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海洋堆積物中のアミノ酸の初期続成過程に関する研究-香川大学学術情報リポジトリ

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海洋堆積物中のアミノ酸の初期続成過程に関する研究

門 谷 茂

Early Diagenesis ofAmino Acidsin Marine Sediments

Shigeru MONTANI

目 次 Ⅰ 緒 論 Ⅱ 試料の採取および調製法 1.噴火湾堆積物 2・オホーツク海堆瘡物 きい 間 隙 水 Ⅲ 分析方法 1小 堆積物中の有機態炭素・窒素 2.堆積物中の全アミノ酸 3・間隙水中のアンモニア態窒素 4… フミン酸とフルボ酸の単離 5・・フミン酸と■フルポ酸の元素分析 6・フミン酸とフルボ酸中のアミノ酸 7.●7ミン酸とフルボ酸の赤外分光分析 8一・堆積物中の生物起源シリカ 9小 堆積物粒子の真比重 10一堆拾物の含水率と間隙率 11.・高温・高圧下での室内実験 Ⅳ 結 果 1.有機態炭素・窒素の分布 a.噴火湾堆瘡物 b..オ・ホーツク海堆積物 2・■アミノ酸給丑の鉛直分布 a.噴火湾堆墳物 b‖ オホーツク海堆積物… 3.アミノ酸の組成変化 i蛋白構成アミノ酸 a.噴火湾堆枯物 b小 オホーツク海堆療物 ii非蛋白構成アミノ酸 4い 間隙水中のアンモニア憩室素の分布 噴火湾堆街物 a b = 5 ′0 7 00 オ■ホーツク海堆瘡物 フミン酸とフルボ酸の元素分析 ■アミン酸とフルボ酸中のアミノ酸 フミン酸とフルボ酸の赤外分光分析 フッ酸処理区分のアミノ酸

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−・2 − 9小 噴火湾堆積物の真比重・含水率・間隙率 4 5 00 8 1 2 4 7 q′ 1 2 4 5 5 q′ 2 2 2 2 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 10.高温・高圧下での室内実験 Ⅴ 考 察 1”有機物の分解過程 2.間隙水からのアンモニア憩室素の溶出 3∼ 堆積物中のアミノ酸の分解過程

4ハ 堆噴物中のアミノ酸の分布におよぼすフミン物質の役割

5.堆穀物中のアミノ酸の存在状態

6.堆積物中のアミノ酸組成を決める非生物的反応 7.非蛋白構成アミノ酸の存在とその起源 Ⅵ 結 論 Ⅶ 要 約・ Ⅷ 謝 辞 Ⅸ 文 献 英文要

Ⅰ 緒

論 海洋環境下における物質循環,とりわけ有枚物質の地球化学的収支および循環を考える場合,その最終的なシ ンクと考えられる海洋底の堆積物に含まれる有機物の分布,並びに存在形に関する知見は,きわめて重要なもの となってくる この海洋堆墳物中に存在する有機物質は,海洋表層部において光合成によって生産された有機物質が,水中を 沈降する過程で分解をまぬがれたもの,および河川・雨などによってもたらされた陸上起源のものの二腰薪に大 別できる また,海洋堆積物中の有機物含盈は,仝海洋の平均では約0/7%であり,現存鼠は0・75×101ヱトンと推定され ており,その大部分は,ケロジ,ン(Kerogen)と呼ばれる不溶性重合体とされている(Skopintsev,1950)・ 海水一堆砥物の界面において,有機物質は再び微生物による激しい分解を受け,大半が無機化され海水中に回 帰しているγ分解をまぬがれ,地質学的時間を経て堆療物中に埋蔵されている有機物の史は・海洋の表層で生産 されたものの1%以下である.しかしながら,堆積物中に残存している有機物質の堆積物中での変化過程を知る ことば,堆横環境や堆療物中で生起している地球化学的過程の良い指標を得ることになる・ また,海底に堆積後分解を受けるさい,有機憩窒素の方が炭素よりもすみやかに無機化されることがわかって いる(Sekiら,1968)この窒素化合物は,その錯体形成能力からみて堆積物中における物質の移動と,再配分に 重要な作用を及ぼすと考えられる.したがって,この窒素化合物の堆顧物中での挙動を明らかにすることば,海 洋における有機地球化学の研究を行なう上で重要な位置を占めると言える・ そこで,本研究では以下の三つの視点に基づき,堆墳物中のアミノ酸の初期続成過程について研究・考察を行 なった 1.沿岸海域における栄沓塩類の循環は,外洋のそれに比べて大きく異なっている・その理由の一つとして, 沿岸海域では水深が浅く分解をまぬがれた有機物が海底に到達する可能性が大きいことや,陸上起源の有機物の 供給があることなどがあげられる. 一腰的に,海洋表層部で生産された有税物の大部分は,海水中を沈降してゆく間に分解されて無枚態の栄養塩 の形で海水中に回帰している.M¢nZel(1974)は,有光屑中で生産された有機物のうちの約4%が,微生物によ

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る分解をまぬがれて水柱で安定な有機物として存在していると報告している1Uspensky(1956)は,有光屑中で 生産された全有機物のうち,外洋域では約0・2%,沿岸域でも2%程度しか海底に到達しないとしている. 最近,CobleIとDymond(1980)は,太平洋赤道域のガラパゴスリフトでセディメント・トラップ実験を試み た.その結果として彼らは,赤道域では基礎生産の約115%が有機態炭素の1アラックスとしてトラップに捕焦さ れており,このことから堆椴物中に埋没する畳は,基礎生産のほんの0・15%に過ぎないだろううと報告している… これらのことから,外洋域に比べて沿岸域では,掌り多くの有椀物が分解をまぬがれて海底に蓄積してゆくこ とが予想される.このととが事実ならば,沿岸の堆積物表層で起こる無機化過程は,外洋に比べて微塵栄養塩類 の供給や,ひいては基礎生産に非常に大きな影響を与えることになる… 近年,数多くの研究者によって堆横物中の鉛直分布と鉛直方向の■フラックスのデー・タを使って,底泥堆墳物か らの栄養塩類の直上水への回帰が議論されている(例えば,Benderら,1977;Roweら,1977)l しかしながら,現時点では海洋堆積物中に保持されている種々の有機物の分解速度に関する報告は,きわめて 少い状態である.そこで,本研究では堆街物および間隙水の相方から有機物(とりわけ蛋白様物質・アミノ酸) の分解と,それに伴う栄養塩(アンモニて)の溶出について見瘡ることを目的とした・ 2“堆療物中の窒素化合物は,蛋白質とその分解生成物および他化合物との蛮・縮合化合物が主要なものであ り,存在形としては変質したり,あるいはそのままの形で保持されている蛋白質や,分解生成物としてのアミノ 酸やアミノ糖・アミンなどがこれまでに報嘗されている(Erdman ら,1956;Degensら,1964;Rittenbergら,

1963;Bordovskiy,1965a,b;Clarke,1967;StevensonとTilo,1970;Nienbaumら,1972;Aizenshtatら,

19ノ73;ShI・Oeder・とBada,1976;Rosenfeld,19′79)一 アミノ化合物は,続成変化の中でフミン化反応と呼ばれる複雑な経路を通って,重縮合化合物を形成してゆく ことが知られている.・アミンやケロジュンと呼ばれる高分・子化合物は,堆税物中では有機窒素化合物の大きな部 分を占めていることが知らされている・ これまでに報告されている加水分解後の全アミノ酸藍の堆税物中での鉛直分布は,表層部で高濃度であり,探 度とともに次第に減少してゆく傾向のもの(Rittenbergら,1963;Degensら,1964;Brownら,1972)の他に, 不規則な変化を示すもの(Degensら,1961;StevensonとCheng,1969・1972)の相方があるlこのことば,アミ ノ酸の残存盈が現場における微生物活性によりコントロールされていることを示唆している・・不規則な変化は, 堆積物が形成される過程での有機物供給盈の変化,もしくは分解条件の変化(例えば・pH,酸化還元電位など) に基づくものと予想されている‖

D喝enS(1965)は,アミノ酸の含有盈が酸化的環境から得られた堆撥物では,表層から2m深までに急激に減

少しているが,還元的環境下にあった堆積物では・表層から4m深にかけてほとんど変化が無いことを報告し ている. 堆積物中のアミノ酸を分解させ,その含有藍を減少させる要因としては,先ず微生物によるものが考えられる・・ 一徹的に,海水と堆税物の界面では微生物の固体数は多いが,(通常表層堆敏物中の細菌数は,湿泥1グラム当 り105∼1010個と言われている1)深度にともない還元的な環境に移行してゆくとともに指数関数的に減少するこ とがこれまでに明らかになっている(Zobell,1942;Kriss,1963;Wood,1965)lしたがって,微生物による有嘩物 の分解作用は,主として堆積直後から還元環境に移行するまでの続成作用の初期に行なわれると言える一・ ここで,堆積物表層部におけるアミノ酸含有量は供給丑と微生物による分鱒放との平衡によっており,供給が 無くなれば次第に減少してゆくことになる・・本研究では,このアミノ酸および全有機態窒素の鉛直的な分布から その減少盈・分解速度を求め,堆唐物表層部における微生物による有機物分解の程度を見積ることを一つの目的

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・一・4 岬・ とした一. 堆槙物表層部での上記の微生物による有機物の分解は,深度が増すにつれて細菌数が指数関数的に減少するこ とによって終了し,地質学約時間の経過と共に,物理化学的に変質する段階に移行するものと予想される小 紋成作用の過程でみられるアミノ酸組成の変化として,深度の増加に伴う酸性アミノ酸の相対的減少と,塩基 性アミノ酸の相対的増加がある… この要因について,Brownら(1972)やNis5enbaurnら(1972)は,微生物 活動に起因する酸性アミノ酸の速い減少が,前記の最的な逆転を生み出したと説明している. しかしながら,Ter・aShimaとMizullO(1974)は,琵琶湖より得られた200mの柱状堆瘡物試料を分析し,深 度125m という微生物の関与がほとんど無いと考えられる層で,酸性アミノ酸量と塩基性アミノ酸量が逆転す ることを報告している小 この堆積物中でのアミノ酸組成の変化は,物理化学的な反応が主要因であろうことが推 測されるい そこで本研究では,微生物による初期続成過程での分解をまぬがれた有機物賀(蛋白様物質)の物理イヒ学的分 解過程の規模・機構を解明するために,アミノ酸総蒐や組成の変化を手懸りとして実験室的に高圧状態を作り出 し,温度および時間を変化させ,現場における変化の要因を推定したい 3海洋堆積物中のアミノ酸の存在形態に関する知見は,何人かの研究者によって報告されている(Frdman ら,1956;Clarke,1967;Brownら,1972;Mitterer,1972).Degens ら(1961)は,サンタ・バーバラ海盆から得 られた堆積物中の■アミノ酸組成が,鉛直的に非常に大きく変動していることを見出したい この変動を彼らは,懸 濁態物質が海底に堆墳した初期における酸化還元的条件の変動によるものと説明した. −L方,StevensonとCheng(1969,1970)は,従来行なわれていた6N−HCl加水分解法では抽出できないアミ ノ酸区分が存在することを報告し,フッ酸で前処理した試料を酸加水分解すれば,堆積物中のアミノ酸の本来の 全盛が見壇れるとした. その後,同方法で求めたアミノ酸総塁を報告した報文がいくつか出た(例え.ば,Dungworthら,1977)が,ど の程度フッ酸処理区分(粘土鉱物粒子の格子中に存在していると思われるものなど)に含まれているかの正確な 見積りは行なわれていない。そこで,この区分のアミノ酸含有史の総量に占める割合いを求めると同時に,個々 のアミノ酸の定量を行ない,その起源を推定した. 海洋環境下では,表層部で生産された有機物が堆積物中で変成し,再結合する中で複雑な有機物である・7ミン 酸・・フルボ酸やケロジ.ェンと呼ばれる高分子有機物を形成することが知られている,. 近年,この海洋性1アミン物質によって種々のアミノ酸が取り込まれることが報告されている(Abelsonと HaI・¢;1971;HaIe,1972).この事実は,個々のアミ/酸の海洋性アミン物質との親和力を明らかにする手懸りと なる、 そこで,本研究では海洋性アミン物質中のアミノ酸の分布を調べ,このフミン物質が,海洋堆唐物中のアミノ 酸の保存にどの様な役割りをはたしているのかについて見療ることも目的としたい Ⅱ 試料の採取および調製法 Ⅰト1噴火湾堆積物 柱状堆掛物試料の採取位置をFig.1に示す.柱状試料は,北海道大学水産学部所属の調査船うしお丸により, 1974∼1976年の航海の際,内径37mmインナ・−チ,ユ・−ブ付小型ダラビティ・−コアラ・−を用いて採取した..柱状 試料は,インナーチューブごと取り出し,チューブの上下にゴム栓をして数時間以内に実験室に持ち帰り,一・部

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柑′ 20′ 30′ 耶ノ 58′ 14lOE 川‘ Fig.l小 LocationofthesamplingstationinFunkaBayr はそのまま処理(切断・乾燥)し,他の鰍・部は−200Cで冷凍保存したものを分析時に処理した.締のメッシュ. サイズは,0.25mmのものを使用した. 堆街物を採取した噴火湾は、人為的汚染が比較的少なく,年2回春と秋に外洋水による水塊交替が規則的にみ られる(大谷・秋葉,1970).堆墳物の形状は,10∼15cm屑に有珠山の噴火によるもの(松本・富樫,198q) と思われる火山れき,火山灰屑が少包みられる他は,ほぼ均一・な GIayish gIeenの泥質堆療物であった.酸化 屑の厚さは,ほぼ25cm程で25cm以深では,かすかに硫化水素臭が感じられた. Ⅰト2 オホーツク海堆積物 分析に供した柱状堆砧物試料の採取位置をFig.2に示す.また,詳細な採取位置・水深・堆敏物試料の長さを Tablelに示す.,柱状試料は,ソビエト連邦の海洋調査船D.Mendeleev号による1974年7∼8月の航海(13th cruise)によって得た.試料採取には,ダラビティーコアラ・−とピストンコアラーを併用した= 柱状堆積物試料 は,船上にて−・定間隔に切断し,冷蔵保存(30C)したものを,実験室内で室温にて減圧乾燥し,025mmの締に かけ分別した. 試料を採取したオホーツク海は,千島列島により太平洋と区分される縁海の一・つであり,総面楷1い53×105 Km2・平均水深838mの海である. 海水の流出入は,千島列島の島間の海峡(とりわけ,ウルップ水道とオンネコタン海峡)によって太平洋と, また宗谷海峡によって日本海と結ばれ,対馬暖流未満の一・部が流人しているい 流人河川のうち最大のものは,北

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− 6 −

Tablel,Generaldescript10nOfthesedimentcorestakenf王OmtheOkhotskSea

StationNo 919 923 938 945 946

Latitude(N) 54O17′ 56025′ 53029’ 53053′ 54O37′

Longitude(F) 148009’ 14lO51′ 145051′ 149Ooo′ 15lO15′

Waterdepth(m) 992 180 1760 1070 460

Corelength(cm) 330 177 450 527 213

Sedimenttype clayey diatomooze silty−Clay 0−60cm alteI・nat¢

diatomooze con邑guIation 60cm< ofsilty−Clay Clayey and silt light−01ive light−Olive 1igbト01iv¢ 0−20cm dark−01ive− gIeen 20cm< grayish−green ColouI daI・k−01ive− gIeen 西部に開口するアム・−ル川であり,底質に かなり大きな影響を与えている(井上, 1968). オホ・−ツク海の基礎生産は,外洋に比べ てかなり高く,植物プランクトンの種にっ いては,周年を通して珪藻類が最も卓越し ている(Kawarada,1960) 分析に供した柱状堆積物試料の形状は, 中央部のSt,919(水深992m)は,金屑に わたってほぼ均−・なdark−01ive−greenの泥 賀堆積物であった.また,gr・ayish−yellow− brownの表層(0∼7,5cm)は,酸化屑と思 われるけ 大陸棚上(水深180m)のSt.923 は,金屑を通じて1ight−01iveの珪藻軟泥 堆療物であった..中央部のSt.938(水深 1/760m)では,表面から20cm屑までが da【■k−01ive−greenのシルトー泥質堆横物 で,20cm以探ではgrayish−greenのシル トー泥質および泥質の堆積物であったり 同 Fig”2”Locationmapofthesamplesfi・OmtheOkhotskSea“ じく中央部のStけ945(水沫1.070m)では, 表層から60cm深までが1ight−Oliveの珪涼軟泥堆横物であり,60cm以深は,1ight−01iveの泥質堆積物であっ た.東部のSt…946は,他の試料に比べて不均一Lさが目立つ=表層から65cm深までは,01ive∼light−01iveの 泥質堆贋物で,65cm以探では,20∼40cmごとに1ight−01ive,dark−Olive−green,grayish−greenのシルトー泥 質・シルト質・シルトー泥質と交代し,100cm・140cm屑には,砂質堆積物が認められた.. Ⅰト3 間隙水 間隙水の採取には,いづれの試料についても,久保田社製の冷凍遠心分離機を用いて,3◇C・30分間・10.000

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回転(12000g)を与えて固相と液相を分離した..上澄みの間隙水は,すばやく別のアンプルに移し,心安なもの についてはGF/Cグラスフィルターを用いて炉過したい この方法で,堆墳物30∼50gから5∼15mJの間隙水 が得られた..間隙水採取後分析までの期間は,3◇Cで冷蔵保存した. Ⅲ 分 析 方 法 ⅠⅠト1有機態炭素・窒素 堆積物中の有機態炭素および窒素は,0.25mmの締を通過した試料について,柳本社製のMT−500型CNア ナライザ1−を用いて同時定見した… 試料は,500∼1000mgを精粋して用いた.分析精度については,炭素につ いては,約±1%,窒素では,約±2%の誤差範囲であった. ⅠⅠト2 全アミノ酸 堆唐物中のアミノ酸の松虫および個々のアミノ酸盈については,以下の方法で定性・定盤を行なった・0125 mmの飾を通過した乾燥堆積物試料2∼3gを精秤し,内容蛍50mJのガラスアンプルに入れ,試料1gにつき, 10mlの6NpHClを加え,N2ガスで5分間通気後,密封しoilbath中で1050C,24時間加水分解したものを GF/C17イルターを用いて炉別し,炉液をpH2.0∼22に調整した後,イオン交換樹脂(Dowex50W,X8,100 ∼200mesh,Htype)を用いて脱塩処理したh 試料液中のアミノ酸は,イオン交換樹脂に吸着させた後,0rOIN− HClでpH20∼22に調整し,樹脂の約5倍盈の2N−NH40Hを用いて溶出させた… この試料液を450C以下 で減圧乾固し,再蒸留水5mJに溶解し,pH20∼22に調整したものを,日立製作所製034型液体クロマトグラ ・7を用いて,Moore−Stein法(1951)の改良法で定性・定琉を行なった… この方法での個々のアミノ酸の繰り返 し分析精度について埠,Table2に示したぃ 以上の操作で定鼓されるものを(A)区分とし,加水 分解物をGF/Cフィルター・で軒別後,炉紙上に残っ ている国相部は,蒸留水で洗浄後乾燥させ,この試料 1gにつき数mJの5N−HF+01N−HCl溶液を添加し, テフロンビーカー中で24時間,時々振りながら放置し, 粘土鉱物の結晶格子を破壊する… この試料を乾燥後, 再び6N−HClを用いて加水分解を行ない,(A)区分と 同様の手順でアミノ酸分析を行なったい これを(B)区 分とした. St.945を除くすべての柱状試料では,(A)区分をア ミノ酸総放として取り扱かい,St.945については, (A)区分と(B)区分の合計虫を全アミノ酸虫とした… Table2.AnalytlCalprecision ofindividual amino acids Amino acids Amino acids S.Dル* SいD.* % 0ノ 5 6 5 00 つJ 1 3 3 00 7 7 8 q′ 4 ′b ′b ′b % 8 4 ′b つJ ′b 7 ′b 4 q′ 2 4 5 7 2 ′b 1 2 3 1 Met Ileu Leu TyI Phe Lys His Arg (Ave)

AS。餌GluGly

蝕恥兢Cy

*;S”D.wascalculated丘Omtherepeatedana− 1yses using the equlmOlar mixture of17 kindsofauthenticaminoacids.,

ⅠⅠト3 間隙水中のアンモ=ア態窒素

間隙水中のアンモニア憩窒素に関しては,再蒸留水で適当丑に稀釈した試料を,RichaI・dsとKletschの方法 を改良したMatsunagaとNishimura(1974)の方法で定見した.

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ー 8 −

ⅠⅠト4 フミン酸とフルボ酸の単離

堆積物からの・アミン酸およびフルボ酸の単離を以下の様な方法で行なった.

025mm の節を通過した乾燥堆積物試料約 60g を精粋し,円筒炉紙(Toyo filter paper・No.84)に入れ,

ソックスレー・抽出器を用い,ベンゼン・メタノール・アセトン混合液(5:1:1)を試料の約10倍塩入れ,約 14時間連続抽出した1湯浴の温度は,90−950C を維持した.このような有機溶媒処理によって, ビチユ.−メン(bitumen)と呼ばれる物質を抽出除 去し,残淀をデシケータ・一中にて減圧乾燥し,三 角フラスコに移す.これに0い1Mピロリン酸ナト リウムと0.1N水酸化ナトリウムの混液(v/vl:1)

を試料の約10倍量加えて,時々藻塩させながら,

約24時間アルカリ抽出したい この操作を4回線り 返して・アミン物質の抽出液を得た.このようにし て得られた抽出液をGF/C■フィルターで炉過し, 炉液を濃硫酸でpHlに調整した後,30∼400C の湯浴で温浸後,約18時間室温で放置し,沈澱を 熟成した.. この沈澱物をよく水洗いした後,遠心分離し, 減圧乾燥して■7ミン酸試料を得た.溶液中に残っ ているフルボ酸区分は,透析後減圧乾燥して固体 フルボ酸試料を得た−分析手順の概要は,Fig、3 に示したとおりであるい Extr(】Ct Residue

(BitulⅥen) ExtrGCt With O・lM NcL4P207Cmd

O.1N N(】OH(1:1)fo「2上I110]「S (repe(】t Lltimes) Residue Adjust to pHl∼2 日ith H2SO4 n S O ・l ・l S t■■■■−︰y 〓︶ 1 1 nu O ・l S D Precipitotes EvcIPOrC]te Fig..3。Sequenceofhandlingproceduresofhumic andfu1vicacid. ⅠⅠト5 フミン酸とフルポ酸の元素分析 フミン酸約2mg,およびフルボ酸約5mgを精押し,柳本社製のMT−2型C・H・Nコーダーを用いて,炭素・ 水素・窒素の同時定員を行なった. ⅠⅠト6 フミン酸とフルボ酸中のアミノ酸 フミン酸・・フルボ酸各20∼50mgを精粋し,試料10mgにつき,1mJの6N−HClを加えて,24時間加水分 解したい 加水分解は,窒素ガスで満たした密封管内で1050Cで行なった.加水分解後に,溶液をGF/Cフィル ターで炉過し,炉液を硫酸デシケ一夕ー中で乾固させた… これに,pH2.2のクエン酸緩衝液2mJを加えて,日 立034型液体クロマトグラ■7を用いて定性・定見を行なったり ⅠⅠト7 フミン酸とフルボ酸の赤外分光分析 フミン酸と■フルボ酸の加水分解前後のものを試料として,各々3mg程度を精粋し,一700mgのK駄に混入し て充分混合し,微粉にしたものを脱気しながら高圧をかけ透明な錠剤を作り,日本分光社製のDS」301型赤外分 光分析磯で分析したい

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ⅠⅠト8 堆積物中の生物起源シリカ 堆積物中の生物起源シリカの定軌ま,HuId(1973)の方法に準じて行なったすなわち,20∼50mgの堆墳物 乾燥試料に125mlの5%Na2CO,溶液を添加し85OCで5時間,時々振り混ぜながら放置し,遠心分離した 後上澄みから1m/を取り,再蒸留水で25m/にメスアノブした後,S比ickIandとPar50nS(1968)の方法で定 通した IIト9 堆積物粒子の真比重 乾燥した堆積物試料3∼5gを精粋(Wsとする)し,その試料をピクノメ・一夕ー・に入れ,蒸留水を約1/2まで 加えてから,気泡を除くために湯浴中で時々ピクノメーターを振りながら,10分間以上煮沸する加熱されたピ クノメータ・−を室温まで放冷後,蒸留水を満たし,全重患(Wゎ)を測定する.次に,内容物を出し,よく洗浄し た後,再びピクノメー・ターを蒸留水で満たし,その全重量(W。)を測定する,これらの測定値を用い,次の式に よって堆贋物粒子の真比重を求めた. 机 βs(真比重)= 仲′s十りγ。一杯′ム) ⅠⅠト10 稚種物の含水率と間隙率 堆敬物の含水率は,叫・定容積当りの湿重量を琉り,先に殊出した堆硫物粒子の真比重を鳥・単位容税当りの 湿重盗を 吼,含水率をⅣ,含泥率を∫とすると次の様な式が立てられる ♪s・∫+タの・Iγ=移′w ∫+ Iγ=1 ここで,Ps,ア。,仇は既知であるから,∫と Ⅳが計算で卓る小 間隙率(¢)は,単位容積当りに含まれる間隙水の重さを 机,堆概物粒子の重さを∫0とすると,次の式から 求めることができる

0 )×100(%)

II−(、・.りヾ :・こ・ミ 机・βs十ぶ ⅠⅠト11高温・高圧下での室内実験 堆積物中のアミノ酸の物理化学的な続成変化過程を知るために,実験室的に高圧状態を作り出し,温度および 反応時間を変えた条件下での分解蜃および変化過程(アミノ酸の組成変化)をみた 0.25mmのメッシュを通過した堆積物試料約2gを精押し,現場での含水率になる様に再蒸留水を加えた試料

を,100ml容長の新坂下製作所製のか−トクL/1−ブ(work press300ATM,WOrk temp.3000C)に入れる.

N2 ガスで容器内を20気圧とした後,オートクレーブ内の空気を追い出す.繰り返し2回この操作を行なって, 容器内の空気圧を1/400気圧とした後,再びN2ガスを用いて100気圧まで加圧する.このオートクレーブを湯浴 および電気炉中で,450cから150◇cまでの・・・・・=定温度に保ち,1時間および3時間反応させたい 反応終了後,室 温まで冷却してから脱気し,試料を取り出して冷蔵保存した後,分析時に再蒸留水を加えGIソC フィルターを 用いて,固相と液相を分離したい 固相部については,アミノ酸総量と個々のアミノ酸の定性・定盈を,液相部に ついては,アンモニア懇望素並の定量を,前述した方法でそれぞれ行なった.

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−−【10− Ⅳ 結 果 IV−1有機態炭素・窒素の分布 1−a 噴火湾堆積物 噴火湾堆積物中の有機憩炭素・窒素の鉛直分布は,Fig.4に示す様に,表層で有機態炭素は18mg/g,窒素は 26mg/gであり,表層から25cm屈までに炭素については約45%,窒素については約60%の減少を示している この屑内での変化は,主に微生物による分解と思われる…25cm以探では,炭素が10mg/g窒素が1.Omg/gの 値をとりほぼ−・定となっていた小 有機態炭素と窒素の原子比(以下C/Nと 略す)は,表層での8から25cm以探の12ま で漸増していたこれは,堆墳物中では有機 態窒素の方が,炭素よりもすみやかに無機化 されることを示している. トb オホ」−ツク海堆積物 オホーツク梅堆撥物中の有機態炭素と窒素 量の鉛直分布をTable3に示した概観する と,表層での有機物含有量の最も多いのは, 珪藻軟泥堆積物である St.923およびStリ945 であり,炭素は21Omg/g,窒素では2..90 mg/gであった他の泥質堆積物は,おおむ ね炭素で14一−1‘7mg/g,窒素で1.2∼18mg/g の範囲であった 鉛直的には,いづれの柱状試料とも表層部 で最も高波度であり,下方に向かって減少し てゆく傾向がみられた..中央部に位置する St.919では,表層の有機態炭素塩は15mg/g であり,1.5m殊において5∼6mg/g まで減 0 1 2 mg一日/g o 10 28 mg−C′g ● ロ ● _○

/三/

ロ ロ ロ

1−

●t●

′′ O nU 2 ︻岩ご三宮3 ロ ロ 11−1−1−●′● 0

′○−・1

9 12 C/N □ Fig4Verticaldistributionof■organic−CandtotaトN,

andtheratioofC/NinsedimentsamplefiOm

theFunkaBay.

少し,それ以探ではほぼ一・定の倍となる−有 機態窒素墓は,表層の1・2mg/gから多少変動しながら10∼1.1mg/gの倍となる.C/Nは,堆積物表層より 13m深までとそれ以探では,明確な差異がみられ,上層部では10∼15,下層部では約6であり,下方に向かっ てC/Nは減少していた. 北西部の大陸棚上に位置する St..923は,珪荘軟泥堆砧物であり,先に述べた様に他の地点に比べて有機物含 有盈は多いい 有機態炭素および窒素は,表層ではそれぞれ20mg/g,29mg/gであり,深度と共にゆるやかに減 少し,鼻下屑(1.7m)では,それぞれ表層の2/3の値の14mg/g,2.Omg/gとなっていた.有機懇望素の鉛直分布 から見ると,表層から0.5mまでの微生物による分解の赦しい屑と,05mから13mまでの比較的均一・な屑, およびそれ以深のゆるやかに減少する屑の3屑に区分することができる小C/Nは,ほぼ金屑にわたって8.1であ り,有機憩炭素と窒素が同じ比率で分解されていることを示している.

(13)

St.938 Table3.Contentsoforganic−C,tOtal−N,and

theratioofC/NintheOkhotskSea sediment

St 919

Depth OrghC Total−N

(cm) (mgg ̄1) 00 0ノ q′ q/ 0 1 1 3 4 3 へJ 2 4 つ︼ 2 4 4 5 5 4 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 66625749404258舵40402186931513110180

11 L L 1111 1 1 1〇 O 111 1 0

0− 2け5 14“0 2.5− 5 13∴7 5−10 13.9 10−15 13.8 15−20 13.3 20−25 14.5 25…30 18.4 30−35 16 O 35−40 15‘7 40−45 14 8 45− 50 14 O 50−・55 8196 95−100 9日36 130−135 13 9 170−175 13 8 210−215 14.5 250−255 13.3 290−295 938

Org

gg 4 2 ∠U 5 ′b 7 0 5 1 4 5 ′0 2 へJ 4 5 7 7 2 4 ′0 5‘U O /0 0 2 1 0 n7 2 0 1 1 2 3 2 2 8 8 00 0ノ 0 0 1 1 1 1 1 つ︼ 1 00 1 1L O I L l l 11 1.11 1.〇 〇 〇 O l l 11L l 111 0 1 1 1 1 1 1 5 ‘U q′ 7 9 0 ◇0 00 7 7 つ︼ 4 ′h﹀ /0 ′h﹀ /0 5 ′b ′b ′b ′b ′0 ′b /b ′b 00 1 1 0−10 15.9 10−20 15小4 20−30 16,9 30−40 14.1 40−49 204 49−62 9..19 62−70 7 75 70−80 7.91 80−95 7.91 95−110 8り89 110−121 12.3 121−130 14∴7 130−145 4 74 145−160 4 75 160−170 4 82 170−182 5 05 182−195 6…09 195−210 6 03 210−225 6.26 225−240 6 32 240−255 6.24 255〝2」70 6,18 270−285 6,26 285−304 6‖38 304−322 6 18 322−330 5180 2 0 7 7 7 7 7 2 7 ′b 5 6 3 3 ︵J 2 2 5 4 4 1 ′h﹀ 7 00 4 5 5 2 7 7 7 7 8 7 1 1 1 1 0−10 21い0 30−40 19..0 60一70 200 90−100 12い2 120−130 4.45 180−190 4、35 310−320 5 04 370−380 5.55 440−454 7.04 505−515 5。60 1.48 1.23 1,38 1.00 O 60 O 59 0 71 O 73 0小81 0∴72 ︵U ′0 5 2 7 8 1 8 1 ∩7 0 8 1 5 q/ n7 7 ′0 つノ ウJ 3 3 つJ 3 3 1 1 q′ 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 8 8 7 8 00 0U 8 8 8 7 7 8 8 00 O l n7 1 /b l l 1 4 8 00 つ︼ 0 っJ n7 5 ′b 2 4 ′b O ′n▼ /h O つJ 3 5 9 qノ 0 8 00 7 ′0 /0 ′人U ′0 ′0 5 5 4 3 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0− 5 5−15 15−25 25−40 40− 55 55−70 70−85 85−100 100−115 115−130 130−140 140−155 155−169 169−177 0−15 14−2 15− 30 7,27 30−41 7小41 44−55 ′785 55− 62 5/72 62−75− 4…89 75−90 4 94 90−105 3.81 105−118 4.41 118−131 4い32 134−145 4.19 145−155 4.63 155−165 3.66 165−177 4い1‘7 177−190 4.41 190−200 3.62 200−213 3.98 8 q/ ′b q′ 0 0 2 5 7 0 3 1 つJ l つJ つJ Qノ 7 ′b 4 q/ ′hU 5 5 つJ 4 5 4 5 4 5 5 4 4 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 8 7 7 7 5 2 n7 2 q′ 0/ l l l つJ 1 0 1 1 d7 凸7 nフ q/ q/ l l l l l l l l l l

(14)

ー1ユ l一 中西部に位露する St.938では,有機憩炭素窒素とも,ほぼ同じ鉛直分布のパターンをとっている.表層での 各有盈は,それぞれ14mg/g,155mg/gであったが,深度と共に減少し 3m屑では,約半分の8mg/g,075 mg/gとなっていたC/Nは,表層での約10から次第に増加し,窒素の方がより速かに分解されていることを示 している 中央部に位置するSt945では,1∼12m屑に大きなギャップがあり,表層∼1m深では有機態炭素で12.2∼ 21Omg/g,窒素で1“00∼1.48mg/g と比較的高濃度であったが,12m以深最下層部の5‖1m深まで,炭素で 44∼′7,Omg/g,窒素で06∼0.8mg/gと大きく減少していた…C/Nは,表層∼1m屑で12∼15,下層部で減少し 7..1∼8.7の範囲であった 中央束部カムチャソカ半島寄りに位置するSt946では,有機態炭素・窒素とも表層から0“5mまでに微生物 による激しい分解を受けており,表層の14mg/g,1”85mg/gから05m以深での4∼5mg/g,04∼05mg/gへ と約1/3に減少していた,C/Nは,表層から05mまでは変動が大きいが,0.5m以深ではすべて10∼11の範囲 であった IV−2 アミノ酸総量の鉛直分布 2−a 噴火湾堆積物 噴火湾堆横物中のアミノ酸総盈の鉛直分布は,Fig‖5に示した様に,表層での約5mg/gからほぼ直線的に減 少し,最下層(ここでは,20−30cm)では,約2mg/gとなっていた. 全有機態窒素故に占めるアミノ酸懇望素魚の割合 いは,Fig4にも示した様に,金屑を通じてほぼ 22】25%であり,全有機態窒素とアミノ酸の分解速 度がほほ等しいことを示している 2−b オホーツク海堆積物 Fig6に示した様に,オホー・ツク海堆積物では, アミノ酸総丑は分析した全試料とも,全有機憩室素 の鉛直分布と良く似た傾向を示し,表層では激しい 微生物分解を受けるため,下に向かって急減してお り,微生物活動が終了すると思われる深度(0.5∼1O m)以深では,減少量は非常に小さくなっていた 海域による堆積物中のアミノ酸含有量の差異は,直 上水での有機物生産墓と堆積物中での分解丑の多寡 を反映しているものと思われるが,今回分析した試 料の中では,珪藻軟泥堆唐物から成る Stl923の表 層部で,全試料中最高値の8い3mg/gのアミノ酸が 含まれていた,他の柱状試料中には,表層において 0 25 58 % ○ 2.5 5.O mg′g● ニニー㌔1 . 0 ● t ∴・ノ ≡.Hトd山口

Fig5.Verticaldistributionofaminoacidsand

the ratio of’aminohN/total−N sediment

SampleftIOmtheFunkaBay.

もたかだか2∼3mg/gのアミノ酸を含むに過ぎなかった.

分析したすべての柱状試料中では,微生物活動が終了したと思われる屑内でのアミノ酸泣ほ,表層の約1/3と なっており,地質学的時間を経た堆唐物中のアミノ酸保持虫は,堆敏直後のいわゆるアミノ酸初期濃度に依存す

(15)

0 1

ー1 Amin8aCid≒,mg・g3

4

グ//。ノ8・3

…モ/∴乞二/一一・

‘二 …

// ○ − ・・〇 ▼111−▼′▼

nlU 3

りp

∈−三宮 3 Fig.6.VerticaldistributionoftotalaminoacidintheOkhotskSeasedimentsl・ 有機憩室東泉に対するアミノ酸憩窒素塩の割合を,オホーツク海堆敬物中のアミノ酸平均分子塩116を用いて 計算した,その結果,分析したすべての柱状試料で,Fig7に示した様に,表層で高く下に向かって減少する傾 向がみられた..個々の柱状試料についてみると,Stり923が表層で336%と全試料中最も高い値であったが,深 度が増すにつれて急減し,05m以深では,15∼17%となっていた・St小机9では,表層において20%を占めるが, 1m以探では5∼8%前後に減少していたリSt.938は,減少の度合いが比較的ゆるやかであるが,表層の1‘7%か ら10∼12%前後へと減少していたいSt945は,表層部で26%と比較的高く,1・2m以深では,9∼10%に急減し ていた.St‖946は,表層から1mまでは,15∼17%であるが,1m以探では,5∼6%までに減少していたl 以上みてきた様に,オか−ツク海堆砧物中では,各柱状試料の上層部における全有機憩室素に占めるアミノ酸

(16)

ー14−

Amino−N/TotaトN,%

8

10

20

30

∈■≡d芸 2

Fig。7.Verticaldistributionoftheratioofamino−nitrogentototal−nitrogen. 懇望素の割合は,15・−336%(平均23%),1m深以下で5∼12%(平均10%)であった.この事実は,微生物 によって利用され易い部分が,堆積物中で,有機憩窒素化合物の絶対盈の多寡によらず,一・定の比率(全有機憩 室素に占めるアミノ酸憩窒素の割合が約10%)まで消費されることを反映しているものと思われる IV−3 アミノ酸の組成変化 3−1蛋白構成アミノ酸 a 噴火湾堆積物 噴火湾堆積物中の個々の蛋白構成アミノ酸の分布をTable4に,アミノ酸組成比の鉛直的な変化をFig‖8に 示したい 金屑を通じて中性アミノ酸の割合が最も高く,表層での64%から,下層部の55%まで深度と共に漸減し ていたい 酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸は,表層でほぼ等しく,共に約15%であったが,深度とともに酸性アミ ノ酸の相対通が増加し,30%近くになっていた‖ 塩基性アミノ酸は,鉛直的にほとんど変動せず,15%前後で あった−芳香族アミノ酸は,深度による組成比の変動がみられず,全屑を通じて約5%を占めていた1.含硫アミ ノ酸は,非常に微鼓しか含まれていなかった.

(17)

Table4IndividualaminoacidcontentsinFunkaBaysediments

20−25 25−30 10−15 (cm) 0−5 5−10 Amino acid (〝g/gdIySed。) 314 275 151 156 81 243 171 113 3 89 11S 22 63 546 383 350 307 Asparticacid 338 434 Glutamicacid 388 385 4 0 00 5 0 0 5 00 2 2 5 5 3 3 7 1 0 4 2 2 1 3 2 1 1 1 3 2 5 0ノ 1 5 1 3 ∠U 8 7 4 00 4 q′ 2 3 00 2 つん 2 4 3 1 1▲ l 1 9 20 4 2 2 2 3 2 4 2 2 1 4 3 1 1 5 2 1 1 7 00 1 2 1 0 つ∼ ▲う 1 3 つJ 4 つJ ′0 4 っJ 2 つJ でhIeOnine S¢Ⅰ・in¢ Pr01ine Glycine Alanine Valine Methionin¢ Isoleucine Leucine 36 34 16‘7 126 ノ78 TyT■oSine Phenylalanine 218 Lysine 308 211 228 190 104 Histidine lO1 61 6‘7 53 23 如ginine 307 223 218 159 Tota1 4776 3821 33−77 2883 b オホ−ツク海堆積物 オホーツク海堆疇物中のアミノ酸組成比の鉛直変化をFig

9a,b,C,d,eに示した”St919では,中性アミノ酸は多少変

動しながら,金屑を通じて約40∼60%を占めており最も多かっ た.酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸は金屑で,逆相関の分布を しており,表層から15m深までは,酸性アミノ酸が相対的に 多かったが,深層では逆転して塩基性アミノ酸の相対的増加が みられた.各深度とも両者を合計すると約40%となっていた… 芳香族アミノ酸と含硫アミノ酸については,絶対臭が少くはっ きりとした傾向は把めなかった. St…923では,中性アミノ酸は表層の60%から次第に減少し, 最下層(1.7m)では,約50%になっていた‖ 酸性アミノ酸と塩 基性アミノ酸は,ここでも逆相関の分布をしており,合計する と全体の約40%を占めていた.表層では塩基性アミノ酸が約 25%で,酸性アミノ酸の約10%と比較して著しく多かったが, 0り5∼1,Om屑では一度逆転し,酸性アミノ酸が優越していたぃ 1m以深では,再び塩基性アミノ酸が相対的に増加していた. 芳香族アミノ酸は,金屑を通じて5∼10%の間を変動していた=

/□′口

喜−エl告白 011110 ● ′′′● △−・∼△ ⊂】 Oig 3rr 8.Relativeabundanceofamino acidsinsediment sample of the Funka Bay..

St,938では,中性アミノ酸は表層の約50%から深度と共に

(18)

−16− St.9丁9 R拍tf−e油und。… 20 40 80% 0

St.923

20

4 0 ○ 別祁 4(I 0

∈■喜q2

p−−−−占

′′□′ロ∼口

・● 1

● ●

潤川甘弟娩

\□′ロ ーロ′ロ11ローロ\′□

∈−≡吾

⋮軋廿ハ㈹V八︰

□∼−ロ

0ノ Fig..9..(b) Fig。9.(a)

ローロNeutIaI O−O Basic

O−O Acidic △h△ Aromatic

Fig,9.,a,b,C,d,e Verticalchangesin the relative abundanceof acidic,basic,neutral,and

aromaticgrouptototalaminoacidinsedimentcoresoftheOkhotskSea.

下層部(2.5m以深)では10%を占めていたに過ぎない.これに対し,塩基性アミノ酸は深度による変動はあま り無く,約10∼15%の範囲に入っていたが,25m以深では,酸性アミノ酸とは逆に17%まで増加しており,相 対丑は逆転していた.芳香族アミノ酸は,約5%から15%まで変動しており,酸性アミノ酸とは逆相関の分布傾 向をしていた. St945でほ,中性アミノ酸は金屑を通じてあまり変動が無く,55∼65%の範囲であった.酸性アミノ酸も大 きな変動は無かったが,24m深の約20%を極大値として下方に向かって漸減し,5m深では約12%であった、. 塩基性アミノ酸は,表層部の10%から深度と共に漸増し,4。5m深では約15%となり,酸性アミノ酸盈を上ま わっていた.芳香族アミノ酸は,表層部で塩基性アミノ酸より多く,約12%を占めるが,下層部では減少し2∼ 7%程度であった. Stい946では,中性アミノ酸は,他の柱状試料に比べて松虫に占める割合が小さく,表層では55%であったが, 下層部では40∼45%を占めていたに過ぎない.酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸は,金屑で逆相関の分布パターン をとっており,表層では酸性アミノ酸が多く,深層では塩基性アミノ酸の相対孟が増加していた. 以上述べた様に,すべての柱状試料中で,表層部では酸性アミノ酸含有故が塩基性アミノ酸に比べ多いが,総 見の減少率が小さくなる下層部で,この虫比の逆転が起こっていた“また,酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸の両

(19)

St.945

8

20 40

0 64 4 9 邸甑 0

∈■三芸2

01\.

●−t−1−1−1111111 。

/ロ\ローロ

︰∨∧︰

ll1−トー11−○ 乳 g i F Figい9.(d) 者を加えると,アミノ酸総盈に占める割合は,いづれの試料についても約40%程度であった. さ−2 非蛋白構成アミノ酸 オホーツク海堆積物の加水分解物中には,非蛋白構成アミノ酸の β−アラニン,7−アミノ酪酸,オルニチンが 確認同定された 分析例の一部をFig10に示した.β−アラニンは,アスパラギン酸から,アーアミノ酪酸は,グルタミン酸から, オルニテンは,アルギニンから,それぞれ側鎖の変化によって形成される. アミノ酸船虫に占めるこれらのアミノ酸の割合は,おおむね1%前後であったが,Figい32にも示す様に,7’−ア ミノ酪酸は,下層部で急激に増加する傾向がみられ,St.945の2m以深では,アミノ酸給費の5∼9%を占め ていた.

(20)

−18− A8SORBANC【 ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ 一 ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃⊂⊃ 一一 ⊂⊃ 一 N u 皐 Ul ⊂⊃⊂⊃ 」 ト一(JJゝUl ⊂⊃ (:⊃ ⊂⊃ ⊂⊃ (:⊃ ⊂=〉 一一・ 二一 N u」ゝ.Ln ⊂⊃ N RE⊇T;Z・〓≡[ 二喜じ宗一 Fig。10.,Liquidchromatogramsofaminocompoundsofstandardaminoacidsandacidhydrolyzate ofOkhotskSeasediment (A,StandaId;B,20−25cmdepthatSt..938;C,370−375cmdepthatSt.938) IV−4 間隙水中のアンモニア態窒素 a 噴火湾堆積物 噴火湾堆概物の間隙水中のアンモニア憩窒素の鉛直分布は,Fig.11に示した様に,表層で170′唱−at/Jの浪 度で,深度と共に増加する傾向にあり,その浪度勾配は直線で示すことがでも 下層の 25∼30cm屑では, 約1mg−at/Jとなっていた. b オホーツク海堆積物 Fig.12にオホーツク海堆積物(St.938)の間隙水中のアンモニア態窒素の鉛直分布を示した.表層では,24 〃g−at/Jと非常に少ないが,深度と共に急激に増加し,3m屑では,250J堰−at/Jとなっていた.

(21)

0.4 1 帰一N,肝atイ 200 408

一㌔1

nU 〇 ■ ≡■≡d山口 ∈.三d占

Fig11.VerticaldistributionofdissoIved NHf−N Fig.12.Verticaldistribution ofammo.

in porewatercollectedfromtheFunka

niumnitrogenintheporewater

Baysediment

COllectedatSt.938u IV−5 フミン酸とフルポ酸の元素分析 Stl・945の上下9屑の試料について,アミン酸・フルボ酸の元素分析を行なったu 炭素・窒素および水素の重 患百分率の総和は,Tabl¢5,6に示した様に,フミン酸で平均52、6%,■フルボ酸では平均8.8%であり,フルボ 酸については非常に小さな借となっていた. 単離したフミン酸収盈の鉛漁変化をFigl13に示した.収量は,80∼1.3mg/g・dry・Sedimentの範囲で,下層 Table5.Contentsoforganic−C,TH,and−N inhumicacid Table6.Contentsoforganic−C,−H,andNN infu1vicacid Depth H C N C/N Depth H C N C/N (cm) wt。% wt。% wt..% wt。ratio (cm) wt,% wt% wt% wt小ratio 0−10 60−70 120−130 180−190 230−240 310−320 370−380 440−454 505−515 Ave. 7 ′0 2 1 1 つJ 5 ′0 凸7 川⋮∵にい〓〓H∵‖H ■ 8 凸7 2 4 5 4 8 4 2 5 っJ つJ 4 4 3 3 2 3 2 3 0 ∠U O ノ0 8 2 5 5 9 2 41415152384543493444 0 3 1 2 6 0 9 8 3 9 5 5 ′0 ∠U 4 5 3 4 3 4 0−10 60−70 120−130 180−190 230−240 310−320 370−380 440−454 505−515 Av¢. 7 0 2 父︶ ︵ソ 4 ′0 5 5 凱 針7.臥臥は 1 326061346155 55584952 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 4 4 0 4 8 8 4 5 2 3 5 4 3 5 6 6 00 2 ′0 1 5 0 8 ′b 3 1 1 3 1 1 1 2 1 1 2 2 2 2 3 2

(22)

−20− mg・‖A/gdry■Sed… 0 5 18 mgいC/gl・山ySed. 2 3 1‖八 .′・圧′

■ / ■ f ■ ∈■≡吾

ll /

■ \ ■ 3 ∈仙≡n茎 Fig.14.Verticaldistributionofhumic−Carbon andfu1vic−CarbonintheOkhotskSea Sediments… Fig.13.VerticaldistIibutionofhumicacid

extracted ftOm the Okhotsk Se

sedim¢ntS. に向かって減少してゆく傾向がみられた. 堆黄物中のフミン酸とフルボ酸の含有量を収監から比較することはできないので,有機態炭素について,それ らの堆墳物乾重畳1グラム当りのミリグラムに換許したものについてみると,Fig・14・Table7,8の様になる・ 明らかにフミン酸の方が,フルボ酸より有機態炭素含有車は多い・その差の大きい表層では,フミン酸の方が, 4倍程度大きい借となっていた.7ルポ酸については,0、19∼1114mgC/g・dry・Sedimentという範囲で変動し, 変動幅はあまり大きくなく,変化の傾向もきわだったものはなかった・しかし,■7ミン酸の方は,表層より深層 に向けて急激に減少し,変動幅は,約2・6mgC/g・dry・Sedimentであり,最深部ではフルボ酸を下まわっていた・ 次に,・アミン酸と・フルボ酸の各々の中に含まれている有機憩炭素・窒素および水素の相対盈の鉛直変化につい てみてみる(Table5,6)い ・アミン酸中での窒素と水素は,若干減少していたが,炭素については変動幅が非常に大きかった・C/N■につ いてみると,下層に向かって漸増する傾向がみられた′ また,フルボ酸については,前述した様に大部分が無機成分であるために,炭素・窒素および水素の相対盈は, フミン酸に比べて非常に小さな値となっていた.窒素については,0∼10cmおよび180∼190cm屑でいくぶん

(23)

Table7‖ Percentdistributionoforganicnitrogeninhumicacidandfulvicacid

Depth HA−N FA−N Total−N HA−N/ JAT:V (HA+FA)−N

Total−N Total−N TotalrN

cm FLg/gdrysediment mg/g wt% wt% wt“%

7 /0 5 00 1 4 つJ O 2

2 2 っJ 2 2 1 1 1 1

1 4 00 7 4 ′LU O/ ▲q/ ▲て

′LU ∠U 8 つJ 5 ∠U 5 4 ∠U

2 ′hU 4 1 1 0 ′0 5 ′hU 7 ′0 5 ∠U 2 2 2 2 1 8 8 0 qノ l l つJ 1 2 4 3 ′0 5 7 7− 7 8 7 11〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 1 8 つJ 2 8 7 つJ O 5 n7 8 5 2 つJ 4 4 4 4 0−10 60−L70 120−130 180−190 230−240 310−320 ニラ70−380 440−454 505−515 4 7 5 5 つ︼ 1 8 4 4 0 7 5 4 1 5 4 4 4 つJ 2 1 1 1 小さな値となっていたが,他はほとんど同じ値で,山・定とみなすことができる,水素と炭素は,下層に向かって 相対的に増加しており,C/Nも・7ミン酸と同様に,下層に向かって増加していた 以上のことから,フミン酸・・7ルポ酸ともに深層になる程,炭素の豊富な有椀物へと変化していることがうか がえる. ⅠⅤ−6 フミン酸とフルポ酸中のアミ ノ酸 フミン物質を酸加水分解すると,窒素はア ミノ酸・アンモニアおよびアミノ糖などとし て溶解する.フミン酸については,17種類 のアミノ酸を,フルボ酸については,16種 類のアミノ酸を同定および定量した.一例を Fig.15,16に示した 7ミン酸の各試料中のアミノ酸含有盈は, 下層にいく程減少している(Fig“17).検出さ れたアミノ酸を,酸性アミノ酸,中性アミノ 酸・芳香族アミノ酸・塩基性アミノ酸(含硫 アミノ酸は絶対盈が少ないので除く)の4つ のグループに分類し,それぞれのアミノ酸総 丑に占める割合を・重盈パーセントで示した (Fig.18) 中性アミノ酸は,ほぼ−・定の値で金屑を通 じて約40から50%を占めており最も多い.塩 基性アミノ酸については,表層から2小4m深 まで増加し,それ以深から最深部までは漸減 していた… 酸性アミノ酸は,塩基性アミノ酸 と逆の分布傾向を示していた.各深度とも, 三≡ 主よ三≡≡三 三 ≡≡ Fig.15.Histgramsofaminoacidcompositionin bumicacid…

(24)

ー・22・岬・

Table8.Percentdistributionoforganiccarboninhumicacidandfulvicacid

HA−C FA−C Total−C HA−C/ FA−C/ (HA+FA)−C/ Total−C Total.C TotaトC

mg/gdrysediment wt% wt.% wt。% 0−10 60−」70 120−130 180−190 230−240 310−320 −370−380 440−454 505−515 8 5 q/ 4 4 8 4 4 0 2 q/ 00 7 2 ′b 7 ′﹂U 7 3 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 nフ 7 3 1 3 5 5 5 1 1 0/ 父︶ 0ノ 3 00 4 8 4 2 1 5 4 つJ 2 2 1 3 0 ︵ソ 1 4 4 5 3 7 つJ l ′h︶ 5 つっ O 7 4 つJ q/ つJ l 1 4 4 2 1 1 1 4 4 8 4 7 2 n7 8 0 っJ O 5 4 2 7 2 1 2 塩基性アミノ酸と酸性アミノ酸の相方を合糾 すると,総量の約40%を占めていた.芳香族 アミノ酸は,変動しながら下層に向かって漸 減していた

7ルポ酸のアミノ酸組成については,Fig

16にもー・部示した様に,酸性アミノ酸に比

べて塩基性アミノ酸の含有畳が少ないこと, また,下層部で芳香族アミノ酸の占める割合 が増加しているのが特徴であった ⅠⅤ−7 フミン酸とフルボ酸の赤外分 光分析 フミン酸とフルボ敵およびフミン酸の加水 分解浅漬について赤外分光分析を行なったと ころ,Fig.19,20Tabl¢9に示した様に, アミン酸については13胤・フルボ酸では10僻, フミン酸の加水分解残泣は8個の特徴的なピ ー・クが得られた. Tノabl¢9に13個の主要な吸収帯を示したが, 3400∼3450cm ̄1付近の幅広い吸収帯は,N−H V﹂−○如\≡∈ち 三≡ 三三吉≡≡三雲三重 三≡ 三三≡ご Fig.16… Histgramsof■aminoacidcompositionin fulvicacid. の結合によっても一部引き起こされるが,大 部分は水素結合した水酸基によっていると思われる.アルカンの特性吸収としては,メチレン基およびメチル基 の伸縮振動によるものが2920cm−1および1410∼1460cm−1付近に現われている1.1640と1540cm ̄1の吸収は, ペプチド鎖の錐吸収帯のアミドⅠ帯とアミドⅠⅠ帯にそれぞれ帰属すると考えられる‖1050cm ̄1の吸収帯は, 多収帯は,多糖類やセルロースのエ・−テルのC−0伸縮振動によっているものと思われる.いづれの試料にも共 通して認められる1720cm ̄1のものは,カルポニル基の特性吸収である.

(25)

50wt.% mg−A..A.ノg一日A O 50 100 ■・

\、\

/■

. /

/†

. \\、\

︵∈︶rニーd︼□ . ○=・1・t・・・・10′′・〇10 柑

.St .ttl1.

′・・吾

\△′′/△

Fig18.Verticalchangesintherelativeabundance

of acidic,basic,neutral,and aromatic gIOuptOtOtalaminoacidinhumicacid・ Fig。17.Ver・ticaldistributionofaminoacidin humicacid. ⅠⅤ−$ フッ酸処理区分のアミノ酸

Tabl¢10に従来から行なわれている塩酸加水分解によって溶出してくるアミノ酸(A区分)と,フッ酸処理

によって溶出するアミノ酸(B区分)の組成のSt.945における鉛直分布を示した・また,B区分のアミノ酸と 炭素・窒素および生物起源シリカの鉛直分布をFig121に示したu これによると,アミノ酸総虫(A+B)は,1m以深で急減していたが,組成の変化は,あまり顕著では無かっ た.表層(0∼10cm)は,生物起源シリカを50%以上含む珪藻軟泥堆積物であり,3・65mg/gと最もアミノ酸に富 んでいた.60∼70cm屑は,珪藻殺−シルトー細砂の混合屑で,2一76mg/g,12m以深は,珪藻殺混じりの泥質 堆積物で,有機物含有盈が少なく約0・5mg/gであったい フッ酸処理したB区分では,水酸基を持つアミノ酸(スレオニン,セリン)が非常に豊富に含まれており, 分析を行なった5試料の平均で,全アミノ酸虫の約1/4を占めていた(TノablelO)1・また,このフッ酸処理区分(B) の全アミノ酸盈に占める割合は,表層(0∼10cm)で約10%,下層部では,4∼5%であった・

(26)

Hydr叶ysts residue 40 36 32 28 24 20 18 16 14 12 川 8 6 wave Numbe=cnrl) 川2 A;0− =)cm 8;60− 70 C;120−130 D;180−190 E;240−250 Fig.19.Comparisonofinfiaredspectrapatternofhumicacidsandtheresiduesafterhydrolysis. ⅠⅤ−9 稚種物の真比重・含水率・間隙率 Fig.22に示した様に,噴火湾堆積物の堆積物粒子の其比重は,2・3から2・・5の間を変化し,各層の算術平均 値は,2.43であった 含水率は,表層(0∼1cm)で最も高く82%であり,7cm以深で急減し45%であった. 間隙率は,表層の91%から下方に向かって漸減しており,7cm以深では,66%でほぼ−・定の倍であった.

(27)

40 36 32 28 24 2019 り 15 13 11 g wa,e Humber(c正1) A;0−18cm 8;60− 川 C;12ロー130 D;柑0−1g8 【;24b−250 Fig.20.Comparisonofin丘aredspectrapatternoffulvicacids・ ⅠⅤ−10 高温・高圧下での室内実験 高温・高圧下におけるインキ.ユベート実験ほ,St.938(5∼10cm)の試料についてのみ行なったL100気圧下で, 温度を45Oc,650C,950C,1500Cと変化させて行ない,温度保持時間は,450Cについてはl時間と3時間,そ の他の設定温度では,1時間についてのみ行なったl アミノ酸絵盈の変化は,Fig.23に示した様に,450C,650C(1時間)処理のものは,未処理の試料のアミノ酸 総盈(216〝g/g)に比べてiまとんど変化は無かった。.これに対して,95◇C,1時間処理の試料は,約170邦/gと 未処理の試料のアミノ酸含有虫に比べて,約20%分解していたい1500Cでは,約160〃g/gであり,約25渚の 分解に当り,45◇C(3時間)のもののアミノ酸総量は,約1.40〃g/gで約35%が分解していたことになる・これ は,St,938のアミノ酸総盈の鉛直分布から見れば,それぞれ,30cm,40cm,60cmの深度における塵に相当す る.Fig..23からわかる様に,インキ。1ベート処理試料中のアミノ酸総盈の減少盈の約1/2は,酸性アミノ酸の減 少によってもたらされたものである. アミノ酸組成比の変化をFi邑24に示した..これからわかる様に,酸性アミノ酸と芳香族アミノ酸が主に減少 し,塩基性アミノ酸とイミノ酸が相対的に増加していた.

(28)

・−26 − Table9いInterpretationofinfi・aredspectraofhumicacidandfulvicacid in sediment WaveNo。 Interpretation 3400−3450 Water,OHstretch 3330 Peptide NH 3000−3330 Amide II 2920 AliphaticCH2,CH, 1720 Aliphatic ketone 1640 Peptide amide 1620 AIOmaticoIqulnOne C=C,COnjugatedC=0 1540 Amide II 1410−1460 Aliphatic chain ShaIp Shoulder Shoulder BI・Oad BIOad Sbould¢r Sharp 8ⅠOad BIOad ShaIp Sharp Br・Oad BI・Oad BIOad 2 3 4 5 ′0 N【1ニ ーC−0−band(acid, phenol,arOmaticether) −0−C−band(ether) Amorphous silica Glycosidic linkage Olie爺nicOH O 1 2 っJ l l l l 7 0 0 0 人U 1100 1 1 1 TablelO,Distributionofaminoacidsin(A)and(B)fkaCtions,eXPreSSedinpmole/g Depth(cm) Aminoacid (A) (mole%) 0−10 60M‘70 120−130

(B) (A) (B) (A) (B) (A) (B) 240−250

180−190 (A) (B)

22㌶5

m n m33畠山

5

つJ‘U 3 0 4 1 5 1 史U Q′ 5 8 4‘U 2 ′O

T 5 7 7 2 1 2 1

4 6 5 0 5 0 0 5 0 1〇 &8 2 1 5

7466L972832 m l5L4 21

0 8 6 1 7 2 5 8 2 乱 ∵ 乱9 8 0 5

555 79 7.765 m 加 m8

12 1 n7 5 2 6 7 3 へJ O n7 2 2 0 4 5 0 2 8 7 8 5O 1 2 1 3 5 4 6 5 0 7 21 乱.7 乱▼ 正二膏 7 0 576749231 2 7 61 6 8 2 8 8 5 2 3 8 8 5 2 3 0 7 7 13 4 1 3 3 1 1 1 つ︼ l 。 ASGl。蝕餌勒AlaVal血Le。恥Me 7 3 2 8 2 6 7 0 d d 1 8 0 1 0 4 0 7 2 00 2 7 4 8 u 1 2 2 5 6 8 4 41 8 1 6 2− 7 0 2 4 0/ 8 7 6 2 3 5 3 4 5 0 tr O 6 1 5 つん l tr tr tI 24.1 28…6 tI 33。2 ほ‥ tI nd n.d tr■. tI■. 14.1 tI−. tr d d d d中 正.6 ●1 −n n m m∴u m10 d1′3 2 .3 3 出 仕 Total (〟mOle/g) 27..7 3∫.8 22=3 tr.trace;n.d.notdetected

(29)

盲ご上言凸 ▽−▽ TotaトCarbon ▲−▲ T8taトHitr8gen ●−● AmiれOaCids(8Irac.) ○−0 8iogeni80pal

▲1Ill▲

\1▽

Fig…21.Verticaldistributionoftotalcatbon,nitrogen,aminoacids(Bh・aCtion)

andbiogenicopalinsedimentcoreatSt・945・ 0

50

100 βpoROS汀Y ▲

喜.1三宮

Fig.22い VerticalproBleofporosity,mOistureandspecificgravltyinsedimentsampleof

theFunkaBay.

(30)

28 ST938 450c 850c 950c 1580c 5−10川 1hr

Figtr23・ChangeOfaminoacidsobservedathighpressureexperiments.

アンモニア憩室素盈については,Figl24に示した様に,加えた温度とともにまた,反応時間の長さに応じて 増加する傾向があり,45◇C(1時間)では,035貯at/gが溶出してきたが,3時間の反応時間では,0161〝㌢ at/gと約2倍となり,150OC(l時間)では,094pg−at/gが溶出していた これらの値は,アミノ酸の平均分子丑を116とし,アミノ酸1モルに窒素が1モル含まれているとして換給す れば,アミノ酸の減少丑の約10%から20%に相当する盈と言うことができる.

Ⅴ 考

察 Ⅴ−1有機物の分解過程 オホーツク海堆積物の有機憩炭素・窒素の含有盈は,鉛直的にはいづれの柱状試料とも表層部で最も高濃度で, 下方に向かって減少してゆく傾向がみられる. 表層部での炭素および窒素含有盈ほ,それぞれ14∼21mg/g,1り2∼2い9mg/gであり,CbesteI■(1965)が報告し ている深海堆横物に比して高く,BoI・dovskiy(1965,b)が報告しているベーリング海堆墳物の億と良く−・致して いる.

(31)

Fig24.DecompositionofIaminoacidsinthesedimentsamplestreatedunderhighpressureand

high temperature fbI 1 hr.

他の基礎生産力が高いと言われている海域と比べてみると,サンディエゴ湾(Degensら,1963),キャリアコ・

トレンチ(Hare,1972;DegensとMopper,1976)や,Rosenfbld(1979)が報告しているこ−く沿岸堆積物に対し

てみても,このオホーツク海堆積物の方が,おおむね高い値を示している・

また,オホーツク海堆積物のいづれの試料においても,表層部から約1m深にかけて,急激な有機物含有畳

の減少が見られるが,1m以深では,減少率が小さくなっており,微生物による分解が,終息に向かっているこ

とを示しているものと思われるい この深度までで,表層の有機物盈の約20−50%が分解を受けていることになろ一

また,C/Nはいくつかの試料を例外とすれば8∼12の範囲に入っている・C/Nの鉛直的変化については,下

方に向かって増加する場合(1例)と,逆に減少または一億の場合(4例)が認められる−このことは,従来主

張されてきた,有機窒素成分の速やかな減少により,C/Nが下方に向かって増大するという普遍性は,必ずし

も見出されないことを意味するものである・この様な現象を説明する確実な証拠は無いが,主な要因としては,

海水中を沈降,海底に達するまでに,易分解性の有機窒素化合物がどの程度消失したかが,重要ではないかと推

測される…

海洋堆積物中の有機物質の主要な起源は,植物プランクトンと考えられるが,Bordovskiy(1965,a)によると,

植物プランクトンの平均的なC/Nは,6とされているい しかしながら,有光屑中で生産された有機物のはんの

一部しか,水柱を沈降する際の微生.物による無機化をまぬがれて,堆積物表層に到達できない・海水中では,窒

(32)

−・30山 菜化合物の選択的な分解のため,粒子状有機物(POM)のC/Nは,深度とともに増加する傾向があると報告さ れている HolmqHansenら(1966)やGordon(1971)によると,外洋域のPOMのC/Nは,表層部で5から6,100 m探で約10となり,それ以探では約15にまで増加する,したがって,オ・ホーツク海表層堆横物の約10(平均値) は,この変動幅の中間的な値(比)を持つと言える… また,StevensonとCh¢喝(19J72)によるアルゼンチン海 盆堆唐物の C/N:8∼14,Degensら(1961)のサンタ・バーバラ梅盆の7。3∼8.3や,Bordovskiy(1965,b)の ベーリング海堆積物のJ7∼10など,比較的基礎生産の高い海域での借と良く一・致している

Tablell.Contentsofaminoacidnitrogeninmarinesediments

Sample NasA。A小(%) Refbrence Oxidizingsediment Mohole SuIface 170m SanDiegoBasin O−15cm 350【360cm ArgnetineBasin Ocm lOOcm 500cm B¢王muda SuIface SuIfノace Rittenl)eIgetal(1963) 13 0.8 88 10 13 2り8 10.1 9日6 0.4 Degensetalり(1963) EmeIyetal一.(1964) MoppeI&Deg¢nS(1972) Mopper&Degens(1972) Wbelan(19J77) ItihaIa&Kondo(19−73) MarianaandPalau Surfaceto30cm 16 Reducingsediment SantaBarbaI・aI‡asin DegensetaI.(1961,1965,1970) 195−210cm 297−312cm 438−448cm CariacoTrench 15−20cm 130−135cm 81ackS¢a Okhotsk Sea St.919SuIface lm St.923SuIface O5m St.938SuI亀ce lm Stい945SuI・face l.2m St.9460−1m lnl MoppeI・&Degens(1972) Mopper・&Degens(1972) ThiswoI女

(33)

これらのことば,オホ・−ツク海が非常に生産力の高い海域の一・つであることを堆積物の方からも,証明してい ることになると考えられる 金有機態窒素に対するアミノ酸態窒素の存在割合は,Fig7にも示した様に,オホーツク海堆唐物では,平均 化すると表層で24±9,1.Omで13±5,15mで11±6%と漸減傾向にある このことは,アミノ酸態窒素が他の窒素化合物より素早く深度とともに減少していることを示すものであり, この原因としては,アミノ酸が他の窒素化合物に変化したのか,あるいは他の有機窒素化合物の方がアミノ酸よ りも堆積物中では安定なためかどちらかであろうu 前述した様に,アミノ酸の存在丑を決定する主要な因子の一つは,酸化還元の状態と考えられている.そこで, 堆積物中での質的な変化に注目して,過去に得られているデータと著者の結果をまとめてみる

Tablellにアミノ酸態として存在する窒素の金堂素に対する割合をパーセンテージで表わしたものを示す

一・般的に言って,酸化的および還元的環境の相方からの試料を比べてみると,アミノ酸憩窒素の含有比に明確な 差異はみられないまた,ある一・定の普遍性も無いことがわかる,すなわち,酸化環境であっても微細環境は還 元的な部分もあるし,乱されていない堆積物は,時間の経過とともに,次第に酸素欠乏の状態に移行する・した がって,このアミノ酸の消失は,酸化・還元環境にかかわらず,普遍的に起こっている現象とみなすことができ る Ⅴ−2 間隙水からのアンモニア態窒素の溶出 Figい4に示した様に,噴火湾堆積物中の有機態窒素は,明らかに深度とともに減少する傾向にあることがわか る微生物による分解が,ほぼ終了すると思われる275cm屈までの借を使って回帰虐線を求めると, y(mg−N/g)=2.45−0.05.r(cm)(7=−091) となる ここで,Fig12に示した堆椒物粒子の真比重と間隙率および,松本(1976)によって報告されている噴火湾中 央部の堆敬遠度(027cm/yr)から,単位時間・単位屈腰当りの堆墳物の沈降盈をMatsumoto(1975)による式を 使って計給した. (1) α=ふ・(1−¢。)・βs 但し,α;堆積物粒子の沈降丑(g/cm2/yI) ふ;堆積速度 (cm/yI) ¢。;堆街物表層の間隙率 p5;堆墳物粒子の其比重 (g/cm3) (1)式に,必要な催を代人して計許すると, 山=0.0525(g/cm2/yr) となる ここで,堆積環境が定常状態であると仮定すると,堆積物中での有機憩窒素の分解負は,以下の式によって求 めることができる. 〟〝=甜・(G−C) (2) 但し,凡才〃;有機態窒素の分解丑 (mg/cm2/yI) 伽;堆積物粒子の沈降丑 (g/cm2/y【・) G;堆横物表層の有機態窒素丑 (mg/g) C;濃度が一・定となる深度の有機態窒素虫 (mg/g) ここで,必要な倍を(2)式に代人して計算すると,〟〃=00772(mg/cm2/yI)となる.この値をモル単位に換簸

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