交通計画A
Transportation Planning A
3.交通需要予測手法(1)
4段階推定法とは?
交通発生・集中
,分布
トリップの実態調査
パーソントリップ(PT)調査
人々がどのような目的で,どこからどこへ,
どのような時間帯に,どのような交通手段を
利用して移動しているかを
アンケート
形式
で調査する.
居住者を無作為に抽出し,調査員が訪問し
て,調査票を配布,後日記入済みの調査票
を回収する(訪問配布・訪問回収方式)
集計してみよう
各自の記入結果に基づき,1日あたりのト
リップ数(目的トリップ)を比べます.
個人間のバラツキが大きいのはどんなトリッ
プ?
各トリップを手段トリップに分解してください
代表交通機関は何ですか?
平日と休日の違いは?
PT調査の問題点(回答者の立場から)
記入が面倒で、忘れたり不正確になりやすい
プライバシーの重視により、回答率が低下
お金がかかりすぎる
トリップの概念が不明確
どこまでが外出か?(生協食堂VS弁当)
散歩はトリップか目的地はどこか?
目的トリップという概念の妥当性
自宅→(私事)→生協食堂→(通学)→大学
PT調査の限界(交通計画の立場)
サンプルの代表性(抽出率
2%なら50倍に
拡大
)
実現した行動しかわからない
別の行動を取る可能性がどのぐらいあったのか、運
賃が安ければ行動を変えたのか等が不明
「本当は外出したかったのにバスがないのであきらめ
た」といった状況がわからない
現実の交通サービスへの満足度がわからない
将来の交通行動を表しているわけではない
新規の路線や運賃制度などへの反応がわからない
トリップをベースとする予測法
四段階推定法
1.各ゾーンからトリップがどのぐらい発生し,集
中するか?(発生・集中交通量)
2.あるゾーンから別のゾーンに向かうトリップは
どのぐらいあるか?
(分布交通量、OD交通量)
3.それらはどの交通手段を使うか?(代表手段
分担交通量)
4,交通機関ごとのルート選択の結果として,それ
ぞれの区間の交通量がいくらになるか?(配分
交通量)
ゾーンの決め方
ゾーン面積はできるだけ等しく, 円に
近い形状で
ゾーン内人口(夜間人口や昼間人口)
はできるだけ等しくする
河川や山の尾根など,地形上横断し
にくいところで分割(スクリーンライン)
境界は主要な交通路とは交差させ,
一致させない
学区や町内など,コミュニティーは分
割しない
行政区画に一致させ,地番(町丁目
字)を分割しない
外周
=コードンライン
横断交通量のチェック
=スクリーンライン
101
102
103
104
105
111
112
113
121
122
211
212
220
230
240
300
400
500
600
700
OD (OriginーDestination)表
小計
・・・
:
・・・
小計
102
i
n
:
101
n
j
102
101
D終点
O起点
i,j間の分布交通量
ij
t
集中交通量
A
j
T
発生交
通量
i
G
全交通
四段階推定法とOD表
小計
・・
:
・・
小計
i
n
:
101
n
j
101
D
O
小
計
・・
:
・・
小計
i
n
:
101
n
j
101
D
O
人口や
社会経済活動の条件
小
計
・・
:
・・
小計
i
n
:
101
n
j
101
D
O
OD表
自動車
OD表
鉄道
OD表
駅間利用者数
道路区間別
交通量
四段階推定法のイメージ
交通発生・集中分析
交通分布分析
交通手段分析
交通量配分分析
四段階推計法のバリエーション
(交通手段分析をどこでするか)
発生・集中分析
↓
交通分布分析
↓
交通手段・
配分分析
発生・集中分析
↓
交通分布分析
↓
交通手段分析
↓
交通量配分
発生・集中分析
↓
交通手段分析
↓
交通分布分析
↓
交通量配分
交通手段分析
↓
発生・集中分析
↓
交通分布分析
↓
交通量配分
複数機関のルート
間の選択を考える
ODペアごとに分
担を考える
(最も一般的)
出発(到着)地ごと
の交通条件
全域の道路整備
水準や自動車保
有率等
④経路モデル
③トリップインター
チェンジモデル
②トリップエン
ドモデル
①全域モデル
手段別全交通量
手段別発生集中量
手段別OD表
区間交通量
発生集中交通量
手段別発生集中量
手段別OD表
区間交通量
手段別OD表
発生集中交通量
OD表
区間交通量
発生集中交通量
OD表
手段別区間交通量
将来値予測の考え方
将来の交通網に流れる交通量の予測
トリップを単位とする四段階推計法
OD表の中身を順次予測して埋めていく
将来値の設定方法
現在パターン法(現在多い所は将来も多い)
集計モデル法(条件のいい所ほど多い)
非集計モデル法(条件に対する個々人の意思
決定を表すモデルを作成)
将来値予測の考え方とモデル
現在の交通のパターンが継続する(
現在パター
ン法
)
平均成長率法,デトロイト法,フレーター法
時間や料金などが交通量の比率に与える影響を
与える(
集計モデル法
)
原単位法,関数モデル法,重力モデル,分担率曲線,
一人一人の選択行動に沿って,交通機関の選択
などを説明する(
非集計モデル法
)
ロジットモデル,プロビットモデル
交通発生,集中の分析
ゾーンが大きく,社会活動や経済活動の量が多
いほど,発生量・集中量は大きい
年齢階層別の夜間人口や昼間人口,土地利用,
商業販売額,事業所数などの
社会経済指標
原単位法
:人口や売場面積の1単位ごとに発生,
集中する交通量が一定
(
原単位
)として推定
関数モデル法
:影響力のありそうな社会経済指
標を説明変数とする
重回帰分析
原単位法
人口(年齢・性別)
昼間人口(従業者,学生)
面積(土地用途別)
床面積(施設用途別)
原単位:
指標
(昼間人口etc)の1単
位当りの発生交通量
将来の発生交通量=
原単位×将来の指標値
関数モデル法(重回帰分析)
交通量に対して影響を持ちそうな要因を複
数取り上げて,回帰式を作成する.
豊田市
(1973年)の例 相関係数0.993
全目的全手段
発生交通量 =
+0.1125 商業事業所床面積247+1.398 総人口+1.078 事業所従業者数
発生・集中分析(目的別推計式)
総人口,床面積合計
総人口,住宅床面積
総人口,商業事務床面積
総人口,事業所従業者,
商業事業所床面積
商業就業者,事業所従業者
事務商業床面積,総床面積
商業就業者,工業就業者
総人口,体育文教床面積
商業就業者,工業就業者,
事務商業床面積
商業販売額,事務商業床
商業就業者,事業所従業者
総人口,総床面積
交通分布分析
(
OD表の中身の推計)
現在パターン法
現在の分布パターンに沿ってOD表の中身を推計
推計値の和が発生量と集中量にそれぞれ等しくなる
ように収束計算を行う.
構造モデル法(重力モデル法)
分布の法則性をモデルで表現し,将来の分布交通量
を推計
モデルの計算結果の和が,発生量,集中量に等しくな
るように,後半で現在パターン法の収束計算を適用.
非集計モデル法
個人ごとの目的地の選択行動をモデルで表現し,一人
一人の行動を加算して推計する.
現在パターン法
(単位:万トリップ/日)
105.0
27.0
50.0
28.0
計
26.0
17.0
5.0
4.0
3
51.0
6.0
38.0
7.0
2
28.0
4.0
7.0
17.0
1
計
3
2
1
qij
表3.9 現在のOD表
(単位:万トリップ/日)
166.5
36.9
90.3
39.3
計
36.0
3
91.9
2
38.6
1
計
3
2
1
Qij
表3.10 将来のOD表
それぞれの「マス目」が何倍に成長するか?を,発生交
通量
,集中交通量の成長率から設定する.
FO1=
1.38倍
FD1=1.40倍
何倍?
各マス目の成長率の設定方法
平均成長率法
発生成長率と集中成長率の平均
デトロイト法(J.D.Carol)
発生成長率と集中成長率の積に比例
総交通量の成長率に反比例
フレーター法(T.J.Fratar)
2
Dj
Oi F
F
f
T
Dj
Oi
F
F
F
f
i ij Oi
j
j
j ij Dj
i
i
j
i
Dj
Oi
F
q
D
L
F
q
O
L
L
L
F
F
f
,
2
/
)
(
いずれも繰り返し計算が必要となる
.
現在パターン法の計算例
166.5
36.9
90.3
39.3
計
36.0
22.4
8.1
5.5
3
91.9
9.4
71.2
11.3
2
38.6
5.1
11.0
22.5
1
計
3
2
1
qij
166.5
37.1
90.1
39.4
計
36.2
22.6
8.0
5.5
3
91.7
9.3
71.1
11.2
2
38.7
5.1
10.9
22.6
1
計
3
2
1
qij
平均成長率法
(5回)
166.5
36.9
90.3
39.3
計
36.0
22.5
8.0
5.5
3
91.9
9.3
71.4
11.2
2
38.6
5.1
10.9
22.6
1
計
3
2
1
qij
デトロイト法
(6回)
フレーター法
(3回)
現在パターン法の問題点
•完全な現在OD表が必要
•交通条件や土地利用などの変化に対応
不能
•サービスレベルの変化が反映されない
(プロジェクト評価ができない)
重力モデル
Newtonの万有引力の法則
引力は質量の積に比例
距離の2乗に反比例
べき乗型の重力モデル
分布交通量は
,発生・集中交通量に比例
ゾーン間の距離,交通コストに反比例
2
r
m
m
G
f
ij
i j
ij
j
i
ij
t
D
O
q exp( )( )
重力モデルのパラメータ推定
)
ln(
)
ln(
)
ln(
q
ij
O
iD
j
t
ij
対数変換した線形式を回帰分析する
1.946
6.554
1
2.833
7.0
27.0
26.0
17.0
3.135
7.228
1
1.792
23.0
27.0
51.0
6.0
3.091
6.628
1
1.386
22.0
27.0
28.0
4.0
3.135
7.170
1
1.609
23.0
50.0
26.0
5.0
2.708
7.844
1
3.638
15.0
50.0
51.0
38.0
2.833
7.244
1
1.946
17.0
50.0
28.0
7.0
3.091
6.590
1
1.386
22.0
28.0
26.0
4.0
2.833
7.264
1
1.946
17.0
28.0
51.0
7.0
2.079
6.664
1
2.833
8.0
28.0
28.0
17.0
ln(tij)
ln(OiDj)
定数項
ln(qij)
tij
Dj
Oi
qij
重力モデルのパラメータ推定
回帰統計
重相関 R 0.937
重決定 R2 0.877
補正 R2 0.67
標準誤差 0.314
観測数 9
係数標準誤差 t P-値下限 95上限 95%下限 95.0上限 95.0
X 値 1 -1.698 1.786 -0.951 0.38 -6.07 2.672 -6.07 2.672
X 値 2 1.152 0.265 4.346 0 0.504 1.801 0.504 1.801
X 値 3 -1.536 0.257 -5.984 0 -2.16 -0.91 -2.16 -0.91
分散分析表
自由度 変動 分散された分散比有意 F
回帰 3 4.23 1.41 14.3 0.007
残差 6 0.59 0.1
合計 9 4.82
)
ln(
536
.
1
)
ln(
152
.
1
698
.
1
)
ln(
q
ij
O
iD
j
t
ij
536
.
1
152
.
1
)
(
)
698
.
1
exp(
ij
j
i
ij
t
D
O
q
重力モデルによる分布交通量の
推計
重力モデルに将来の条件を代入して分布交
通量の推計値(初期値)を求める.
将来の発生,集中交通量にあうように,デトロイ
ト法,フレーター法などで修正を行う
(単位:万トリップ/日)
(単位:万トリップ/日)
166.5
36.9
90.3
39.3
計
720.4
153.6
367.3
199.5
計
36.0
3
151.2
86.6
44.9
19.7
3
91.9
2
372.7
47.2
246.7
78.9
2
38.6
1
196.5
19.8
75.7
100.9
1
計
3
2
1
qij
計
3
2
1
qij
表3.10 将来のOD表
重力モデルによる初期値
18.2 16.2 4.2
17.0 63.0 11.8
4.1 11.0 20.9
目的地選択モデルによる
分布交通量の推計
買物に出かけることを決めた消費者が,目的地
の魅力と交通コストを考えて行先を選択
他の人々を多く集める目的地は魅力が高い
魅力度のランダム部分に一定のガンベル分布を仮
定すると,ロジットモデルを得る
3
3
3
3
2
2
2
2
1
1
1
i
i
i
i
i
i
t
D
V
t
D
V
t
D
V
3
,
1 exp( )
)
exp(
j
j
i
j
i
V
V
j
j
i
j
i V
U
]
)
(
:
ob[
Pr j
i
U k i K
U
P k
i
j
i
選択肢jの魅力度が他の選択肢よりも高い確率
集計データを用いた
ロジットモデルの推定
3
1
3
1
3
1
3
2
1
2
1
2
1
2
)
(
)
(
]
/
ln[
)
(
)
(
]
/
ln[
i
i
i
i
i
i
i
i
t
t
D
D
P
P
t
t
D
D
P
P
q ij D j tij ln (q ij/ q i1 ))D j- D 1 tj- t1
1 7 .0 2 8 .0 8 .0
7 .0 2 8 .0 1 7 .0
4 .0 2 8 .0 2 2 .0 ln (q ij/ q i1 ))D j- D 1 tj- t1 γ 2 γ 3
7 .0 5 0 .0 1 7 .0 - 0 .9 2 2 .0 9 .0 1 0
3 8 .0 5 0 .0 1 5 .0 1 .6 9 2 2 .0 - 2 .0 1 0
5 .0 5 0 .0 2 3 .0 0 .2 2 2 2 .0 1 .0 1 0
4 .0 2 7 .0 2 2 .0 - 1 .4 - 1 .0 1 4 .0 0 1
6 .0 2 7 .0 2 3 .0 - 0 .2 - 1 .0 6 .0 0 1
1 7 .0 2 7 .0 7 .0 1 .4 5 - 1 .0 - 1 5 .0 0 1
集計データを用いた
ロジットモデルの推定
係数標準誤差 t P-値下限 95上限 95%下限 95.0上限 95.0
切片 0 #### #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A
X 値 1 0.029 0.02 1.62 0.2 -0.03 0.086 -0.03 0.086
X 値 2 -0.11 0.03 -3.7 0.03 -0.2 -0.02 -0.2 -0.02
X 値 3 0 0 #### #### 0 0 0 0
X 値 4 0.161 0.39 0.41 0.71 -1.07 1.396 -1.07 1.396
回帰統計
重相関 R 0.912
重決定 R2 0.832
補正 R2 0.054
標準誤差 0.665
観測数 6
3
,
1 exp(0.029 0.110 )
)
110
.
0
029
.
0
exp(
j j ij
ij
j
j
i
t
D
t
D
P
ロジットモデルによる分布交通
量の推計
ロジットモデルに将来の条件を代入して分布
交通量の推計値
(初期値)を求める.
将来の発生,集中交通量にあうように,デトロイ
ト法,フレーター法などで修正を行う
(単位:万トリップ/日)
(単位:万トリップ/日)
166.5
36.9
90.3
39.3
計
166.5
26.2
111.7
28.6
計
36.0
3
36.0
10.5
20.3
5.2
3
91.9
2
91.9
10.9
67.3
13.8
2
38.6
1
38.6
4.9
24.2
9.6
1
計
3
2
1
qij
計
3
2
1
qij
表3.10 将来のOD表
重力モデルによる初期値
12.9 18.9 6.8
19.7 56.1 16.1
6.7 15.3 14.0