NII-Electronic Library Service
1
論 文】 UDC :624.
042.
41 :69.
022 日本 建 築 学 会 構造系論文報告 集 第 367 号・
昭 和 61 年 9月一
方
向
型
吊
屋根
の
フ
ラ
ッタ
に
関
す
る
基 礎 的研 究
†壁 付 吊屋根
の フ ラ ッ タの発生
機
構
につ い て 正 会 員 三 正 会 員 正 会 員 正 会 員吉
森
園 宅村
下
田昭
正東
春
*1)健
綱浩
*3) 二*4) L1.
は しがき 吊形 式の橋梁・
建築構 造 物と し て,
吊橋,
斜 張 橋,
吊 屋 根な ど が挙げ ら れ る。 こ れ らは, いずれ も, 可撓性に 富ん だ固 有 振 動 数の低い構造物で あ り,
風の影 響 を受け や すい。 橋 梁の分 野では,
旧 タコ マ橋を含む 十数 橋の 吊 橋が,
フラッ タの た めに落 橋し たか重 大な損 傷 を受けて いる し,
中径間の橋梁と して,
近年盛んに架設さ れて い る 斜 張橋で は, 特に, 渦励 振が耐風設 計で しば しば問 題 と な る。
こ こ に, フラッタとは,
風に よ る弾 性 構 造 物の 自励 振 動 現 象 を指し,
橋 梁の場 合,
曲 げね じ れフ ラッ タ,
ね じれ フラッタ,
ギャロ ッピング お よ び渦 励 振な どの,
発 生機 構の異な る さま ざ ま なフ ラッタ を 生 じ 得ることが 知ら れて いる。 これに対 し,
吊屋根の 場合, フ ラッタを 生じ る こと が実験的あ るい は理論 的に確認さ れ ているも の の [た と え ば文献5
)〜8
)〕,
実構 造 にお ける事 故 例は ない よ うであ る。 し か し,
超 長大スパ ンの吊屋根が将 来 建 設さ れ れば,
吊橋や斜張橋と同様に,
フ ラッタに対す る対 処がク ロー
ズア ッ プさ れ るこ とにな ろ う。
さて,
吊屋 根には さ まざま な形 式が あ る が,
川 村・
木 本5}・
6) は, 壁 付お よび 壁 無の一
方 向型吊 屋根を取り上げ,
その空 力 弾 性 挙 動 を 調べ てい る。
得られ た 風速一
屋根 面 変位 応 答 曲線によれ ば, ある限 られ た風速 域に お い て,一
つ あるいは 二つ の ピー
クを もつ 限定 的 振 動で応 答が特 徴づ けられて い る。
こ の変位 応 答は,
上記 斜 張橋の主 桁 の よ う な,
扁 平 構造断 面 柱の渦励振応答と極めて よ く似 た特 性を示してい る。 こ の ことに着 目し, 本 研 究では,
,
以下の手 順で吊 屋 根に生 じ る フ ラッタ の発 生 機 構 を調べ た。
す な わ ち.
溝型 断 面柱の上 面に弾性 膜 を 張 り付け た 矩 形膜模型 を作り,こ の弾性膜の フ ラッ タ特性を調べて, 扁平構造断面柱の渦励 振特性と比較検討し た。
次に,
こ † 本 論文は,
参 考 文’
it
1)−
4)に 二・
三 の資料 を追 加 してと り ま と め た もので あ る。
il}有 明工業高 等専門学校 助 教授 糊 九 州 産 業 大 学 助 教 授・
工 博 tSl 横河 工 事(株 )工修 1‘)中 央コ ンサル タン ツ (株 ) 工修 {昭 和 61 年 1月6日原 稿 受理) の模 型の下 面に地 面 板 を 取り付 ける と,
壁 付一
方 向 型 吊 屋 根 模 型 とな る。
こ れ につい て フ ラ ッタ実 験 を 行い,
上 記矩 形 膜の応 答 特 性との類似 性 を検 討し た。
本 論 文は,’
これ.
らの実 験 的 研 究の結 果 を取り ま と めた もの で ある。 扁 平 構 造 断 面柱の渦 励 振の発 生機構につ い ては,
最近 の い くつ か の研 究に よっ て逐次 解 明さ れて き た。 す な わ ち,
円 柱や 正方 形 角 柱 等の後流に見ら れ る,,
い わゆる カ ルマ ン渦に起因 す る励 振が カル マ ン渦励 振で あ る。
これ に対し,
扁平構 造 断 面柱の渦励 振は, カル マ ン渦に よる も の で は な く, 柱体の振 動に よっ て その上・
下 面に形 成 さ れ る,
前 縁 剥 離 渦に起 因する もの である こと を 小 松・
小 林9)は 示 し た。
さ ら に,
ヘ ル ム ホ ル ツ共 鳴とし て よ く 知ら れ てい る,
凹み におけるエ ッジ トー
ン の発 音 源の渦 と 同種の渦が,
扁 平 構 造 断 面 柱の渦 励 振の種 (タネ)で あ る こと を中村・
中 島1°,が明ら か に し た 。 以 上の他に,
扁 平ない し非 扁 平の構 造 断面 柱の曲げ と ね じ れの渦励振 を,
い くつ かの タ イブに分 類 した白 石・
松 本ll}の研究な ど が ある。
こ れ らの中で,
本 研 究の考え方は,
中 村・
中 島10)の 研 究 結 果に基づい て い る。 し た がっ て,
本 研 究と 密 接な関 係 を もつ 中 村・
中 島の研 究の概 要につ い て,
ま ず記すことに す る。2.
扁 平 構造断面 柱 の渦励 振の発 生 機 構に関 する中 村・
中島の研 究1°) 図
一
1は, 気 流と直 角 方 向の上下 (曲げ>1自 由 度に Y /h O.
3 0.
2 0.
量 1:4H−
Sec嚇on 4h xY
. hli一
州 轟 F pl己te x coy /h Ofv ● α旱
゜警
h.
,/fU/
.
_.
.
.
.
.
.
.
亀
∠
.
「 ず ら //
L fo.
.
.
的 f 販 10 5 0 0 6 8 Vffvs O Vc了(nu2 )VcrCnil} 図一
1 H型 断 面 柱の渦 励 振 特 性 (文 献10)による)・
一 37 一
N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service ばね支持さ れ た
,
扁平なH型 断面柱の フ ラッ タ実験結果 の一
例で あ る。 た だ し,
断 面 比h
:d =
王:4 仇 は桁 高,
d
は弦長を示す)に関す る結果で あ り,
図 中,y
/h
は 振 動 振 幅,
fv
は静 止模型の 渦放 出振動 数をそ れ ぞれ表 す。 図の結果は次の こ と を示して いる。 1)カルマ ン渦 の放 出振 動 数と模型の固有振動 数と が一
致す る共振風速V。
r の付 近 と,その約 1/2の風速 付 近で渦 励 振を生 じ る。
2) 後 流に ス プリッ タ板を挿入 し て断 面 上 下の剥離せ ん 断 層の相 互 干 渉 を抑 制し,
カ ルマ ン渦 を消 滅さ せ ても, 第2
の発 振の応 答 特 性に大き な変 化は見 られない。
した がっ て,
こ の発振は カル マ ン渦に起 因す る もの で は な い。 中村・
中島は,
こ の扁 平 断 面 柱の渦 励 振の発 生 機 構を 以 下の よ う に調べ ている。 まず,
断 面 比 を種々変 化 させ て, 図一
2に示すス トロー
ハ ル 数St
(d
)=.
fv
・
d
/V
(V は風 速 〉 を求 めた。 代 表 長と し て, フ ラン ジ高h
で は な く,
弦 長d
が用い ら れて いる点に注 意さ れ たい。St
数の異なる 2つ の分 枝が見ら れ,
そ れ ぞ れ別 種の 渦放 出 を 意 味 して い る が,
図一
1に見 た第 2 の 発 振 は,St
(d
)=O.
6
の渦 との共 振 風 速 付 近で 生 じて い るe こ の渦 の 波 速 を V’
= O.
6y と仮 定し,
渦の 波 長 と 周 期 を, そ れ ぞれ λと Tv=
1/fv
と す る と,S
t
(d
}= d/(Tv・
V’
/0.
6)=
=
o.
6d /λ と な る 。 こ のSt
数の分 枝が,
d
/h
に よ らずほ ぼ一
定 値o,6
を示す こと か ら,d
/λ= 1,
す な わ ち,
ほ ぼ弦 長d
に等 しい波長 λの渦が放 出さ れる ことを 図の結 果か ら見 出し てい る。
次に
,
こ の波 長 λ の渦 と図一
3に示す 凹 みの渦と を,
次の よ うに関 係づ けて い る。
す な わ ち,
凹 み に お け る剥 離せ ん断 層は, 下 流の鋭いエ ッジの影響を受 けて,
凹み の間va
d
を n 波 長 (n・
=
1,
2,…
)と す る渦に巻き込む。
こ の剥離せ ん断 層の 不 安 定現象は,
impinging・
shear−layer
instabilityと呼 ばれ て お り,
代表長 を凹み の間 隔d
とし た時のSt
数は,
St
(d
)= O.
6 n とほ ぼ一
定の値 を とる12 ]。 この種の発 振が凹み の音響 振 動 と 共鳴す る現 St(q 1.
0 a5 トトSectbn d→
h [トー−
1 F’
o.
ガo。
ノ・
0 0 2 4 6 8d !h 図一
2 H型断面柱のス トロー
ハ ル数 (文 献10)による) StCd) 1、
oO.
5蠏
=3.
:・.
:
.
n.2 eコ
ロ
ロ
蘇
1v ⇒審
o O 1 2 3 4 5d /h 図一
3d
/h
とス トロー
ハ ル数の関 係 (文 献12)によ る)一
38
一
象は,
エ ッ ジ トー
ンと 呼 ばれている。
中村・
中島は,
流 れ の可視 化実験によっ て,H
型断 面柱に おい ても,
弦 長d
(上・
下 面の凹 み の幅 )を1
波 長と す るエ ッ ジ トー
ン の 渦 (n= ・1の渦 と以 下に呼ぶ)が柱体の上・
下 面に発 生して い る こと を確認 し ている。 以上 の事 実と考 察に基 づ き, 第 2の発 振は, n・
=1
の渦に起因 す る渦励振であ・
る と結 論し,
また,
高 調 波の渦 (n = 2の渦)の存在は 確認 さ れな かっ た もの の,
第 1の発 振も, エ ッジ トー
ン の渦に起 因 する渦 励 振である こと を示 唆し てい る。
さ ら に,
扁 平H
型 断 面 柱の ね じ れの渦 励 振の ほか,
扁 平 な 矩 形 とT
型の 断 面 柱に つ い て も同 様の検 討を行い, 扁 平 構 造 断 面 柱に広く見ら れ る渦 励 振は,
いずれ、
も,
エ ッ ジトー
ン の渦に起 因す る渦励振であ ること を示して いる。
図一
4は,
文献13
>で引 用さ れて いる凹みにお けるエ ッ ジ トー
ン の分 類マ ト リッ クス で ある (文 献 IZ)。 エ ッジ トー
ンの渦に起因 す る空 力不安 定現 象が,
ヘ ル ムホル ツ 共 振を始め,
多くの分 野で見ら れる ことを図は示す もの で あ り,
本 研 究で取り 上げる吊 屋 根の フラッ タの発 生機 構を解く鍵も,
実は,
こ の図 中に記さ れて い る の である。
3.
実験概要 3.
1 検 討 方 針 川 村・
木本の研 究5}に よ れ ば,
吊 屋根の風に よる振 動B汽51C C汽VITY VAR 工AT10N5 0F 臼
ハ
51C C洗
V工TY UH 誕 く中
盤
AK 匸S ETR匸C 風TE剛 汽L噂
一
鴬
・
C轟Ψ 匸Ty−
P£RFO臥
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D 鵡寓
卸
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5【MP』E CAv【τY CAV匸
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皿
一
一
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一・
■
鹽
一
鹽
一
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5肌 酬 S 記 腿rs 工⊂ 匸 剛ALTE W
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5匸O闇一
暗ε閉ヒOLT難
窮 Rじ聞 甑’
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コ
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†
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』
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【
Tf 曾匸TH po即 B凧NC P匸卩日 C【鯉U協R CAVI胃 り國
』
いく
両
口 1→
Ψ
帽
L− .
一
ρ
ノw
層
z
=騒
婁 日 cAΨITI wlτHVIB軌丁匸開 釟丁9VI8 蝕 丁 【冊 BEL剛 sVI3 魅 丁1国G F圦P
Dv1 隅 丁匸闇 日
恥
PONε
牌
図一
4 凹み に おけるエ ッジ トー
ンの分類マ ト リッ クス 〔文 献 12) (文 献 13)に よ る》 (a) (b) “ °9kOf
…醍
(c } V ◇齋
(d ) } f (ψ
⇒ V 〔e ) v ⇒箏
巡
!
i
も
嘩 藺 図一
5 検 討 方針 N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service は
,
前 記の扁 平 構 造 断 面 柱の渦 励 振と よ く似た特性を示 す。
こ の ことに着 目し,
本 研 究で は,
以 下の 手 順で,
吊 屋 根に生 じ るフ ラッ タの発 生 機 構を調べ ること に す る。 図一
5に示す (a)の扁 平な矩 形 断 面 柱が流れ に曝さ れ る』
と, 渦 励 振 を生じる こと,.
(b)の よ うに,
断 面の 後 方に ス プリッ タ板 を挿 入し て,
カルマ ン渦を消 滅さ せ ても,
応 答 特 性は (a)の それ と変わ ら ない こ と,
な ら びに,
この渦 励 振は, (c)の凹 み に生じ るエ ッ ジ トー
ン の渦に起 因 する渦 励 振で あること は,
前節に記し た と お り である。
い ま,
(d
)の溝 型 断 面柱の上面に弾性 膜 を 張っ て矩 形 断 面と し た模 型で,
溝 型 断 面 柱の両端を固定し, 弾性 膜のみ が振 動す る場 合 を考える。 こ れ を矩 形 膜 模 型 と以下に呼ぶことにす る。
本 研 究で は,
まず,
この弾 性 膜の フラッタ特性を調べ,
(a)の扁 平 断 面 柱の そ れと比 較 検 討す る。
こ の模型 の下 面に地 面 板 を取り付 けると,
(e)の一
方 向 型 吊屋根模型 が得られる の で,
次に,
こ の 吊屋 根と矩 形 膜の フ ラッ タ特性を比 較 検 討 する ことにす る。
こ の地 面板は, 次の 理由で (b
)のス プリッタ板と よく以た作用 をす る。
す な わ ち,
地 面 板の付 加によっ て 下 面の渦が な く な り,
その 結 果,
’
カルマ ン渦 もな く な る わ けで あっ て,
カル マ ン渦を消 すとい う点で , 両 者は同 じ作用を も た ら す といえる。 以上の検 討の 結 果,
もし,
帛 屋 根の フラッタが, 扁 平 構 造断面柱の渦励振と本 質 的に同じである なら ば, 図一
4の エ ッジ トー
ン の渦に起因 する不 安 定 現 象の 中で,
左 下に記され てい る凹 みの底の弾性 構 造 物の渦 励 振が,
吊 屋 根に生 じ るフラッタ に他な ら ない こと に な る。 図一5
(f
)に示 す 凹み の底の弾 性 膜 模 型は,
こ の こ と を確認 し よ う と するもの である。
以 上 を取りま とめると次の 串うにな る
。
中村・
中島は, 図一
5の [(a),
(b
),
(c)]の相 互 関 係 を 検 討 して,
扁 平 断 面 柱の渦 励 振につ い て研究し た。 本研 究で は,
図一
5 の [(d),
(e),
(f)’
]の相 互 関係, な らびに [(d
),
(e),
(f
)] と [(a),
(b
),
(c)]の相 互 関 係を検討して,
吊 屋 根に生 じ る フ ラッ タの発生機構の解 明を試み る。 表一
1 模型 の形状 ケー
ス 断面 形 状 i 弾 性 膜 吊屋根搬
「
ば ね支 持 剛 体 陳 型11
:5Hi 陣 陟 … 舗i
11
丁
n1 ・5Ti 降 齢 …黒.
丁
皿 1:4ロi
邑 魚i
?
wi1 ・8囗i
… 陛 営 黒 … 儒i
6甲
甲
Vi1 ・4凹 , 蹙 コ … E 6 i.
3.
2 模 型 実 験で使 用 し た模 型の形 状 を表一
1に記す。
まず,
ケー
ス皿は,
断 面 比h
:d
=
1:4の矩 形 膜模型と,
この模型 の下 面に地 面 板を 取 り付け た 吊 屋 根 模 型で あ る。
模型の 寸 法は,
軒 高 (h
)X ス パ ン(d
)X 桁 行 (1
)=
60×240
× 1600mm である。
その骨 組と な る溝 型断面柱は,
ア ング ルと合 板で作ら れ た二 次元 剛体柱で,
屋根 部 分に相 当す るこ の剛体柱の上面に, 厚さ0.
28mm
の薄い ゴ ム膜が 張 力 を 加えた状 態で張り付け ら れてい る。 ま た,
気流と 直角 方 向の補 剛と重量付 加の 目的で,
こ の膜の下 面にス テン レ ス棒 (2φ)を7
本, 両 面接着テー
プで均等に貼 り付 けて い る。.
、
.
ケー
スW
は ; ケー
ス皿よ り軒 高の低い もの につ い て検 討 する ための模 型で,
1 :8の断 面 比 を有す る矩 形 膜 と 吊屋 根であ る。 その寸 法は,h
×d
×1=
31×248×1600 mm である。 また,
表に記す よ うに,
断 面の前 後 縁に高 さ18mm
の パ ラペ ッ トを取り付け た模 型 も用い た。 こ の模型の材料等は,
ケー
ス 皿と まっ た く同 じである。 以 上の 2つ のケー
ス で は, 模 型 を測 定 部の中 央に水 平 にセ ッ トし, そ の両 端を測 定部壁に固定し た。
模型の両 端は, 測 定 部の外にい く ら か張り出さ れ て お り, 吊屋根 の屋 内に相 当す る模 型 内 部の空 気は,
模型の両 端の開口 部か ら大 気に開放され ている。
こ れ らのケー
ス に お ける 模 型の アスペ ク ト比 (1
/d
)は, 約 6で あ る。
次に,
ケー
スV
は,
溝の深さ (h
):溝 の幅 (d
); 1: 3.
7の凹み の底に弾 性 膜を張 り付けた模 型で, h×dXl=
65×243×1800mm で あ る (ア ス ペ ク ト比は約 6)。 こ の模型の材 料や補 剛リブ等は,
ケー
ス皿と ほ と ん ど同 じであ り,
弾性 膜 以 外の部分の両 端は,
測 定部壁に 固 定 され ている。 な お, 弾 性 膜の下 面 側が気流に曝されない よ うに,
膜の下面に空 気 室 を設け ている。
こ の空 気 室 内 部の空気は,
上記の ケー
ス皿,1V
と同 様に,
空気室両 端 の開口部か ら大気に開 放さ れてい る。 最後に,
ケー
ス1
と且は,
初期の研究に用いた模型で,
断 面比 1 :5の H型 とT 型の 各 断 面の ウエ ブ部分 をそれ ぞ れ弾性 膜に置 換し た もの であ る。 以 下では,
これ ら を そ れ ぞ れ,H
型膜お よびT
型 膜と呼ぶこ と に す る。
こ れ らの模型の下 面 に 地 面板を 取 り付けると, 上記 ケー
スIV
のパ ラペ ッ ト付 吊屋根 模 型と同じもの (ケー
ス1
),
ある いはこ の吊 屋 根の後縁壁 を 除 去 した もの (ケー
スll
) が得られる。 つ まり,
前 記の検 討 方 針で述べ たよ うに,
比較検 討の対 象に選 ん だ 剛体模 型の断 面 形 状 は,
ケー
ス 皿と 】V
では矩 形 断 面で あ る が,一
方,
ケー
ス1
と 旺で は,
そ れ ぞ れ H 型 断 面とT 型 断 面と なっ て い る (表一
1 参 照)。
な お,
詳 細につ いて は後述 す る が,
ケニ ス1
と 皿 の場 合,
地面板の有 無に よっ て本質的な差 異の あ ること がわ カ1
り,
そ の改 良 型とし て,
ケー
ス皿とW
を用い た経 緯が ある。
一 39 一
N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service さて
,
ケー
ス1
と皿で は,dXl =
400 × 400 rnm で,
厚さO.
5 mm の い く ぶ ん厚手の ゴム 膜を用い た。 この膜 の前 後 縁 を 支 持棒に貼 り付 け,
さ ら に,
こ の 支 持棒に高 さ80mm
のフランジを取り付 けて,
断 面 比が 1:5で,
ア ス ペ ク ト比が 1の H型 膜とT型 膜を作っ た。 これ らの 模 型の桁 行は, 測 定 部の幅より短か い た め,
模 型・
の支 持 と流れの 二次 元 性 を確 保 する 目的で,
模 型の両 端に側 壁 を設けた。
こ の側 壁に上 記 2本の支 持 棒の両 端 を固 定し て,
模型 をセ ッ トし た。 膜の張 力は,
これ ら支 持棒の間 隔 (模 型の ス パ ン)を変え ることに よっ て調 整さ れ,
所 要の固有振 動 数を得ること がで き る。
側 壁と膜の両端と の 隙 間 は約1mm
であ る。
要す る に, ケー
ス1
と [ に お け る実験法は, 模型 の支 持 方 法や アス ペ ク ト比の小さい模 型 を 用い た点で, 川 村・
木 本 を始め と する過 去の研 究 者の実 験 法 を 踏 襲し た ものであり, 前 記のケー
ス皿 と】V
の実 験 法 と異な る。
ま た,H
型 膜 とT
型 膜の実 験では,
応 答に及ぼ す膜の重 量 の影 響 を 調べ る た めに, 気 流と直 角 方 向の補剛 リ ブ を兼 ね た真 鍮 平 棒 や 竹ヒ ゴ を膜の両 面に貼り付 けて,
重量を 種々変 化 させて い る。 表一2
を参 照さ れ たい。 表中,W
は膜の単 位 桁 行 長 当た り の重 量,
μ=
2W /〈pgd !)は質 量 比, ρ は空 気 密 度,g
は重 力の加 速 度,
f
。 は1次の 固 有 振 動 数,
δ。は無 風 時に お け る系の対数減 衰率で あ る。
ま た,
前 記の ケー
ス 皿〜V
に お け る摸型の諸量 も併 記さ れている。 これ らの中で, 重量の大きい膜の場合, 大き な張 力を加え て も サ グ を 小さ く す るこ とが 困 難であっ た。
そこで,応 答に及ぼす サグの影 響 を除 去 する ために,
桁 行の中 央 点で, 流れ方 向の軸 回り に模 型・
支持 部一
式 を90°
回転 して,
模 型 を垂 直に セ ッ トし た。 3.
3 計 測 法 ケー
ス1
〜
】V
の実 験では, 九州 産 業 大 学のエ ッ フェ ル 型吹出し 風洞 を用い, ケー
スV
では, 有 明 工 業 高 等 専 門 学 校の エ ッ フェ ル型 吸 込み風 洞 を用い た。
こ れ らの風 洞 の測定部 断面と 風速範囲 は,
そ れ ぞ れ,
1500 ×1500
×2500mm
と1− 30
m /sお よび1800
×1200
×3
600
mm と1−
15m /s で ある。
一
様流の も と で実 験し,
系の振 動 数と振 動 振 幅は,
非 接触 電子光 学 変 位 計 (OPTFOLLOW YA−
MAN 製 》 を用い て検 出し た。ケー
ス1
とll
に お け る ター
ゲッ トは,
桁 行の中 央点で,
ス パ ン の 1/4点に設 置し,
ケー
ス 皿一
V
では,
桁 行の 1/4点で,
スパ ンの 1/4点に設 置した。
表一
2 模 型の諸 量お よ び実 験 項 目 C雌Ew ( 1の μ fo δo μ・
δo 匸’
5H1’
5T1’
4.
1’
4 IpnL3.
7loo2、
70.
0659.
2o01
卩
n 了.
α371,
14、
o0.
0564.
0oQ 1卩
n0.
聡 “.
938.
,
09o0.
022O 」00O oQ「
皿 0.
277.
655.
50.
13o.
15 O o 四,
vo、
277.
655.
匸 o.
η 0.
20 O oo一
40
一
後 流 渦の 放 出 振 動 数fr
は,
模 型 後 流の変 動 風 速を熱線 風速計 (カ ノマ ッ クス製 )で測定し て求め た。
な お, ス ペ ク トル アナ ライザ (三栄測器製 〉を用い て,
模型 と 渦 の振 動 数 を解 析し た。 ま た,
振 動モー
ド は目視と写 真 撮 影で観 察し,
風 速の測 定には超音波 風速計 (海上 電機 製 } を用い た。
4
.
実 験 結 果 4,
1 ケー
ス1
ケー
ス1
に おけるH型 膜の実 験で は,
重さの異な る3
種の膜を用い た が 俵一2
),
重量の大きい膜〜
小さい膜 (上下 対 称 断 面)の励 振特性を,
そ れ ぞ れ 図一6
の (a)一
(c)に示す。 図中●印は膜の振 動 振 幅 y /h
(y は片 振幅,h
は フ ランジ高), X 印は, ゴム膜 を板に置 換し た静 止 剛 体 模 型に対 する渦 放 出 振 動 数fv
,O
印は気 流 中に お ける膜の振 動 数f
, 点線は膜の 1次モー
ドの 固 有振 動 数f
,をそ れ ぞ れ示す。
重い膜 とその約 1/2の重 さの膜の応 答 (図の (a)と (b
>)は,
い ずれ も,
図一
1
に見たH
型断面柱の第 2の発振と極め て よ く似た特性 を示し てい る。 す な わ ち, (1
)図中一
点鎖 線で示さ れ るfv
直線か ら,
St
(d
)= 0.
62が得ら れ (こ の 値は 図一
2 のd
/h
=5
に対す る値と ほ ぼ等しい ),
振動の 発 現は, 共振風速Vcr=
f
。・
d
/St
(d
)付 近か ら始ま る。
(2
)狭い 風速 域で ピー
クを持つ 限 定 的 振 動で ある。
(3) 風 速 を 増 し て行く と,
後 流 渦 放 出 振 動 数fv
と同じ振 動 数の振 動を経て,
固 有 振em
数f
。に近い振 動 数の振 動と な る。客
0.
15 O.
10 O,
05 1:5H //
杓.
∴
Y ・hHz 〆 / ノ lo/
r一
剋 Lr/
h[・≡ ≒ げ !.
“・
1405 ! f to
7
0」5 0.
IO O,
05 1;5H/
り.
VZ ー ー H/
・/
融 r1 °/
ht ∈≡ ≒ ノ4
=
71.
7 I f。 5.
Ω ?P.
.
.
齟
.
.
,
.
.
,
.
.
.
7.
.
.
F
05b O05
O a
客
6 0 o.
4 0.
2 1:5H/ ! y !
。°
!。
・
Q冫
/僧
ギ /。
。
°
.
.
.
/: ee ?__
〆乞゜
°
/ 〆 〜/
e eeo ↓ h 匸 ≒』
1 μ=
4.
39.
.
1
?.
、
サ ZffH to 5 ゜ 。Vc
,
1。15
20 Vm 、sO (c ) 図
一
6 H型膜の励振特性 (横軸は風 洞 風 速) N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service 以 上の共 通 特 性と,
1
次モー
ドの卓越し た,
本 質 的に 1 自 由 度の振 動であるこ と,
な ら びに,
ほ ぼ定 常 振 幅の振 動で ある ことか ら, 図に見る振動が,
n・ ・1の渦に起 因 する渦励 振であることは明 白で あ る。 な お,
風 速 を さら に増 すと, 上 記の ほぼ定常振幅の励振とは異な り,
不 規 則で, 高 調 波の混在し た微小 振 幅の 振 動が見 られたが, こ れ は図 示し ていない。 図一6
(c)の軽い膜の場 合,V
,r よ り風 速 を増 すに し た がい,
系の振動数が増 加す る。 こ の こと と, 固 有 振 動 数が高い こ との た め,
渦 励 振の発 現 終 止 風 速を確 認 する こと は で き な かっ た が,
図 の応答特性は,
上 記2
種の膜 の そ れ と本 質 的に変わ ら ない。
こ こ で, 渦 励 振特性に及ぼ す膜の重量 と減 衰の影 響に っ い て 2・
3述べ て お き たい。一
般に,
1自由 度フ ラッ タの場 合,
応 答 を支 配する無 次元 量は質量比μ,
無風時 減 衰 δ。 , 無 次 元 風 速 γ1y /〈f
・
d >お よ びレイノ ルズ 数の 4つ で ある。 もし,
フ ラッタ に おける系の振 動 数が 無 風 時の そ れ と変わ ら な い場 合,
質 量 比と無風時 減 衰は,
μ・
δ。の よ うに 1つ の量にま とめ られる。
こ の無 次 元 量 をス クルー
トン数 (Sc
数 ) とい い,Sc
数の小 さい系 ほど,
応 答 振 幅が大きい ことは周知の とお りで ある。
さ て,図一
7は,図一
6(a)〜
(c)を 取り ま と めた もの であっ て,
無 次 元 風 速y
を横 軸に取り図 示し てい る。
図一6
(c) に見た よ うに,
軽い膜で は,
V> Verに おいて,
膜の振 動 数が無 風 時の そ れと大き く異な る。
し た が っ て, Sc 数によ る応 答の比 較は厳 密 性に欠けるが,Sc
数の小さ い膜ほ ど,
応 答振幅が大き くな っ て い る こと を図一
7は 示 してお り,
橋 梁 断面 等の場合と同 様の傾 向が認め ら れ る。 ま た,一
般に,
フ ラッ タにお け る系の振 動 数の変 化 は,
空 力 剛 性 (Aerodynamic
Stiffness
)に起因 す る。
軽い系ほど, その振 動 数の変化に及 ぼ す空力 剛 性の寄与 が大きい こと も よ く知ら れ てい る が, 図一6
で もこの傾 向が明瞭に 認 め ら れ る。 次に,
上 下 非対称のH
型膜 (表一
1 参照)の特性を調 べ たところ, 図一
6(c)の それとほとん ど同 様であ り,
図一
7 H型膜の励 振特性 (横軸は無次元 風速〉 断面の非対称性が渦励振特性に及ぼす 影 響の小さい こと が わ かっ た。
こ の非対称H
型膜の下面に地 面 板を 取 り付 けて, パ ラペ ッ ト付一
方 向型 吊 屋 根にす る と, 微 小振幅 の振 動し か発 生せず,
応 答に顕 著なピー
ク は認め ら れ な かっ た。 地面板を 付加すると,
下 面で は,
励 振 源の渦が 存 在 しな く なり, こ の ことに よる励 振 空 気 力の減 少が,
励 振 を生じ ない要 因の 1つ と考え ら れ る が , 無風時に お ける膜の減 衰が,
上記 地 面板無の場合と 比べて著し く増 加 すること も,
その要 因 として挙 げ られ る。 地 面 板 付の 場 合, 膜の振 動に伴い,
吊 屋 根 室 内の容 積が変化し て, 膜の両 端と側 壁 間の小さ な隙 間か ら空気が流 出入 す る。
減 衰の著し い増 加は,
こ の空 気の流 出入に伴う空力減衰 力に起 因す るもので あ ること が わ かっ た。 ケー
スll
− V
では,
こ の問 題 点 を解 消す る よ う くふ う し た。
4.
2 ケー
ス 皿 上 記の H型 膜 と 同 様に,
重さの異な る3
種の膜 を 用い て,
ケー
ス [のT
型 膜の実 験 を行っ た。
その結 果は図 示 してい ないが,
図一
7に見た H型 膜の渦 励 振特性と の間 に ほ と ん ど差 異は な く,
T型 膜で も,
n=
1の渦に起 因 す る渦 励振を生じ ること が わ かっ た。
さらに,
図「8
に示
す軽量の非 対 称T型 膜の励 振 特性と, 上記軽量の対称 膜に対 する応 答との 間に,
ほ と ん ど差 異が認め られな かっ たこと か ら,H
型 膜と同様に,
渦 励 振 特 性に及ぼす 断 面の非 対 称 性の影 響は小さい こと がわ か っ た。
さて, こ の非 対 称 膜の下 面に地 面 板 を 取り付 けた,
後 縁 壁開放 型の吊 屋根 模型に関す る実験 結 果を図一9
に示塩
O.
6 o.
4 0,
2 o窕
O.
2 O.
1 0 図一
8 非 対称T型膜の励 振 特 性 VZ5 サ fH − 10 5 o 》 Z5 ffH − 10 5 o 図一9
後 縁 壁 開 放 型 吊 屋 根の励振特性一
41
一
N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service す
。
後 縁 壁の除 去に よ り,
上 記ケー
ス1
で見ら れ た無風 時 減 衰の増加 は,
か な り軽減 さ れてい る。
図中,St
数 直線と共 振風速VcT
は, 図一
8の地 面板無の膜で得られ た もの を 図示し ている。
図 の結果 に よ れば,
図一6
(a), (b
)の応 答ほ どに 明 瞭なピー
ク は 認 め ら れず,
ま た, 応 答 振 幅 もい く ぶ ん不 規 則では あっ た もの の,V
。r付近 から一
次モー
ドの卓 越し た振 動が始ま り,
小さ なピー
ク を持つ 図の応 答は,
吊屋根で も,
エ ッジ トー
ン の渦に起 因 する渦 励 振 を生じ ること を示 唆している とい え る。4.3
ケー
ス 皿 既 述の よ うに,
上 記の 2 ケー
ス におい て は, 地 面板 を 取り付け る と, 励 振 空 気 力は膜の下面に は作 用しな く な り,
地 面 板の ない もの との 間に本 質 的 な差 異 を生 じ る。 かっ , ケー
ス1
で は,
地 面 板の付 加によっ て無風時 減衰 が著しく増 加する。
さ らに, ア スペ ク ト比が ユ の模 型に よっ て,
流れの 二 次 元 性が十 分 確 保 されて いる か否か疑 問 視され るところで ある。
以 上の問 題 点を解 消す る た め, ケー
ス 皿とIV
で は,
ア スペ ク ト比の大 きい矩 形 膜 を用い て い る。 これらの ケー
スでは,
地 面 板の有 無に依らず,
励 振 空 気 力は常に膜の 上面の み に作用する。
かつ, 3.
2 節で述べ た ように, 模 型の屋 内に相 当する部 分の空 気は, 測 定 部 外 部の大 気に 開放され て お り,
無風時 減 衰も地 面 板の有 無に よ らず一
定である。
流れの 二次 元 性 も十 分に確 保さ れ よ う。 フラッ タ実 験に先 立ち,
膜の固有 振 動 数と無風時 減衰 δ。の特性を調べ た。
こ こで は,
小 型 加 振器で膜 を加 振 して共 振 さ せ,
その後にお け る減 衰 自由 振 動の記録か ら δ。を得た。
その結果 を 表一3
に記す。
表 中,M
とN
は,
振 動モー
ドを表す数 字で あっ て, そ れ ぞ れ, 気 流 方 向と 気流直 角 方 向の節の数を示す。
例え ば,
写真一
1の 〔a) と (b
)は, そ れ ぞ れ, (0.
1
)と (LO
)の振 動モー
ド で あ る。 さて,
矩形 膜の励 振特 性を 図一10
に示 す。
図中St
; O.
51の 直線は,
1 :4矩 形 断 面 柱に対す る n=1
の渦のSt
(d
)直 線で あり,
膜 を板に置 換 し た静止剛体模型 を用 い て得られ た もの で ある。 ま た,
高調波 (n = 2)の渦 のSt
数は得 られ な かっ た が, このSt
数直線 (St=
=
LO ) も,
便 宜上図中に記入 し てい る。
風 速 を増して行 く と,
まず,y ≡3m
/s付 近の狭い 風 速 域で (0,
0)モー
ドの励 振が発 生する。
こ の時の膜の応 答 振 幅と 振 動 数 を, 表一
3 ケー
ス皿の弾性 膜の固有振 動 数と無 風 時 減 衰 呼 臨 振 動モー
ド 固有 擾 動 馼 fH2 記号 表 示 MN 吋 数 臨 褒 率 砺 0,
0f。
.
o
匚 コ o05.
49oJ3 0,
1F.
.
1 匚 o19.
160.
086 0冒
2F。
.
τ
【 ■ o211.
30.
094 o,
3f。
,
,
皿 o313.
9O.
065 Ol爆 f。
.
‘
皿 041 呂.
90.
042 0脚
5f 。,
5 皿 0527.
80.
025 1,
0r」。 E
重 o 〜5.
3o.
on一
42
一
L西
UO諸
ゴ
垂
.
趣
謖
髪
1 h・
冫・
tTt↑ 4snm.
、
__
1
泗 烈_、
1
,
撚
謡
.
.
.
f 出 20.
.
置q り熙 ⊇.
.
.
10、
、
魚q罧 0 2Vcr 4 V二尸 Vcr 810 Vm !S 【o.
o〕 {o.
1 } ζLD) 図一
10 1:4矩 形膜の励 振 特 性 写輿一
1 ユ;4矩形 膜の励 振 時にお ける振 動モー
ド (a) 〔0, 1),
(b) (1,
0) そ れ ぞ れ,
鬮 印と口 印で示す。 風 速を さ らに増し て V;
4−
7 m /s にする と,
● 印 (応答振 幅 )とO
印 (振動数 ) で示さ れ る (0,1
)モー
ドの励 振を生 じ る よ うにな る。
図 中,
f
。
,
。
とf
。
.
1の 破 線で示し た各モー
ドの 固有 振 動 数 直線がSt =
0.
51の 直線と交わ る風速が, そ れ ぞ れ, (0,
0
)モー
ドと (0,1
)モー
ドに関す る n・
=
1の渦 との 共 振 風速で あ る。
上記の励 振が, い ずれ もこ れ らの共 振風 速 付 近か ら始ま り, 前記のH
型膜の渦 励 振と本質的に同 じ応 答を示すこと か ら,
こ れ ら は,
n=1
の渦に起 因す る渦 励 振である こと が わ か る。 写 真一
1 (a )は,
(0,1
> モー
ドの励 振 時に お ける振 動モー
ドの観 察 写 真 を示 す。 ところで,V =
4〜
7m /s の風速 域で は,
上記 (0,1
) モー
ドの他,
φ印とφ
印で記さ れ る (0,
4)モー
ドの励 振 も同時に発生す る。 そこで,
バン ドパ スフ ィル タを用 いて これ ら2つ の振 動 成分 を 分離 し,
得られた結果を図 示して いる。
風速 をさ らに増 し て V>7m /s にすると,
▲ 印と△ 印の (1,
0)モー
ドの励 振 (写 真一
1(b
)参照〉 に遷 移する。 こ れ ら の励 振は,
それ ぞ れの 固 有 振 動 数 直 線 (ん とfi
,
。の 破線 〉とSt =
1.
0の 直線との交点付近 か ら始ま ること か ら,
い ず れ も,
n=
・
2の 渦に起 因 す る 渦励 振で あ る と思わ れ る。 図示し てい ないが,y
>9.
5
m /s にす る と,
(1,
0 )モー
ドか ら (1,
5)モー
ドに遷 移する。
な お, 励 振に おける振 動 振幅は ほ ぼ一
定値を 示 し た。
N工 工二Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service 以 上に記し た よ うに, アスペ ク ト比の大きい矩 形 膜で は
,
n=
1の渦に起 因す る渦 励 振 を 生じ,
n=
2の渦に起 因する と思わ れ る渦 励 振も生じ る。
その 励 振特 性は, 付 録の付 図一
1に示す同一
断面 比の矩 形断面柱の曲げの渦 励 振 特 性と本 質 的に変ら ない。
ま た,
風速の増加に伴い,
低次か ら高 次の モー
ド の渦励 振が逐 次 発 生 す る が,
その 様子は,
扁 平 充 腹 断 面 主 桁の吊 橋・
斜 張橋の 三次元弾 性 模型で観 測さ れ る,
渦 励 振の様 子 と よ く似てい る15}。
次に
,
こ の矩形 膜に地 面 板 を取り付け た,一
方向型吊 屋 根 模 型の応 答につ い て記す。
図一
11が得ら れ た結果 で ある。 図の応 答 を 図一
10と 比 較す る と,
両者の 間に 差 異はほ と ん ど認め られ ない。
写真一
2の (a)と (b
) に示 す振 動モー
ドも, そ れ ぞ れ, 写真一1
の (a>と (b
) と まっ た く同じで ある (ほ ぼ一
定 振 幅)。
また,
V>9.
5 m /s に する と,
矩 形 膜 と 同 様に, (1,0
)モー
ドから写 真一
2(c)に示 す (1, 5)モー
ドに遷移す る。 両者に見 ら れ る唯一
の差 異は,
Vcrよりい く らか低い風速域にお け る微 小振幅の振 動の有 無で あっ て,
矩形膜の場 合,
渦 0,
15 0,
10 0.
05 o fHz 2・ 10 0 〔O、
O, (OJ) {1,
e} 図一
111 :4壁付一
方 向 型 吊 屋 根の励 振 特 性 写 真一2
1;4壁 付一
方 向 型 吊 屋 根の励 振 時における振 動モT ド
(a)(O
,
IL {b〕(1,
0),
(c)(1,
5} の振 動 数と同じ振 動 数で強 制 振 動が発 生す る の に対し,
地面板 を 取り付け る とこれ が見られ ない。
3.1
節で述べ た よ うに,
地 面 板の付加によっ て,
後 流渦が消されたこ とに起 因す るもの と思わ れ る。
図
一
12 は,
無風時減衰を増し た時の,
(O, 1 >モー
ド の渦励 振 特性 を 示 し た もの である。
減衰の制 御は, 模 型 両 端の開ロ部 面 積 を変 化さ せ,
振 動に伴 う模 型 屋 内の空 気の流 出 入 を制 御す るこ とによ り行っ た。 開口部の面積 が小さ い程 減 衰は大き く なる。
減衰を 増 す と,
振 動 振 幅 の減 少する さ ま が見ら れ よう。 H型 膜に地 面 板 を 取り付 け た場 合,
上 記 空 気の流 出入 が抑制さ れて無 風 時 減 衰が 増 加し,
こ れが渦 励 振 を生 じ ない理由の 1っ であ ろうと 4.
1節で述べ た。
図一12
の結果は,
この考 察が妥 当であっ たこ と を 示す資料と もいえ る注 }。
結 局,
壁 付の一
方 向型 吊 屋 根で は,
n= 1の渦に起因 する渦 励 振 を生じ ること, n=2
の渦に起 因 する と思わ れる渦 励 振 も生じ る こと, な らびに,
これ らの応答特性 は,
地 面板の な い矩 形 膜の そ れ と ほとん ど変わ ら ない こ と が明ら かに さ れた。4.
4
ケー
スIV
ケー
ス1
の 非対 称H 型 膜の下 面に地 面 板を取り付ける と,H
型膜で見ら れ た渦 励 振が発 生し ない こと を4.
1節 で述べ た。
ケー
スW
で は,
断 面 比が 1:8の扁 平な矩 形 膜に,
パ ラペ ッ トを付 加し た模 型を用い たが,
実は,
こ れに地面 板を取 り付 ける と,
ケー
ス1
の 吊 屋 根 模 型 と まっ た く同一
断 面 形 状の模 型と なる。
つ まり,
ケー
ス1
の吊屋根模型で渦 励 振が発 生し な かっ た の は, 実 験 法に 問 題が あっ た た め か,
それ とも,
こ の断 面で は, もと も と渦 励 振が発生 し ない のか といっ た こと を検 討する の が,
ケー
スW
の 目的の 1つ で ある。 まず, パ ラペ ッ ト付矩形膜の応答であ る が,
得 られ た Y/ hO.
e 争 O、
02 1:4口 Mede [コ ■ os=
o.
o巳60 0E=
O、
129 4 δ=
0.
T64蠱
h納
。・ { 副職
。d 0 04 5 6Vm /s VGr CO,
1) 図一
12 応 答特 性に及ぼ す減 衰の影響 注) 表一
3に記し たよ うに,
(O,
0>モー
ドの固有振 動数ん は,
(ヱ,
0)モー
ドの そ れf
,.
o の約1/5であ り,
1/2と は な ら ない。
その原 因 も 上記の無風時 減 衰による もの である.
つ ま り,
(0,
の モー
ドの無 風 時 減 衰は,
(1, 0)モー
ドの そ れより1桁 大 きい値 を示してい るが (表一
3),
模型の底 板 を 取りはずし て,
膜の下 面 を開 放す る と,
前 者は著しく 減少す る。 そ れ と同 時に,
f
。,
oが増 加して,f
”,の約1/2 と な る。 ん が底 板の有 無に左右さ れ な い の は,
膜の振動 に伴 う模 型 室 内の容 積 変 化が ない た めであ る。
一
43
一
N工 工一
Eleotronio Library.
NII-Electronic Library Service 結 果を 図
一13
に示す。 ま た,
こ の模型と同じ断 面 形 状 を有する 二次元ばね支持剛体模型の応答を,
付 録の付 図一
2に示す。
こ れ ら の応 答 特 性 を , 図一
10お よ び付図一
1に示 し た1 :4の矩 形 膜およ び 矩 形 柱の特 性と そ れ ぞ れ比 較すると,
両 者の間に本 質 的な差 異は認 め ら れず, 本 断 面で も,
n=
1の渦に起因す る渦 励 振と, n=
2の 渦 に起 因す る と思わ れ る渦 励 振を生じる ことがわ かっ た。
次に,
この模型の下 面に地 面板を取 り付け た場 合の結 果が 図一
14であ る。 図一
13で は, 約6m /s付近か ら (1, 0)モー
ドの 渦 励 振が見 られたが,
こ れと ほとんど 同じ 特性の渦励 振が生じ る こと を,
図の結果は示してい る。
よっ て,
ケー
ス1
の吊 屋 根 模 型に渦 励 振 を 生じ なか っ た 原 因は,
実 験 法に問題があることが 明ら か に さ れ た。
た だし,
地面 板を取 り付ける と,
図一
13に見た低 風速 域 に お け る渦励振が発生 しな く なる。
こ れ と よく似た現 象 は,
図一1
のH
型 断 面 柱の応 答 等に も認 めら れ,
ス プリッ タ板を挿入 す る と,
低風速 域にお ける渦 励 振が消 滅する ことは,
し ば しば経 験 され る。
地 面 板 とス プリッタ板の 作 用につ いて は3.
1
節で述べ た と お りで , いずれ も カル マ ン渦 を 消 す 作 用 が ある。
その結 果,
若干,
励 振 が弱め ら れ たもの と思わ れ る。
パ ラペ ッ ト無の1
:8
矩 形 膜と吊屋根に対す る応 答は,
付 録の付 図一3
と付図一
4に そ れ ぞ れ示す と おり であり,
こ の断 面でも, エ ッ ジ トー
ンの渦に起因 す る 渦 励 振 を 生 ZOfH3 20 10 0 to,
O、to
,
1翼O.
2)〔1.
0, 図一
13 1:8矩 形 膜 (パ ラ ペ ッ ト付 )の励 振特性 f:
E
20 10 0 tl,
o} 図一
14 1:8壁 付一
方向型吊屋根 (パ ラペ ッ ト付)の 励 振 特性一
44
一
聚
O.
oe°
’
°4 0 〔o,
ltO,
o, 図一15
凹みの底の弾 性 膜の励 振 特性 ZfH 30 20 10 じ ること が わ か る。扁 平な 矩形やH
型 等の構 造 断 面では,
か な り広い断 面 比の範 囲で, エ ッ ジ トー
ン の渦に起因す る 渦励 振 を生じ るこ と が知られ てい る が,
ケー
ス 皿 とIV
の実 験 結 果は, 吊 屋 根でも扁 平 構 造 断 面と事情は変ら な い こと を示して い る。 4,
5 ケー
スV
最 後に,
凹みの底の弾 性 膜の 応 答 を 図一
15に示 す。 同一
風速域で, n=1
の渦に 起因す る渦 励 振と,
n=2
の 渦に起因 す る と 思 わ れ る渦 励 振を生 じ るこ と が図より わ か る。こ の応 答は,
図一11
に記し た吊 屋 根の応 答の中で,
4〜7m
/s付近で生じ る渦励振とよ く似た特性 を示 して い る。 ま た,
文 献4)で概 要を記し たよ うに,
応 答 特 性 は凹み の深さ (断 面 比)や 下 流の エ ッ ジの形 状に よっ て 異な る。 そ の中に は,
図一
11の よ うに, 風 速の増 加に 伴い,
異な る モー
ドの渦 励 振が逐 次 発 生するものや,
付 図一3
と付 図一
4の よ うに,
風 速 を増 す 場 合と減 らす 場 合で は,
異な るモー
ドの励 振を生じ るものが あっ た。 以 上に記 し た ケー
ス1
−
V
を 取りま とめ る と,
以下の よ うに な る。
す な わ ち,
壁付一
方向型 吊屋根に生じ る 1 自 由 度フ ラッ タ は, 凹 みの底の弾 性膜や扁 平構造断面柱 に生 じ る渦 励 振と まっ た く同じ発 生 機 構の,
エ ッジ トー
ンの渦に起 因する渦 励 振である と結論さ れ, 両者の応答 特 性に 多 くの共 通 点 が 認め られる こと が 明ら か に さ れ た。
なお, 凹み の底の弾 性 膜の渦 励 振と,
剥 離の小さい 極扁平H
型膜の連 成フ ラッタにつ い て は,
種々の検討を 終え て お り, 別途報告す る こ と に し たい。5.
結 論 壁 付一
方 向 型吊屋根につ いて, 種々 の模型を用い た 風 洞 実 験 を行い,
これ らに生 じる 1自 由 度フ ラッ タの発 生 機 構を調べ た。 そ の結 果,
次の こと がらが明ら か に さ れ た。1
)二次元剛体溝 型断面 柱の上 面に弾 性 膜を張り付け た ものを,
矩形 膜と呼ぶ ことにす るa こ の膜では,
これ と同一
断 面 形状の 二 次 元ばね支 持 矩 形 断 面 柱の曲 げの 渦 励 振と本質 的に同じ応答特 性の,1
自由度フラッ タ を生 N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service じる
。
よっ て,
矩 形膜の フ ラッ タ は,
矩形断面柱の渦励 振と同 様の,
エ ッ ジ トー
ン の渦に起因 す る 渦励 振で あ る こと がわか っ た。 2) 上 記 矩 形 膜 模 型の下 面に地面板を取り付け る と,
壁 付一
方 向 型 吊 屋 根 模 型が得ら れ る (弾 性 膜が 屋根に相 当 する)。 こ の吊 屋 根の フ ラッ タ特 性 と, 矩 形 膜の それ との間にほ とん ど差 異が認め ら れ ない こと か ら,
吊屋 根 の フ ラッ タ は,
エ ッ ジ トー
ン の渦に起 因 する渦励 振であ ること が明ら かに さ れ た。3
)矩形 膜と吊屋根は,
か な り 広い断 面 比 (軒高・
ス パ ン比)の範 囲で渦 励 振 を 生 じ る し,
パ ラペ ッ ト付の吊 屋根で も渦励 振 を生じる。
4
)凹 みの底の弾性 膜は,
エ ッジトー
ン の渦に起 因 す る 渦 励 振 を生 じ ること が 知 ら れ てい る。
この種の弾 性 膜 につ い て フラッタ実験を行っ た とこ ろ, その応答特性と 上記吊屋根のそ れ と の間に多く の共 通 点が認め られ た。
5)
H
型 断面の ウ平 ブを弾性 膜に置 換し たH
型膜で も,H
型 断 面柱と同様に, エ ッ ジ トー
ンの渦に起因 する 渦励 振 を生 じ る。
その下面に地 面 板 を取り付け る と, 上 記3
)と 同様の パ ラペ ッ ト付の吊 屋根と な る が,
模 型の 支持 方 法等の実験 法に問 題がある場 合, 渦 励 振 を生 じな い ことがある。 謝 辞 本 研 究を行 うに当たり,
九州 大 学の 中村 泰 治 教 授に貴 重な助 言をいた だいた。 ま た,
九州 産 業 大 学の亀 井 頼 隆 氏と大 学 院生の平 山 智 良 君は じ め,
研 究 室の卒論生諸君 な ら びに有 明工業 高 等 専 門 学 校の卒 論 生 諸 君の援 助を受 けた。 こ こ に記して感 謝の意 を表し ます。 参考 文 献 1) 三宅 昭 春,
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