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ボジティブ2014表1-4-3

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(1)

8 企業の現状を良く知ろう ・チェックシートA , B , C , D , Eで現状をチェックする 現状を分析し、問題点を把握しよう ・従業員の現状を分析する ・男女の均等な待遇の確保の現状を分析する ・社内アンケート調査で問題点を把握・分析する 目標を決め、具体的な取組計画をつくろう ・経営者の基本方針に基づき、取組目標を決める ・具体的な取組策をつくる ・取組計画をつくる 取組体制を整えよう ・計画実施について、組織の意思決定をする ・従業員に周知し、実施機関を整える 実施した効果を確認しよう ・取組の成果を点検する ・取組計画を見直す ステップ 1 (P 9) ステップ 2 (P 14) ステップ 3 (P 19) ステップ 4 (P 33) ステップ 5 (P 35)  ポジティブ・アクションに取り組む理由は企業によってさまざまですが、ポジティブ・ アクションを進めるためには、計画的、組織的に取り組むことが必要です。  ポジティブ・アクションを効果的に進めるためには、次の3つの事項が重要です。 ① 経営者がポジティブ・アクションに取り組む方針を明確にして、組織的取組を行う。 ② 人事労務部門が問題意識をもって現状を分析し、組織的取組を行う。 ③ 従業員のモチベーションを向上させて、労使で組織的取組を行う。労働組合があると ころでは、労働組合も問題意識をもって取り組む。  すなわち、経営者、人事労務部門、従業員、労働組合が一体となって取り組むことが必 要といえます。  取組にあたっては、①人事労務部門が中心になって進める、②人事労務部門を中心に、 取組のための社内プロジェクトチームを設置して進める、③労働組合との推進協議会を設 置して進める、などがあります。  いずれにしても、職場における男女平等の現状を分析し、取組目標を決めて、実施し、 実施した後は、効果を確認し、必要があれば計画の見直しを行っていくことが大切です。  この取組手順のモデルは、東京都の「ポジティブ・アクション検討会」で出された意見 に基づき、取りまとめたものです。それぞれの企業の実情に合わせて、取組の参考にして ください。  次に、順を追って、詳しく説明します。

ポジティブ・アクションの進め方

(2)

9   合 計   男 性   女 性   女性比率   合 計   男 性   女 性   女性比率 〔従業員の現状(A−1)〕 従業員数  正社員  契約社員  パート・アルバイト 平均年齢 平均勤続年数 管理職数 役員 部長相当職 課長相当職 係長相当職 派遣されている社員 〔採用の状況(A−2)〕 採用数(前年度) 新規学卒 事務・営業系 (四大・大学院) 技術系 新規学卒 事務・営業系 (短大・高専等) 技術系 新規学卒 事務・営業系 (高校) 技術系 事務・営業系 中途採用 技術系 パート・契約社員等 − −

チェックシート

A

ステップ 1 

企業の現状を良く知ろう 

 ポジティブ・アクションに取り組むにあたって、第一に、企業の男女従業員の現状と雇 用管理の現状を調べて、課題を把握することが必要です。  また、女性の能力発揮を進めるためには、男女平等の推進とあわせて、女性の勤続年数 の伸長を図ることや、男女従業員が働きやすい職場の雰囲気の改善を進めることも大切で す。    従業員の男女比や勤続年数、採用状況、管理職数など、男女従業員の現状を調べましょう。 ※ チェックシートの従業員区分、役職区分、採用区分は従業員の男女比を把握するために、一般的な区 分をしたものです。個々の企業の雇用管理区分に合わせて区分し、男女比を把握してください。  「チェックシート」A,B,C,D,Eを使用し、現状を調べて、チェックしてみましょう。チェック項目に★ のついている事項は法令で義務化、☆のついている事項は努力義務規定のものです。

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10

チェックシート

B

〔男女の均等な待遇の確保〕 雇入れにあたって、労働条件(労働契約期間、就業場所、業務内容 等)を書面で明示している ★ 基本給を男女同一基準にしている ★ 家族手当や住宅手当の支給基準を男女同一のものとし、女性だけ に別の条件を課していない ★ 時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)を締結して、届け出 ている ★ パートや契約社員に有給休暇を与えている ★ 独身寮や社宅への入居条件を男女同一にしている ★ 住宅資金、生活費金の貸付要件や提出書類は、男女同一である ★ 定年年齢は60歳以上で、男女同一である ★ 結婚・妊娠・出産退職制や結婚を理由にした女性対象の退職金割増 制度はない ★ 合 計 項 目 数       項目    項目    項目   チェック項目        は い いいえ 検討中

チェックシート

C

〔女性の勤続年数の伸長(C−1)〕 結婚、妊娠、出産を理由に退職を勧奨したり、退職する慣行はない ★ 妊産婦の勤務に際し、通勤緩和、通院休暇、危険有害業務からの配 置転換などの配慮をしている ★ 育児・介護休業は男女従業員(パートや契約社員も含む)が申請す れば取れるよう規定が整備されている ★ 育児・介護休業中の待遇や休業後の労働条件を一括して定め、従業 員に明示している ☆ 育児・介護休業をした従業員の復帰にあたっては、従業員の希望を 聞き、原職若しくは相当職に復帰できるよう配慮している ☆ 育児・介護を必要とする家族がいる男女従業員は、時間外労働の制 限や深夜業の制限を請求できる ★ 育児休業をした従業員が職場復帰しやすいよう支援している(職 場復帰プログラムの実施など) ☆ 配置転換を行うにあたって、育児・介護を必要とする家族のいる男 女従業員に対して配慮している ★ 合 計 項 目 数       項目    項目    項目   チェック項目        は い いいえ 検討中  基本的な労働条件である、男女の均等な待遇の確保に関する事項についてチェックしましょう。  女性が能力を発揮しやすい職場になっているかどうかチェックしましょう。 ステップ1 ★は法令で義務化、☆は努力義務規定 育児休業をしない従業員に対し、短時間勤務制度、所定外労働の免 除の制度が本人の希望によって取れるよう定めてある ★ 子どもが病気や怪我をしたときに休める看護休暇制度や家族の介 護休暇制度の規定が整備されている ★ 就業規則、育児・介護休業、子の看護休暇の規定を整備し、男女従業員に周知している  ★ (常時 10 人以上の労働者を雇用している場合、就業規則の作成・届出は義務)

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11 〔職場の雰囲気・風土の改善(C−2)〕 セクシュアルハラスメントを防止するために、就業規則に禁止を 定めたり、従業員への研修や意識啓発を行っている ★ セクシュアルハラスメントが発生した場合、相談できる窓口を設 けている ★ パートや派遣社員のセクシュアルハラスメントの相談に対応する 窓口を定めている ★ 働きやすい環境づくりのために、全社的に時間外労働の縮減や有 給休暇の取得率の向上に取り組んでいる 職場環境の改善についての従業員の要望や意見を受入れる体制を 整えている(アンケートを行う、労使協議を定期的に行うなど) 研修や社内報等で男女平等や働きやすい職場づくりについて取り 上げている お茶汲み、机の掃除等を女性だけに命じることはない ★ 結婚後も希望すれば、旧姓使用を認めている 女性用(パート、派遣社員も含む)の休憩室、トイレ、ロッカー等を 整備している 男性にも育児・介護のために、休業や短時間勤務制度を利用するよ う勧めている 〔女性の採用拡大(C−3)〕 営業職、総合職、大卒技術系、正社員などの募集・採用にあたって、男女 差別ない選考基準を決めて選考を行っている ★ 求人案内、企業案内を男女同一のものとしている ★ 採用試験の内容や面接での質問は男女同一にしている ★ 選考基準の統一を図るため、面接・選考担当者の研修を実施したり、マ ニュアルの作成を行っている 面接・選考担当者の中に女性を入れている 募集・採用にあたり、男女別の年齢制限を設けたり、婚姻の有無や子ど もの有無を条件にしていない ★ 女性の多い学部や女子大等に求人案内を出している パート、契約社員、派遣社員を女性のみに限定していない ★ 女性の少ない採用区分について、女性を優先して採用している 会社説明会は男女合同で開催している ★           合 計 項 目 数       項目    項目    項目   チェック項目        は い いいえ 検討中 合 計 項 目 数       項目    項目    項目   チェック項目        は い いいえ 検討中 ★は法令で義務化、☆は努力義務規定 ステップ1

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チェックシート

D

〔配置・登用状況(D−1)〕 人事・総務・経理 企画・調査・広報 研究・開発・設計 情報処理 営業 販売・サービス 生産・建設・運輸・ 物流 男性 女性 女性比率 男性 女性 女性比率 男性 女性 女性比率 男性 女性 女性比率 男性 女性 女性比率 男性 女性 女性比率 男性 女性 女性比率 部 門     男女別   一般職   総合職  係長相当職 課長相当職 部長相当職  役 員 〔女性の職域拡大、管理職の増加(C−4)〕 営業職、総合職、大卒技術系など、どの職種にも女性を配置してい る ★ 研修、教育訓練の対象、内容、受講条件は、原則として男女同一にし ている ★ 女性の職域拡大やステップアップのための研修や教育訓練を行っ ている 管理職に部下の女性従業員の育成を義務付けるなど、OJT(職場 訓練)で女性の育成を行っている パートや契約社員を研修や教育訓練の対象にしている ☆ ※  能力に応じた採用・配置・昇進を行い、コース別雇用管理は行って いない、若しくはコース転換制度を設けている パートや契約社員から正社員への転換制度がある ★ 昇進、昇格の基準は、男女同一のものを定めて従業員に周知すると ともに、男女同一基準で選考を行っている ★ 女性が少ない職域や役職に女性を増やすように努めている 女性を管理職に育成するための特別研修を行っている 合 計 項 目 数       項目    項目    項目   チェック項目        は い いいえ 検討中  部門別の配置や処遇・賃金の状況を把握しましょう。 ※チェックシートは部門別による役職毎の男女の人数比を把握するた ※通常の労働者と職務内容が同じパートに対しての教育訓練は、法令により義務とされています。 めに、一般的な区分をしたもので す。個々の企業の雇用管理区分や役職区分に合わせて区分し、男女比を把握してください。 ステップ1 ★は法令で義務化、☆は努力義務規定

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13 〔賃金の状況(D−3)〕 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 ∼5年 (20歳代) ∼10年 (30歳代) ∼15年 (40歳代) ∼20年 (50歳代) ∼25年 (60歳代) 所定賃 金月額 勤続年数 30万円未 満 30万円 40万円 50万円 60万円 70万円 合 計 〔処遇状況(D−2)〕 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 ∼5年 (20歳代) ∼10年 (30歳代) ∼15年 (40歳代) ∼20年 (50歳代) ∼25年 (60歳代) 勤続年数       一般職 係長相当職 課長相当職 部長相当職 役 員 (  職) 役 員

チェックシート

E

〔多様な働き方の確保・パート社員等の処遇〕 パートや契約社員等に適用される就業規則を作成し、 (常時 10 人以上の労働者を雇用している場合、就業規則の作成・届出は義務)周知している ★ 雇入れにあたって、労働条件(労働契約期間、就業場所、業務内容等)を書 面で明示している ★ パートや契約社員に有給休暇を与えている ★ パートや契約社員を雇用保険や社会保険の加入対象にしている ★ パートや契約社員も育児・介護休業が取れる ★ パートや契約社員を研修や教育訓練の対象にしている ☆ ※ パートや契約社員の賃金、賞与について正社員との均衡を考慮した扱い をしている ☆ パートや契約社員から正社員への転換制度がある ★ パートや契約社員を健康診断の対象にしている ★ パートや契約社員を福利厚生施設の利用について対象にしている ☆ 育児・介護を理由に退職した従業員の再雇用制度がある ☆ 合 計 項 目 数       項目    項目    項目   チェック項目        は い いいえ 検討中  パートや契約社員が多い場合は、パート社員等の処遇を点検し、多様な働き方の確保と パート社員等の戦力化を図ることも必要です。可能な場合は、次の事項も調べてみましょう。 ステップ1 ★は法令で義務化、☆は努力義務規定 ※通常の労働者と職務内容が同じパートに対しての教育訓練は、法令により義務とされています。

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ステップ 2 

現状を分析し、問題点を把握しよう 

 チェックシートA∼Eのチェックが済んだら、企業の現状を分析し、問題点を把握しま しょう。

❶ 従業員の現状を分析する

チェックシートAを使用し、従業員の現状を分析してみましょう。 (1)従業員数の男女比は均衡がとれていますか ポイント・ 1 これまで採用人数や勤続年数等について男女で差があったため、従業員 ポイント・ 2 達成すべき女性比率が画一的に決まっている訳ではありませんが、東京 都の平均値と比べてみてください。   〈参考〉従業員の女性比率(東京都平均) 全業種  38.9% 建設業 16.1% 製造業   26.9% 情報通信業 24.2% 運輸業、郵便業  17.0% 卸売業、小売業 42.3% 金融業、保険業 45.4% 不動産業、物品賃貸業  37.1% 宿泊業、飲食サービス業    51.0% 医療、福祉 71.1% 教育、学習支援業 49.3% サービス業(他に分類されないもの) 43.6% 参考「平成21年度経済センサス‐基礎調査 東京都 結果報告」 (2)平均年齢、平均勤続年数の男女差はありませんか ポイント・ 1 勤続年数が短いと、女性がその経験を生かして能力を発揮することがで きません。また、女性が短期間で辞めてしまうことは、企業にとっても、せっ かく培った人材を失うことになり、大きな人的資源の損失です。 ポイント・ 2 東京都の平均と比べてみてください。   〈参考〉平均年齢(東京都平均) 男:43.7 歳 女:40.1 歳 平均勤続年数(東京都平均) 男:10.9 年 女:8.4 年 (3)募集・採用の対象から女性を排除していませんか ポイント・ 1 特定の職種や部門の募集・採用の対象から女性を排除することは男女雇 用機会均等法違反です。法律では、採用の結果の平等を求めていませんが、 特定の職種や部門から女性を排除することなく、どの部門にも男女をバラ ンス良く配置することで、多様性のなかから、多様なアイデアが生まれ、 企業の活力にもなります。 の男女比がアンバランスな企業が多くみられます。均等法指針では、女性 が男性に比べて相当程度少ない(男女比の平均である4割を下回る場合) 雇用管理区分において、従業員数の男女格差を解消するために、女性に有 利な扱いをすることは、違法ではないとされています。 「東京都男女雇用平等参画状況調査」(平成 24年度)

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15  女性を管理職に登用することにより、女性社員がキャリア目標を明確 に持てるようになり、女性全体の意欲の向上にもつながります。女性が 能力を発揮することは社員と企業の活力になります。  女性が相当程度少ない(4割を下回っている)役職への昇進にあたって、 基準を満たす従業員の中から女性を優先して昇進させるなど、女性を有 利に扱うことは法違反ではありません。  女性管理職がいる事業所は増加傾向にあります。都内事業所における 女性の登用状況は次のとおりです。 ポイント・ 2 「意欲と能力のある女性を積極的に募集・採用するための取組」は、東 京都が実施した調査によれば、約5割の企業において取り組まれています。 また、新規学卒者を採用した企業のうち、女性を採用した企業の割合は約 7割あります。  〈参考〉意欲と能力のある女性を積極的に募集・採用するための取組       「実施している」  48.9%    「検討中」 9.4%       「実施していない」 38.1%      〈参考〉 〈参考〉 女性の採用状況(新規学卒者を採用した企業のうち、女性を       採用した企業の割合)       全体 66.9%     建設業   30.8% 製造業      53.7% 情報通信業   68.2% 運輸業、郵便業 64.7%  卸売業、小売業 65.8%  金融業、保険業 80.0% 不動産業、物品賃貸業 77.8% 宿泊業、飲食サービス業 80.0% 医療、福祉 88.7%   教育、学習支援業  76.3% サービス業(他に分類されないもの) 62.3% 「東京都男女雇用平等参画状況調査」(平成24年度) 「東京都男女雇用平等参画状況調査」(平成24年度) (4)管理職の登用状況はどうなっていますか ポイント・ 1 ポイント・ 2 ポイント・ 3    女性の管理職への登用状況(東京都)     役   員  8.1%    部長相当職  5.9%     課長相当職  8.9%    係長相当職  13.0% (5)非正規従業員比率はどうなっていますか ポイント・ 1 「パートは女性のみ、契約社員は女性のみ」、「既婚・子どものいる女性は パート採用のみ、正社員としては採用しない」といった募集は均等法違反で す。正規、非正規をバランスよく採用・配置することが求められています。 ポイント・ 2 正社員を募集するにあたっては、非正規社員に対して、あらかじめ募集 を行うことやその内容を周知し、希望者には優先的に応募する機会を与 えたり、正社員への転換制度を設けることが求められています。 ステップ2 「東京都男女雇用平等参画状況調査」(平成15年度)

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16 パートや契約社員も企業の大切な構成員です。契約期間が決まっている、 あるいは、働く時間が短い、といった場合でも、働く日数に応じて有給休 暇を与える義務があります。 休業の取得によって雇用の継続が見込まれる一定範囲の有期契約社員 は、育児・介護休業の対象となります。なお、有期契約社員でも実質的に期 間の定めのない契約と異ならない場合(契約の更新や正社員と同様な業務 の実態がある場合等)には、上記の一定範囲に該当するか否かにかかわらず 育児・介護休業の対象です。

❷ 男女の均等な待遇の確保の現状を分析する

チェックシートBを使用し、職場の男女平等に関する基本的な事項についてみてみましょう。 ※ チェックシートBの「いいえ」の項目が「ゼロ」の場合は、17 ページ「③ 社内アンケート調査で問題点を把握・分析する」へ (1)就業規則を整備し、従業員に周知していますか ポイント・ 1 就業規則は、基本的な労働条件や服務規律を定めた企業のルールです。就 業規則を整備して、従業員に周知しておくことによって、効率的な労務管理 が可能になると共に、従業員にとっては自らの労働条件を知って安心して 働くことができ、トラブルの防止にもなります。育児・介護休業規程など も作成し、周知しておくことが必要です。 ポイント・ 2 周知の方法は、次のいずれかによる、とされています。         イ 事業所内の見やすい場所に掲示または備え付ける。         ロ 書面で交付する。         ハ 磁気ディスク等に記録し、従業員がパソコン等でいつでも確認で       きるようにしておく。 ポイント・ 3 就業規則を書面で交付している場合でも、雇入れ時に労働契約期間、就業 場所、業務内容等については書面で明示することが必要です。 (2)基本給や手当の基準は男女同一ですか ポイント・ 1  基本給が男女別である、男女で昇給基準が異なる、家族手当の支給に必要 な書類が男女で異なる、などは認められません。合理的な理由のない男女の 賃金格差は違法です。 ポイント・ 2  世帯主・非世帯主や扶養家族の有無で基本給や手当に差をつける、といっ た間接的な差別も、その基準に合理性がなく、女性に著しい不利益となる 場合は認められません。 ポイント・ 3 職務内容や職責から判断して同価値と評価される職務にもかかわらず、女性の 賃金が低く評価されている場合も、男女差別と認められる判例がいくつかあります。 (4) パートや契約社員にも有給休暇や育児・介護休業を与えていますか ポイント・ 1   ポイント・ 2 ステップ2 (3)36 協定を締結して、届け出てありますか ポイント・ 1  時間外や休日労働がある場合は、労使協定(36協定)が必要です。また、協 定を労働基準監督署に届け出ておくことが必要です。 ポイント・ 2  時間外労働の延長時間の限度が定められています。一般労働者の場合の 上限は、1か月 45時間、年間 360時間などです。 ポイント・ 3   育児・介護を要する家族がいる男女従業員は、上記にかかわらず、時間外 労働の制限(1か月 24時間、年間 150時間)や深夜業の制限を請求できます。   ※3歳に満たない子を養育する労働者は、所定外労働の免除を請求することもできます。    (平成 22 年6月 30 日施行、育児・介護休業法)

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17 (5)社宅の入居条件や住宅資金の貸付などの条件は男女同一ですか ポイント・ 1  独身寮は男性のみ、女性は自宅通勤に限る、などは認められません。 ポイント・ 2   対象を「世帯主」としている場合でも、女性について男性に比べて不利 な条件を課した場合は、差別に該当します。 (6)定年や退職条件は男女同一ですか ポイント・ 1  男女とも60歳未満の定年は認められません。さらに平成18年4月1日施行 の高齢者雇用安定法では、65歳までの雇用の安定確保を図る措置の導入が 義務づけられ、平成25年4月1日施行の高齢者雇用安定法で、希望すれば 65歳まで安定した雇用が確保される仕組み等が導入されました。また、勧奨 退職にあたって、女性に男性と異なる条件を付けることも認められません。 ポイント・ 2  採用面接にあたって、女性にのみ、結婚の予定や「子どもが生まれても 働き続けるか」などの質問をすることも認められません。

Q1

A1

Q2

A2

❸ 社内アンケート調査で問題点を把握・分析する

 社内の現状について、従業員(男女)や管理職がどのように考えているかをアンケート 調査し、問題点を分析してみることも必要です。アンケート調査の対象には、正社員だけ でなく、パートや契約社員も含めることが望まれます。  社内アンケート調査は、従業員の意見や要望を把握して取組目標を決める参考になるだ けでなく、企業の取組の姿勢を従業員に周知する効果もあります。

❹ 問題点への対応 Q&A

 問題点にどのように対応して、取組を進めたらよいか。よくある質問を次に挙げますの で、参考にしてください。  当社は建設業ですが、建築科や土木科の女性は少ないので女性の採用といっても 無理があります。  たしかに女子学生の多い学科、少ない学科は現実的に存在します。しかしその中 でも女性を重機のオペレーターや、建築士として採用している建設業の会社も少な くありません。逆に言えば活躍の場を求めている理工系の女子学生も多いのです。 最初からあきらめるのではなく、彼女たちにどうアピールするかを考えましょう。  現場の男性管理職の中には女性雇用に理解がある者もいれば理解が不十分な者も います。不十分な者にどうやって教育すればいいでしょうか。  座学でいくら教育しても、実感というものは変わらないものです。意識を変える には目の前に実績をみせることが第一でしょう。他部門で活躍している女性の実績 を示し、女性を活躍させないと今後他部門にひけをとってしまうことを認識させる ことは一つの方法です。 ステップ2 パートや契約社員を含むすべての社員を対象とした制度整備や処置の改 善は、多様な社員を活用し、戦力化するうえで必要な課題です。 ポイント・ 3

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Q3

A3

Q4

A4

Q5

A5

Q6

A6

 優秀だと思う女性に管理職試験受験を勧めるのですが、「責任ある仕事はしたく ない」といって受験しません。人事としては女性の管理職比率を上げたいのですが、 うまくいきません。  難問です。人にはそれぞれ価値観、生き方があります。他の考え方を押しつける ことは基本的によくないことです。無理に昇進させてもつぶれてしまう女性は少な くありません。この点は数値だけをとらえるのではなく、女性に活躍の場を提供す る、という企業の姿勢を保ち続けることも重要だと考えてください。  もっとも、その女性が管理職になりたくない本当の理由は社内にあるのかもしれ ません。管理職があまりにハードワークであったり、責任追及が非常に厳しかった りすると女性に限らず男性でも尻込みするでしょう。従業員が活き活き働いている 職場か、振り返ってみることも必要です。  育児休業や介護休業で社員が休むと欠員補充をせねばなりませんが、休業終了後 に復帰してくると補充した者が余剰になります。この余剰人員は簡単に解雇できる のでしょうか。  社員の解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合 は、権利の濫用として無効となります。そのため実務上は派遣社員や短期のパート を活用することが一つの方策です。しかし管理職や専門職の女性の場合は派遣社員な どで代替することは困難な場合も考えられます。こうしたときには業務の効率化を はかり周囲で少しずつ業務を分担するなどの工夫が必要です。  育児休業制度を整え、周囲の社員も休んでいる社員の仕事をカバーして頑張って いるのに、復帰しても元の職場になじめず辞めてしまうケースがあります。これで は、せっかく制度を整えても意味がないように思います。  育児休業期間は長いので、休業後スムーズに職場復帰できるかどうか社員は不安 に思っています。そこで企業としては、次のような支援策を取ってみてはどうでし ようか。①休業している社員へ社内情報などの定期的な提供、②休業中、自宅でで きるスキルアップのための講習、③職場復帰直前や直後の講習、などがあげられま す。こうした職場復帰支援をする企業に対しては、国がその費用の一部を助成する 制度があります。  経営トップにポジティブ・アクションを提案したいのですが、なかなか耳を傾け てもらえません。また、中小企業では無理ではないでしょうか。  今後確実に労働力は不足していきます。そうした中で優秀な人材を確保しようと すると、男性だけでは足りなくなることは目に見えています。優秀な女性を確保し、 その女性に活躍の場を与えることで将来を拓いていかなくては、とおっしゃって みてはどうでしょう?それでも耳を傾けなかったら……この冊子をお読みになるこ と、もしくは労働相談情報センターが経営者向けに実施している「男女雇用平等セ ミナー」への参加をお勧めしてはいかがでしょう。 ステップ2  また、中小企業は従業員数の少ない分、優秀な人材の確保や人材の活性化が重要 です。そのためにはポジティブ・アクションが効果的であり、取り組む意欲があれ ば実践可能です。この冊子では、比較的小規模企業のものも含め、中小企業でも参 考になる事例をいくつか取り上げてあります。「これならできる」と思われるものか ら、まず実践してみてください。

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19 チェックシートB に「いいえ」がある *チェックシートBの項目は、すべて法令で義務付け られています。 チェックシートA-1 男女別平均勤続年数の男女差が 3年以上である *男女の勤続年数の差は縮小しており、東京都の平均 は2.5年です。 チェックシートC-1 〔女性の勤続年数の伸長〕の「は い」の項目数が、7つ以下 * チェック項目のうち、7つが法令で義務化されて いるもの、3つが努力義務規定のものです。 チェックシートC-2 〔職場の雰囲気・風土の改善〕の 「はい」の項目数が、5つ以下 *チェック項目のうち、4つが法令で義務化されているものです。 チェックシートA-1 従業員数の女性比率が4割以下 *女性の職場進出が拡大しており、従業員の女性比率 の平均は約4割です。 チェックシートC-3〔女性の採用拡大〕の「はい」の項目 数が、7つ以下 *チェック項目のうち、6つが法令で義務化されているものです。 チェックシートA-2 女性を採用しない部門がある * どの部門にも男女をバランス良く募集・採用する ことが求められています。 チェックシートA-1 管理職数の女性比率が著しく低い *女性管理職は増加しています。 チェックシートD-1 女性比率が4割以下の部門がある * 男女のバランス良い配置が求められています。平 均女性比率は約4割です。 チェックシートC-4〔女性の職域拡大、管理職の増加〕 の「はい」の項目数が、7つ以下 * チェック項目のうち、4つが法令で義務化されて いるもの、1つが努力義務規定です。(P12 参照) チェックシートE 〔多様な働き方の確保・パート社員 等の処遇〕の「はい」の項目数が、7つ以下 * チェック項目のうち、7つが法令で義務化されて いるもの、4つが努力義務規定です。(P13 参照) 〈目標1〉 均等な待遇の確保 〈目標2〉 女性の勤続年数の伸長 〈目標3〉 職場の雰囲気 ・風土の改善 〈目標4〉 女性の採用拡大 〈目標5〉 女性の職域拡大、管理 職の増加 〈目標6〉 多様な働き方の確保 21ページ 22ページ 24ページ 26ページ 27ページ 29ページ 現   状 チェック 望ましい取組目標 取組策等

ステップ 3 

目標を決め、具体的な取組計画をつくろう 

❶ 経営者の基本方針に基づき、取組目標を決める

 ステップ2で問題点を把握・分析したら、結果を経営者に報告し、基本方針に基づき、 企業としての取組目標を決めましょう。  ポジティブ・アクションを進めるためには、組織的な取組が必要です。そのためには、 企業としての方針・取組目標をどうするかを決めておくことが必要です。  社内アンケートなどにより出された意見や記入したチェックシートA∼Eを使い、次の 表を参考にして、具体的な取組目標を決めましょう。

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20        チェックシート B  男女の均等な待遇の確保   女性の勤続年数の伸長 C 職場の雰囲気・風土の改善   女性の採用拡大   女性の職域拡大、管理職の増加 E  多様な働き方の確保・パート社員等の処遇 「はい」の数   「いいえ」の数   「検討中」の数 ☆ 目標に対する取組策を作る前に、下記の表とグラフを用いて取組目標に対する企業の 現状の全体像を把握しておきましょう! 上記の表のそれぞれの項目の「はい」 の数を下のグラフに落としこみ、線 で結んで下さい。 10 10 10 10 10 10 5 5 5 5 5 5 0 C−4 女性の職域拡大、 管理職の増加 C−1 勤続年数の伸長 B 均等な待遇の確保 女性の採用拡大 C−3 E 多様な働き方の 確保 C−2 職場の雰囲気・風土 ステップ3

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21 ステップ3  

❷ 具体的な取組策をつくる

 目標が決まったら、具体的な取組策を検討します。  目標ごとに、取組のポイントと具体的な取組事例をあげてありますので、参考にしてく ださい。

目標 1

均等な待遇の確保

 取組のポイント  ■ チェックシートBの項目は、すべて法令で義務付けられています。「いいえ」にチェッ クがついた事項を中心に改善に取り組むことが必要です。  ■ 雇用における男女平等を進めるためには、男女雇用機会均等法などに定める、男女 を差別しない扱いを確保することが必要です。  取組策  ① 正社員だけでなく、パートや契約社員の就業規則も整備し、周知する    就業規則を整備し、従業員に周知することは、労務管理の基本です。パートや契約社員も常時雇 用する労働者に含まれます。この機会に、就業規則全体を点検・整備し、従業員に周知しましょう。  ② 基本給や昇給基準、手当の支給基準を男女同一にする    給料や手当の支給基準を男女同一にするよう見直すだけでなく、間接差別や賃金の同一価値労働 同一賃金原則についても検討しましょう。    本人給における世帯主・非世帯主基準や勤務地限定・無限定基準のような間接的な差別であって も、その適用の結果生じる効果が女性に一方的に著しい不利益となることを容認して制定、適用さ れた場合は違法であるという判決も出されています。    また、合理的理由のない賃金の男女差別は労働基準法で禁止されており、職務内容や職責から判 断して同一価値と評価される職務にもかかわらず、女性の賃金が低く評価されている場合も、男女 差別と認められる判決がいくつか出されています。  ③ 育児・介護を要する家族がいる従業員の時間外労働の制限に関する事項を就業規則に規定する    育児・介護を要する家族を有する男女従業員は、時間外労働や深夜業の制限を要求することがで きます。(1か月 24 時間、年間 150 時間)    制限を要求できることを就業規則に定めておくことが基本です。  ④ 社宅の入居条件を男女同一のものにする    入居条件を「世帯主」としている場合でも、女性についてのみ収入証明を提出させるなど男性よ り不利な条件をつけることは認められません。  ⑤ 男子独身寮、女子独身寮の設置又は借上げをする    独身寮は男性のみ、女性は自宅通勤にかぎる、といったことは認められません。男子寮のみの場 合は、女子寮を設置する、女性を世帯用社宅に入居させる、住宅を借り上げ貸与する、などの取組 策が必要です。  ⑥ 住宅資金などの福利厚生の対象、条件を男女を差別しないものとするように見直す    住宅資金の貸付や利子補給などは、従業員の資産形成を図り、安定した生活の基礎となるもので す。女性や独身者を排除せずに、従業員であれば誰でも公平に福利厚生の対象にすることが望まれ ます。

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22 ステップ3   【取組事例】 福利厚生制度の従業員間の不公平感を解消し、原資の最適配分を実現するため、カ フェテリアプランを導入。従業員(正規社員、嘱託、契約社員)は付与された年間ポ イントのなかで、自由にメニューを選択できる制度とした。(サービス業、従業員 600 人)  ⑦ 定年年齢、退職条件を見直す    定年は男女とも同一年齢で、60 歳以上が基本です。さらに平成 18 年4月1日施行の高齢者雇用 安定法では 65 歳まで雇用の安定確保を図る措置の導入が義務づけられ、平成 25 年4月1日施行 の高齢者雇用安定法で、希望すれば 65 歳まで安定した雇用が確保される仕組み等が導入されまし た。結婚退職金優遇制度は、女性の若年での退職を促進することにつながり、均等法の趣旨に反す るだけでなく、賃金の男女差別にあたり、認められません。再雇用や勧奨退職の条件を男女で異な るものとすることも認められません。 ※労働相談情報センターでは就業規則や育児・介護休業規定の整備に関する資料を揃えて労使の相談 に対応しています。最寄の労働相談情報センターにご相談ください。(74 ページ参照)  

目標 2

女性の勤続年数の伸長

 取組のポイント  ■ 男女の勤続年数の差は縮小しており、東京都の平均は 2.5 年です。女性がその能力 を発揮して働くためにも、企業にとって意欲と能力のある人材を失わないためにも、 この差を縮める取組が求められています。  ■〔女性の勤続年数の伸長(C-1)〕のチェック項目のうち、7つが法令で義務化さ れているもの、3つが努力義務規定のものです。努力義務規定の事項も含めた取組 が求められています。  取組策  ① 育児・介護休業を取得しやすい制度と体制を整備する    育児・介護休業規程があっても取得しにくい雰囲気はありませんか。    取得しなかった理由として、「仕事が忙しい」「利用しにくい雰囲気」「同僚に迷惑がかかる」「経 済的な理由」などがあげられています。休業する従業員にとって、休業している間、人員の補充が ないと思えば取得をためらうでしょうし、周囲の従業員にとっても、休業者の仕事を肩替わりしな ければならないと思えば、利用しやすい雰囲気にはならないでしょう。    また、休業した場合、一般的には収入が育児休業給付のみになり、家計が苦しくなることが多い ので、経済的な理由で休業しない、あるいは短時間勤務を希望することも考えられます。こうした ことを考えて、取得しやすい体制を整備することが必要です。   ☆支援制度: 東京労働局雇用均等室「中小企業両立支援助成金(代替要員確保コース)」(60 ペー ジ参照)   【取組事例】 取得しやすい制度にするため、育児・介護休業、短時間勤務、フレックスタイムの 制度を定め、従業員全員にリーフレットを配布して周知を図っている。これらの制度 の中から従業員が自分にあった制度を申請できるよう、申請書を社内のイントラネッ トからダウンロードできるようにしている。         また、休業した場合は、職務に応じて、派遣社員で代替するか正社員を配置転換し て代替している。短時間勤務の場合は、組織の業務分担を見直し、無理なく短時間勤

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23 ステップ3 務できるよう配慮している。また、必要に応じて派遣社員を利用している。こうした 結果、すべての制度について利用者があるようになった。(製造業、従業員 3,800 人)  ② 育児・介護に関する両立支援制度を法を上回る内容にする     ※育児・介護休業法の改正について(平成 24 年 7 月 1 日全面施行)(72 ページ参照)    法律で定められた両立支援措置は最低限のものです。法を少し上回った制度にすることによって、 より利用しやすくなります。また、従業員が安心して仕事に精励でき、仕事に対する習熟度が増す ことは企業にとってもメリットが大きいといえます。   ☆支援制度: 東京労働局雇用均等室「両立支援助成金(子育て期短時間勤務支援助成金)」(59 ペー ジ参照)   【取組事例】 育児短時間勤務制度、フレックスタイム制度、時間外免除制度を希望によって取得 できる(併用も可)こととすることにより、柔軟な勤務形態が可能になっている。ま た、育児休業を取得せずに短時間勤務制度等を利用する社員には、子どもが1歳にな るまで、保育施設費用の半額を補助している。         休業した社員には、月2回、社内情報紙を送ると共に、定期的に連絡をとって、職 場復帰しやすいように配慮している。         社員からは、さまざまな両立支援制度があるので働き続けることができる、勤務時 間が短い分時間を大切に使うようになった、と好評で、女性社員の勤続年数が伸びた。 (出版業、従業員 980 人)  ③ 子ども看護休暇制度を設け、利用しやすい職場づくりをする    小学校就学前の子を養育する男女労働者は、対象となる子が1人の場合は年5日まで、2人以上 の場合は年 10 日まで看護休暇が取得できます。(72 ページ参照)    事業主は子の看護休暇の申出があったときにはこれを拒むことはできません。時間単位や半日単 位で取得できる制度にすると、より利用しやすくなります。   【取組事例】 本人、家族の病気の時だけでなく、子どもの学校行事やボランティアのためにも 「休暇制度」を設け、育児、介護等で仕事を辞めざるを得ない状況を無くし、安心して、 活き活きと働き続けられる会社を目指している。(情報サービス業、従業員 4,200 人)  ④ 育児休業者の職場復帰のためのプログラムの実施    育児休業をした従業員がスムーズに職場復帰するためには、休業中の従業員に企業や仕事に関す る情報を送ったり、復職後に担当する業務の説明や打合せをするなど、計画的に職場復帰プログラ ムを実施することが必要です。   ☆支援制度:東京労働局雇用均等室「中小企業両立支援助成金(休業中能力アップコース)」(60 ペー ジ参照)   【取組事例】 育児休業中の社員とインターネットを利用して定期的に情報交換をしたり、休業中 にインターネットを利用してスキルアップのための講習(パソコン講習など)を受け られる職場復帰プログラムを導入している。(製造業、従業員 15,000 人/グループ)

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24 ステップ3  ⑤ 育児・介護を要する家族がいる従業員を配置転換の対象外とするなどの配慮    全国転勤が原則の総合職であっても、子どもが義務教育の中学生までは配慮が必要です。保育園 の転園は、全国的に待機児が多い現状では大変です。また、小中学生にとって、両親と一緒に生活 できないことは、子どもの心身の発達において望ましくないと言われています。こうしたことから、 育児・介護休業法の施行にあたっての通達では、中学生までの子を有する従業員の転勤にあたって は配慮が必要である、とされています。   【取組事例】 転勤できない女性が辞めたり、無理に転勤させて不安定な状態で職務に携わること のないよう、申請により特定勤務地での勤務を可能とする「勤務地特定認定制度」を 設けた。この結果、女性だけでなく、男性も認定を受けて、育児や親の介護と仕事を 両立して活き活 きとして働いている。(出版業、従業員 900 人)  ⑥ 託児施設を事業所内に設置する    保育所は待機児が多く、1歳末満では入所しにくい、年度途中では入所しにくい、といった状況 があります。また、保育時間が標準的な勤務時間にあわせて設定してあるため、交替勤務職場や土 日勤務のある職場で働く人にとっては利用しにくい状況があります。事業所において、託児施設が 設置されていれば、安心して子どもを預けることができ、仕事と子育ての両立が可能になります。   ☆支援制度:東京都福祉保健局「事業所内保育施設支援事業」(56 ページ参照)         東京労働局雇用均等室「両立支援助成金(事業所内保育施設設置・運営等支援助成金)」 (59 ページ参照)   【取組事例】 出産・育児をしながら長く働いてほしいので、育児休業制度を整備しているが、交 替勤務職場なので、保育所に子どもを預けて働きにくい状況に対応し、事業所内に託 児所を設置している。女性の離職者はほとんどなくなり、平均勤続年数は、女性の方 が1年ほど長くなっている。(病院、従業員 290 人)  ⑦ 育児・介護費用の補助    残業や日曜出勤のため、子どもを保育所に預けられずにベビーシッターなどを頼むと、会社から 出る残業手当を超える多額の費用がかかります。費用を補助することによって、やむを得ない残業 や休日出勤にも応じてもらいやすくなります。   【取組事例】 育児ホームヘルパー、ベビーシッターを利用したときに、1回 5,000 円補助する制 度を設けている。(情報サービス業、従業員数 80 人)  

目標 3

職場の雰囲気・風土の改善

 取組のポイント  ■〔職場の雰囲気・風土(C-2)〕のチェック項目は、4つが法令で義務化されているものです。  ■ 女性がその能力を発揮して働き続けるためには、セクシュアルハラスメントの防止 や企業風土の改善など、働きやすい職場環境を整備することが求められています。  取組策  ① セクシュアルハラスメントの防止に取り組む    セクシュアルハラスメントは、ひとたび発生すると、被害者が心身ともに大きなダメージを受け、

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25 ステップ3 退職に追い込まれるなど、働く権利の侵害であるだけでなく、就業環境を悪化させます。使用者に は、労働者が良好な職場環境で働くことができるよう措置を講ずる義務があり、セクシュアルハラ スメント防止の取組が必要です。   ☆支援制度:東京都では、セクシュアルハラスメントの防止を支援するための資料を発行・配布す るとともに、労働相談情報センターにおいて労使の相談に対応しています。(74 ペー ジ参照)   【取組事例】 働きやすい職場づくりのため、育児休業取得者とその上司にアンケート調査を行な い、制度の運用上の問題点や改善点を聞いて、制度を利用しやすいものとするよう努 めるとともに、セクシュアルハラスメント防止規程を定め、社員相談室やセクハラ ホットラインの設置などに取り組んでいる。(医薬品製造業、従業員 700 人)  ② 性別役割分担意識をなくし、対等なパートナー意識をもつよう啓発する    セクシュアルハラスメントは女性を職場における対等のパートナーと見ないところから発生しま す。性別役割分担意識をなくし、男女が共に働きやすい職場となるような従業員の意識啓発も必要 です。   【取組事例】 社員がお互いに「さん」づけで呼ぶように徹底したり、旧姓使用を認めることにし てみたところ、定着するにしたがって、社員が対等なパートナー意識をもつようにな り社内風土が変わってきた。(製造業、従業員 500 人)  ③ 男女別休憩室、トイレ、ロッカー等の整備    休憩室やロッカーが男女別になっていないために、疲れたときに休めない、着替えが不自由と いった苦情があります。また、このため、セクシュアルハラスメントが発生し、事業主の職場環境 配慮義務違反が認められた事件もあります。正社員だけでなく、パートや派遣社員も利用できる休 憩室、ロッカーの整備も、働きやすい職場づくりには必要です。   【取組事例】 休憩室のほかに、従業員が無料で利用できるマッサージルームを設置し、疲れたと きに利用できるようにしている。(情報サービス業、従業員 300 人)  ④ 全従業員を対象にしたフレックスタイム制の導入    フレックスタイム制度が導入されていれば、保育園の送迎を夫婦で分担して行ったり、残業を夫 婦で調整して仕事と子育ての両立を図るなど、賃金を減額されることもなく、職場の同僚に気兼ね することなく可能であるとして、子育て中の従業員には希望の多い制度です。   【取組事例】 職種、仕事内容等によりフレックスタイム制度を導入しているので、男女従業員が 仕事と育児の両立のためによく活用しており、子育てをしながら働き続けられる社内 風土が醸成されている。(印刷業、従業員 200 人)  ⑤ 全社的に、有給休暇の取得率の向上、時間外労働の縮減に取り組む    仕事が忙しくて、有給休暇が取れない、時間外労働が多い、といった状況では、子育てと仕事の 両立は困難です。また、時間外労働が多い職場では、保育園の迎えのために定時に退出しにくい、 という声もあります。業務の分担や仕事の仕方を見直して、時間外労働の縮減を図り、有給休暇の 取得率の向上を図ることが必要です。

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26 ステップ3   【取組事例】 働きやすい職場をめざして、有給休暇の消化率 100%を目標にしており、ほぼ目標 を達成するようになった。こうした、労働条件の良さに支えられて、女性の離職率が 減り、勤続年数も長くなっている。(医療業、従業員 200 人)  ⑥ 従業員アンケートを行うなど、従業員の要望や意見を取り入れる体制づくり    正社員だけでなくパートや契約社員も含めてアンケートをして、従業員の会社に対する要望や意 見、セクシュアルハラスメントの実態などを調べてみることも必要です。その際、不利益な扱いを しないことを明示して調査することが、従業員の会社に対する率直な意見を引き出し、職場の雰囲 気を良くすることにつながります。   【取組事例】 社員が気持ちよく働ける環境にあるかを検証するため、2年に1度、全社員を対象 に調査を行い、その結果に基づいて改善計画を検討している。そのほか、産休と育児 休業取得者とその上司に対してアンケート調査を行い、制度の運用上の問題点や改善 点を聞いて、制度を利用しやすいものとするよう努めている。(医薬品製造業、従業員 700 人)

目標 4

女性の採用拡大

 取組のポイント  ■ 女性の職場進出が拡大しています。従業員の女性比率の平均は約4割ですが、業種 により差があります。全体平均より低いところは全体平均を、全体平均より高いと ころは業種別平均を、参考にして目標を決めましょう。  ■〔女性の採用拡大(C-3)〕のチェック項目は、6つが法令で義務化されているも のです。性別役割分担意識を解消し、男女が共に働きやすい労働環境を実現するた めには、男女バランスよい採用と配置が求められています。  取組策  ① 選考基準を男女同一のものにする    男女で年齢基準を別にする、女性のみ自宅通勤に限る、女性は未婚者優先とする、子どものいる 女性は正社員にしない、女性は容姿端麗を条件にするなど、男女異なる基準は法律違反です。能力 に基づいた公正な採用選考がされるよう、男女同一の選考基準を設けることが必要です。   【取組事例】 男女差別ない採用基準を定めて、全員を総合職として採用し、男女の別なく処遇し ている。また、全社的にフレックスタイム制度を導入しているので、仕事と家庭の両 立が普通になっている。(情報サービス業、従業員 300 人)  ② 面接・選考体制の見直し    選考基準を男女同一のものとしたら、それが実施されるためには、面接・選考体制もあわせて見 直すことが必要です。    採用試験の内容を男女同一にする、採用面接での質問は男女同一にする、面接・選考担当者に女 性を入れるなども必要です。    面接にあたっての注意事項などをマニュアル化することも、不用意な個人的興味での質問を避け、 公正な採用選考を実施するためには効果的です。

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27 ステップ3  ③ 募集方法の見直し    募集にあたっての情報提供を男女同一にすることが必要です。また、一般職の求人を女子大や短 大のみに出すことは、女子のみ募集を禁止した均等法に違反します。    能力主義に基づく募集、採用が、優れた従業員を確保することにつながります。   【取組事例】 履歴書には写真の添付を求めず、書類選考し、面接にあたっては、あらかじめ決め られた評価基準により、複数の面接担当者が評価し、その総合点で採用を決めている。 面接担当者には女性も入れている。(製造業、2,000 人)  ④ 女性の少ない職種での女性の優先採用    女性の少ない職種について、女性の多い学部や女子大に求人を出すことは、均等法違反ではあり ません。女性が4割を下回っている職種において、女性を優先的に採用することはポジティブ・ア クションとして奨励されています。    男女がさまざまの職種にバランスよく採用され、配置されることは、多様な顧客のニーズへの対 応力を増すことになります。   【取組事例】 現在、従業員の女性比率は1割なので、今後 40%を女性の採用枠として、優先的に 採用することとしている。(卸売・小売業、従業員 1,200 人)

目標 5

女性の職域拡大、管理職の増加

 取組のポイント  ■ 特定の職種や部門の募集・採用の対象から女性を排除することなく、どの部門にも 男女をバランス良く配置することが求められています。  ■ 女性管理職は増加しています。業種により差がありますが、全体平均より低いとこ ろは全体平均を、全体平均より高いところはさらなる増加をめざして目標を決めま しょう。  ■ 男女が共にその能力を発揮して働くためには、その能力に基づいた配置と登用が求 められています。また、どの部門にも男女をバランス良く配置することが望まれます。 平均女性比率は約4割です。  ■〔女性の職域拡大・管理職の増加(C-4)〕のチェック項目は、4 つが法令で義務化 されているもの、1 つが努力義務規定です。努力義務規定の事項も含めて取組が求 められています。(12 ページ参照)  取組策  ① どの職種にもバランス良く男女を配置する    営業職、技術職、総合職など女性の配置が少ない職種をチェックし、どの職種にもバランスよく 男女を配置することが、奨励されています。どの職種にもバランスよく男女を配置することは、女 性の意欲を増し、能力発揮を促すとともに、男女がともに働きやすい職場づくりにもつながります。

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28 ステップ3   【取組事例】 社内公募等により、男女の別なく部署間の異動が可能である。その結果、社内意識 調査を行なったところ「仕事上性別を意識しない」「仕事上差別を受けたと感じたこと がない」とする従業員が、ともに8割にのぼるなど、性別にとらわれず能力を発揮で きる職場となった。(機械販売業、従業員 90 人)  ② コース別雇用管理制度の見直し    基幹的な業務と定型的・補助的な業務に区分して、コース別雇用管理をしている場合であっても、 事実上の男女別雇用管理として機能している場合は、均等法等の主旨に反し問題があります。従業 員の意欲と能力に応じた処遇と育成がされるような制度に見直すことや、コース間の転換を柔軟に 行えるような制度に見直すことが必要です。   【取組事例】 コース別雇用管理を見直し、能力主義の人事制度とし、性別にとらわれず活躍でき るようにした。あわせて、両立支援制度を整備し、女性が結婚、出産を経ても、能力 を発揮して働きやすい環境を整備した。(サービス業、従業員 60 人)  ③ 女性の職域拡大、登用のための研修実施    女性が少ない職務や役職にいきなりつけるのではなく、育成のための研修をする、あるいは社外 の研修会に参加させるなども必要です。研修に参加することによって、参加した女性の自覚と能力 が高まるだけでなく、周囲も研修に参加したことを評価し、研修の成果を発揮して仕事を進めやす くなります。   【取組事例】 正社員だけでなくパート社員もステップアップの研修の対象にし、社内研修、社外 研修(通信教育補助など)を実施し、女性幹部の育成に意識的に取り組んでいる。(卸 売・小売業、従業員 1,200 人)  ④ 昇進、昇格基準の見直し    昇進、昇格基準を男女同一のものを定め、従業員に周知することによって、従業員が自分のキャ リア目標を持てるようになります。コース別雇用管理をしている場合であっても、コース間の転換 制度を柔軟に設定し、どのコースであっても、昇進、昇格の機会が均等に与えられることが、従業 員の意欲の向上には必要です。   【取組事例】 能力主義に基づく人事制度を導入し、男女格差のない人事評価基準が明確にされて いる。目標管理は年2回行なわれ、上司との面談により、目標設定と評価説明がされ る。この結果、従業員の3分の1、管理職の1割が女性で、女性が能力を発揮して働 くことができる環境が整っている。(卸売・小売業、従業員 90 人)  ⑤ 女性管理職の増加    女性の経験と知識を活かすためには、女性を積極的に管理職に登用することが必要です。能力の ある女性を評価して管理職に登用することにより、女性がキャリア目標を持ち、意欲的に働き続け る社内風土も醸成されます。   【取組事例】 女性管理職比率を 1.2%から、3年間で5%に引上げる目標を設定し、公募による 管理職登用制度で、女性は別枠を設定して募集。女性応募者には研修も実施し、バッ クアップを図っている。(製造業、従業員 1,800 人)

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29 ステップ3  ⑥ パートや契約社員から正社員への転換制度を設ける    パートや契約社員であっても、長く勤めていれば補助的な業務だけでなく、正社員と同様に働い たり、管理的な業務ができる人もいます。また、子育てと両立させるためパートで働いているが、 子どもの手が離れれば正社員として働きたいと考えている人もいます。パートや契約社員として働 き、経験を積んで能力のある人を積極的に正社員に転換させることも必要です。   ☆支援制度:東京都産業労働局「非正規労働者雇用環境整備支援事業」(55 ページ参照)   【取組事例】 週休3日の契約社員制度を導入し、本人の希望で、正社員との相互転換が可能な制 度としている。結婚等により本人の希望で契約社員に転換し、その後正社員に復帰し てマネージャーに登用されている従業員もいるなど、個人のライフスタイルに合わせ た多様な働き方を可能にしている。(サービス業、従業員 570 人)

目標 6

多様な働き方の確保

 取組のポイント  ■ 派遣、パート社員のうち、正社員への転換を希望する者も多く、労働条件の改善を 希望する者も多くなっています。男女が多様な働き方を選択し、差別なく働き続け られる環境を整備することが必要です。  ■〔多様な働き方の確保・パート社員等の処遇(E)〕のチェック項目のうち、7 つが 法令で義務化されているもの、3 つが努力義務規定です。努力義務規定の事項も含め、 平成 20 年4月に施行された、改正パートタイム労働法では、パートタイム労働者 の適正な労働条件の確保、雇用管理の改善、通常の労働者への転換の推進、職業能 力の開発及び向上等に関する措置を講ずべきこととしています。  取組策  ① パートや契約社員などに適用される就業規則を作成する    就業規則は通常の労働者ばかりでなく、パートタイム労働者も含む全ての労働者に適用されます ので、それぞれに異なった事項がある場合には、就業規則の中に特別な規定を盛り込むか、パート タイム労働者用の就業規則を作成する必要があります。作成にあたっては、パートや契約社員の意 見を聴くことが必要です。  ② パートや契約社員にも育児・介護休業を与える    一定範囲の有期契約の社員も育児・介護休業の対象です。    ※一定範囲の有期契約社員とは、申出時点において以下のすべての要件を満たす者です。        ・ 同一の事業主に継続して雇用された期間が 1 年以上であること。        ・ 子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること。        ・ 子が1歳に達する日から1年を経過する日までの間に、労働契約期間が満了し、かつ、          労働契約の更新がないことが明らかでないこと。  ③ パートや契約社員も正社員と同様に、教育訓練や昇進、昇格の対象にする    パート社員の多くは、労働条件の改善を希望しています。パートの戦略化を図るためには、仕事 や意欲・能力に応じた処遇を図る必要があります。

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30 ステップ3   【取組事例】 研修、管理職への登用はパート社員も対象にしている。賞与も支給するほか、正社 員への転換制度を設け、パート店長、パートのチームリーダーも 20 名近くいる。(卸 売・小売業、従業員 1,200 人)  ④ パートや契約社員から正社員に転換できる制度を設ける    補助的な仕事をしているパートであっても、勤続の長い人や働く時間数の長い人ほど、正社員を 希望する割合が高く、仕事の内容も正社員に近くなっている場合があります。    また、正社員でも、子育て期は短時間で働きたい、という希望があります。正社員のままで、労働 時間を調整できる制度があれば、仕事と家庭生活のバランスを考えて働けるのではないでしようか。   ☆支援制度:東京都産業労働局「非正規労働者雇用環境整備支援事業」(55 ページ参照)   【取組事例】 従業員の7割がパート社員であるが、賞与、退職金、福利厚生などは勤務形態に関 わらず同一にしている。また、パートと正社員との相互転換制度があり、本人の希望、 実績に応じて正社員に登用するなど、柔軟な対応をしている。(サービス業、従業員 580 人)  ⑤ パートや契約社員にも賞与、退職金を支給したり、福利厚生制度の対象にする    勤務時間が長く、勤続年数が長いパート社員については、正社員との均衡ある扱いの観点からも、 正社員に準じた処遇が望まれます。   ☆支援制度:東京都産業労働局「非正規労働者雇用環境整備支援事業」(55 ページ参照)   【取組事例】 パート社員が主戦力となっているので、パート社員に対しても、賞与、退職金を勤 続年数、勤務時間数に応じて支給している。その他、永年勤続表彰、福利厚生制度、 社員旅行等については、勤務形態にかかわらず、正社員、パート社員同一に行ってい る。(サービス業、従業員 500 人)  ⑥ 女性の再雇用制度を設ける    結婚、出産を期に退職し、子育てが一段落したら働きたい、とする女性は多くいます。ただ、再 就職の場合、なかなか正社員には採用されず、やむなくパートとして働くことが多く見られます。 女性を再雇用する制度があれば、退職前に蓄積した職業能力を発揮して働くことも可能です。企業 の事情を良く知った人を再雇用するメリットは大きいのではないかと思います。   【取組事例】 複線型人事制度を導入し、出産時に退職して子育てが一段落して復帰することも可 能にしている。子育てが一段落した女性は、知識も経験もあるので即戦力として積極 的に活用している。復帰して、リーダーとして活躍している女性もいる。(電気製品製 造業、200 人)

❸ 取組計画をつくる

 取組目標にしたがって、具体的な取組策を検討し、取組計画をつくってみましょう。素案が できたら、従業員の意見を聴いてみましょう。パートや契約社員の意見も聴いてみましょう。  「ポジティブ・アクション取組計画:企画書例」(32 ページ)や「ポジティブ・アクションの取組 事例」(38 ~ 53 ページ)を参考にしてください。

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