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福島県喜多方市消雪用水源井戸における アクアフリード工法試験施工報告書 平成 18 年 12 月 喜多方市建設課アクアフリード工法技術協会

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福島県喜多方市消雪用水源井戸における

アクアフリード工法試験施工報告書

平成18年12月

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目 次

1.はじめに 1 2.アクアフリード工法試験施工を実施した井戸 1 3.アクアフリード工法試験施工の内容と実施状況 3 3-1. 試験施工前の井戸状況の確認 3 3-2. アクアフリード工法施工前の井戸内洗浄 4 3-3. アクアフリード工法試験施工 4 3-4. アクアフリード工法試験施工後の井戸状況の確認 5 4.アクアフリード工法の効果の評価 6 4-1. 揚水試験結果による評価 6 4-2. 閉塞物質の剥離効果(ボアホールカメラによる目視観察結果) 8 5.水質のモニター結果 10 6.あとがき 11

図 表 一 覧

図−1 井戸柱状図 2 図―2 揚水量と水位降下量の関係 7 図―3 井戸から揚水された水の水質測定結果 10 表−1 アクアフリード工法試験施工の作業内容 3 表−2 本井戸におけるこれまでの段階揚水試験結果一覧 7 表―3 定量揚水試験および水位回復試験から求められた水理定数 8

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1.はじめに アクアフリード工法技術協会は、アクアフリード工法(井戸能力が低下した井戸に、液化・気 化炭酸ガスを交互に注入し、井戸能力を回復させる工法)を東北管内で普及させることを 目的に2004 年7月に設立されました。本工法はこれまで消雪井戸での施工実績が無く、今 般、喜多方市にお願いし、同市が保有する深井戸にて本工法の試験施工を実施すること、 および、対象とする井戸の建設時や井戸改修時、そして、今回の試験施工結果に関するデー タの公開についてもご許可いただき、アクアフリード工法の試験施工を実施する運びとなりました。 本報告書は、今回の試験施工結果についてとりまとめたものです。今回の試験施工をご 許可いただき、そして、施工前や施工中にわたって、様々なご支援を頂いた喜多方市建設 課、そして、喜多方地方広域市町村圏組合喜多方消防署の皆様に、心からお礼を申し上げ ます。 2.アクアフリード工法試験施工を実施した井戸 1) 井戸の名称: 北町3掘直 2) 井戸所在地: 福島県喜多方市字屋敷免 3958 (喜多方地方広域市町村圏組合喜多方消防署敷地内) 3) 井戸建設および改修履歴 平成4 年 11 月に竣工。その後、井戸改修工事は行っていない。 4) 井戸構造 井戸径 300φ(掘削径 450φ)。 井戸深度 201m。 ストレーナ長(スリットスクリーン18 本)99m。 井戸柱状図を図−1に示す。 ア ク ア フ リ ー ド 工 法 を 試 験 施 工 した井戸位置 - 1 -

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① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ 図−1 井戸柱状図 ( の位置にアクアフリード工法の炭酸ガス注入管を設置。①∼⑱はスクリーン位置と番号) - 2 -

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3.アクアフリード工法試験施工の内容と実施状況 試験施工は、本年11 月 6 日に開始し 11 月 20 日に完了した。この間の施工内容を表−1 に示す。 表―1 アクアフリード工法試験施工の作業内容 施 工 日 作 業 内 容 11 月 6 日 準備工(現場仮設、事務所設置他) 11 月 7 日 ①段階揚水試験、②既設水中ポンプ引き上げ 11 月 8 日 ③ボアホールカメラによる井内観察、④ブラッシング洗浄 11 月 9 日 ④ブラッシング洗浄、⑤アクアフリード工法用パッカー設置 11 月 10 日 ⑥炭酸ガス注入(アクアフリード工法施工)3深度 ⑦パッカー引き上げ (現場見学会開催) 11 月 11 日 ④ブラッシング洗浄 11 月 12 日 (休 工) 11 月 13 日 ④ブラッシング洗浄、⑧エアリフトによる井内浚渫 11 月 14 日 ⑧エアリフトによる井内浚渫 11 月 15 日 ③ボアホールカメラによる井内観察 11 月 16 日 ⑨既設水中ポンプ設置、試験揚水 11 月 17 日 ①段階揚水試験 11 月 18 日 ⑩定量揚水試験 11 月 19 日 ⑪断続揚水試験 11 月 20 日 仮設撤去、井戸引き渡し 3-1. 試験施工前の井戸状況の確認(11 月 7 日∼11 月 8 日) 【①段階揚水試験】最初に既設の水中ポンプ(エバラ製37Kw)を用いて、段階揚水試験を 実施し、現在の井戸能力の確認を試みた。400 リッター/分の揚水、800 リッター/分の揚水、お よび、1,200 リッター/分の揚水をそれぞれ1時間継続し、その際の揚水水位の変化を測定し た。なお、1,200 リッター/分の揚水でバルブが全開となったことから、この3段階で段階揚 水試験を終了した。最初の400 リッター/分の 揚水時には、茶褐色の水が排出されたが、時間と ともに少しずつ濁りが取れ、1,200 リッター/分の揚 水時の最後は、ほぼ濁りが無くなる状態となった。 【②既設水中ポンプ引き上げ】段階揚水試験後、 揚水管と水中ポンプを引き上げた。揚水管と水中 ポンプには、全体に茶褐色の錆が一部固化して外 側にも内側にもびっしりと張り付いていた。ま た、揚水管の深度27.5m 付近に電食によると思 われる約4cm 径の孔が開いていた(写真―1)。 一方、引き上げた水中ポンプもそのストレーナ部が 写真−1 電食によると思われる 揚水管の開口(直径約4cm) - 3 -

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内側に押し込まれた形で変形していた(写真― 2)。この変形は、ストレーナ部の丸孔が砂等によっ て目詰まりを起こし、水中ポンプの吸水によって 内側に負圧が生じ内側に押し曲げられたことに よると思われる。 喜多方市建設課から頂いた本井戸の井戸柱状 図によれば、深度 82.5m に 45Kw の水中ポンプ が設置されているとの記載になっているが、実 際には深度 77m に水中ポンプ(エバライドボーイ 125BHS5 37Kw)が設置されていた。井戸建 設後、時期は不明だが、水中ポンプの入れ替え工 事などが行われたものと推察される。 【③ボアホールカメラによる井内観察】井戸内のケーシングやストレーナ部の損傷の有無の確認、そして、 ストレーナ部の閉塞状況などを確認するためにボアホールカメラ(Robertson Geologging 社製)を降下 させ、井戸内の観察を行った。ボアホールカメラによる撮影結果はビデオテープに収録したが、そ の一部をスナップショットとして切り出し、巻末の井内撮影記録として整理したので参照 されたい。なお、深度135m から 175m の約 40m 区間は水の濁りがひどく、ケーシングやストレー ナ部の状況は確認できなかった。また、上部7本のスクリーン(NO.1∼NO.7)については、 スリットの存在が確認できないほどスケールなどで覆われていた。ボアホールカメラによる井戸内観察 結果から井戸内に問題となるような損傷はないと判断し、予定通りアクアフリード工法による井 戸改修工事を実施することにした。なおボアホールカメラ観察後の井戸深度は、井戸ピット天端よ り192.0m であった。 3-2. アクアフリード工法施工前の井戸内洗浄(11 月 8 日∼9 日) 【④ブラッシング洗浄】スクリーン部やその外側に炭酸ガスが容易に進入できるようにするために、 最初にブラッシング洗浄を行った。長さ3m の円筒状の錘(おもり)の先端に外径約 310mm の ワイヤーホイールブラシを取り付け、これをパワーウインチを用いて井戸底から井戸頭部までの上昇と降下 を約7時間かけて繰り返し、井戸ケーシングやスリットスクリーンの内側をブラシ洗浄した。ブラッシングを 行った後に井戸底深度は、191.5m まで上昇した。 これは、ブラッシングによって井戸内の付着物がそぎ落と され、井戸底に50cm ほど堆積したことによる。また、 ブラッシング洗浄では、充填砂利と揚水管や水中ポンプに付 着していたものと同様の固結したスケールが薄板状になっ て回収された(写真−3)。 3-3. アクアフリード工法試験施工(11 月 9 日∼14 日 ;アクアフリード工法の詳細は、巻末資料を参照されたい。) 写真−3 写真−2 水中揚水ポンプのストレー ナ部の変形 - 4 -

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【⑤アクアフリード工法用パッカー設置】 井戸柱状図に記載されたスクリーン位置やボアホールカメラ観察結果 を基に、炭酸ガスの注入深度を3深度(深度166m、深度 131m、および、深度 76m)に決 め、最初に注入管を深度166m まで降下させ、油圧パッカーを深度 8m に設置し、最初の炭酸 ガス注入の準備を終えた。 【⑥炭酸ガス注入(アクアフリード工法施工)および⑦パッカー引き上げ】 液化炭酸ガスを搭載し た10ton タンクローリーを井戸傍に横付けし、気化器やコントロールユニットとの接続を完了させ、11 月 10 日午前8:30 から注入管先端深度 166m での最初の炭酸ガス注入を開始した。気化炭酸ガスと 液化炭酸ガスを交互に40 分間にわたって注入し、炭酸ガスの注入総量は約 490kg となった。 その後、油圧パッカーを閉じ、注入管を引き上げ、注入管を深度131m に設置し、深度 8m に油圧パッカーを固着して、2回目の炭酸ガス注入を行った。午前10:00 から 40 分間にわたっ て約380kg の炭酸ガスを注入した。 3回目は、注入管先端を深度76m にセットして、午前 11:20 から 40 分間にわたって注 入した。この時の炭酸ガス注入量は約440kg となった。 従って、この井戸での3回にわたる炭酸ガス注入の総量は約1.3ton となった。 【④ブラッシング洗浄】 11 月 11 日と 13 日に合計 12 時 間かけてブラッシング洗浄を行った。アクアフリード工法により ケーシングやスクリーンの内側に固着していた物質(写真―4; 砂利は少なく、鉄錆やマンガン錆が主体)が剥離し、ブラッ シング洗浄によりそれらが薄板状になって回収された。 その後、井戸底深度を測定したところ190.5m であり、 アクアフリード工法による井戸洗浄よってそぎ落とされた物 質が井戸底に約1m 堆積したことになる。 【⑧エアリフトによる井内浚渫】 ブラッシング洗浄の後に、約12 時間をかけてエアリフト(圧搾空気を 井戸内に送り込み、井戸底に堆積した物質を井戸から吐き出す工法)を行った結果、井戸 底の深度は195.2m となり、アクアフリード工法によって剥離し井戸底に堆積した物質だけでなく、 今回の試験施工前に堆積していた物質も井戸から吐き出すことができたといえる。なおエアリ フト実施中、井戸から合計約 0.3m3程の充填砂利が排出された。通常、充填砂利が通過しな いスリット幅(3mm)が、腐食などによって充填砂利が通過できる幅に開口したことによると 推察される。 3-4. アクアフリード工法試験施工後の井戸状況の確認(11 月 15 日∼11 月 18 日) 【③ボアホールカメラによる井内観察】 アクアフリード工法施工後においても井戸内のケーシングやスクリーン の破損は見当たらなかった。施工前には、上部7本のスクリーン部においてスリットを全く確認でき なかったが、施工後は全てのスクリーン部においてスリットが確認できるようになり、特に、NO.1 ∼NO.3 のスリットでは裏側の充填砂利が見えるまでに開口した。深い位置のスクリーン部において も施工前よりスリットが明瞭に判別できるようになった。 【⑨既設水中ポンプ再据え付け、および、試験揚水】 11 月7日の水中ポンプと揚水管引き 写真−4 - 5 -

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上げの際に、水中ポンプにはストレーナ部の変形が、そして、深度27.5m 付近で揚水管に電食と 思われる直径約4cm の開口が確認された。揚水管については、施工期間中にフランジタイプの揚 水管を新たに手配した。水中ポンプについては、高圧水で洗浄するとともに、ストレーナ部の変形 を手直しして(写真―5)、手配したフランジタイプの揚水管に取り付け、11 月 16 日に井戸内の 深度77m 位置に再設置した。 なお、水中ポンプの再設置に当たり、線間の絶縁抵抗を測定した結果、全てが4 MΩ程度 であり、当面使用するに当たり問題はないものと判断した。また、水中ポンプ再設置後の試 験揚水でも、問題なく揚水できることを確認した。 【①段階揚水試験】 試験施工前の11 月 7 日の段階揚水試験と同様に、400 リッター/分の揚 水からスタートし揚水を1時間継続した後に、順次800 リッター/分、1,200 リッター/分、そし て、ほぼバルブ全開となった 1,600 リッター/分まで揚水量を上げて、各1時間揚水を継続し た際の揚水水位を測定した。施工後の揚水試験において、1,600 リッター/分まで揚水量を上げ ることができたのは、揚水管の破孔の問題を解消したことが一番の要因と考えられる。 段階揚水試験時に、排砂現象等は認められず、どの段階においても揚水された水は、ほぼ 透明であった。 【⑩定量揚水試験】 11 月 18 日朝から揚水量を 1,600 リッター/分に固定し8時間にわたっ て連続揚水を行い、揚水水位の変化を測定した。この間井戸水が濁るなどの変化はなかった。 4.アクアフリード工法の効果の評価 今回、アクアフリード工法の試験施工を実施させて頂き、その施工前と施工後の揚水試験とボア ホールカメラによる井戸内観察を行い、井戸内の状況の変化と井戸の揚水能力の変化を把握した。 これらの結果から、アクアフリード工法による井戸改修の効果を評価してみる。 4-1. 揚水試験結果による評価 本井戸の井戸建設当初(平成4 年 11 月)の記録は、ご提供頂いた井戸柱状図と井戸に設 置されている銘板しか無く、揚水試験のデータや水質データを入手することはできなかった。 なお、今回実施した揚水試験の結果は巻末資料に納めた。 井戸柱状図と銘板に記載されている内容には揚水量と揚水水位の記述に多少の不一致が あるが、それらの記録と今回の段階揚水試験結果(施工前および施工後)を整理すると表 −2のようになる。 写真−5 高圧洗浄の後にストレーナ部の変形を手直しし、井戸に再設置した水中揚水ポンプ - 6 -

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表―2 井戸建設時の井戸揚水能力に関する記録と今回実施した段階揚水試験結果 表−2の上段は、揚水量と揚水水位の 関係を示したものであり、下段はそれら から算出した比湧出量を整理したもので ある。比湧出量は、水位降下量1m当た りの揚水量であり、井戸の揚水能力を評 価するための一般的かつ重要な指標であ る。比湧出量が大きい井戸ほど揚水能力 が高い井戸である。 一般的に井戸は時間とともに老朽化が 進む。井戸の老朽化は、揚水能力の低下 と水質の変化となって現れる。しかしな がら表−2を見ると、井戸建設当初29∼ 39 m3/日/m であった比湧出量が井戸建 設後 14 年を経ているにもかかわらず、 114∼141 m3/日/m(アクアフリード工法施工 前)と約4倍も増加するという逆の結果 となってしまった。 従ってここでは井戸建設当初との比較はせずに、単にアクアフリード工法施工前と施工後の比 較のみからアクアフリード工法の井戸改修効果を評価する。 【自然水位の上昇】 アクアフリード工法施工前の井戸内自然水位(GL-5.34m)が施工後約 40cm 井戸柱状図 井戸の銘板 自然水位 GL -5.7m GL -5.7m GL -5.34m GL -4.95m 揚水量(リッター/分) 400 9.43 7.51 800 13.97 11.06 1200 20.54 17.42 1440 72.5 1600 24.4 1800 72.5 2017 107.02 揚水量(リッター/分) 400 141 225 800 133 189 1200 114 139 1440 31 1600 118 1800 39 2017 29 比 湧 出 量 (m3/日/m) 井戸建設時 1992年11月 AF工法施工前 2006年11月7日 AF工法施工後 2006年11月17日 揚 水 水 位 (GL - m) 比湧出量 増 加 率 1.6 1.4 1.2 1 10 100 1000 100 1000 10000 水 位 降 下 量 (m) 揚水量 (リッター/分) 井 戸 柱状図 井 戸 の 銘 板 アクアフリード 工法施工前 アクアフリード 工法施工後 図―2 揚水量と水位降下量の関係 - 7 -

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上昇し、GL-4.95m となった。今回施工したような深井戸の場合、その自然水位は被圧水頭 を示していると考えられる。従って被圧水頭の上昇は、アクアフリード工法の施工によって井戸 周辺から水が流入しやすい状況(みず道の透水性の改善)が形成できたと評価できる。 【井戸揚水能力の改善】 アクアフリード工法施工前と施工後の段階揚水試験結果から算出され た比湧出量でその増加率を見ると、揚水量が大きいほど増加率が低減する傾向が見られる が、平均して施工前に比べて1.4 倍も比湧出量が増加しており、アクアフリード工法による井戸揚 水能力の改善効果が明瞭に確認できた。 また、施工後に実施した定量揚水試験および水位回復試験から求めた水理定数を表―3 に整理した。これらの結果から、本井戸のアクアフリード工法施工後の透水量係数は 9×10-2 m2/min 程度、そして、透水係数は 1.7×10-3cm/sec 程度と評価できる。 表―3 定量揚水試験および水位回復試験から求められた水理定数 ヤコブの直線解析法 タイスの非平衡式 回復法 透水量係数 透水係数 透水量係数 透水係数 透水量係数 透水係数 定量揚水試験 8.34×10-2 m2/min 1.54×10-3 cm/sec 1.00×10-1 m2/min 1.85×10-3 cm/sec − − 水位回復試験 − − − − 9.41×10-2 m2/min 1.74×10-3 cm/sec 4-2. 閉塞物質の剥離効果(ボアホールカメラによる目視観察結果) 今回の試験施工前、および、アクアフリード工法施工後の2段階で井戸内にボアホールカメラを入れて、 井戸内の状況をビデオ撮影した。ビデオ映像から特にスクリーン部に着目してスナップショット 写真を切り出し、2段階毎の井戸内状況が対比できるように、ほぼ同一深度の写真を並べ て整理し、巻末に収めたので参照頂きたい。 ここでは、いくつかの特徴的な写真を紹介し、アクアフリード工法の効果を述べる。 1) スクリーンのスリットが明瞭に確認できるまでに閉塞物質を除去できた 試験施工前の状況 アクアフリード工法施工後 上の写真は、深度 108m 付近で撮影した井戸内の状況である。9番目のスクリーンの内部を、 少し斜め上から下を覗き込む形で撮影した写真であり、試験施工前には、スリットの存在が全 くわからないほど閉塞物質が固着していたが、アクアフリード工法によって千鳥配置したスリットの 全てが確認できるまでに閉塞物質を削ぎ落とせた。 9番目の スクリーン - 8 -

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2) スリットの裏側まで洗浄できた 試験施工前の状況 アクアフリード工法施工後 上の写真はいずれも7番目のスクリーンの内側を真横から撮影した写真である。9番目のスクリー ンと同様に、試験施工前にはスリットの存在すら不明であったが、アクアフリード工法によって全ての スリットが現れ、スリットを通して裏側の充填砂利までも確認できるようになった。このことから、 炭酸ガスが充填砂利や周辺地層内まで浸透し、それらを洗浄できたものと評価できる。 3) 注入管設置深度付近以外のスクリーンも洗浄できた。 今回のアクアフリード工法試験施工では3回に分けて3つの深度(1回目深度 166m、2回目 131m、3回目 76m)に注入管を設置して炭酸ガスを注入したが、3回目の注入深度より 40m 以上も浅い深度にある1番目のスクリーン、そして1回目の注入深度より11m も深い位置にある 16 番目のスクリーンにおいてもスリットの目詰まりを解消できたことが確認された(下の写真)。 試験施工前の状況 アクアフリード工法施工後 3回に分けた炭酸ガスの注入によって、ほとんど全てのスクリーンにおいてスリットが明瞭に確認 できるようになったこと、そして、かなりのスリットで目詰まりが解消できたと云えそうであ 7番目の スクリーン 1番目の スクリーン 16 番目の スクリーン - 9 -

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る。また、アクアフリード工法施工後のボアホールカメラによる観察結果から、1番目と2番目のスクリーン において、スリットの幅が他のスクリーンより大きいことが確認された。特に浅いスクリーン部で腐食な どが激しく、充填砂利が通過できる程までにスリットが開口したものと判断される。 5.水質のモニター結果 簡易原位置水質試験装置(迅速水質計 HACH 社製 DR/890)を現場に持ち込み、各段 階で井戸から排出される水の水質測定を行い、井戸の水質変化をモニターした。測定項目 は、pH、鉄分含有量(Fe)、マンガン含有量(Mn)の3項目である。 測定のタイミングは、施工前の段階揚水試験時(11 月 7 日)、アクアフリード工法施工後の水中 ポンプ再設置時の予備揚水(11 月 16 日)、施工後の段階揚水試験(11 月 17 日)、定量揚水 試験(11 月 18 日)、そして、水質の回復をみるための断続揚水(11 月 19 日)である。こ れらの測定結果を図−3に示す。 図―3 井戸から揚水された水の水質測定結果 (横軸: 採水日時。縦軸の単位; 鉄分含有量とマンガン含有量はmg/、pH は無単位) それぞれの時点での水質の変化状況は以下の通り。 ○ 試験施工前の段階揚水試験で、初期値としての水質を測定した。Fe が 15.5mg/l、Mn が4.3mg/l、そして pH が 6.3 であった。Fe、Mn とも一般の地下水の水質に比べてかなり 高い含有量と云えそうである。 ○ アクアフリード工法を施工し、水中ポンプを再設置した後の試験揚水で1,600 リッター/分を汲み

水質の経時変化

15.5 28.8 32.4 24.9 23.7 27.8 25.2 29.5 18.2 19.4 22.1 21.8 4.3 6.6 9.7 5.2 5.3 5.4 6.2 4.6 5.3 5.0 5.4 5.8 6.3 6.3 6.3 6.4 6.3 6.4 6.4 6.3 6.3 6.4 6.5 6.5 1200 1200 1600 400 800 1200 1600 1600 1600 1600 1600 1000 0 5 10 15 20 25 30 35 10:00 13:30 15:10 8:30 9:30 10:30 11:30 9:00 11:00 13:00 16:00 11:00 Fe ・Mn (mg/l) ,pH 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 揚水量(ℓ/min) Fe Mn PH 揚水量 11/07 11/16 11/17 11/18 11/19 - 10 -

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上げた時が、Fe、Mn とも最高の値を示し、それぞれ 32.4 mg/l、9.7 mg/l となった。 ○ 11 月 17 日と 11 月 18 日に、それぞれ段階揚水試験と定量揚水試験を実施したが、そ の間、揚水を停止し、再度水中ポンプを起動した時に Fe 含有量が増えるといった傾向が認 められ、11 月 18 日朝の最初の測定では、前日の測定値より大きい 29.5 mg/l となった。 ○ 11 月 19 日にも水質の安定を確認するための断続揚水をし、11 月 16 日以降4日間の揚 水で、Fe と Mn ともその含有量が少しずつ減少かつ安定してきていると判断し、揚水を停 止した。 上記の状況を喜多方市建設課にご報告し、ご了解を得て、今回のアクアフリード工法試験施工 を完了した。 6.あとがき 今回のアクアフリード工法試験施工により、施工前に確認した本井戸の比湧出量 129m3/日/m (400 リッター/分、800 リッター/分、および、1,200 リッター/分の段階揚水試験の平均値)が施工 後184 m3/日/m(同じ揚水量での平均値)に増加し、施工前から施工後の比湧出量の増加 率は1.42 倍となった。これはこれまでのアクアフリード工法施工実績(約70井戸で平均して約 2倍の増加率)と比べて決して高い増加率とは云えないが、本井戸が建設後14 年を経ても 1.2 トン/分もの高い井戸揚水能力を維持していたことを考えると、アクアフリード工法による井戸 改修効果は充分に確認できたと評価できる。 また、アクアフリード工法を施工した結果、井戸内に設置されている18本のスクリーンの全てでスリ ットが明瞭に確認できるほど閉塞物質が除去でき、そして、かなりのスクリーンでスリットを通して裏 側の充填砂利まで確認できるようになったことが施工前と施工後のボアホールカメラによる井戸 内観察から明らかとなった。 以上のことから、井戸を再活性させ、現在の井戸の揚水能力を今後かなりの期間維持で きる状態を形成できたと考える。 これまで、アクアフリード工法を消雪用水源井戸に適用した事例が無かったが、今般、喜多方 市にお願いして今回の試験施工が実現できた。一般の上水用や雑用水用井戸の場合、揚水 停止期間を可能な限り短期間にするよう求められることが多く、その点から井戸改修工法 として従来からのブラッシング、スワビング、および、エアリフトなどの工法が重用されてきた。しか しながら、消雪用水源井戸の場合、その揚水期間が冬季間にほぼ限られるので、その期間 を外せば、従来工法より施工期間が5日∼1週間ほど増えるアクアフリード工法でも、時間的余 裕を持って施工できる。 今回の試験施工で明らかとなったアクアフリード工法の井戸改修効果を、多くの消雪用水源井 戸管理者に確認いただき、今後積極的に採用していただくことを心から願う次第である。 最後に、今回のアクアフリード工法試験施工を実施するに当たり、快く井戸を提供頂き、そし て現地での作業を親切にご支援いただいた喜多方市建設課の皆様、作業用地を提供いただ いた喜多方消防署の皆様、そして、お忙しい中わざわざ施工現場の見学会にお越し頂いた 福島県南会津建設事務所の皆様、および、福島県山口土木事務所の皆様に対して、深甚な る感謝の意を表します。 - 11 -

参照

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