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Microsoft Word - 論文最終.doc

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Academic year: 2021

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大阪兵庫地区における単位水量測定方法に対する評価

大藤 肇*1 大崎 雅弘*2 渡辺 純一*3 和田 賢治*4 西村 文夫*4 要旨:単位水量の管理方法は様々な方法が考案されているが、これらの精度は未だ十分把握されて いない。そこで、当地区で主に使用されている高周波加熱乾燥法(電子レンジ法:以降電子レンジ 法と表現する)及び2種類のエアメータ法により、試し練り及び練り混ぜ工程における単位水量の 測定を行い、各種測定機器間における「精確さ」・「安定性」・「繰り返し性」などについての違い を比較した結果、精密さは電子レンジ法が、精確さはエアメータ法A(注水法)が最も評価が高い ことが判明した。又、「耐久性」・「操作性」・「携帯性」等の総合的な利便性についても調査をした 結果、エアメータ法B (ZKT211法:無注水法)が最も高い評価を得た。 キーワード:測定機器、精確さ、精密度、再現性、安定性、利便性 1. はじめに 近年コンクリート構造物の耐久性確保に対する関心が深まり、国交省・都道府県等の役所が発注 する土木及び建築構造物に使用するコンクリートは勿論、民間企業が発注する建築工事に使用する コンクリートに対しても、JISA5308に規定する品質項目以外に、フレッシュコンクリート の単位水量測定値を受入れ検査項目のひとつに加えて管理する現場が増加している。このような背景 の中、平成15年10月に国交省での事務連絡で「レディーミクストコンクリートの品質確保について」 と題する管理方法の運用基準が示されたが、計測機器については機器特性を勘案して適性にキャリ ブレーションされた機器を使用することとされているのみで、計測機器の特定はなされていない。 本報告では、①測定機器の精確さ、②精密さ、③利便性(耐久性、操作性、携帯性、所要時間等) に対する評価比較を目的に、当地区で大半の工場が採用している、電子レンジ法とエアメータ法を 対象とし、測定条件を変えた試し練り時及び練り混ぜ工程時に測定した実験結果を報告する。 2. 実験概要 2.1 試し練りにおける評価 試し練りによる各種測定機器の比較は、表 1.に示す要領で、電子レンジ法、エアメータ法 A及びBの3水準を採用し、当工組加盟の8工場を選定し実施した。 尚、評価方法は表2.に示す通りとする。 *1大阪アサノコンクリート㈱淀川工場 *2大阪兵庫生コンクリート工業組合 *3神戸生コンクリート協同組合 *4大阪広域生コンクリート協同組合

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表 1.試し練りの実施方法 配 合 呼び強度は 24、45、スランプは 8cm(単位水量 165kg/m3)、18cm(単位水量 180kg/m3)の各 2 水準 環境温度 コンクリート温度で 10±3℃、20±3℃、30±3℃の3水準とし、2ヶ月以上の間隔をあける。 そ の 他 ①同一配合において、同種の空気量の測定値が 4.5%程度以下と 4.5%程度以上 8%以下になる ように 2 バッチ練り、且つ、1 バッチ目と 2 バッチ目の差が 3%以上となるよう空気量を調整する。 ②電子レンジ法は自社の試験方法により行い、キャリブレーション係数の補正は行わない。 ③骨材の密度、吸水率、過大過小粒率、骨材修正係数値は試験によって求め補正する。 表2.試し練りにおける測定機器の評価方法 評価項目 評 価 方 法 真 度 表乾状態での設計単位水量に対する差 再現性 測定条件を変更して実施した、同一測定量の測定結果の間の一致の度合い 精確さ 安定性 計測器又はその要素の特性が、時間の経過又は影響量の変化に対して一定で 変わらない度合い 2.2 練り混ぜ工程における評価 当工組加盟工場に対して共同実験の協力依頼をした結果、129工場のデータを集計することが 出来た。 (1)実験方法 a.測定方法は自社で採用している測定機器による。但し、試し練りを実施した工場は、 エアメータ法Aを優先する。 b.測定期間は平成18年1月中旬~同年9月末日とし、軽量コンクリートを除く任意の 配合で、冬期・標準期・夏期に亘り、なるべく均等な間隔で合計30回程度実施する。 c.採取した試料は、出来るだけ時間の間隔を開けずに、同一の測定方法で2回測定する。 (2)評価方法 練り混ぜ工程(日常管理データ)の評価方法は、表3.に示す通りとする。 表3.練り混ぜ工程における測定方法の評価方法 評 価 項 目 評 価 方 法 精 密 さ 繰り返しによる標準偏差(2回の測定値の差) 精 確 さ 設計単位水量に対する差の標準偏差 再 現 性 測定条件(環境温度)を変更して実施した場合の差 所 要 時 間 サンプリングから計算結果算出まで 耐 久 性 振動・衝撃・耐熱・耐食・点検補修 操 作 性 手順数・容易度・熟練度 携 帯 性 重さ・大きさ・部品のパッケージ化・電源の要否・運搬用付属装置の有無

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-10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 1:24N/mm2 C2:45N/mm2 D1:8cm D2:18cm C1D1 C1D2 C2D1 C2D2 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 F1:電子レンジ法 F2:エアメータ法B F3:エアメータ法A F1 F2 F3 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 B1 B2 B3 B4 B5 B6 B7 B8 設 計 値 と の 差 設 計 値 と の 差 設 計 値 と の 差 3.実験結果 3.1 試し練りにおける結果 設計値との差について、期間(冬期、標準期、夏期)、工場、呼び強度、スランプ、空気量、 測定機器の5つの要因の組合せについて分散分析を行った。本報告書では、工場別、測定機器別、 呼び強度とスランプ別、空気量と測定機器別の4つの組合せの関係を図1~図4に示す。これら 4つの組合せの分散分析による検定結果が、全て“有意差有り”と検定されたものである。 なお、図示した組み合わせの他にも各種要因について分析を行ったが、期間、工場×呼び強度、 工場×スランプ、期間×空気量、工場×測定機器、スランプ×測定器等の組合せは“有意差無し” の検定結果が得られた。 a.全測定機器を集計した工場別の有意差 検定の結果から、同一条件下において 工場間で測定値に違いが認められた。 又、各工場ともばらつきの範囲は、 5~6kg/m3程度と比較的小さな値で あった。 Kg/m3 図1.工場別 b.測定機器別の有意差検定の結果では、 エ ア メ ー タ 法 A が 設 計 値 と の 差 が 最も小 さ く 、 以 下 エ ア メ ー タ 法 B 、 電 子 レンジ法の順で大きくなった。 但し、電子レンジ法 については、 装置の キャリブレーション による 補正を行っていない結果である。 kg/m3 図2.測定機器別 c .呼び強度とスランプの組合せによる 有意差検定の結果では、同一強度で 低スランプ配合と高スランプ配合を 比較すると、高スランプ配合の方が 設計値に較べ、若干小さくなる傾向 が認められた。又、低強度配合の方が kg/m3 高強度配合に較べ、マイナス側になる 傾向も認められた。これは、全ての測定 機器とも同様の傾向であった。 図3.呼び強度×スランプ

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設 計 値 と の 差 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 E 1:多 E2:少 F1:電子レンジ法 F2:エアメータ法B F3:エアメータ法A E1F1 E2F1 E1F2 E2F2 E1F3 E2F3 2.11 6.54 2.80 1.90 5.37 9.87 4.33 5.19 0 2 4 6 8 10 12 電子レンジ法 エアメータ法B エアメータ法A 電量滴定法 標 準 偏 差 精密度 精確さ 電子レンジ法 エアメータ法B エアメータ法A 電量滴定法 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 カタヨリ kg/m3 d.空気量と測定器の組合せによる有意差 検定の結果では、電子レンジ法では空気量 の多少による差は殆ど認められなかった。 しかし、特にエアメータ法Bでは、空気量 が多くなる程設計値との差はマイナス側に なり、空気量が少なくなる程プラス側に なる傾向がでた。又、エアメータ法Aに kg/m3 おいても、空気量の多少による影響が顕著 に認められた。 図4.空気量×測定器 3.2 練り混ぜ工程における結果 (1)精密さ、精確さ及び再現性の評価結果 各工場が採用している試験方法による、精密さ及び精確さを比較検討するため、全期間を通した 2回の差(繰り返しによる誤差)及び設計値との差について分析を行った結果を図5.及び図6.に 示す。又、全期間を通して測定結果のカタヨリは認められず再現性の評価については問題がなかった。 なお、各測定機器は、電子レンジ法3513個、エアメータ法Bが982個、エアメータ法A が175個、電量滴定法30個の試料数で推定を行ったが、電量滴定法については、1工場のみの データであったため、本実験では参考値として評価の対象とした。 測定機器別の検定の結果、2回の差 から求めた精密さ及び設計値との差 から求めた精確さの両方の結果とも、 電量滴定法と電子レンジ法において は、有意差無しと検定され、その他の 組合せは全て有意差有りの結果が得 られた。又、精密さ及び精確さを kg/m3 評価する標準偏差は、右図に示す通り である。但し、精確さの値が大きいのは 単位水量自体の変動も含まれている為で あると考えられる。 図5.測定器別の精度 測定機器別に設計値からのカタヨリ を分析した結果は、エアメータ法Aに ついては、ほぼ設計値と同等、エアメ ータ法B及び電量滴定法はプラス側 に、又、電子レンジ法の場合はマイナ ス側にカタヨリが認められた。 図6.測定器別の設計値からのカタヨリ

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0 1 2 3 4 振 動 衝 撃 耐 熱 耐 食 点 検 補 修 0 1 2 3 4 重 さ 大 き さ パ ッ ケ ー ジ 化 0 1 2 3 4 重 さ 大 き さ パ ッ ケ ー ジ 化 0 1 2 3 4 振 動 衝 撃 耐 熱 耐 食 点 検 補 修 0 1 2 3 4 手 順 数 容 易 度 熟 練 度 0 1 2 3 4 重 さ 大 き さ パ ッ ケ ー ジ 化 0 1 2 3 4 手 順 数 容 易 度 熟 練 度 0 1 2 3 4 手 順 数 容 易 度 熟 練 度 0 1 2 3 4 振 動 衝 撃 耐 熱 耐 食 点 検 補 修 (2)利便性の評価の結果 a.耐久性、操作性、携帯性の3項目における利便性についての評価結果を、図7~15に示す。 なお、電量滴定法については、1工場の評価点であるため本報告書では図示していないが、 エアメータ法Aとほぼ同等の評価であった。 ①各測定機器における耐久性の評価結果は、電子レンジ法及びエアメータ法Bの場合、ほぼ 同等の評価が得られ、エアメータ法Aが最も低い評価となった。 図7.電子レンジ法耐久性 図8.エアメータ法A耐久性 図9.エアメータ法B耐久性 ②各測定機器における操作性の評価結果は、耐久性の評価と同様、電子レンジ法及びエアメータ 法Bがほぼ同等の評価が得られ、エアメータ法Aが最も低い評価となった。 図 10.電子レンジ法操作性 図 11.エアメータA法操作性 図 12.エアメータ法B操作性 ③各測定機器における携帯性の評価結果は、エアメータ法Bが最も高い評価が得られ、電子 レンジ法が最も低い評価となった。 図 13.電子レンジ法携帯性 図 14.エアメータ法A携帯性 図 15.エアメータ法B携帯性

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-2 -1 0 1 2 評価点 電子レンジ法 エアメータ法B エアメータ法A b.耐久性・操作性・携帯性に加え、所要時間や 電源及び付属品の有無を加えた利便性の総合 評価を図16に示す。その結果、エアメータ法A →電子レンジ法→エアメータ法Bの順で高い評価 結果が得られた。 図 16.全測定機器の利便性の評価 4.まとめ 4.1 試し練りにおける評価結果 a.工場間における精確さを分析した結果、同一条件下において測定値に違いが見られ、各工場 が採用している測定方法を統括した標準化を推進していく必要性があると判断した。 b.測定機器別に精確さの分析をした結果、電子レンジ法の場合、マイナス側に2~6kg/m3 程度設計値との差が生じているが、機器の校正値を配合別に決定することにより、真値に近い 水量を測定することが可能である。 c.空気量によるカタヨリは、エアメータ法A、エアメータ法Bは共に大きな影響を受け、再現性 の評価としては低い評価となった。両方法とも単位容積質量の設計値と実測値の差から単位水量 を推定する原理を採用しているが、空気量の多少による影響を考慮して測定値に対処する必要 があるのではないかと考える。 d.期間別による測定値のカタヨリの影響は認められなかったことから、何れの測定機器とも 安定性としての評価結果に問題がないことが判明した。 4.2 練り混ぜ工程における評価 a.2回の繰り返しによる測定値の差を比較する精密さでは、電子レンジ法が最も高い評価が得ら れたが、大部分の工場が日常管理に電子レンジ法を採用し、測定の熟練度が高い為と推察され る。又、設計値からの差を比較する精確さでは、エアメータ法Bが最も低い評価となったが、 これは試料採取法の良否が大きく影響していると考えられる。 b.設計値からのカタヨリを分析した結果、エアメータ法Aが最も高い評価が得られたが、この ことから、許容限界に近い空気量の場合の対処方法を検討する必要があると判断する。 c.全ての測定機器が環境温度の変化で測定値にカタヨリがなく、再現性の評価に問題は無かった。 d.耐久性・操作性・携帯性・所要時間・電源及び付属品の有無までを考慮した利便性の総合的 な評価では、エアメータ法Bが最も高い結果が得られた。これは、工程管理における空気量の 測定と併用出来る利点が高く評価された為と考えられる。 以上、精確さ、精密さ、利便性等の評価を検討したが、3測定機器ともそれぞれ長所短所があり、 使用する上でこれらの特徴を十分把握し、適切な測定方法を選定する必要があると考える。 最後に、本実験に多大なるご協力を頂きました各工場の試験室の皆様方に感謝の意を表します。

表 1.試し練りの実施方法 配 合 呼び強度は 24、45、スランプは 8cm(単位水量 165kg/m 3 )、18cm(単位水量 180kg/m 3 )の各 2 水準 環境温度 コンクリート温度で 10±3℃、20±3℃、30±3℃の3水準とし、2ヶ月以上の間隔をあける。 そ の 他 ①同一配合において、同種の空気量の測定値が 4.5%程度以下と 4.5%程度以上 8%以下になる ように 2 バッチ練り、且つ、1 バッチ目と 2 バッチ目の差が 3%以上となるよう空気量を調整する。 ②電子レンジ法

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