罪12巻罪1号（1960）
溜地中の水草について Ⅱ
梅田 裕，真鍋 忠，＊ 玉置 贋彦
Studies on chemicalcomponents of some aquatic plants．Ⅱ
Yutaka UMEDA，TadashiMANABE and Takahiko TAMAKI
（Laboratory of Soiland Manure）
（ReceivedJuly2，1960）
107 前報（＄）につづき本報では香川県下に存在する国下，三ツ子，奥の堂，城，神内，松尾，久米，平，住蓮寺の各溜 池に自生する水草（水生梱物）の主なものについて分析を行った結果を報告する… この実験は当学部前川忠夫学部長 を主任研究者とする1959年度文部省科学研究費によって行った研究の一都である． Ⅰ 試料の採取および調製 試料は前記9溜池より1959年8月．5日（奥の蛍池の射ま同年7月27日）に採集したその内容は前報（＝‡）で採集した ものと同種のひし，くさしゃじくも，くろも，こばのひるむしろ，まつも，きんぎょも，かがぶた等のはかふらすも 〃よf♂JJαノ．Sれ，やなぎもPo≠α弼Ogβわ乃0．方γ♪カ〆J〟S几戯gいの2種が新に加わり，前回供試した，しゃじくも，いとも， あしかきは以上の溜弛でそれが生育するのを認め得なかった これらの試料はしゃじくも科，ひるむしろ科に属する もの各2種，ひし科，どちかがみ科，まつも科，ありのたふぐさ科，りんどう科に属するもの各1種，討9種で，こ れらの水草採集溜池名および水草名を第 1表に示すいなおこれらの水嘩は何れも 供試料な得ることの可能な程度に溜地中 で生育している種類で，生育鼠偲少のた め試料として供試不可髄な種類は含まれ て−おらぬ．これらの水草は採取後棒類 別，溜池別に風乾した後電気恒温偲煤器 中で600Cで絶燥後乳鉢で粉砕して供試 した． 罪1表 水草採取地名および水草名 溜池名l溜他所在地名】 水 草 木田郡三木勒 〝 〝 木田郡山田田J 〝 〃一 高松市新田町 高松硝仏生山町 高松市上多肥町 国下池 三ツ子池 奥の蛍池 城 池 神内池 松尾池 ひし くろも，きんぎょも，かがぶた きんざよも，やなぎも，かがぶた くろも，くさしゃじくも くろも，まつも，きんぎょも，ふらすも こぼのひるむしろ ひし，かがぶた やなぎも こばのひるむしろ 久米池 Ⅱ 分析力法および分析結果 平 地 住蓮苛池 分析方法は前報（3）同様である．また 分析結果を儲2表に示す・・第2表より有機物は76・・75∼9241％，T岬Nは1・43∼445％，租灰分は7‖59∼2325％，P2 06は001∼0．21％，K20は0−・26∼3・08％，CaOは0・58ハ｝2“77％の範囲にわたって含まれている．これらの数値を異種 水二別間で比較することは当を得ぬものであるが，溜池を環餞別に野池，ふもと池，山地に区分することにより，これ に．日生する上記水草の分析佃が示す一般的傾向をみると，先づ有機物駁ほ野池88い銅∼91．牒1％，ふもと他7675∼90小 机％，山地83り80∼8835％と野池の水草はふもと池，山地のそれに・比較してやや多く，調査当時の状態に於ては野他 に日生する水草はふもと池，山地のものより生育が盛んな傾向がうかがわれる．しかし，T−N，P206，K20，CaO の含嵐に供してはこのような傾向を見出すことができない つぎにT−Nに閲しこれを池滝（2）のそれと比較するとき池泥のT−NOい136∼0．929％，平均0333％にたいし，供 試水草では松尾地産こばのひるむしろの143％が巌低値を示すはか，その他のものは何れもこれより多いことより考 え水草が枯死分解して池泥の組成となる場合に・は前報（3）同様その少なからぬ部分は水「Pに糾！二＝∴去ることが推定さ れるP205昆は国下地蓮ひ▲しが0い21％，奥の立地産やなぎもが015％であるがその他の試料中の合昆は極めて少い ★現在協和化学工業株式会社OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
香川大学農学部学術報告 1Q8 Ⅸ20鼠は前報（3）同様種類による差が著しノく，CaO遥は3％以下であり，≡ しかも前報（3〉に比較して1％以下の合鼻の ものが7点存在し，前報（＄）の同種試科との間にかなりの差異を認めることは前回の調査が1958年7月16日であり， 今回は前記のように1959年8月5日（奥の蛍池7月27郎 で試料を採取した時期がやや遅いことや溜池間の池水，池 泥の栄養的差異その他の環境に支配されているものではなかろうか，．すなわち例えばふらすもは元来その細胞膜中に 石灰質を沈でんする性質をもつC加肌抑紺ゼに属する（1）にも係らず，この試料では鼓低のCaO鼠を示すことからもこ れが推定されるところである． 第2衷 水草分析結果イ％） Ⅱ 棒 要 香川県下9溜池に自生する水草9種18点につづいて有機物，灰分，T−N，P205，K20，CaOを走遺しでつぎの結束 を待た…すなわら水母の組成は調査試料の鳩園内で有機物76、75∼92・41％，粗灰分759∼2359％，T−NI1．43∼ 4、45％，P2060l．01∼0．21％，Ⅸ200．．26∼308％，CaOO小閑∼2．77％である． Ⅳ 引 用 文 献 （1）川村多英二：日本産淡水生物，上巻，108，東京， （2）玉置鷹彦，星川玄児‥本誌，5，186（1953） 裳華房（1918ト （3）梅田 裕，玉置鷹彦：本誌，11，211（1959）… Rるs u mる
Pursuing the former studies we have determined tIle Organic matter，CrUde ash，tOtal N，P205，′Ⅹ20
andCaO ofaquatic plants growninreservoirsin Kagawa prefecture and obtained the followlng reSults；
0Iganic
Ⅹ200。26∼3．08％andCaOO．58∼2．77％．
