(1)ミョウバンの結晶作り
【単元】
5年生 11月教材 「6.もののとけかた」
【所要時間】
20~30分
(完成まで1日)
【特色】
比較的簡単にそして大きな結晶が作りやすい、ミョウバン。この結晶作りはよく行われている。
今回はその中でも、簡単に結晶を作る方法について紹介する。
【必要なもの】
・ミョウバン
・ミョウバンの飽和水溶液
(数日前からペットボトル等に解け残りができるくらいたくさん溶かしておく)
・種結晶
(トレイなどにほこりが入らないように簡単にふたをして数日放置すると出来上がる)
・エナメル線 太さ0.8mm 程度のもの (コーナン等で購入可能)
・タッパー(容量500ml 前後のもの、ふたに小さな穴を開けておく)
・ビーカー500ml
・加熱器具
・アルコールランプ
・ライター(マッチ)
・金網
・温度計
・かき混ぜ棒
【やり方】
①飽和水溶液をビーカーに500ml とる。
②ミョウバンを 35g 入れ、50℃過ぎまで加熱する。
<その間に種結晶の準備>
①きれいな形の種結晶を見つける。
(このとききれいなものでないときれいな結晶はできない)
②エナメル線の先をアルコールランプで加熱。
③赤く加熱されたエナメル線を種結晶にさす。
④させたものをタッパーのふたにくっつける。
(タッパーのふたをしたとき、ちょうど深さの真ん中に
くるぐらいに)
③ミョウバンを全部溶かしきれたら 35℃まで冷ます。
④さめたらタッパーに入れる。
⑤種結晶がくっついたふたをする
(2)試験管に雪を降らせよう。
~塩化アンモニウムの結晶~
【単元】
5年生 11月教材 「6.もののとけかた」
【所要時間】
20分
【特色】
ミョウバンや食塩などは水の温度が上がれば上がるほど、多くの量を溶かすことができる。逆に冷
ましていくと溶けきれなくなったものはもう一度出てくる。今回の塩化アンモニウムも他のものと
同じく温度の変化によって溶ける量が変化する。しかし、冷めてきた時の現れ方が非常にきれいで
ある。一度準備しておけば繰り返し利用することができるので、単元の最後に挑戦してみては。
【必要なもの】
・塩化アンモニウム
・薬さじ
・試験管(ゴム栓も)
・湯銭をするためのビーカーや水槽
・温度計
・試験管たて
・メスシリンダーまたは注射器(水を計るのに必要)
・電子てんびん等(薬包紙も)
【やり方】
①塩化アンモニウムを10g と水10ml を試験管にいれ、ふたをする。
②60℃前後のお湯にいれ湯せんしすべて溶かしきる。
③試験管たて等に立てて空気中で冷ましながら様子を観察する。
【参考文献・ホームページ】
理科大好き倶楽部 HP
http://www.rikadaisuki.com/other/other22.html
(3)岩塩を使って食塩の結晶
【単元】
5年生 11月教材 「6.もののとけかた」
【所要時間】
20分
【特色】
食塩の結晶が正六面体のきれいな形をしていることは有名である。しかしながら、大きな単結晶を
取り出そうとするとそれは、ミョウバン等とは違い困難である。今回はそこで食塩の結晶を作り出
すのではなく、大きな結晶である岩塩の中から取り出す。
【必要なもの】
・岩塩(下記の HP より購入可能)
・鉄釘と金づち
・カッター(錆びてもよいもの)
【やり方】
①大きな岩塩を鉄釘と金づちで砕く。
②平らに切れている面を見つけ、形を予想しながら垂直にカッターの歯を当て切る。
(きちんと合った角度でなければ切れない。逆に角度があっていれば簡単に切れる)
【参考文献・ホームページ】
ヒマラヤ岩塩専門店 HP(1kg 1700円前後)
http://ganen.chu.jp/31.html
(4)ろ過の行い方
【単元】
5年生 11月教材 「6.もののとけかた」
【所要時間】
20分
【特色】
ろ過を行う作業は基本の作業のひとつである。ここではその作業一つ一つを改めて確認していく。
子どもたちに練習させる際には、泥水などの水溶液でないもののろ過を行わせると面白い。
(ただし、牛乳やコーヒーは駄目である。)
【必要なもの】
・ろうと
・ろ紙
・ろうと台
・ガラス棒
・ビーカー(2つ)
・ピペット
【やり方】
①ろ紙を半分に折り、さらに半分に折る。
②ろ紙を開いてろうとに合わせる。
③ろ紙を水でぬらしろうととぴったりくっつける。(スポイトを使って)
④ビーカーの壁にろうとの先をつける。
⑤ガラス棒に液を伝わらせて注ぐ。(このとき、ガラス棒はろ紙の重なっている部分につける)
【参考文献・ホームページ】
5年生教科書 P91
(5)気体検知管の使い方
【単元】
6年生 4月教材 「1.ものが燃えるとき」
6年生 5月教材 「2.植物のつくりとはたらき」
6年生 6月教材 「1.ヒトや動物の体のつくりとはたらき」
【所要時間】
10 分
【特色】
酸素の量や二酸化炭素の量を確認するために登場する気体検知管。使い方を間違えると怪我をした
りする場合があるので、教師側でもしっかり準備をして授業にのぞみたい。
(余談であるが、気体検知管は 1 本の金額が非常に高価(特に酸素)な上、3 つの単元で使用す
るので、本数を考えて使うことをお勧めする。)
【必要なもの】
・気体検知管(採取器)
・酸素用の管(31E) → 1 本 500 円前後
・二酸化炭素用の管(2EL、2EH)
→ 1 本 180 円前後
【やり方】
<準備する>
①気体検知管の両端を、チップホルダで下りとる。
②G マーク側に、ゴムのカバーをつける
③「→」の矢印が指す側を、採取器に差し込む。
※逆向きに差し込んではいけない。
<調べる>
④カバーをつけた側を、調べる気体の中に入れる。
⑤ハンドルと本体の赤い印を合わせ、カチッと音がするまでハンドルを一気に引いて固定する。
⑥決められた時間待ってから、目盛りを読む。
※酸素用気体検知管は熱くなるので冷めるまで直接さわってはいけない。
※使い終わった気体検知管は決められた場所に集める。
【参考文献・ホームページ】
6 年生教科書 P13
(6)酸素を使った実験
【単元】
6年生 4月教材 「1.ものが燃えるとき」
【所要時間】
20 分
【特色】
ものを燃やす働きのある酸素中での燃焼は普段とはちがった激しい現象である。そのため子どもた
ちが、興味を示す実験である。今回は、そのポイントを押さえていく。
(教科書 P16 では酸素発生方法についても紹介されているので、余力があれば挑戦してみるのも
あり)
【必要なもの】
・酸素ボンベ
・集気瓶
・集気瓶のふた
(金属製のもの、なければガラス板にアルミを巻いたもの)
・水槽(水上置換用)
・ろうそく台
・燃やすもの(ろうそく、線香、スチールウールなど)
・ライター
【やり方】
<水上置換法>
①水槽に水を入れ、その中に瓶を入れ、瓶の中を水で満たす。
②瓶を水中で逆さに立てる。
③瓶の7~8分目まで酸素を入れる。
(この段階で水を残しておかないと、後で集気瓶が割れる原因となる。)
④水中でふたをして瓶を取り出す。
<実験>
⑤線香の入った瓶に火をつけたろうそくや線香を入れ燃え方を調べる。
【参考文献・ホームページ】
6 年生教科書 P15
(7)見えない水
~気体の重さの違いを利用して~
【単元】
6年生 4月教材 「1.ものが燃えるとき」
【所要時間】
5 分
【特色】
授業の導入などで行うとおもしろい。二酸化炭素の空気より重いという性質を利用して、ビーカー
の中のろうそくを消す実験。
二酸化炭素は空気より重いため、シャボン玉を作成した場合、すぐに落ちる。
逆に水素は空気より軽いため、シャボン玉を作成した場合、上に飛んでいってしまう。
【必要なもの】
・ビーカー
・ろうそく
・集気瓶
・集気瓶のふた
・水槽(水上置換法用)
・二酸化炭素ボンベ
・ライター
【やり方】
①水上置換法を用いて、集気瓶に二酸化炭素を入れておく。
②ビーカーの底にろうそくを立てて火をつけておく。
③ビーカーの縁から、集気瓶の中の二酸化炭素を注ぐ。
(8)炭作り
【単元】
6年生 4月教材 「1.ものが燃えるとき」
【所要時間】
20 分
【特色】
酸素があるときものは燃焼し、酸素がないときはものは燃焼しない。では、酸素の出入りがない状
態の中で加熱を続けていくとどうなるのかをたしかめる実験。空気の出入りがない状態で加熱が続
くと割り箸を構成している酸素原子や水素原子が割り箸から出て行ってしまう。そのため、最後に
は構成していた原子の炭素だけが残り、炭が完成する。
この方法を応用すれば、(時間やコツが必要となるが)果物の炭やお花の炭など様々な炭を作り出
すことができる。
【必要なもの】
・スタンド
・試験管(ガラス管のついたゴム栓つき)
・加熱器具
・割り箸(乾燥しているもの)
・ライター
【やり方】
①短く切った割り箸を試験管に入れる。
②スタンドに試験管をセットする。(このとき試験管の口はやや下向きにする)
③割り箸部分を中心に加熱する。
④割り箸から有色の気体や液体が出てくる。
この気体や液体は可燃性で、火を近づけると炎を出して燃える。
【参考文献・ホームページ】
松ぼっくりの炭作り
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/9262/1/matubokkurinosumitukuri.pdf#search='
炭作り'
割り箸の炭作り
http://setuyakuseikatu.com/waza/05.html
(9)メスシリンダーの使い方
【単元】
5年生 11月教材 「6.もののとけかた」
6 年生 9 月教材 「5.水よう液の性質」
【所要時間】
20 分(説明と練習)
【特色】
正確に水の量を量りとる道具の一つ。子どもたちの前で始めて登場するのは、もののとけかたの単
元。正確に水を量り、溶ける量をたしかめる実験の際。教師側では、塩酸や水酸化ナトリウムの希
釈の際にも登場する。
【必要なもの】
・メスシリンダー
・スポイト
・ビーカー(2つ)
【やり方】
①メスシリンダーを水平なところにおく。
②液をやや尐なめに入れる。
③真横から見ながら、量りとる体積の目盛りまでスポイトで液を入れていく。
(目盛りは、液面のへこんだ下の面を真横から見て読む。)
※メスシリンダーは使わないときは横にしてトレーなどに入れておく。
【参考文献・ホームページ】
5 年生教科書 P81
(10)薬品の希釈の行い方
【単元】
6 年生 9 月教材 「5.水よう液の性質」
【所要時間】
20 分
【特色】
直接子どもたちが行うことはないが、実験の準備のため教師が必ず行わないといけないものである。
塩酸、水酸化ナトリウムは劇薬になるため、学校に当たり前のようにおいてはあるが、一般の人が
手に入れるのは困難。そのため、使用したら薬品台帳に記入していくことが基本となる。また、購
入したときや、希釈を行ったときの日付や濃度もラベルに記載していかなければならない。
その後の保管の行い方、実験後の廃棄の仕方についても決まりがあるので、指導書や下記 HP を参
考にしっかりと行ってもらいたい。
【必要なもの】
・ビーカー
・メスシリンダー
・ピペット
・ガラス棒
・塩酸、水酸化ナトリウム(粒)
・計量器具
・溶液を保存ずる瓶
(水酸化ナトリウムを保管する場合はガラス蓋は使わない)
【やり方】
<3 規定(約 10%)の塩酸の作り方>
①水 300ml をはかりとりビーカーに入れる。
②市販の濃塩酸(12 規定 35%)100ml を、ガラス棒を伝わらせながらゆっくりと入れていく。
(この際、濃塩酸に水を入れることは厳禁。発熱して液が飛び散るため)
【参考文献・ホームページ】
啓林館 HP 「薬品の取り扱い、管理」
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/rika/jikken/pdf/6_005.pdf
啓林館 HP 「金属を変化させる水溶液の学習での注意」
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/rika/jikken/pdf/6_006.pdf
(11)塩酸、水酸化トリウムを使って
【単元】
6 年生 9 月教材 「5.水よう液の性質」
【所要時間】
10 分
【特色】
ここでは、子どもたちにそれぞれの水溶液の性質について学んでもらうための演示実験を紹介する。
塩酸も危険な薬品であるがここでは特にアルカリ性の性質を持つ水酸化ナトリウム水溶液の危険
性を中心に伝えたい。
【必要なもの】
・塩酸、水酸化ナトリウム水溶液(希釈済みのもの)
・鶏肉
・金属片(スチール、アルミ箔、銅)
・ビーカー(2 つ)
・ピンセット
・ガラス棒
【やり方】
①ビーカーを 2 つ用意し、片方に塩酸、片方に水酸化ナトリウム水溶液を入れる。
②塩酸の方に金属片(スチール)を入れる。
③水酸化ナトリウム水溶液に金属片(スチール)を入れ、変化がないことを確認する。
④水酸化ナトリウム水溶液に鶏肉を入れる。
【参考文献・ホームページ】
水酸化ナトリウム水溶液に鶏肉を入れたときの変化
http://www.geocities.jp/kagakulabo/a.html
(12)紫キャベツを使って
【単元】
6 年生 9 月教材 「5.水よう液の性質」
【所要時間】
20 分
【特色】
酸性、アルカリ性を見極めるためには、教科書では基本はリトマス紙が紹介され、他の試薬として
BTB 液や万能試験紙が紹介されている。しかしながら、このような道具は身近ではなかなか用意
できない。そこでさらに紹介されているのは紫キャベツである。よく市販のサラダなどで色つけ用
としても入れられている。スーパーなどにいくとだいたい 200~300 円で販売されている。今回
はそれを使いながらの実験を紹介する。
【必要なもの】
・紫キャベツ(なるべく新鮮なもの)
・包丁、まな板
・大きめのビーカー
・加熱器具
・保管用の容器(ペットボトル)
【やり方】
①紫キャベツをできる限り細かく切る。
②ビーカーにそのキャベツを入れ、水を入れる。
③しばらく煮立てる。
④溶液が十分紫色になった段階で火を止め冷ます。
(13)ガラス管の加工について
【単元】
5,6 年
【所要時間】
20 分
【特色】
ガラス管は最近は教材会社で購入できるものが増えてきた。しかしながら、ガラス管やガラス棒を
メートル単位で購入しておくと、いざというときに便利である。ガラス管の加工はガスバーナーを
使えばどこでも好きな形に加工することができるからである。ここでは、その基本を紹介する。
【必要なもの】
・ガラス管、ガラス棒
・ヤスリ
・ガスバーナー
・ライター
【やり方】
<切り方>
①ガラス管にヤスリで表面に切り目を入れる。
②傷のすぐそばを両手で持ち水平に引っ張る
<加工の仕方>
①ガスバーナーをつける。(できる限りの強火で)
②バーナーの青い炎の頂点にガラス棒を入れる。
③加工したい部分の前後を簡単に温めてから、加工する部分を熱する。
④熱くなったら、曲げる丸める等の加工をする。
※かなりの高温になっているので、加工後やけどしないように置き場に気をつける。
【参考文献・ホームページ】
NHK ガラス管細工 (動画)
http://cgi2.nhk.or.jp/school/movie/clipbox.cgi?das_id=D0005401226_00000&keepThis=true&T
B_iframe=true&width=920&height=480
(14)ブタンガス、都市ガスを使って
【単元】
6年生 4月教材 「1.ものが燃えるとき」
【所要時間】
5 分
【特色】
この単元では、酸素はものを燃やす働きがあることを学ぶ。しかしながら、子どもたちの中には、
酸素が燃えたと勘違いをする子もいる。そこで、身近にある燃える気体を利用して違いを紹介する。
【必要なもの】
<ブタンガス編>
・カセットコンロのボンベ(ブタンガス)
・試験管
・ライター
・ゴム管(ガラス管付き)
・酸素ボンベ等のボンベの先
<プロパンガス編>
・ガス管
・ビーカー(100ml)
・ライター
・水槽(水上置換法用)
・ガラス板
【やり方】
<ブタンガス編>
①試験管にブタンガスを入れていく。
②液体のブタンガスが 1cm ほどたまったら、ゴム栓(ガラス管付き)をする
③ガラス管の先に火を近づける。
④手で握ると火が大きくなり、離すと小さくなることを確認する。
<プロパンガス編>
①水上置換法でガスをビーカーに入れる。
②ビーカーに入ったら、ガラス板でふたをして水から出す。
③ガラス板をそっと取り除き、火を近づける。