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(1)

リアルタイムビジネス

新たなグローバル市場における勝利の方程式

SAP

とのコラボレーションにより作成したホワイトペーパー

翻訳:

SAP

(2)

目次

はじめに

...

1

エグゼクティブサマリー

...

2

概要:スピードの必要性

...

4

リアルタイム・ワールドへの移行

...

6

採用の要因 ...

7

メリットとチャンス

...

10

有効性の評価 ...

12

将来の投資 ...

13

リアルタイム・オペレーション実現の障壁

...

14

結論:今後の展望

...

17

(3)

OXFORD ECONOMICS

1

はじめに

このホワイトペーパーは、リアルタイムの事業運営についてエグゼクティブがどのような認識を持っ ているかに関する調査結果をまとめたもので、

SAP

とのコラボレーションにより作成されました。 この調査では厳密性を高めるため、量と質の両面に関する分析を組み合わせました。 ■ 食品・消費財、ハイテク、石油・ガス、小売の

4

業種における経営幹部レベルのエグゼクティブ

525

名を対象としたグローバルなアンケート調査。 ■ 事業運営リアルタイム化のプロジェクトに関与している、上記業種の上級エグゼクティブを対 象とした一連の詳細な個別インタビュー。 アンケート調査と個別インタビューにご参加いただいたエグゼクティブの皆様全員に感謝の意を表 します。

調査を実施したのは

Oxford Economics

社です。分析結果については

Oxford Economics

社 が責任を負うものであり、必ずしもスポンサー各社の見解を表しているわけではないことにご留意 ください。

(4)

ジネスのペースは日ごとに速まっています。グローバル経済の構造変化にテクノロジー の急速な普及が加わったことで、企業のエグゼクティブは今、不確実性と絶え間ない変 化がつきものの新たなグローバル市場への対応を強いられています。こうした新しい市 場力学の下で企業が成功するためには、業務プロセス、企業戦略、ビジネスモデルを瞬時に調整で きる必要があり、それによって情報を即座に活用し、迅速な行動を取ることが可能になります。同時 に、意思決定が適切なデータと分析に基づいていることに確信を持てなければなりません。 エグゼクティブは、「リアルタイム・オペレーション(リアルタイムな事業運営

/

業務遂行)」について、 どのような認識と意見を持っているのでしょうか。この問題を解明するため、

Oxford Economics

社は

2011

3

月に、

525

名のエグゼクティブを対象としたグローバルなアンケート調査を実施し ました。この調査では、食品・消費財、ハイテク、石油・ガス、小売の

4

業種における大企業と中堅企 業に焦点を合わせました。調査結果からは、興味深い発見が得られました。 ■ エグゼクティブは、ビジネスのリアルタイム化が必要であることを認識しています。実際には

30%

の企業がすでに、リアルタイムビジネスから相当なメリットを引き出しています。また、ほ ぼ

3

分の

2

の企業は、リアルタイムビジネス手法に関する計画を今後

5

年間のうちに導入した いと考えています。調査対象としたすべての業種または地域で少なくとも

5

分の

1

の企業がリ アルタイムビジネス手法を導入しており、あらゆる種類のビジネスにとって価値が高まりつつ あることが分かります。こうしたトップランナーの後塵を拝している多くの企業にとっては、出 遅れを挽回することが急務となっています。 ■ 驚くほどの成果を挙げている先行企業もありますが、出遅れ企業も存在します。石油・ガス会 社の大半は、特に生産プロセスと財務

/

事業リスク管理に関する戦略の一貫として、リアルタイ ムビジネス手法を導入済みです。これは複雑な設備資本集約型企業にとって、リアルタイム・オ ペレーションの重要性が高いことを示しています。一方、食品・消費財および小売業界では、導 入が遅れています。特に小売業者は、事業の成功に欠かせない

2

大重要領域である顧客体験(消 費者体験)とサプライチェーン管理に関して、リアルタイム・オペレーションの導入の遅れが目 立ちます。また、小売業者はリアルタイムビジネス関連の取り組みの効果を、他業種の企業よ りも低く報告しています。

エグゼクティブサマリー

(5)

OXFORD ECONOMICS

3

早期導入組は、すでに相当な実績を達成しています。リアルタイムビジネス手法の導入を選 択したエグゼクティブの主要な戦略目標は、市場シェアを増やし、サービスと品質に関する優位 性を高めることです。業務遂行面では、リアルタイムビジネスは顧客体験、生産プロセス、サプ ライチェーン管理の改善に特に効果的であることが実証されつつあります。しかし、おそらく最 も注目すべき効果は、投資回収率(

ROI

)の目に見える向上でしょう。推測可能な企業では、増 収が

20%

超、コスト削減が約

20%

となっています。実際には、将来的な増収は導入初期の水 準を超え、

28%

になると予測されています。 ■ しかし、多くの領域で難しい課題もあります。回答者が主要な障壁として挙げているのは、テ クノロジーの欠如を筆頭に、リアルタイムシステムに関するサプライヤーの経験不足、社内に おける専門知識の欠如などです。実際、リアルタイム・オペレーションへの移行は非常に複雑な 取り組みとなる可能性があり、成功のためには周到な計画と戦略が必要になります。 ■ リアルタイムシステムの展開を現在計画している企業(計画組)は、早期に導入した企業(早 期導入組)とは戦略が異なります。計画組が特に重視しているのは、財務

/

事業リスク、生産プ ロセス、サプライチェーン管理です。一方、早期導入組のほぼすべてが投資の継続を計画して おり、販売

/

マーケティングから製品設計

/

イノベーションに重点を移す傾向があります。ただし、 顧客体験を重視する姿勢は変わりません。

調査対象者の構成

この調査の一部は、

2011

3

月に世界中の企業から

525

名のエグゼクティブを対象として 実施したグローバルなアンケート調査の結果に基づいています。この調査では、食品・消費財、 ハイテク、石油・ガス、小売の

4

業種における大企業と中堅企業に焦点を合わせました。対象 となった国は合計

13

カ国で、アジア太平洋、欧州、北米、南米の

4

地域に分布しています。今 回は、年間売上高が

2

5,000

万米ドルを超える事業単位のみを調査対象としました。ただ し南米については、

1

5,000

万米ドルを基準としました。質問項目にご回答いただいたのは、 経営幹部レベルのエグゼクティブ、社長、バイスプレジデントなど、幅広いビジネス部門の上 級職の方々です。

「リアルタイムビジネス」の意味

この調査における「リアルタイムビジネス」とは、企業が幅広い事業活動を瞬時に指揮統制 できるようにするプロセスを意味します。

(6)

たちが暮らす世界では、リアルタイムでコミュニケーションを図り、物事を行う傾向が強 まりつつあります。過去

10

年間で、ソーシャルメディアと携帯電話の利用が普及したこ とに加え、アクセス可能な情報が爆発的に増加し、グローバルな市場と文化の相互接続 性が高まったことで、日常生活のペースは劇的にスピードアップしました。これは国際ニュースが伝 わる速さに端的に現れています。たとえば、

2009

1

月に

US Airways

社の

1549

便が離陸中に ガンの群れに突っ込み、ニューヨークのハドソン川に不時着したときには、最初の「ツイート」が世界 に向けて事態を告げるまで、わずか

3

分間しかかかりませんでした。 ビジネスのペースも劇的に速まっています。顧客やクライアントは、問い合わせや問題が即座に 解決されることを期待します。ますます多くの競争相手がひしめき、絶えず変化する不確実なグ ローバル市場を前にエグゼクティブたちは、迅速な意思決定と俊敏な行動が成功の鍵となること を知っています。実際、今日のビジネスの世界では、もはやスピードは期待事項ではなく必須条件 となっています。

Rupert Murdoch

氏が指摘しているとおりの状況です。「世界は非常な速度で変 化しています。もはや大が小を打ち負かす時代ではありません。速いものが遅いものを打ち負か すのです」 しかし企業は、リアルタイムで事業を展開する準備が整っているでしょうか。石油・ガス、小売、食品・ 消費財、ハイテクの

4

業種におけるグローバル企業のエグゼクティブを対象とした今回の調査では、 回答に温度差が見られました。ほぼすべての回答者がリアルタイム化の重要性については同意 しているものの、リアルタイムなビジネスアプリケーションを何らかの形で導入済みの企業は

3

分 の

1

に留まります(ただし、まだリアルタイムシステムを導入していない企業の

65%

5

年以内に 実施する意向を示しています)。また、導入体験にも相当のばらつきがあります。たとえば、企業間 (

B2B

)業務に注力する企業(

35%

)では、消費者向け事業(

B2C

)を基盤とする企業(

16%

)よりも リアルタイムへの移行が進んでいます。また、調査対象企業のうち年間売上高が

250

億米ドルを 超える巨大企業の約半数は、リアルタイムビジネスを導入済みであり、売上高が

10

億米ドル未満 (

22%

)または

10

億∼

100

億米ドル(

28%

)の企業と比べて大幅にリアルタイム化が進んでいます。

概要:スピードの必要性

「世界は非常な速度で

変化しています。もはや

大が小を打ち負かす

時代ではありません。

速いものが遅いものを

打ち負かすのです」

Rupert Murdoch

(7)

OXFORD ECONOMICS

5

リアルタイムビジネスのアプローチを採用すると、業務遂行レベルでも経営管理レベルでも、企業 には多くのメリットがあります。 ■ 業務遂行レベル:データの捕捉がスピードアップし、プロセスが簡素化されることで、エグゼク ティブは在庫の圧縮、ビジネスリスクの軽減、業務コストの削減、市場投入時間の短縮、生産性 の向上、顧客ニーズへの対応の向上を実現できます。 ■ 経営管理レベル:意思決定と計画策定が迅速化することで、エグゼクティブは市場機会の俊敏 な活用、競争上の優位の早期特定、市場の変化への迅速な対応、停滞している事業の変革を実 現できます。 インターネットがビジネスを変革し、モビリティが主役の座へと躍り出て、オンデマンド型コンピュー ティングが普通の存在となりつつある中、グローバル企業は事業運営をラジカルに変革すべき時 代の入口に立っているのです。企業は、リアルタイムを企業構造に取り入れる方法や、これに関し て競合他社に遅れをとるリスクを十分に検討する必要があります。

「リアルタイムビジネス」の意味

この調査における「リアルタイムビジネス」とは、企業が幅広いビジネス活動を瞬時に指揮統 制できるようにするプロセスを意味します。したがって、リアルタイムビジネスを構成する活 動には、事業運営のあらゆる側面が含まれます。たとえば、ビジネスインテリジェンス(

BI

)の 収集とそれに基づく行動、販売促進

/

マーケティング戦術の開発、生産プロセスの制御と調整、 在庫の管理、ビジネスリスクの特定と管理、販売の成約と履行、顧客ニーズへの対応などは、 そのごく一例です。 リアルタイム・オペレーションは、インメモリー分析に大きく依存します。これは従来型の

BI

システムとは異なるアプローチに基づいた技術です。情報を各種の外部ディスクに保存し、 コンピューターのランダムアクセスメモリー(

RAM

)にデータの一部をキャッシングするので はなく、リアルタイムインテリジェンスでは、データを直接

RAM

に置きます。処理能力と記 憶容量が進化した結果、以前よりもはるかに大量のデータを

RAM

上に保持し、次元の異な る超高速なクエリー応答を実現することが可能になっているのです。

(8)

アルタイム・オペレーションの採用で先行しているのは、どのような企業でしょうか。調査 の結果は意外なものでした。調査対象とした

4

業種の回答者によれば、石油・ガス会社 (

54%

)が最も先行しており、特に生産プロセスと財務

/

事業リスク評価に活用しています。 これと対照的に、食品・消費財と小売でリアルタイム・オペレーションに移行済みの企業は、それぞ れ

20%

および

29%

にすぎません。

1

:リアルタイムでは石油・ガスが先行 石油・ガス業界では、油井掘削サイトを監視するためにリアルタイムデータが重要です。たとえば

Shell

社は、ヒューストン(米テキサス州)、ニューオーリンズ(米ルイジアナ州)、ミリ(マレーシア)、 マスカット(オマーン)、ポートハーコート(ナイジェリア)、アバディーン(英)の世界

6

カ所にリアルタ イムの操業拠点を維持しています。これらのセンターは、同社の設備資産と操業状況を

24

時間体 制で監視しています。 世界でもトップクラスの小売業者や食品・消費財会社(

Walmart

社や

P&G

社は、そのごく一部にす ぎません)がリアルタイム・オペレーションを評価して導入を進めていること、また、サプライチェー ン管理や在庫管理といったビジネスの重要領域を改善できる明白なチャンスであることを考える と、今回の調査で、両業種における導入率がこれほど低いことには驚きを禁じえません。

リアルタイム・ワールドへの移行

80 70 60 50 40 30 20 10 0 石油・ガス ハイテク 食品・消費財 リアルタイムビジネスの導入を計画中 リアルタイムビジネスを導入済み 小売 総合 率( %

(9)

OXFORD ECONOMICS

7

しかし、米国に本拠を置く子ども向け衣料品の小売業者、

The Children’s Place

社の最高情報責 任者(

CIO

)兼シニアバイスプレジデントである

Sunil Verma

氏は、驚くことではないと話しています。 「テクノロジーに関しては、小売業界はフォロワー(後追い組)です。古くからの業界ですが、インター

ネットの影響で急速に変化しています。リアルタイム分析を実施することが競争優位性をもたらす という事実、そして顧客とのあらゆる接点に何らかの形でパーソナル化の要素を取り入れる必要が あるという考え方を、私たちは今、急いで理解しようとしているところです。その社内導入に着手し た瞬間から、リアルタイムコンピューティングの必要性が喫緊の課題となるのです」

ハーバード・ビジネス・スクールの

Jaime and Josefina Chua Tiampo

講座で経営管理学を担当 する

Ranjay Gulati

教授は、今回のような調査結果となった大きな理由は、リアルタイムビジネス のメリットがまだ理解されていないためではないかと考えています。「小売業界は非常に動きが 速く、流行とファッションのめまぐるしい変化を常に注視しています。とはいえ小売業者は、データ を監視し分析を実行するためのサイクル速度という側面で俊敏性を備えていないのが実情です。 さらに状況を悪化させているのは、データを持っている人間と、そのデータを必要とする人間が、 同じ場所にいないことです。実際、情報を必要とする人間がその存在すら知らない場合もあります。 つまり、情報の大きな断絶が生じているのです」 とはいえ、非常に多くの回答者が自社でリアルタイムという方向への移行を計画中であると報告し ている事実は、こうした断絶の存在が理解されていることを示しており、明るい材料といえます。

Gulati

教授は次のように指摘します。「私は、いまだ転換点には達していないと思います。現在は まだ初期段階です。しかし、ビジネスの競争が激化していく結果として企業がその克服方法を見出 さざるを得なくなるポイントに近づきつつあります」

採用の要因

すでにリアルタイムビジネス手法を採用している「早期導入組」では、その活用が全社規模で浸透 しています。こうした回答企業の

95%

以上は、社内の全部門に何らかの形態のリアルタイムビジ ネスアプリケーションを導入しているのです。また、リアルタイムビジネスへの取り組みが、かなり 徹底しています。特定した機能領域(消費者体験、サプライチェーン管理、生産プロセス、販売

/

マー ケティング、財務

/

事業リスク、製品設計

/

イノベーション)のそれぞれにおける導入度合いについて、 早期導入組の

50%

以上が「高い」または「非常に高い」と回答しています。「消費者体験」と「サプ ライチェーン管理」が最も採用率が高く(いずれも

64%

)、「生産プロセス」(

63%

)と「販売

/

マー ケティング」(

62%

)が僅差で迫っています。

2

:リアルタイム・オペレーションが最も浸透している機能領域

すでにリアルタイム

ビジネス手法を

採用している

「早期導入組」では、

その活用が全社規模で

浸透しています。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 導入度合いが「高い」または「非常に高い」と回答した割合 消費者体験 サプライチェーン管理 生産プロセス 販売/マーケティング 財務/事業リスク 製品設計/イノベーション

(10)

当然ながら、リアルタイム・オペレーション導入の主な推進要因と考えられるのは、戦略上のメリッ トの獲得です。早期導入組の間で最も多かった採用要因は「市場シェアの拡大」(

77%

)です。これ に続くのは、「サービス

/

品質優位性の確立」(

71%

)、「対応可能な市場の拡張」(

68%

)、「コスト 優位性の確立」(

67%

)です。

3

:早期導入組における主要要因 一方、リアルタイム・オペレーションへの移行プロセスを実施中か、今後

5

年以内に実施する意向で ある「計画組」は、調査回答企業の約

46%

を占めています。こうした回答者の場合、「重要」または 「非常に重要」な要因として最も多いのは、「サービス

/

品質優位性の確立」(

87%

)です。これに 「市場シェアの拡大」(

83%

)と「コスト優位性の確立」(

82%

)が続いています。

4

:計画組における主要要因 計画組の採用戦略は、早期導入組の場合とは違いが見られます。機能領域別では、「生産プロセス」 と「財務

/

事業リスク」が計画組の初期投資をリードしており、調査対象者の約

77%

が、自社業務 の該当する側面において「相当に重要」または「非常に重要」な計画であると回答しています。これ に続く投資対象領域は、計画組が「相当に重要」または「非常に重要」な計画と評価した「サプライ チェーン管理」(

75%

)と「製品設計

/

イノベーション」(

74%

)です。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 導入企業が「重要」または「非常に重要」なカテゴリーと回答した割合 市場シェアの拡大 サービス/品質優位性の確立 対応可能市場の拡張 コスト優位性の確立 業種リーダー企業への対抗 市場/ブランドに関するリーダーシップ その他 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 計画組が「重要」または「非常に重要」なカテゴリーと回答した割合 サービス/品質優位性の確立 市場シェアの拡大 コスト優位性の確立 業種リーダー企業への対抗 市場/ブランドに関するリーダーシップ 対応可能市場の拡張

(11)

OXFORD ECONOMICS

9

5

:計画組と早期導入組の採用戦略 リアルタイムへの移行に向けて最初の取り組みを計画している石油・ガス会社の間では、大半の回 答者が、サービス

/

品質優位性の確立とコスト優位性の確立を主要な要因と位置付けており、 「相当に重要」または「非常に重要」との評価が

95%

に達しています。小売部門における新規導入 企業の場合、最大のメリットと認識されているのはコスト優位性の確立です(

85%

)。これに対して 食品・消費財部門では新規導入企業の多く(

87%

)が、予測される最大のメリットとして市場シェア の拡大を挙げています。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 「相当に重要」または「非常に重要」な導入計画とした回答の割合 計画組 早期導入組 財務/事業リスク 生産プロセス サプライチェーン管理 製品設計/イノベーション 消費者体験 販売/マーケティング

(12)

アルタイム・オペレーションの目的が、意思決定の的確性を高め、市場投入に要する時間 を短縮することにあるのは明らかです。そのため、早期導入組が最も重要なメリットとし て増収(

31%

)とコスト削減(

35%

)を挙げているのは、驚くことではありません。この領 域でリアルタイム・オペレーションは、目に見えるメリットを提供すると思われます。このようなシス テムを導入した企業は平均で、

21%

の増収と

19%

のコスト削減を経験しています。実際、早期導 入組の間では、

77%

が増収を報告しています。

6

:ビジネス指標上の大きな成果 企業によっては、はるかに大きなメリットを実現しているところもあります。石油・ガス会社は

36%

の増収を報告していますが、これは食品・消費財部門(

14%

の増収)と比べて相当大きな成果です。 また、消費者向け事業(

B2C

)を基盤とする事業部門単位(

13%

)よりも企業間(

B2B

)業務(

27%

) において、大幅な増収が報告されています。こうした高い数値を達成できるのは、こうしたカテゴリー の企業では導入が進んでおり、リアルタイム・オペレーションと収益の関連性が高まっているからと 思われます。

GE Energy

社では、プラントを稼働させる機器にリアルタイムのセンシングソフトウェアおよびコ ントロール機能を組み込む取り組みを進めています。同社の戦略責任者である

Peter Evans

博士 は次のように話しています。「データ収集をめぐっては今、巨大な活動期が押し寄せようとしていま す。当社では、プラントのパフォーマンスを高める稼働方法についての意思決定を強化することを 目指し、そのためのフレームワークの導入を推進しています」。たとえば、同社は現在、

1,000

基を 超えるガスタービン群から収集するリアルタイムデータを顧客と共有し、顧客がパフォーマンスを ベンチマーク計測できるようにしています。「データを収集して分析し、その結果をより良いソリュー ションへと結実させているのです」

メリットとチャンス

「顧客データの入手が

速やかであるほど、

速やかな適応が

可能になります」

LOVEFiLM

CTO

Mike Blakemore

0% 10% 20% 30% 40% 「大きな」または「非常に大きな」メリットを実現している割合 コスト削減 収益 ビジネスチャンス 生産性 市場シェア

(13)

OXFORD ECONOMICS

11

英国に本拠を置く映画ストリーミングサービス会社の

LOVEFiLM

社は、

160

万人以上の登録会 員を擁し、欧州全土で月間

400

万タイトルのレンタルを管理していますが、同社にとっては、試用登 録から有料会員への転換率が非常に重要です。同社で最高技術責任者(

CTO

)を務める

Mike

Blakemore

氏は、「転換率が

1

2%

変動するだけで、純利益に大きな影響があります。そのため、 転換率は常に管理しています」と話しています。この取り組みの鍵を握るのがリアルタイムシステ ムです。クレジットカードや支払のリアルタイム追跡といった重要なハウスキーピング機能に加え、 同社では、会員の過去の嗜好に基づいてお勧め作品を提案できるようになっています。 さらに、顧客セグメント内で最も人気がある映画を即座に追跡できるため、

LOVEFiLM

社のコンテ ンツチームは、どの映画のプロモーションを強化すれば販売促進につながるかを把握することがで きます。「顧客データの入手が速やかであるほど、速やかな適応が可能になります」と、

Blakemore

氏は指摘します。こうした戦略は、すでに元が取れています。

2008

2

月に

Amazon

が同社の筆 頭株主となっていましたが、今年

1

月このオンライン小売業界の巨人は

LOVEFiLM

を完全子会社 化すると発表しました。 リアルタイム・オペレーションがメリットをもたらすのは、ビジネスモデルが主としてデジタルである 企業に限られるわけではありません。たとえば、航空業界のエグゼクティブの間では、離陸を意味 する「車輪格納(

wheels up

)」が一種の忌み言葉になっています。旅客機がいったん離陸してしま えば、空席の価値はゼロになり、もはや絶対に収益を生むことはないからです。

Continental

Airlines

社(現在は

United Continental Holdings

社の事業部門)では、財務パフォーマンスを浮 揚させ続けるため、リアルタイム分析機能が離陸に先立って空席状況を追跡し、できるだけ多くの 乗客の搭乗を可能にしています。同社のエグゼクティブはいつでも自社の運航便に搭乗して収益 をもたらす乗客の正確な数を把握できます。 しかし、リアルタイムデータが効果を発揮するのはフライト業務だけではありません。同社にとって は今、毎日運行する

2,000

便のフライトについて、各便ごとに最大

30

種類に分類される座席の空 席状況を効率的に管理することが急務となっています。同社でデータウェアハウス担当役員を務 める

Anne Marie Reynolds

氏によれば、かつては多様な価格設定オプションの複雑な体系を管 理することが難しく、更新は夜間のバッチプロセスで実行していました。「このやり方が長い間それ ほど変わらずに続いていましたが、今では数分以内のレスポンスが実現しており、翌朝まで待つ必 要がありません」。同氏は、これだけでも数百万ドルの増収につながっているといいます。 調査の回答者は、リアルタイム・オペレーションからは将来的に大きなメリットが得られるとも予測 しています。サンプル全体で見ると、予想増収率が平均

28%

、予想コスト削減率が平均

20%

、予 想生産性向上率が

24%

となっています。

The Children’s Place

社の

Verma

氏は、同社が大規模な変革の真っ最中だと話しています。「当 社では、製品と顧客サービスの両方の観点から業務の質を高めるという新たな社内目標を掲げて います」。この目標にとっては、特にパーソナル化に関してリアルタイム・オペレーションが重要な 意味を持ちます。「顧客データに即座にアクセスできることは、大きなチャンスとなります」(同氏)。 たとえば、顧客がオンラインと店舗のどちらで購入したかを知るためだけに、以前は

30

日も要して いました。「顧客のステータスを即座に更新できなかったということは、お客様に対してサービスや インセンティブを最適な形で提供できていなかった可能性があるということです」

(14)

食品・消費財業界の回答者は、将来の増収とコスト削減に関しては最も悲観的ですが、リアルタイム・ オペレーションの導入については(これまでに実現されている水準と将来に予想される水準を比較 した場合)最も高い増加率を予想しています。これはおそらく、この業種の企業がまだ抜本的な形 のリアルタイムシステム採用に踏み切っていないためと思われます。これに対し、石油・ガス部門の 回答者は、正反対の予測をしています。将来の増収とコスト削減は、他の業種よりは高い水準を維 持するものの、これまでに実現されたほどではないと予測しています。この点もまた、この業種に おけるリアルタイム・オペレーションの導入が成熟段階にあることを明確に示しています。

有効性の評価

早期導入組の間では、リアルタイムビジネスが有効であるという点については意見が一致している ものの、機能領域別に見ると有効性の評価には若干の開きがあります。たとえば、早期導入組の間 では、財務

/

事業リスク(

58%

)や販売

/

マーケティング(

55%

)よりは消費者体験(

69%

)と生産プ ロセス(

65%

)において有効性が高いとの評価になっています。

7

:有効性の評価が最も高いのは消費者体験と生産プロセス 石油・ガス業界の企業は、調査対象としたその他の業種に比べ、リアルタイム・オペレーションの有 効性を高く評価しています。これはおそらく同業界で導入率が高いことの結果でしょう。石油・ガス 業界の回答者では、「販売

/

マーケティング」を除く機能領域についてリアルタイムビジネスを「相 当に有効」または「非常に有効」と評価する割合が、サンプル全体よりも高くなっています。このギャッ プが特に目立つのは、「製品設計

/

イノベーション」と「財務

/

事業リスク」の領域であり、複雑な設 備資本集約型組織におけるリアルタイム情報のパワーを如実に示しています。「販売

/

マーケティ ング」について有効性の評価が低いのは、この業種の製品は必需品としての性格が強いためであ ると思われます。 一方、同じ早期導入組でも小売業界の場合は、その他の業種と比較して、リアルタイムビジネス構 想を「有効でない」または「有効性が限定的」と評価する割合が高くなっています。

早期導入組の大半は、

ビジネス機能を

横断する形で追加の

投資を計画しています。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 回答に占める割合 消費者体験 生産プロセス サプライチェーン管理 製品設計/イノベーション 財務/事業リスク 販売/マーケティング

(15)

OXFORD ECONOMICS

13

将来の投資

早期導入組の大半は、ビジネス機能を横断する形で追加の投資を計画しています。こうした企業に とって、追加のリアルタイムビジネス投資の対象となるビジネス機能で上位に位置するのは、「消 費者体験」、「サプライチェーン管理」、「製品設計

/

イノベーション」で、

55%

以上がこれらの業務 領域における計画が「相当に重要」または「非常に重要」と回答しています。 石油・ガス業界の早期導入組では、「販売

/

マーケティング」機能への追加投資を計画しているとこ ろは少なく、それよりも「生産プロセス」、「サプライチェーン管理」、「製品設計

/

イノベーション」の 領域でアルタイム手法を拡張することを計画しています。一方、小売業界の早期導入組はその他 の部門に比べて投資計画には慎重です。それでも、生産プロセス以外のすべてのビジネス機能に ついて、

40%

を超える企業がリアルタイム能力の大幅な拡張を計画しています。 先に触れたように、リアルタイムシステムの展開を計画中の企業は、早期導入組とは戦略が異なり ます。重視する機能領域は「消費者体験」ではなく、「販売

/

マーケティング」と「サプライチェーン 管理」です。早期導入組が消費者体験をリアルタイム・オペレーションの最も有効な領域と評価し ていることからすると、こうした計画組には、リアルタイムビジネスの重要な側面が欠落しているの かもしれません。一方で、早期導入組の大半は投資の継続とリアルタイムへの取り組みの拡張を 計画していますが、「販売

/

マーケティング」から「製品設計

/

イノベーション」へと支出の重点を移 す傾向が見られます。ただし、顧客を重視する姿勢は変わりません。

(16)

アルタイムシステムの価値が理解されているのは確かですが、採用にあたっては大きな 課題も残っています。回答者が上位に挙げた障壁は、テクノロジーが利用できないか採用 されない(

59%

)、リアルタイムシステムに関するサプライヤーの経験不足(

58%

)、リアル タイム・オペレーションに関する社内の知識や認知度の一般的な欠如(

58%

)です。

8

:リアルタイム・オペレーション採用の障壁

Gulati

教授は、こうした結果は驚くに当たらないとして、データサイロが

1

つの要因だと指摘します。 情報に透明性がないか容易にアクセスできないという前述の小売業界における障壁と同様、「デー タを持っている人間が、たとえデータを分析し、その意味を理解できるとしても、組織に変化をもた らしうる立場にはないということです」。その結果、どのようなデータが存在し、それを活用してビ ジネスをどこまで改善できるかについては不明瞭な状況が続くため、企業は変革に乗り出すことが できません。「情報を持っている人間に意思決定権を移すか、もしくは実際に意思決定を行う人々 に情報を移す必要があります」

リアルタイム・オペレーション実現の障壁

「実際に意思決定を行う

人々に情報を移す必要が

あります」

ハーバード・ビジネス・スクール

Ranjay Gulati

教授 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 回答に占める割合 テクノロジーの利用可能性 知識/認知度 サプライヤーの経験不足 メリットの周知徹底 社内における専門知識の欠如 費用対効果(便益対費用比) 事業との関連性

(17)

OXFORD ECONOMICS

15

The Children’s Place

社では、社風と技術の両面で課題に直面しています。

Verma

氏が

1

年前 に入社したときには、少なくとも

6

種類のマーチャンダイジングシステムが稼働しており、それぞれ が独自にデータを抱え込んでいました。単一のシステムに移行するためには、全社規模の徹底した コラボレーションとコミュニケーションを通じて、データに関する各種標準を設定し、レポート作成 と情報共有のプロセスを確立する必要があります。それとともに同氏は、「新しい方法の方が優れ ていると社員に確信させるには、どうすればよいか」と自問します。変革を断行しようとするあらゆ る組織と同様、「社員歴が長く、既存システムでもそれなりに物事が運ぶことを目にしてきた同僚た ちの間には警戒感があります。より良い結果をもたらす代替策があることを実証しなければなりま せん。すべては教育にかかってきます」 この目的のため、同氏は部門横断の

IT

イノベーショングループを社内で立ち上げました。「このチー ムに参加するメンバーに、さまざまな環境での作業を通じて、個々のビジネス領域のシステムがど のように連動してビジネスプロセスの連携が実現するかを理解する機会を持ってもらえば、変化に 対してもっとオープンな姿勢が生まれるのです」 業種別に見ると、食品・消費財企業は、利用可能なテクノロジーの欠如を特に大きな障壁と考えて いるほか、一般にその他の業種よりも、リアルタイムビジネスの導入に立ちはだかる障壁が大きい と判断しています。石油・ガス会社の場合、リアルタイムビジネスの活用で他業種をリードしている 現状からすると意外ですが、リアルタイム・オペレーションのメリットを周知徹底させることに関し て相当な障壁があると考えています。社風の観点からすると、「こうした変革を社内に展開して日 常業務に組み込む段階まで持っていくには時間がかかります」と、

GE Energy

社の

Evans

博士は 指摘します。「大規模なエネルギーシステムの維持に伴う高いリスクを考えると、パイプライン、電 力網、配電システムへの広範な展開を実現するためには、信頼性と確実な技術力を両輪として構築 する必要があります」

Continental Airlines

社の

Reynolds

氏は、データウェアハウスグループにとって最大の課題は、 同社のリアルタイム収益管理システムを新しい親会社である

United Airlines

社と統合する作業 だと話しています。幸い、「両社のシステムが完全に統合されれば、予約は統一して

Continental

社のシステム上で行えるようになります。したがって私たちが克服しなければならないのは、

United

社の履歴データを過去に遡ってシステムに入力し、

United

社の新しい予測システムを収益 管理の計算に組み入れる方法を見極めることです。作業量は膨大です。

United

社のデータには

Continental

社のデータに含まれる属性がすべては揃っていない場合もありますが、来年の中ご ろまでには完全な統合を実現できると予測しています」 リアルタイム・オペレーションの導入をまったく計画していない企業は調査回答者の中でも少数派 ですが、その過半数は、相当または非常に重要な障壁として、テクノロジーが利用できないこと、社 内における専門知識の欠如、メリットの周知徹底ができないことを挙げています。こうした企業の 場合、業務ではリアルタイムデータを必要としない可能性もあります。しかし、これらの回答者は今 のところ、リアルタイムシステムによるビジネスの大幅な改善についてまだ十分に検討していない 可能性が高いと思われます。

(18)

9

:リアルタイムビジネス非採用企業における障壁 リアルタイムに移行する取り組みを始めたばかりの企業について、

Gulati

教授は、エグゼクティブ が考慮すべき

3

つのステップがあると指摘します。第

1

のステップは、社内で収集する情報の正確 を確信できるようにすることです。これを同教授は情報アーキテクチャーと呼びます。これは当然 のことだと思われるかもしれませんが、エグゼクティブの間には「唯一の正確な情報源」の確立に伴 う複雑さを過小評価する傾向が一様に存在するとのことです。 第

2

のステップは、社内で情報を共有するプロセスと、各部門が情報を活用して重要なタスクを遂 行する方法を理解することです。「これは組織アーキテクチャーです」と、同教授は説明します。「誰 が、どのような情報にアクセスする必要があるかを明確に把握できなければ、徒労ばかりが増えます。 どのようなテクノロジーも、導入さえすればビジネスの問題を自動的に解決してくれるわけではあ りません」 第

3

のステップは、社内で意思決定が実際にはどのように行われているかをシビアに検討すること です。これは組織のプロセスを理解するだけでは明らかにならない可能性があります。同教授はこ れを、意思決定アーキテクチャーと呼んでいます。「直属の命令系統に注目し、誰がどのような責任 を担っているかを考えるのです」。そのためには、

IT

チームが各部門のエグゼクティブと緊密に連 携し、システムが真に有用な形で設計される状況を確保する必要があります。「

CIO

が主導する多 くのイニシアチブでありがちな状況は、情報を相手にして作業を進め、データウェアハウスを構築し、 分析機能を追加するという流れです。その結果どうなるかといえば、誰も使わないのです」 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 回答に占める割合 社内における専門知識の欠如 テクノロジーの利用可能性 メリットの周知徹底 費用対効果(便益対費用比) サプライヤーの経験不足 知識/認知度 事業との関連性

(19)

OXFORD ECONOMICS

17

調

査の回答者が認めるように、リアルタイムシステムの活用は間違いなく、今後さらに浸透 していくでしょう。調査会社の

Gartner

社によると、

2014

年にはビジネス分析ツールの

30%

がインメモリー機能を採用し、規模と処理速度が飛躍的に向上すると予測してい ます。また、ビジネスインテリジェンスアプリケーションの

30%

が予測機能を搭載することになり そうです。 この調査レポートで先に触れたように、エグゼクティブはリアルタイム・オペレーションを採用する 結果として、大幅な増収を期待しています。

The Children’s Place

社の

Verma

氏は、モバイルコ マース環境への移行においてリアルタイムシステムが大きな役割を果たすと指摘します。この移 行が小売業界を変革することになると同氏は確信しています。「近い将来、お客様は店舗に足を運 ばなくても、衣服のサイズが合うかどうかを確認できるようになるでしょう。いわば

シナリオのな いショッピング

であり、お客様は何が必要かを、そのときどきの思いつきで決めるようになります。 携帯端末で何を買えばよいかを探し、それを買う場所も探すのです。そのまま無線接続を通じて 購入し、あとは店舗に取りにいくだけです」

LOVEFiLM

社では、リアルタイムデータを駆使して映画のストリーミング品質を向上させる計画 が進行中です。

Blakemore

氏は次のように説明します。「当社には需要に応じて配信規模を拡張 できる容量がありますが、唯一の制約条件となるのは、お客様がご自宅で利用されているネットワー ク接続に関連する物理インフラです。リアルタイムデータで何が可能になるかといえば、お客様が ご利用のインターネットサービスプロバイダーに至るネットワークの状況を監視して、最良の配信ルー トはどれかを判断できるようになります」。これは言い換えると、「ネットワークの過負荷が原因で、 お客様にバッファリングの問題が発生する場合や、うまく再生できない場合には、別のルートに切り 替えてコンテンツを配信できます」ということです。同氏は、これによってサービス品質が飛躍的に 向上し、市場シェアの増大につながるとは期待しています。

Evans

博士によれば、

GE Energy

社の場合、リアルタイムデータに関する長期目標の

1

つは、「お 客様がエネルギー使用に関する情報を今よりも幅広く把握し、コントロールできるようにすること」 です。すでに企業顧客の一部に対してその導入が始まっていますが、同博士が思い描いているのは、 スマート電力網によって透明性の高い情報が消費者に提供され、家庭のさまざまな機器の消費電 力を自在にコントロールできるようになる日です。

結論:今後の展望

(20)

最近

AXA Financial

社のイノベーションハブにおけるマネジングパートナーという職を辞し、

Ingenin

社という保険コンサルティング会社を自ら設立した

Chris Denison

氏は、

Evans

博士の さらに

1

歩先を見ています。同氏によれば、今後

5

年間は保険業界にとって記念碑的な変革期となり、 ビジネスインテリジェンスとモビリティがその鍵を握る要因になるとのことです。その一例として同 氏が指摘するのは、

GPS

ベースのリアルタイム・テレマティック・サービス(運転者が取る走行ルー トと車両のパフォーマンスを追跡するサービス)が増えつるあることです。「このデータを運転者が 自動車保険会社に提供すれば、そこから推定される交通事故のリスクに応じて、保険料の割引を受 けられる可能性があります」 リアルタイム・オペレーションが当然のように普及するまでにはまだ何年もかかるでしょうが、企業 のエグゼクティブは、これに対する考え方をまとめる作業に、すぐにでも取りかかる必要があります。 最後に、米国の著名な投資家である

Carl Icahn

氏の言葉を思い出しておきましょう。「人生とビジ ネスには

2

つの大罪がある。

1

つは考えもせずに軽率に行動すること。もう

1

つは、まったく行動し ないことである」

(21)

Abbey House

121 St Aldates

Oxford OX1 1HB UK

Tel: +44 1865 268900

米国

New York

817 Broadway, 4th Floor

New York NY 10003 USA

Tel: +1 646 786 1863

Philadelphia

303 West Lancaster Avenue

Suite 1B

Wayne, PA 19087 USA

Tel: +1 610 995 9600

San Francisco

Filbert St.

San Francisco CA 94123

Tel: 1 415 913 7474

ヨーロッパ

London

Broadwall House

21 Broadwall

London SE1 9PL UK

Tel: +44 207 803 1400

Paris

9 rue Huysmans

75006 Paris France

Tel: +33 6 79 900 846

Italy

Via Cadorna 3

20080 Albairate (MI) Italy

Tel: +39 02 9406 1054

Belfast

Lagan House

Sackville Street

Lisburn BT27 4AB UK

Tel: +44 28 9266 0669

アジア

Singapore

Singapore Land Tower, 37th Floor

50 Raffles Place, Singapore

048623

図 9 :リアルタイムビジネス非採用企業における障壁 リアルタイムに移行する取り組みを始めたばかりの企業について、 Gulati 教授は、エグゼクティブ が考慮すべき 3 つのステップがあると指摘します。第 1 のステップは、社内で収集する情報の正確 を確信できるようにすることです。これを同教授は情報アーキテクチャーと呼びます。これは当然 のことだと思われるかもしれませんが、エグゼクティブの間には「唯一の正確な情報源」の確立に伴 う複雑さを過小評価する傾向が一様に存在するとのことです。 第 2 のステップは

参照

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