい て,
応 力が ひず.
み に対 し解 析 的で ある とする と,
構
成 方 程 式は一
般に次の よ う に展 開で き る。 τ‘丿一H
‘丿+H
’J’C’ γkt 十1/2HiJ’
nt”n γitt7η .十・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt…
tt・
・
t
(5.
2 ) こ こで,H
“,
HIJn[
,
Hwntmni……
は,
それ ぞれ,0
次,
1次,
2次,………
の弾 性 係 数といわ れ, 材 料固 有の も の と考えられる。 こ こ で,
γκ尸 0と置くと,
式 (5,
2)は τw=
H ‘J・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5鹽
3 ) と な る。 そ れ ゆ え,0
次の弾 性 係 数H
“ は,
ひずみ ゼロ の基準状態に存在す る 「初期応力」あ るい は,
「規定さ れ た 応 力」を表して いる と 考 えるこ と も 出来る。
亅と述 べ てい る。
確かに,
応 力 と 弾 性 係 数のディ メ ン ジョ ンは等しいか ら, H “ を応 力と考え る こと も, ま た, 弾 性 係 数である と考え ること も可 能で あ る。
そ れ ゆ え,HW
は 「0
次の 弾 性 係 数」とい う面 と 「初 期 応 力」とい う二つ の面 を持 ち合わ せ てい ることにな る。
これ ま で の形状 解析に おいて は, これ を 「初期応力」 あ るいは,
「既 知の応 力」とい う面か らの み と ら え ら れ て お り, 領域 内の連 続体の材 質 特 性に は, な ん ら注意
が 払わ れ な かっ た。
しか し, こ こで は, これを 「0
次の弾 性 係 数 」とい う面 を中 心に考え ることにする。 弾 性 係 数が二 階の反 変テ ン ソ ル で表さ れ,
構 成 方 程式 が式 (5.
3>と な る ような媒 質を考える。 こ の ような媒 体はこれ までの弾 性 体と は本質的に異な る。 す な わ ち, こ の媒体では,
領域 内の任意の点の応 力分布が.
その点 で の弾 性 係 数に一
致す る よ う な特性を持っ てい る。 この よ う な弾 性 係 数を持つ 物 質 を, こ こで は0
次 弾 性 体と定 義す る。
この0
次 弾 性 体の概 念を導入 す る と』
,
形 状 解 析 問題は0
次弾性 体とい う材質的特 性を持つ連続体の形を求め る 問 題に帰着さ れ,
こ の点がこれ まで の形 状解析理論と大 き く異な る点であ る。 さて, 弾性体, 塑性体, お よ び粘弾性 体な ど実体の と も なっ た連 続 体で は実 際の物 質があらか じ め存 在し,
そ の実 体に合う よ うに構 成 方 程 式が設 定さ れ記 述さ れ る の が普 通である。 し か るに,
こ こで導 入し た0次 弾 性 体は,
単に解 析 的な便宜 上 か ら構 成 方 程 式を決 定してお り,
実 体が ない の で,
この物 質の特 性あ るい は挙動 を 理解しに くい。 そこ で,O
次弾 性体と自然界にあ る実在の物 質と の関係を明ら か に しておこ う。 1.
静 止 状 態の 理 想 流体の 構 成 方 程 式 は 次の よ うに書 くこ と ができ る。 τw=−
pGW・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5.4
> こ こ に, ρ:定 数と す る。 また,一
般 座 標 系の代わ りに,
直 交 直 線 座 標 系の場 合 には式 (5.
4 )は次の よ うにな る。
(cf.
Appendix
AL
)13} τw :−
Pδw・
…・
・
…・
・
…
……
………
…・
(5.
5 ) こ こ に, δi丿: ク ロネッ カー
の デル タである。
さて,
式 (5.
3)と式 (5,
4} ある い は式 (5.
5)と比 較 すると,
こ れらはい ずれ も二階のテン ソ ル方 程 式で ある の で, そ の普 遍 性は保 証さ れ る。一 95 一
式 (5
.
4)と式 (5.
5)は式 (5.
3 )の特 殊な場 合である, すなわち,
理 想 流 体の構 成 方 程 式は 0次 弾 性 体の中の等 方 性0次 弾 性 体の構 成 方 程 式に相 当する。
こ の ことか ら,
0
次 弾 性 体と は理 想 流 体 を包 含 する材 質 的な概 念で あ り, 0次 弾 性 体の挙 動は理想流体を通して,
類推す るこ とが可 能で ある こと が わ か る。
2.
石 鹸 膜の構成 方程式につ い て 石 鹸 膜は石鹸液と空気との界面に生じ た石 鹸 液その も の と は異な る二 次 元 的 な 媒体と考え る こ と が で き る。
こ の媒 体の任意の点で は表面張 力とい われ る応 力 分 布が知 られて い る。 いま仮に,
こ の表面張力 をこ の点での 0次 弾 性 係 数と考え る と,
こ の二 次元的 広が り を持っ石 鹸 膜 は O次 弾 性 体の薄 膜と考え るこ と がで き る。 こ の と きの 構 成 方 程 式は次の よ う に な る。
nao=
noAab・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5.
6> こ こに,
nab :膜 応 力 n。:膜 応 力に相 当する定 数 H “b=
n。A・
ab で, 二 次 元 的広 がりを持つ石 鹸 膜 の 0次弾 性 係 数であ る。 ま た,
Aabは 二 次 元 空 間にお け る 反変の基 本 計 量テン ソ ル である。 こ の こ と が,
等応 力膜の挙動 を 石鹸 膜 (液 体 膜 ) を通 して実 験 的に知ること がで き る 理論的な根拠 を与え る。
5.
2 0次 弾 性 体の性 質 式 (5.
3) より明ら かな よ うに,
領 域 内の応 力は ひず みに無関 係に, 0次 弾 性 係 数 として規 定さ れ て い る。 し か し, そ の規 定の仕 方は, 完 全に 自 由で は な く,
その 点 で の つ り合い条 件を満 足 する よ うに規定さ れ な け ればな らな い。
O次 弾性体の 性 質 は理 想 流 体 (圧 縮 応 力 状態 )と石鹸 膜 (引張 応 力状態), これ らは, いずれも0次 弾 性 体の 中の等方 性0
次 弾 性 体 として考え ら れるが,
こ の 二 つ の 現実に存 在する例 を通し て,
0次 弾 性 体の特 性を類推 す ること が で き る。
(cf.
Appendix A2.
) L 気 体の場 合 気 体の密 度が小さい と き に は,
これ を無 視す ること が でき,
領域 内は一
様な圧 縮 応 力 状 態になっ た,
いわゆる 大域 的等応力状態と なっ てい る。
2.
液 体の 場 合 液 体の場 合に は密度は,
も は や無 視す ることがで き な く な り,
領域 内は液 面か らの高さに応 じた静 水 圧 状 態 (圧 縮 応 力状 態 〉,すな わ ち,
局所 的 等 応 力 状 態となっ て い る。 3.
石 鹸 膜の場 合 石 鹸 膜は微視 的に は表裏二枚の表面 張 力の薄 膜 あるい はこ の 二枚の薄膜の間に 石鹸 液 を挾んだ構 成になっ てい る と考え ら れ る が,
巨視 的に は表面張 力 (引 張 応 力 状 態 ) を0
次弾性係 数と し た, 二次 元 的な広 がりを持つ 等 方 性一
一
0次 弾 性 体の薄 膜と見る こ と が でき る。
この場合に も,
膜のポテンシャ ルカ として導 入 される 自重を考 慮する か否か によっ て.
局 所 的ある い は大 域 的 な等応 力 状 態と な る。
4.
O次 弾 性 体の荷 重 効 果 領 域 内の応 力が O次 弾 性 係 数とし て規 定さ れ て い る。
その た め,
境 界に作 用す る力も規 定さ れ たこ とにな る。
す な わ ち,
0次 弾 性 体が あ る領 域を占めて い る と き,0
次弾性 係数は初期応 力と等価である か ら,
境 界 面に作用 す る力は,
t=HiJniG
」一・
…
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
・
・
…
(5.
7
) こ こ に,
t:境 界で の応 力ベ ク トル ni :境 界 面の単 位 法 線ベ ク トル の共 変 成 分 と して,一
意 的に規 定 される。 そ れゆえ,
0次 弾 性 体は 境 界に対し.一
種の荷 重 効 果 を 与え る。
こ の ことは,
理 想 流体が 固定壁面に対し て圧力とし て の荷重効 果が あ る こと を考え れば容 易に 理解し得る。
6.
停 留ポテ ン シャル エネル ギー
の原理 連続 体と して 0次 弾性 体を 対象に し た 形 状 解 析 問 題の 定 式は式 (3.
1 >〜
(3.
3) 〔3.
5 )お よび 式 (5.
3
)を用い て行わ れる。 式 (3.
4) と式 (5.
3) とは内 容 的に は同 じ もの であるが,
こ れを 構 成 方 程 式と考え る か否か とい う ことは, 概 念 的にき わ め て大き な違いが あ る。
停 留 ポテン シ ャル エ ネル ギー
の原 理は式 (4.
3 )に お け る ものと同じ形 式と なる。
す な わ ち,
f
川
H
物 轟副
dy
+
∬
繊d
・一 ・一 …一 …一 ・
…・
…
(6.
1) ま た,
式 (5.
4>の構成方 程 式に対 して は一
・∫
∬
面
d
・1皰 ガ+
fff
・fcrRdV+
∬
繊 d・一
・・
………・
・
……・
……・
・
(6.
2 ) さ て, 物体力 ’ がポテン シ ャル φ か ら求め ら れ る と き に は,
す な わ ち δφ=一
’SR ・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
甲
・
・
・
…
(6.
3) の とき に は, こ れ と質量保存の条件か ら,
式 (6.
2
)は 次の よ うに表現さ れ る。
一
・∫
∫∫
(・ + ・Φ岼
硼 跏 ・・
ル
P.
・Rd ・一
・一 ……鹽
・
……7−
…・
・
(・.
・} こ の式は理 想 流 体の静 的な状 態に お け るエ ネル ギー
の収 支を表 し たBernoulli定 理とみること ができ る。7.
等方性のO
次弾性 体の形態の実例 以 上の よ うに,
「0
次弾性体」の概 念を導入 す ること に よっ て, 形状 解析問 題 は0
次の弾性 体の定営問 題ある い は平 衡 問 題に変 換さ れ る。
理 想 流 体や石 鹸 膜は等 方 性の 0次弾性体に含ま れる と考え られる か ら
,
こ こで は,
主に理 想流 体や石 鹸 膜の平 衡 問 題につ い て考え,
これら を通し て,一
般の 0次の弾 性 体の形 態や特性につ い て,
ある程 度類推する ことが で き る。
7.
1 容 器 内の理 想 流 体の か た ち (三次元) 空 気 や 水は昔か ら定 形 を持た ない もの の 代 表と して考 え ら れ て き て い る。
し か し,
こ れ らの物 質は環 境に合っ た最 も安 定し た形 態 を指 向しで,
その形 を変える。
シャ ボン玉 やゴ ム風 船はそ の容 器に合っ た空 気の かた ちであ り,
容器内の水も,
そ の容 器に合っ た形 をし て い る考え ること がで き る。7.
2
地 球の か た ち (三次元) 地 球は水 (理 想 流体 〉の 塊と考え ること ができるとい わ れ てい る。 この流 体が万 有 引 力と自転による遠 心 力 と のつ り合い の上に や や偏 平な球 体を して い る。 こ こ で,
簡 単に この定 式を行う。
直交座標 系 xyz を 取OP
s 回転 軸をz 軸と し,
水の塊が一
様な角 速 度 ω で 回 転し てい る と す る と,
速 度V
(XYZt )は,
匹=一
ω〃 Vy=
ωτ V 。=
0…・
…・
・
一……
(7.
1) で与え ら れ る定常 流であ る。 この と きの加 速 度は,
αx− 一
ω2y α。=一
ω ’ x α。=0 ・
・
・
……・
…
(7.
2} とな る。
これは等 速円運 動の 向心加 速度であ る。 こ の と き, 運 動エ ネルギー T
は,T ・
=
(1/2>ρω ! (x2 +劉…・
・
…………一 ・
・
…
(7.
3
) と表さ れる。
こ こ に,
ρ は理 想 流 体の密 度であ る。一
方,
重力と 圧力に よ るポテ ン シ ャ ルエ ネル ギー
V は V=
P97−一
十一
P・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
一・
・
・
・
・
…
(7.
4) と表される。
こ こ に,
g は重 力 加 速 度であり r は r=
x: 十yZ
十22・
…
’
・
’
・
r・
▼
・
…
「
・
・
r・
…
r・
・
・
・
・
…
(7.
5 ) である。 こ こ で,
ラグ ランジュ 関 数 ρ工.
=
7「
−
1/・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一…
一」
・
・
・
・
・
・
…
(7.
6) を導入 すれ ば, ハ ミ ル トン の原 理によっ て・
ffff
・・ ・…d
・d
・一
・・
…・
…・
………
(・.
・) とな る か ら,
ρL=
c (const )と な る。
す な わ ち,
(1/2)pω2(x:十yt)一
ρ9r −
p=
c…・
・
…・
…・
(7.
8} 原 点 r=
0におい て,
圧力
をPoと すると,
C=−
Po…
∵・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(7.
9} と な る。
い ま,
大 気 圧 をp
, と す る と,
P (xyz )=
(レ2)ρげ(x2+y2)一
ρ9r 十ρo= Pr・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(7,
10) は大 気と 理想 流 体との接 面 を表す 方程式 であ る。これ を,
r につ い て解く と,
r=
(1
/29
}ω2(」匚2+y’) 十(1/ρg )(ρo−
PT )・
・
∵・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
…
(7911 ) これ は z 軸を回 転 軸と す る回 転 放 物 面を表して い る。 な お,
回 転がな い場 合に は ω=
0か ら,
「=
(ユ/ρ9 )(Po−
Pr)=
const・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(7.
12 ) と な る,
これは球 体を表し て い る。一
方, 式 (7,
7
)よ り,
オイラー ・
ラグラン ジュ の 運動 方 程 式は質 量 保 存の条件 ・fff
・d
… d・一
…一 ・
・
……・
・
…一 ・
(・.
・3 ) を考 慮して,
次の よ うに 求め ら れ る。
一
ρcalX=一
ρ9X/?・
一
∂P/∂X…………・
…
(7.
14)−
PtO2y=一
ρ9
写/r−
∂P
/∂y …………・
…
(7.
15 ) 0ヨ
ー ρg2/ 7−
∂p/∂z・
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
9
(7.
16) 式 (7.
10 )は式 (7.
14 )〜
(7.
16)を満 足し て い る ことは 明ら かであ る。 な お,
これ らの式か ら,
6節に示し た方 法で, 変分 原 理 の基本式 (7.
7 )を求め ること ができ る。 7,
3
石 鹸 膜のか た ち (二次元) フ レー
ム に張られ た石 鹸膜は0
次 弾 性 体の 薄 膜と考え ること がで き る。
この膜の表面 張力 は等 方 性の 0次 弾 性 係 数に相 当す る。
その形態は上 述の容器の場 合と同じよ うに境界の形に依存す る。7.
4
シャボン玉 空 気 中に浮か ん だ シャボン玉 はO次 弾 性 体と考えられ る空気の塊 (自重は概 略 無 視 し得る)を0次 弾 性 体の薄 膜で包んだ状 態でバ ラン ス し た複合構 造と なっ てい る。 7,
5 水 滴 蓮の葉の 上の水 滴は 0次弾性 体と考え ら れ る水の塊 (自重は もはや無 視で き ない ) を0
次 弾 性 体の薄 膜で包 ん だ状 態で バ ラ ンス し た複 合 構 造とな っ て いる。
7.
6 紙風船 これ は,
ほ と ん ど伸び ない膜の内 部に空 気 (0次弾 性 体 )が充満して バ ラン スし た複 合 構 造と なっ て いる。
7.
7 ゴム風船 これ は,
伸び やすい膜の内 部に空 気 (0次 弾 性 体 )が 充 満して バ ランス した複 合 構 造と なっ てい る。
8.
膜 構 造へ の応 用 以 上の よ うな形 状 解 析の一
般 理 論 を 膜 構 造に適 用す る。
そ の際,
仮 想 仕 事の原 理とし て定 式する ことも,
ま た,
0次 弾 性 体の連 続 体とし て,
停 留ポテ ン シ ャ ルエ ネ ル ギー
の原理で定 式す ることも可 能であ る が,
結 果は同 じ形 式と な る。
こ こ では,0
次弾性体の連 続 体と して,
後 者によっ て定式 化 する。
8.
ユ 基 本 的な関係 変 形 後のつ り合い状 態にお ける曲 面 上の任 意の点の位 置ベ ク トル を次の よ うに表す。
R=
♂ (Aa)em・
・
……・
…・
・
一 ………
(8.
1) ただし,
♂ :直交 座 標 系の基 底ベ ク トル zm :直交 座 標 系 (m=
123 > Aa :一
般 座標 系 (a‘ 12 ) ま た,
曲 線 座 標 系の基 底ベ ク トル を次の よ う に定義す る。
Aa
= ∂R
/∂Aa…・
…・
…・
…・
……・
・
…・
・
…・
・
…
(8▼
2 ) こ の と き, 基 本 計 量テ ン ソ ル は次の よ うに定義さ れ る。
一
97
一
Aab
=Aa・
A
,
……・
・
…・
・
……・
・
一 ・
…・
………
(8.
3
) ま た,A ;IAab
」…………・
………・
……・
…・
・
……・
(&4
)Cab
= cofactorl
Aabl…・
………
(8
.
5)と定 義 することに よっ て
,
基 本 計 量テン ソ ル の 反 変テン ソ ル を次の よ う に定義す る。Aab=
Cab
/A ・
・
・
・
・
…
『
・
・
・
・
・
・
…
一
・
・
・
・
…
9−・
9・
・
・
・
…
(8.
6) また, 変 形 前のつ り合い状態 にお ける曲面上の任 意の点 の位 置ベ ク トルを次の ように表 す。 r=
Zom(ノta
)ε扣ゴ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
「
・
・
・
…
(8.
7 ) 変 形 後の場 合と同様な基底ベ ク トルを次の よ うに 定義 さ れ る。 aa=
∂r/∂Aa・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
(8.
8
) こ のと き,
基 本 計 量テン ソ ル は次の よ うに定 義され る。
αab= α o・
ab・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
’
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(8.
9 ) ま た,
a=laabl………・
……・
・
・
……・
・
・
……・
(8.
10) c。 、・
・cofact ・rlα。。卜・
…・
…・
…・
・
…・
………
(8.
・11 ) と定 義す ることによっ て, 基本計量テ ンソ ル の反変テン ソ ルを次の よ う に定義す る。 α=
c。 、/α…………・
一 ………・
・
…・
(8.
12) この よ う な 関係を 用い て定 式 化する。
8.
2 膜 構 造の形 状 解 析の定 式 化 0次 弾 性 体の薄 膜の微 小 面 積に蓄え ら れ る仮 想の ひず みエ ネルギー
に相 当す るもの は,
次の よ うに表すこと が で き る。 δW (zり三H
帥砺 b(2り・
・
…………・
…・
……
(8,
ユ3
> こ こ に, Hab
lO
次の弾性 係 数 剛 zり:ひずみエネル ギー
関 数の形 状 関 数 (zk :k=
1,
2,
3
)表 現 ま た,
ひず み は 次の よ う に 定 義 される。
7de(zt )=
(1/2
){Aab
(zκ )−
aab}…
一…
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(8.14
) δっ急b(zt);
(1/2)δA ab(zh)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(8.
15 ) これら の関 係を用い る と,
停 留ポ テン シャ ルエ ネル ギー
の原 理は次の よ う に定 義さ れ る。 δΦイ∫
・a・ ・・… (・w
万酬 ・一
・ル
五蒲 齟 ・一
δf
t…ds =
=
・……・
・
・
………・
………・
・
(8・
16) こ こ に,
研 :最 終 的に得られ た安 定な曲 面の面 積 要 素 を表す P :密度 五 :物 体 力の成 分 tk:表面 力の成 分 こ こ で,
注意すべ き点は 固体の力学などで定義さ れ てい る汎 関 数と異な り面 素N/万 はZκ の関数と なっ て お り,
変分 を受け る 点で あ る。
さて,
0次の弾性 膜が等方 性の薄膜と す る,
す な わ ち,
Hoe=
nイ4
αb・
・
・
・
・
…
r9…
9・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(8.
17)一 98 一
こ こ に,Aab
は最終 曲 面の反 変 基 底テ ン ソル である。
n は膜 応 力に相当す る定 義 こ の と き,
薄 膜の微 小 面 積に蓄え られ る仮 想の ひずみエ ネル ギー
に相 当するもの は, 次の よ うに表すこ と が で き る。
δw
〔2κ ) =HdeDrab
(zk)=
(1/2)nAab δAab(zk)…
『
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(8.
18)一
方,
面 素の変 分は次の よ うに書ける。
δ》呵=
(1/2
)Aab
δA.
b(zh }》署・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(8.
19 ) そ れ ゆ え,
仮想仕 事の式の第一
項は次の ように な る。f
∫
H
・・aZa
・(・幅 齟 ・−
ffn
・而 弸 δ・
…一 ・
……・
一 ・
(8
… ) これ を用い て仮 想 仕 事の式を書き直す と,δΦ
一
・∫∫
函d
醐 ・一
δff
pfkzh vXirdAaAb一
小
2hds − ………・
… …・
…一
(・・
21 ) こ こ で,
物 体 力が ないと す る と,
等 応 力の面積が最 小に な る曲面を求め ることになり,
こ れ まで の議 論と完全に一
致す る 。9.
直 交 座 標 系で の基本式の誘 導 こ れ まで導い て き た理 論の正 当性 を示 すた めに,
こ こ で はR .Trostel
’)が 力のつ り合いより導い た,
自重を考 慮し た石 鹸 膜の形 状 解 析の基 本 式を,
こ こ で示し た方法 によっ て誘 導し ておこう。 形 態 安 定 後の曲 面の任 意の点の位 置ベ ク トルを 次式の よ うに定 義 する。R =
コcel 十 Ψe!十 z (コc y)es・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9,
1
) この と き, 基 底ベ ク トル は次の よ うに定義され る。 AI=
∂Rノ∂x=
=
eL十2コces’
…
一
一
…
tt…
−t・
・
・
・
・
…
(9.
2
)A2;
∂R
/∂x;
e2 十 2ye3・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9.
3) こ こに,
Zx= ∂9/∂x Zu=
∂2/∂y・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9.
4) で あ る。
こ の曲 面の基 本 計量 テン ソ ルは次の よ う に な る。
All
= 1十Zx:AllE1
→−
Zyl・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9.5
)Aie
; 2=
ZyA
=AnA2t−
A12z= 1十z= t 十2yt・
・
・
…
tt・
・
…
一
(9.
6 ) そ れ ゆ え, 面 積 要 素は朔「
=
1十 Zx2 十2y2
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt−一
…
(
9、
7
) 以 上の諸 式 を用い て,
内 圧 と 自重の作 用を受ける局所的 等 応 力状 態の膜 搆 造の基 礎 方 程式 を求める。 膜 張 力にポテンシャ ルエ ネルギー
は式 (8.
20
) よ り,
・・
イ∫
… +・xt ・z. ・d
・dy …・
………
(… ) こ こ に, η。 は膜応力 (石 鹸 膜の 表 面 張 力 ) を表し てい る
。
また,
物 体 力 (自重 )に対し て は,
次の よ う な ポ テンシャ ル関 数の存 在 が 知ら れ てい る。…
−
ff
・z 1+ z。
t・塚 繭……一
(・.
9) こ こ に, g は曲面の単位 面 積 当りの 自重で定 数 とする。 ま た,
内圧 に よ る ポ テンシ’
ヤ ル関 数は 軌イ∫
鵡 ω齣……・
・
……・
…・
…
(・… 〉 こ こに,
p は内 圧を表 して いる。 式 (9.
8
)と 式 (9.
9)お よ び式 (9.
10)とか ら,
等 方 性0
次弾性の薄 膜の停 留ポ テン シャルエ ネルギー
の原 理 は次の よ う に な る。 δφ=
δ(Φ〇十Φ匿十 φ,);o ……・
……
………
(9.
ll) こ こ に,
汎 関数 ¢ は次の よ うに表さ れ る。
di=
=
川
(・・+9・)・+ z。 2 ・・y2… (
副
d
鞠……・
・
一 ・
・
……・
…
(・.
12) ここで,
変分を受け る独 立の量は 2 である。
さ て, この汎関数 φ を停 留にする独 立な関 数z は次 のEuler−Lagrange
の方程 式を満足 す る。(・・+9・)
雋孝
莠
1
・ 9・
・
一
一
・
・
・
…
,
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9.
13 )=P
十 1+zノ+Zy2 こ こ に,
∠」z; Zx!
十Zy!
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9,
14)L (z)
=
Zxt2yy−
2Zx2vZxy十9y22エx・
・
・
・
・
・
…
(9,15
)Zxx
=
∂2z /∂xax ZVtr=
∂22 /∂3ノ∂!ノ・
・
・
・
・
・
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…
(9.
16 ) z=
y=
∂「 z /∂x ∂y である。 式 (9.
13)は自重 を考 慮し た局 所 的 等 応 力 曲 面 のつ り合い方 程 式であり, 文 献 1 と も完 全に一
致してい る。
さ て, こ こで,
式 (9.
12
)の第一
項を検討し て おこう,
(e。+gz )は応 力と考え ら れ る が,
これ は,
理 想 流体の 静 水 圧に相 当する と と もに, こ れ は単位 体積 当りのエ ネ ルギー
を表し てお り,
理 想 流 体のエ ネル ギー
収 支 を表し たBemoulli
定理 P十gh十(1/2)pV2=
constant・
・
・
・
・
・
・
…
t・
(9.
17) の前二項と見ること ができ る。 す な わ ち,
圧 力と位 置の エ ネルギー
を表 して い る もの と考え ら れる。
10.
ま と め 10.
1 弾 性 力 学 あるいは塑性力学は, 連続体の力学の 中で,
媒 体として,
それぞれ弾 性 体あ るいは塑 性 体を対 象と し た力 学 体 系で あ る。
形状解析問 題 は, 連 続 体の 力 学の中で媒体と し て,0
次弾 性体を対 象と し た力学 体系 と考え るこ と がで き る。 す な わ ち,
「0次 弾 性 体 」とい う 連 続 体 を 考 え ることによっ て,
形 状 解 析 問題 を連 続 体 の力学
の枠
組み の中で,
他の連 続 体と 同 じ よ うに,
統一
し た手 法で扱 うこと がで き る。
10
.
20次 弾 性 体は理 想 流 体 を 包 含す る材 質 的な概
念
であ り,
理想 流 体や 石鹸 膜は等 方 性の 0次 弾 性 体の一
つ に相 当す る, こ の こと が;等応 力の形状解析 問題 を石鹸 膜 (液体 膜 )で実 験的に求め るこ との で き る理論的な根 拠 を 与え て い る。
10.
3 形 状 解 析 問 題で は一
般に応 力はEuler
応 力で 評 価さ れ てい る。
そ の ため,
汎関 数の積分 領域は変 形 後 ある い は安 定 後の領 域を対 象と する ことに な る。
そ の た め,
線,
面 積 あるい は体 積が変 分の対 象にな.
っ てお り, こ れ らの諸 量が形 状 解 析 問題の中で重 要な働き をし て い る。 この こと は,
固 体の 力学で常 用さ れる変 分 原 理と著 し く異な る点であ るe10.
4 形状解析問題 を仮想仕事の 原理 あ るいは停留ポ テン シャル エ ネル ギー
の原 理 と して定 式 化 す るこ と がで き る か ら, これをも と に し て有限要 素法な ど の離散的な 解 法に よ る定 式 化 も容易で ある。
注 こ の諭 文は文it5’
7 )に一
部 発表され ている。
こ れを基に し て,
理 論 的な部 分 をま と めた もの で ある。
Appendix AL 静 止 状 態にお け る 理想 流体と粘性流体13 ) 粘 性 流体の構 成方 程 式は次 式で与え られ る。
rU=−
pδtj十 λV献δu十2 μyU…・
…………
(A1.
22)一
方,
理 想 流 体に対し ては rU=−
pcrtj・
…………・
・
……・
…・
…・
…・
……
(A1.
22) と な る。 いま,
仮に静止状態と す る と,
速度が0と な り構 成 方 程 式は完 全に一
致 す る。
こ の ことは静 止 状 態 に お け る挙動 は理 想 流体も粘 性流体も変わ ら ない。
A2.
局所 的等 応 力と大 域 的 等 応 力 領 域の任 意の点にお け る応 力にせ ん断 成 分を含まず,
全方位的に等しい応力状態,
す な わ ち,
その点の モー
ル の応 力 円 が 点 となっている状 態 を等応 力 状 態 と定 義 す る。
次に
,
等 応ヵ状 態の領 域Cl,
おい て.
任 意の相 異な る 二点の応 力 が等しい と き,
この状 態 を 大 域 的等応 力状 態と定義す る。
ま た,
二 点の応 力が 互い に異な る と き,
この状 態 を 局 所 的 等 応 力 状 態 と定 義 する。
一
般に自重を考慮し た場合,
等応 力状態を維持す る ことは不 可 能である。
し か し,
自重が ポ テン シ ャ ル か ら導かれ る と きに は局 所 的 等応力 状態 と なっ て バラン スする。
現 実の事象と し て,
大 域 的 等 応 力状 態と は容器の中 の静 止 状 態の自重 を無 視し得る理 想 流体 (気体 )の応 力状態 (圧力 ).
が これに相 当す る。
ま た,
局 所 的 等 応 力状 態と は容器の中の静 止 状 態の 自重を 無視で き ない よ うな理 想 流 体 (液 体 ),
す なわち,
高さによっ て圧 力 が変化し ている よ う な応力状態 (圧力 )がこれ に相当 す る。
.
.
.
References1) Otto F
.
:“
Tensile Structures”
Vol.
L
Vol.
ll MIT Press 19602) 荻 田 直 史: